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JavaからKotlinクラスを呼び出す際のポイントと注意点を徹底解説

Kotlin

JavaとKotlinはどちらもAndroid開発やバックエンド開発で広く使われる言語ですが、Kotlinのモダンな機能や簡潔な文法が注目され、JavaからKotlinへ移行するプロジェクトが増えています。その中で、既存のJavaコードからKotlinクラスや関数を呼び出す必要が出てきます。本記事では、JavaとKotlin間の相互運用性を理解し、JavaからKotlinコードを安全かつ効率的に呼び出すための方法と注意点について解説します。互換性の基本概念から具体的な呼び出し手順、よくあるエラーとその解決策までをカバーし、スムーズな移行と開発効率向上をサポートします。

目次
  1. JavaとKotlinの互換性について
    1. 相互運用性の仕組み
    2. KotlinのアノテーションとJava
    3. 互換性のポイント
  2. KotlinクラスのJava呼び出し方法
    1. 基本的なKotlinクラスの呼び出し
    2. コンストラクタの呼び出し
    3. 静的メソッドとしての呼び出し
    4. トップレベル関数の呼び出し
    5. まとめ
  3. Kotlinのデフォルト引数とJavaの相互運用性
    1. Kotlinのデフォルト引数の定義
    2. Javaからの呼び出しの問題点
    3. 解決方法：オーバーロードを生成する
    4. コンストラクタのデフォルト引数
    5. まとめ
  4. Kotlinのnull安全とJavaの注意点
    1. Kotlinのnull安全の基本
    2. Javaからnullを渡す場合
    3. JavaでKotlinのnull安全なプロパティを使用する
    4. @Nullableと@NonNullアノテーションの活用
    5. プラットフォーム型に注意
    6. まとめ
  5. Kotlinのトップレベル関数をJavaで呼び出す
    1. トップレベル関数の定義
    2. Javaからトップレベル関数を呼び出す
    3. トップレベル関数に`@file:JvmName`アノテーションを使用する
    4. トップレベルプロパティの呼び出し
    5. 注意点
    6. まとめ
  6. KotlinのデータクラスとJavaでの使用
    1. データクラスの定義
    2. Javaからデータクラスを呼び出す
    3. コンポーネント関数の呼び出し
    4. copy()関数の使用
    5. 注意点
    6. まとめ
  7. Kotlin特有のコレクションとJavaの互換性
    1. Kotlinの基本的なコレクション
    2. JavaからKotlinのリストを呼び出す
    3. JavaとKotlinのコレクションの相互変換
    4. MutableコレクションとJavaの互換性
    5. KotlinのマップとJavaの互換性
    6. 注意点
    7. まとめ
  8. 相互運用性でよくあるエラーと対処法
    1. 1. NullPointerException (NPE) の発生
    2. 2. Kotlinのデフォルト引数がJavaで使えない
    3. 3. Kotlinのトップレベル関数の呼び出し名が分からない
    4. 4. KotlinのプロパティがJavaから適切にアクセスできない
    5. 5. SAM変換がJavaで使えない
    6. まとめ
  9. まとめ

JavaとKotlinの互換性について


JavaとKotlinは、どちらもJava仮想マシン（JVM）上で動作するため、高い互換性を持っています。これにより、JavaコードからKotlinクラスや関数を呼び出すことが可能です。KotlinはJavaと同じバイトコードにコンパイルされるため、Kotlinで作成したクラスはJavaからシームレスに利用できます。

相互運用性の仕組み


Kotlinコンパイラは、KotlinコードをJavaと互換性のある形式でバイトコードに変換します。たとえば、Kotlinのクラスやメソッドは、Javaの標準的なクラスとメソッドとしてコンパイルされます。これにより、Java側からKotlinのクラスや関数を特別な手順なしに呼び出せます。

KotlinのアノテーションとJava


Kotlinでは、Javaとの相互運用性を向上させるためにいくつかのアノテーションが用意されています。たとえば、@JvmStaticや@JvmOverloadsといったアノテーションを使うことで、JavaコードでKotlinメソッドをより効率的に呼び出せます。

互換性のポイント

  • 同じJVM上で動作：JavaとKotlinは同じJVM上で動くため、ランタイムの互換性があります。
  • 相互呼び出しが可能：JavaからKotlinコードを呼び出す際、特別な設定は必要ありません。
  • Kotlin独自の機能：Kotlinの拡張関数やデフォルト引数など、Javaで直接利用できない機能があるため、注意が必要です。

