KotlinでEnumクラスを使った状態管理の完全ガイド

Kotlinでアプリケーションの状態を効率的に管理するには、Enumクラスを活用するのが有効です。Enumクラスは複数の状態や種類をシンプルかつ安全に表現でき、状態遷移や条件分岐を明確にします。本記事では、Enumクラスの基本的な使い方から、状態管理の応用例まで、Kotlinでの効果的な活用方法を具体的に解説します。これにより、可読性が高く、保守性のあるコードを実現する方法を理解できるでしょう。

目次
  1. Enumクラスとは何か
    1. Enumクラスの特徴
    2. 基本的な構文
  2. Enumクラスで状態を管理するメリット
    1. 1. **コードの可読性向上**
    2. 2. **型安全性の向上**
    3. 3. **条件分岐のシンプル化**
    4. 4. **拡張性とメンテナンス性の向上**
    5. 5. **状態遷移の管理が容易**
  3. Enumクラスの基本的な定義方法
    1. 基本的なEnumクラスの定義
    2. Enumクラスの使用方法
    3. Enumクラスを使った条件分岐
    4. Enumクラスのインデックスと名前
    5. Enum定数の一覧を取得
  4. Enumにプロパティとメソッドを追加する方法
    1. Enumにプロパティを追加する
    2. Enumにメソッドを追加する
    3. Enumにデフォルトメソッドを定義する
    4. コンストラクタやプロパティを使用した複雑な例
    5. まとめ
  5. Enumで状態遷移を管理する具体例
    1. 状態遷移の基本構造
    2. 状態遷移の解説
    3. 状態遷移の検証
    4. 状態遷移を伴うステートマシンの応用例
    5. まとめ
  6. Enumとwhen式の活用法
    1. 基本的なEnumとwhen式の使い方
    2. 複数のケースをまとめる
    3. when式でEnumのすべての定数をカバーする
    4. Enumにプロパティやメソッドを持たせた場合のwhen式
    5. まとめ
  7. Enumクラスでのエラーハンドリング
    1. Enumを使ったエラー状態の定義
    2. Enumを用いたエラーハンドリングの実装
    3. エラー状態に追加情報を持たせる
    4. 不明なエラーへの対応
    5. まとめ
  8. Enumの応用例:アプリケーションの状態管理
    1. 例:シンプルな画面遷移の状態管理
    2. 例:認証フローの状態管理
    3. 状態遷移を伴うTodoアプリの例
    4. 状態管理のベストプラクティス
    5. まとめ
  9. まとめ

Enumクラスとは何か


KotlinにおけるEnumクラス(列挙型)は、特定の値の集合を定義するためのクラスです。Javaにもある概念ですが、Kotlinではより柔軟に使うことができます。Enumクラスを使うことで、コード内で固定された選択肢を表現でき、誤った値の代入を防ぎ、ロジックを明確にすることが可能です。

Enumクラスの特徴

  • 定数の集合:Enumクラスは特定の定数のみを持ちます。
  • 型安全性:不正な値を防ぎ、型安全な状態管理が可能です。
  • カスタムプロパティとメソッド:Enumにプロパティやメソッドを追加して、複雑なロジックを組み込めます。

基本的な構文


KotlinでEnumクラスを定義する基本的な構文は以下の通りです。

enum class State {
    START, RUNNING, FINISHED
}

この例では、StateというEnumクラスが3つの定数 STARTRUNNINGFINISHED を持っています。これにより、状態を一貫して管理することができます。