JavaとKotlinの互換性を理解することで、両言語を柔軟に組み合わせた効率的な開発が可能になります。

KotlinクラスのJava呼び出し方法


JavaからKotlinクラスを呼び出す際は、特別な手順を必要とせず、通常のJavaクラスを扱うように呼び出せます。ここでは、基本的な手順と具体的なコード例を用いて解説します。

基本的なKotlinクラスの呼び出し


Kotlinで以下のようなクラスを定義したとします：

Kotlinのクラス（User.kt）

class User(val name: String, val age: Int) {
    fun greet() {
        println("Hello, my name is $name and I am $age years old.")
    }
}

JavaからこのKotlinクラスを呼び出すには、以下のように記述します：

Javaコード（Main.java）

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        User user = new User("Alice", 25);
        user.greet();
    }
}

コンストラクタの呼び出し


Kotlinのクラスにコンストラクタがある場合、Javaからは通常のJavaクラスと同じようにnewキーワードを使ってインスタンス化できます。

静的メソッドとしての呼び出し


Kotlinで定義した関数をJavaから静的メソッドとして呼び出したい場合、@JvmStaticアノテーションを使用します。

Kotlinコード（Utils.kt）

class Utils {
    companion object {
        @JvmStatic
        fun printMessage(message: String) {
            println(message)
        }
    }
}

Javaコード（Main.java）

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Utils.printMessage("Hello from Java!");
    }
}

トップレベル関数の呼び出し


Kotlinのトップレベル関数は、Javaからはクラスの静的メソッドとして呼び出されます。

Kotlinコード（MathUtils.kt）

fun add(a: Int, b: Int): Int {
    return a + b
}

Javaコード（Main.java）

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        int result = MathUtilsKt.add(5, 3);
        System.out.println("Result: " + result);
    }
}

まとめ


JavaからKotlinクラスを呼び出す際には、通常のJavaクラスと同様に操作できます。@JvmStaticやトップレベル関数のクラス名自動生成に注意しながら、シームレスな相互運用を実現しましょう。

Kotlinのデフォルト引数とJavaの相互運用性


Kotlinのデフォルト引数は、関数やコンストラクタに便利な柔軟性をもたらしますが、Javaから呼び出す際には注意が必要です。Javaはデフォルト引数をサポートしていないため、Kotlinのデフォルト引数を使った関数やコンストラクタをそのままJavaから呼び出すとエラーになることがあります。

Kotlinのデフォルト引数の定義


Kotlinでは以下のようにデフォルト引数を持つ関数やコンストラクタを定義できます。

Kotlinコード（Greeting.kt）

fun greet(name: String = "Guest") {
    println("Hello, $name!")
}

Javaからの呼び出しの問題点


Javaからこの関数を呼び出す場合、デフォルト引数はサポートされていないため、以下のようにエラーが発生します。

Javaコード（Main.java）

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        // エラー: greet()に引数が必要
        GreetingKt.greet();
    }
}

解決方法：オーバーロードを生成する


Kotlinの@JvmOverloadsアノテーションを使うことで、デフォルト引数をサポートする関数やコンストラクタに対して、Javaから呼び出せるオーバーロードを自動生成できます。

Kotlinコード（Greeting.kt）

@JvmOverloads
fun greet(name: String = "Guest", age: Int = 25) {
    println("Hello, $name! You are $age years old.")
}

Javaコード（Main.java）

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        GreetingKt.greet();                    // デフォルト引数が適用される
        GreetingKt.greet("Alice");              // ageにはデフォルト値25が適用される
        GreetingKt.greet("Bob", 30);            // すべての引数を指定
    }
}

コンストラクタのデフォルト引数


クラスのコンストラクタにデフォルト引数を使う場合も、@JvmOverloadsを使用するとJavaから呼び出せるオーバーロードが生成されます。

Kotlinコード（User.kt）

class User @JvmOverloads constructor(val name: String, val age: Int = 30)

Javaコード（Main.java）

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        User user1 = new User("Alice");          // デフォルトの年齢30が適用される
        User user2 = new User("Bob", 25);        // 年齢25を指定
    }
}

まとめ


Kotlinのデフォルト引数はJavaではそのままサポートされないため、@JvmOverloadsアノテーションを活用することで、Javaから柔軟に呼び出せるオーバーロードを自動生成できます。これにより、Kotlinの便利なデフォルト引数機能をJavaプロジェクトでも効率的に利用できます。

Kotlinのnull安全とJavaの注意点


Kotlinはnull安全性を言語レベルでサポートしており、nullによるエラー（NullPointerException）を未然に防ぐ仕組みが整っています。一方、Javaはnull安全性を保証していないため、KotlinとJavaのコードを相互運用する際には注意が必要です。

Kotlinのnull安全の基本


Kotlinでは、変数やパラメータがnullになる可能性がある場合、?をつけて宣言します。

Kotlinコード

fun greet(name: String?) {
    println("Hello, ${name ?: "Guest"}")
}

Javaからnullを渡す場合


Javaからこの関数を呼び出す場合、nullを引数として渡せます。

Javaコード

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        GreetingKt.greet(null);  // Kotlin側でnullを適切に処理
    }
}

JavaでKotlinのnull安全なプロパティを使用する


Kotlinのプロパティがnull安全として定義されている場合、Javaからアクセスする際には注意が必要です。

Kotlinコード

class User(val name: String?)

Javaコード

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        User user = new User(null);
        String name = user.getName();  // この値がnullの場合、JavaではNullPointerExceptionが発生する可能性がある
    }
}

@Nullableと@NonNullアノテーションの活用


KotlinではJavaとの相互運用性を向上させるために、@Nullableや@NonNullアノテーションを使用できます。

Kotlinコード

import org.jetbrains.annotations.Nullable

fun getName(): String? {
    return null
}

Java側でこのメソッドを呼び出す際、IDEがnullの可能性を警告してくれます。

Javaコード

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        String name = ExampleKt.getName();  // IDEがnullの可能性を警告する
        if (name != null) {
            System.out.println(name);
        } else {
            System.out.println("Name is null");
        }
    }
}

プラットフォーム型に注意


KotlinがJavaのメソッドやフィールドを参照する場合、型が「プラットフォーム型」として認識されます。これはnullの安全性が不明な型です。

Javaコード

public class Example {
    public String getMessage() {
        return null;
    }
}

Kotlinコード

fun main() {
    val message = Example().message  // これはString!型（プラットフォーム型）として扱われる
    println(message.length)          // NullPointerExceptionが発生する可能性がある
}

まとめ


KotlinとJavaを相互運用する際、null安全性の違いに注意する必要があります。@Nullableや@NonNullアノテーションを活用し、Kotlin側でnullチェックを適切に行うことで、NullPointerExceptionを防ぎ、安全に開発を進めましょう。

Kotlinのトップレベル関数をJavaで呼び出す


Kotlinでは、クラスに属さない関数を「トップレベル関数」として定義できます。これにより、ユーティリティ関数や補助関数を簡潔に記述できます。しかし、Javaからトップレベル関数を呼び出す際には注意が必要です。ここでは、トップレベル関数の呼び出し方と関連するポイントを解説します。

トップレベル関数の定義


以下のように、Kotlinファイルにトップレベル関数を定義できます。

Kotlinコード（MathUtils.kt）

package com.example.utils

fun add(a: Int, b: Int): Int {
    return a + b
}

Javaからトップレベル関数を呼び出す


Kotlinのトップレベル関数は、コンパイル時に「ファイル名Kt」というクラス名に変換されます。上記の例では、MathUtils.ktというファイル名なので、JavaからはMathUtilsKtというクラス名を使って呼び出します。

Javaコード（Main.java）

import com.example.utils.MathUtilsKt;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        int result = MathUtilsKt.add(5, 3);
        System.out.println("Result: " + result);  // 出力: Result: 8
    }
}

トップレベル関数に`@file:JvmName`アノテーションを使用する


ファイル名に依存するクラス名を変更したい場合、@file:JvmNameアノテーションを使います。これにより、Javaから呼び出すクラス名を任意に指定できます。

Kotlinコード（MathUtils.kt）

@file:JvmName("Calculator")
package com.example.utils

fun add(a: Int, b: Int): Int {
    return a + b
}

Javaコード（Main.java）

import com.example.utils.Calculator;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        int result = Calculator.add(7, 2);
        System.out.println("Result: " + result);  // 出力: Result: 9
    }
}

トップレベルプロパティの呼び出し


トップレベルで定義されたプロパティも、Javaからはクラスの静的フィールドとして呼び出せます。

Kotlinコード（Config.kt）

package com.example.config

val VERSION: String = "1.0.0"

Javaコード（Main.java）

import com.example.config.ConfigKt;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("Version: " + ConfigKt.getVERSION());  // 出力: Version: 1.0.0
    }
}