Enumクラスを正しく活用することで、状態管理がシンプルかつ安全に行えるようになります。

Enumクラスで状態を管理するメリット


KotlinにおいてEnumクラスを使って状態を管理することには、さまざまな利点があります。特に、コードの可読性や安全性、保守性を向上させる点で有効です。

1. **コードの可読性向上**


Enumクラスを使用することで、状態が明確に定義され、コードを見ただけでその意図が理解しやすくなります。

例:

enum class ConnectionState {
    CONNECTED, DISCONNECTED, CONNECTING
}

// 状態を使用するコード
val state = ConnectionState.CONNECTED

状態がEnumで定義されているため、CONNECTEDDISCONNECTEDという意味が直感的に分かります。

2. **型安全性の向上**


誤った値の代入を防ぐことができます。例えば、文字列や数値で状態を管理するとタイプミスが発生する可能性がありますが、Enumを使うことで防げます。

良い例:

val state: ConnectionState = ConnectionState.CONNECTED

悪い例:

val state: String = "connected" // タイプミスしやすい

3. **条件分岐のシンプル化**


when式と組み合わせることで、状態に応じた処理が簡潔に記述できます。

when (state) {
    ConnectionState.CONNECTED -> println("接続されています")
    ConnectionState.DISCONNECTED -> println("接続が切れています")
    ConnectionState.CONNECTING -> println("接続中です")
}

4. **拡張性とメンテナンス性の向上**


状態の追加や変更が容易で、コードの保守がしやすくなります。新しい状態をEnumに追加するだけで、他のロジックを大幅に修正せずに済みます。

5. **状態遷移の管理が容易**


Enumを使えば、特定の状態からの遷移ルールを明確にし、バグを減らすことが可能です。


Enumクラスを使用することで、状態管理がシンプルになり、エラーの少ない堅牢なコードを作成できます。

Enumクラスの基本的な定義方法


KotlinにおけるEnumクラスの基本的な定義方法を見ていきましょう。Enumクラスは特定の定数の集合を表すために使われ、シンプルな構文で記述できます。

基本的なEnumクラスの定義


KotlinでEnumクラスを定義するには、enum classキーワードを使用します。

例:

enum class Status {
    PENDING, IN_PROGRESS, COMPLETED, FAILED
}

この例では、Statusという名前のEnumクラスが4つの定数 PENDINGIN_PROGRESSCOMPLETEDFAILED を持っています。

Enumクラスの使用方法


Enumの値にアクセスするには、クラス名を指定してアクセスします。

val currentStatus = Status.IN_PROGRESS
println(currentStatus) // 出力: IN_PROGRESS

Enumクラスを使った条件分岐


Enumクラスを使うことで、when式で状態ごとの処理を分岐することができます。

when (currentStatus) {
    Status.PENDING -> println("処理がまだ始まっていません")
    Status.IN_PROGRESS -> println("処理中です")
    Status.COMPLETED -> println("処理が完了しました")
    Status.FAILED -> println("処理が失敗しました")
}

Enumクラスのインデックスと名前


KotlinのEnumには、デフォルトで ordinal(インデックス)と name(名前)プロパティが用意されています。

val status = Status.COMPLETED

println(status.name)     // 出力: COMPLETED
println(status.ordinal)  // 出力: 2(インデックスは0から始まる)

Enum定数の一覧を取得


Enumクラスのすべての定数を配列として取得するには、values()メソッドを使用します。

for (status in Status.values()) {
    println(status)
}

出力:

PENDING  
IN_PROGRESS  
COMPLETED  
FAILED  

KotlinのEnumクラスは、シンプルな状態管理や条件分岐に役立ち、コードの可読性と安全性を向上させます。基本的な定義と活用方法を理解することで、より効率的に状態を管理できるようになります。

Enumにプロパティとメソッドを追加する方法


KotlinのEnumクラスは、定数だけでなく、プロパティやメソッドを追加することで、より高度な状態管理が可能です。これにより、Enumをオブジェクト指向的に活用できます。

Enumにプロパティを追加する


Enumクラスにプロパティを追加する場合、コンストラクタを定義して各定数に値を設定します。

例:状態ごとに説明メッセージを持つEnum

enum class Status(val message: String) {
    PENDING("処理待ちです"),
    IN_PROGRESS("処理中です"),
    COMPLETED("処理が完了しました"),
    FAILED("処理が失敗しました")
}

fun main() {
    val currentStatus = Status.IN_PROGRESS
    println(currentStatus.message) // 出力: 処理中です
}