注意点

  1. クラス名の自動生成：トップレベル関数を呼び出す際は、ファイル名に「Kt」が付いたクラス名を使用する必要があります。
  2. パッケージの指定：Javaから呼び出す際には、Kotlinのファイルが属するパッケージを正しくインポートする必要があります。
  3. @file:JvmName：クラス名を変更する場合は、@file:JvmNameアノテーションを使いましょう。

まとめ


Kotlinのトップレベル関数はJavaからも簡単に呼び出せますが、クラス名の自動生成に注意が必要です。@file:JvmNameアノテーションを活用すれば、呼び出しやすいクラス名に変更できます。これにより、KotlinとJavaの相互運用性をさらに高めることができます。

KotlinのデータクラスとJavaでの使用


Kotlinのデータクラス（data class）は、データ保持用のクラスを簡潔に定義するための便利な機能です。データクラスを使用すると、自動的にequals()、hashCode()、toString()、copy()、およびコンポーネント関数（component1()、component2()など）が生成されます。JavaからKotlinのデータクラスを呼び出す際には、いくつかのポイントと注意点があります。

データクラスの定義


以下は、基本的なKotlinのデータクラスの定義例です。

Kotlinコード（Person.kt）

data class Person(val name: String, val age: Int)

Javaからデータクラスを呼び出す


Javaからこのデータクラスを使用する場合、通常のJavaクラスと同じようにインスタンスを生成し、メソッドを呼び出せます。

Javaコード（Main.java）

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Person person = new Person("Alice", 30);

        // toString()の呼び出し
        System.out.println(person.toString());  // 出力: Person(name=Alice, age=30)

        // equals()の使用
        Person anotherPerson = new Person("Alice", 30);
        System.out.println(person.equals(anotherPerson));  // 出力: true

        // hashCode()の使用
        System.out.println(person.hashCode());
    }
}

コンポーネント関数の呼び出し


Kotlinのデータクラスにはコンポーネント関数（component1()、component2()など）が自動生成されます。Javaからこれらの関数を呼び出すことも可能です。

Javaコード

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Person person = new Person("Bob", 25);

        // component1()とcomponent2()の呼び出し
        System.out.println(person.component1());  // 出力: Bob
        System.out.println(person.component2());  // 出力: 25
    }
}

copy()関数の使用


Kotlinのデータクラスには、オブジェクトをコピーするためのcopy()関数が自動生成されます。Javaからこのcopy()関数を使用することができます。

Javaコード

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Person original = new Person("Charlie", 28);
        Person copy = original.copy("Charlie", 30);  // 年齢だけ変更

        System.out.println(copy.toString());  // 出力: Person(name=Charlie, age=30)
    }
}

注意点

  1. 不変性：データクラスのプロパティはval（不変）で定義されることが多いため、Javaからは値を変更できません。
  2. コンストラクタの引数順：Javaからデータクラスを呼び出す際、コンストラクタの引数順に注意が必要です。
  3. null安全性：Javaからデータクラスのプロパティにnullを渡す場合、Kotlin側でnull安全性を考慮する必要があります。

まとめ


KotlinのデータクラスはJavaからシームレスに呼び出せます。toString()、equals()、hashCode()、およびcopy()といった自動生成メソッドを活用することで、効率的にデータ操作が可能です。Javaとの相互運用を考慮し、データクラスの利便性を最大限に活用しましょう。

Kotlin特有のコレクションとJavaの互換性


Kotlinには、Javaの標準コレクションに加えて、より安全で便利なコレクション操作機能が用意されています。JavaとKotlinのコードを相互運用する場合、Kotlin特有のコレクションをJavaで使用する際に注意すべきポイントがいくつかあります。

Kotlinの基本的なコレクション


Kotlinでは、以下のような基本的なコレクションが使用できます。

  • List（リスト）
  • Set（セット）
  • Map（マップ）

これらは不変（valで宣言）または可変（mutable）として宣言できます。

Kotlinコード

val immutableList = listOf("Apple", "Banana", "Cherry")
val mutableList = mutableListOf("Dog", "Cat", "Bird")

JavaからKotlinのリストを呼び出す


JavaからKotlinで定義したリストにアクセスする場合、通常のJavaコレクションと同じように扱えます。

Kotlinコード（CollectionUtils.kt）

fun getFruits(): List<String> {
    return listOf("Apple", "Banana", "Cherry")
}

Javaコード（Main.java）

import java.util.List;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        List<String> fruits = CollectionUtilsKt.getFruits();
        System.out.println(fruits.get(0));  // 出力: Apple
    }
}