Enumにメソッドを追加する


Enumクラスにメソッドを定義することで、各状態ごとの振る舞いを追加できます。

例:Enumにメソッドを追加して状態の説明を取得する

enum class Status {
    PENDING {
        override fun getDescription() = "処理がまだ開始されていません"
    },
    IN_PROGRESS {
        override fun getDescription() = "処理が進行中です"
    },
    COMPLETED {
        override fun getDescription() = "処理が正常に完了しました"
    },
    FAILED {
        override fun getDescription() = "処理が失敗しました"
    };

    abstract fun getDescription(): String
}

fun main() {
    val currentStatus = Status.COMPLETED
    println(currentStatus.getDescription()) // 出力: 処理が正常に完了しました
}

Enumにデフォルトメソッドを定義する


すべてのEnum定数で共通の動作を持たせたい場合は、デフォルトメソッドを定義できます。

例:共通のメソッドを持つEnum

enum class Priority(val level: Int) {
    LOW(1),
    MEDIUM(2),
    HIGH(3);

    fun isHighPriority(): Boolean {
        return this.level >= 3
    }
}

fun main() {
    val taskPriority = Priority.HIGH
    println(taskPriority.isHighPriority()) // 出力: true
}

コンストラクタやプロパティを使用した複雑な例


複数のプロパティやカスタムメソッドを組み合わせることで、Enumクラスを柔軟に拡張できます。

例:複数のプロパティとメソッドを持つEnum

enum class OrderStatus(val code: Int, val description: String) {
    NEW(0, "新規注文"),
    PROCESSING(1, "処理中"),
    SHIPPED(2, "発送済み"),
    DELIVERED(3, "配達完了"),
    CANCELED(4, "キャンセル済み");

    fun isFinal(): Boolean {
        return this == DELIVERED || this == CANCELED
    }
}

fun main() {
    val status = OrderStatus.SHIPPED
    println(status.description)          // 出力: 発送済み
    println(status.isFinal())             // 出力: false
}

まとめ


KotlinのEnumクラスにプロパティやメソッドを追加することで、状態管理がより柔軟で強力になります。これにより、状態ごとのデータや振る舞いをひとまとめにでき、コードの可読性や保守性が向上します。

Enumで状態遷移を管理する具体例


KotlinのEnumクラスを使えば、状態遷移をシンプルかつ安全に管理することができます。特に、状態が特定のルールに従って変化するステートマシンの実装に適しています。

状態遷移の基本構造


Enumで状態遷移を管理するには、各状態に次の状態や遷移ロジックを定義します。

例:注文処理の状態遷移

enum class OrderStatus {
    NEW {
        override fun next() = PROCESSING
    },
    PROCESSING {
        override fun next() = SHIPPED
    },
    SHIPPED {
        override fun next() = DELIVERED
    },
    DELIVERED {
        override fun next() = this
    };

    abstract fun next(): OrderStatus
}

fun main() {
    var status = OrderStatus.NEW
    println("初期状態: $status") // 出力: 初期状態: NEW

    status = status.next()
    println("次の状態: $status") // 出力: 次の状態: PROCESSING

    status = status.next()
    println("次の状態: $status") // 出力: 次の状態: SHIPPED

    status = status.next()
    println("次の状態: $status") // 出力: 次の状態: DELIVERED

    status = status.next()
    println("最終状態: $status") // 出力: 最終状態: DELIVERED
}

状態遷移の解説

  • OrderStatusは注文の状態を管理するEnumクラスです。
  • 各状態next()メソッドをオーバーライドし、次の状態を返します。
  • DELIVEREDは最終状態なので、自分自身を返します。