JavaとKotlinのコレクションの相互変換


KotlinとJavaのコレクションは互換性がありますが、Kotlinで安全に操作するためには、変換が必要な場合があります。

Kotlinコード（CollectionUtils.kt）

fun convertToKotlinList(javaList: java.util.List<String>): List<String> {
    return javaList
}

Javaでリストを作成し、Kotlin関数に渡します。

Javaコード（Main.java）

import java.util.Arrays;
import java.util.List;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        List<String> javaList = Arrays.asList("One", "Two", "Three");
        List<String> kotlinList = CollectionUtilsKt.convertToKotlinList(javaList);
        System.out.println(kotlinList);
    }
}

MutableコレクションとJavaの互換性


KotlinのMutableListやMutableSetはJavaの標準的なリストやセットとして認識されます。

Kotlinコード

fun getMutableList(): MutableList<String> {
    return mutableListOf("Red", "Green", "Blue")
}

Javaから呼び出して要素を追加できます。

Javaコード

import java.util.List;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        List<String> colors = CollectionUtilsKt.getMutableList();
        colors.add("Yellow");
        System.out.println(colors);  // 出力: [Red, Green, Blue, Yellow]
    }
}

KotlinのマップとJavaの互換性


KotlinのマップもJavaのMapとして使用できます。

Kotlinコード

fun getColorMap(): Map<String, String> {
    return mapOf("R" to "Red", "G" to "Green", "B" to "Blue")
}

Javaから呼び出します。

Javaコード

import java.util.Map;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Map<String, String> colorMap = CollectionUtilsKt.getColorMap();
        System.out.println(colorMap.get("R"));  // 出力: Red
    }
}

注意点

  1. 不変と可変の違い：Kotlinの不変コレクション（listOf）をJavaから変更しようとするとエラーになります。
  2. Null安全性：Javaのコレクションにはnullが含まれる可能性があるため、Kotlinで処理する際は注意が必要です。
  3. 拡張関数：Kotlinの拡張関数（例：filter、map）はJavaから直接呼び出せません。

まとめ


KotlinとJavaのコレクションは高い互換性を持ちますが、不変性やnull安全性に注意が必要です。相互変換や適切な呼び出し方法を理解し、Kotlinのコレクション機能をJavaでも効率的に活用しましょう。

相互運用性でよくあるエラーと対処法


JavaとKotlinのコードを相互運用する際には、言語の設計や機能の違いからさまざまなエラーが発生することがあります。ここでは、よくあるエラーとその対処法について解説します。

1. NullPointerException (NPE) の発生


原因：Javaはnull安全性を保証していないため、JavaのメソッドがKotlinにnullを返すと、Kotlin側でNullPointerExceptionが発生することがあります。

例：
Javaコード

public class UserManager {
    public String getUserName() {
        return null;
    }
}

Kotlinコード

fun main() {
    val userName = UserManager().userName  // NPEが発生
    println(userName.length)
}

対処法：
Kotlin側でnullチェックを行うか、@Nullableアノテーションを活用しましょう。

fun main() {
    val userName = UserManager().userName ?: "Guest"
    println(userName.length)
}

2. Kotlinのデフォルト引数がJavaで使えない


原因：Javaはデフォルト引数をサポートしていないため、Kotlin関数にデフォルト引数がある場合、Javaから呼び出すとエラーが発生します。

Kotlinコード

fun greet(name: String = "Guest") {
    println("Hello, $name")
}

Javaコード

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        // エラー：引数が必要
        GreetingKt.greet();
    }
}

対処法：
@JvmOverloadsアノテーションを使ってオーバーロードを生成します。

@JvmOverloads
fun greet(name: String = "Guest") {
    println("Hello, $name")
}

3. Kotlinのトップレベル関数の呼び出し名が分からない


原因：Kotlinのトップレベル関数は、Javaではファイル名Ktというクラス名で呼び出します。

Kotlinコード（Utils.kt）

fun sayHello() {
    println("Hello!")
}

Javaコード

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        UtilsKt.sayHello();
    }
}

対処法：
クラス名を明示的に変更したい場合は、@file:JvmNameを使用します。

@file:JvmName("Utility")
fun sayHello() {
    println("Hello!")
}

JavaからはUtility.sayHello()で呼び出せます。

4. KotlinのプロパティがJavaから適切にアクセスできない


原因：KotlinのプロパティはJavaのゲッター/セッターとしてコンパイルされるため、直接フィールドとしてアクセスできません。

Kotlinコード

class User(var name: String)