状態遷移の検証


状態遷移のルールを守っているか検証するコードも簡単に書けます。

例:不正な状態遷移の防止

fun processOrder(status: OrderStatus) {
    when (status) {
        OrderStatus.NEW -> println("新しい注文を処理します")
        OrderStatus.PROCESSING -> println("注文を処理中です")
        OrderStatus.SHIPPED -> println("注文が発送されました")
        OrderStatus.DELIVERED -> println("注文が配達完了です")
    }
}

fun main() {
    val currentStatus = OrderStatus.PROCESSING
    processOrder(currentStatus) // 出力: 注文を処理中です
}

状態遷移を伴うステートマシンの応用例


複雑な状態遷移の例:タスク管理システム

enum class TaskState {
    TODO {
        override fun next() = IN_PROGRESS
    },
    IN_PROGRESS {
        override fun next() = DONE
    },
    DONE {
        override fun next() = this
    };

    abstract fun next(): TaskState
}

fun main() {
    var taskState = TaskState.TODO
    println("タスク状態: $taskState") // 出力: タスク状態: TODO

    taskState = taskState.next()
    println("タスク状態: $taskState") // 出力: タスク状態: IN_PROGRESS

    taskState = taskState.next()
    println("タスク状態: $taskState") // 出力: タスク状態: DONE
}

まとめ


KotlinのEnumクラスを使うと、状態遷移を明確に定義でき、複雑なフローでも安全かつシンプルに管理できます。遷移ロジックをEnumに組み込むことで、バグの少ない堅牢なシステムを構築できます。

Enumとwhen式の活用法


Kotlinでは、Enumクラスとwhen式を組み合わせることで、状態ごとの処理をシンプルかつ明確に記述できます。when式は、switch文の強化版であり、複数の条件分岐を簡潔に表現するのに適しています。

基本的なEnumとwhen式の使い方


Enumとwhen式を用いて、状態に応じた処理を実行する基本的な例を見てみましょう。

例:注文状態に応じたメッセージの表示

enum class OrderStatus {
    NEW, PROCESSING, SHIPPED, DELIVERED, CANCELED
}

fun displayOrderMessage(status: OrderStatus) {
    when (status) {
        OrderStatus.NEW -> println("新しい注文が作成されました。")
        OrderStatus.PROCESSING -> println("注文を処理中です。")
        OrderStatus.SHIPPED -> println("注文が発送されました。")
        OrderStatus.DELIVERED -> println("注文が配達されました。")
        OrderStatus.CANCELED -> println("注文がキャンセルされました。")
    }
}

fun main() {
    displayOrderMessage(OrderStatus.SHIPPED) // 出力: 注文が発送されました。
}

複数のケースをまとめる


when式では、複数のEnum定数を同じブロックで処理することができます。

例:処理中および発送中の状態をまとめる

fun displayProcessingStatus(status: OrderStatus) {
    when (status) {
        OrderStatus.NEW -> println("注文がまだ処理されていません。")
        OrderStatus.PROCESSING, OrderStatus.SHIPPED -> println("注文を処理中または発送中です。")
        OrderStatus.DELIVERED -> println("注文が配達済みです。")
        OrderStatus.CANCELED -> println("注文がキャンセルされました。")
    }
}

fun main() {
    displayProcessingStatus(OrderStatus.PROCESSING) // 出力: 注文を処理中または発送中です。
}

when式でEnumのすべての定数をカバーする


when式でEnumのすべての定数をカバーしない場合、コンパイラが警告を出します。これにより、追加した定数を見逃すミスを防げます。

例:すべてのEnum定数をカバーする

fun describeStatus(status: OrderStatus) {
    when (status) {
        OrderStatus.NEW -> println("新規注文です。")
        OrderStatus.PROCESSING -> println("処理中です。")
        OrderStatus.SHIPPED -> println("発送済みです。")
        OrderStatus.DELIVERED -> println("配達完了です。")
        OrderStatus.CANCELED -> println("キャンセルされました。")
    }
}