Javaコード

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        User user = new User("Alice");
        // エラー: フィールドに直接アクセスできない
        // System.out.println(user.name);

        // 正しい呼び出し方
        System.out.println(user.getName());
    }
}

5. SAM変換がJavaで使えない


原因：Kotlinではシングル抽象メソッド（SAM）インターフェースを簡潔に記述できますが、Javaからはラムダ式で呼び出せません。

Kotlinコード

fun runTask(task: Runnable) {
    task.run()
}

fun main() {
    runTask { println("Task executed") }
}

Javaコード

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        // Javaでは匿名クラスを使用
        CollectionUtilsKt.runTask(new Runnable() {
            @Override
            public void run() {
                System.out.println("Task executed");
            }
        });
    }
}

まとめ


JavaとKotlinの相互運用では、言語の特性や機能の違いからエラーが発生しやすいです。null安全性、デフォルト引数、トップレベル関数の呼び出し、プロパティのアクセス方法など、よくあるエラーを理解し、適切な対処法を実践することで、シームレスな相互運用を実現できます。

まとめ


本記事では、JavaからKotlinクラスを呼び出す際の重要なポイントと注意点について解説しました。JavaとKotlinは高い互換性を持ち、相互運用が容易ですが、Kotlin特有の機能（デフォルト引数、null安全性、データクラス、トップレベル関数など）にはJava側で考慮すべき点があります。

  • デフォルト引数：Javaでは@JvmOverloadsアノテーションを使い、オーバーロードを生成することで対応。
  • null安全性：JavaからKotlinコードを呼び出す際は、nullチェックを徹底。
  • データクラス：自動生成されるメソッド（toString()、equals()、copy()など）を活用。
  • トップレベル関数：Javaではファイル名Ktのクラス名で呼び出し、@file:JvmNameでカスタマイズ可能。
  • コレクションの互換性：KotlinとJavaのコレクション変換を適切に行う。

これらのポイントを押さえることで、JavaとKotlinを組み合わせた効率的で安全な開発が可能になります。相互運用性を最大限に活用し、プロジェクトの品質と開発効率を向上させましょう。

Kotlin
java Kotlin Android開発 クロス言語呼び出し

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目次
  1. JavaとKotlinの互換性について
    1. 相互運用性の仕組み
    2. KotlinのアノテーションとJava
    3. 互換性のポイント
  2. KotlinクラスのJava呼び出し方法
    1. 基本的なKotlinクラスの呼び出し
    2. コンストラクタの呼び出し
    3. 静的メソッドとしての呼び出し
    4. トップレベル関数の呼び出し
    5. まとめ
  3. Kotlinのデフォルト引数とJavaの相互運用性
    1. Kotlinのデフォルト引数の定義
    2. Javaからの呼び出しの問題点
    3. 解決方法：オーバーロードを生成する
    4. コンストラクタのデフォルト引数
    5. まとめ
  4. Kotlinのnull安全とJavaの注意点
    1. Kotlinのnull安全の基本
    2. Javaからnullを渡す場合
    3. JavaでKotlinのnull安全なプロパティを使用する
    4. @Nullableと@NonNullアノテーションの活用
    5. プラットフォーム型に注意
    6. まとめ
  5. Kotlinのトップレベル関数をJavaで呼び出す
    1. トップレベル関数の定義
    2. Javaからトップレベル関数を呼び出す
    3. トップレベル関数に`@file:JvmName`アノテーションを使用する
    4. トップレベルプロパティの呼び出し
    5. 注意点
    6. まとめ
  6. KotlinのデータクラスとJavaでの使用
    1. データクラスの定義
    2. Javaからデータクラスを呼び出す
    3. コンポーネント関数の呼び出し
    4. copy()関数の使用
    5. 注意点
    6. まとめ
  7. Kotlin特有のコレクションとJavaの互換性
    1. Kotlinの基本的なコレクション
    2. JavaからKotlinのリストを呼び出す
    3. JavaとKotlinのコレクションの相互変換
    4. MutableコレクションとJavaの互換性
    5. KotlinのマップとJavaの互換性
    6. 注意点
    7. まとめ
  8. 相互運用性でよくあるエラーと対処法
    1. 1. NullPointerException (NPE) の発生
    2. 2. Kotlinのデフォルト引数がJavaで使えない
    3. 3. Kotlinのトップレベル関数の呼び出し名が分からない
    4. 4. KotlinのプロパティがJavaから適切にアクセスできない
    5. 5. SAM変換がJavaで使えない
    6. まとめ
  9. まとめ