Enumにプロパティやメソッドを持たせた場合のwhen式


Enumにプロパティやメソッドがある場合でも、when式で処理できます。

例:プロパティを使用した処理

enum class Priority(val level: Int) {
    LOW(1), MEDIUM(2), HIGH(3)
}

fun handlePriority(priority: Priority) {
    when (priority.level) {
        1 -> println("低優先度のタスクです。")
        2 -> println("中優先度のタスクです。")
        3 -> println("高優先度のタスクです。")
    }
}

fun main() {
    handlePriority(Priority.HIGH) // 出力: 高優先度のタスクです。
}

まとめ


Kotlinのwhen式とEnumクラスを組み合わせることで、状態ごとの処理を明確かつ効率的に記述できます。複数の条件をまとめたり、すべての定数を網羅することで、バグを減らし、保守性の高いコードを書くことが可能になります。

Enumクラスでのエラーハンドリング


KotlinのEnumクラスを活用すると、エラーハンドリングをシンプルかつ効果的に行えます。特定の状態に基づいたエラー処理や、想定外の状態への対応を安全に管理できます。

Enumを使ったエラー状態の定義


まず、エラー状態をEnumで定義します。これにより、エラーの種類が明確になり、管理が容易になります。

例:APIリクエストのエラー状態の定義

enum class ApiError(val message: String) {
    NETWORK_ERROR("ネットワークエラーが発生しました"),
    TIMEOUT_ERROR("リクエストがタイムアウトしました"),
    AUTHENTICATION_ERROR("認証エラーが発生しました"),
    UNKNOWN_ERROR("不明なエラーが発生しました")
}

Enumを用いたエラーハンドリングの実装


Enumを使ってエラー状態を判定し、適切な処理を実行する例です。

fun handleApiError(error: ApiError) {
    when (error) {
        ApiError.NETWORK_ERROR -> println("ネットワーク接続を確認してください。")
        ApiError.TIMEOUT_ERROR -> println("サーバーの応答がありません。後でもう一度試してください。")
        ApiError.AUTHENTICATION_ERROR -> println("ログイン情報を確認してください。")
        ApiError.UNKNOWN_ERROR -> println("予期しないエラーが発生しました。サポートに連絡してください。")
    }
}

fun main() {
    val currentError = ApiError.TIMEOUT_ERROR
    handleApiError(currentError) // 出力: サーバーの応答がありません。後でもう一度試してください。
}

エラー状態に追加情報を持たせる


Enumに追加のプロパティを持たせることで、エラーに関連する詳細情報を保持できます。

例:エラーコードとメッセージを持つEnum

enum class FileError(val code: Int, val description: String) {
    FILE_NOT_FOUND(404, "ファイルが見つかりません"),
    PERMISSION_DENIED(403, "ファイルへのアクセスが拒否されました"),
    READ_ERROR(500, "ファイルの読み取り中にエラーが発生しました")
}

fun handleFileError(error: FileError) {
    println("エラーコード: ${error.code}, 内容: ${error.description}")
}

fun main() {
    val error = FileError.PERMISSION_DENIED
    handleFileError(error) // 出力: エラーコード: 403, 内容: ファイルへのアクセスが拒否されました
}

不明なエラーへの対応


when式ですべてのEnum定数をカバーしない場合、不明なエラーへのデフォルト処理を記述することで、安全に対応できます。

例:不明なエラーのハンドリング

fun handleGeneralError(error: ApiError) {
    when (error) {
        ApiError.NETWORK_ERROR -> println("ネットワークエラーが発生しました。")
        ApiError.TIMEOUT_ERROR -> println("タイムアウトしました。")
        ApiError.AUTHENTICATION_ERROR -> println("認証エラーです。")
        else -> println("未定義のエラーが発生しました。")
    }
}

fun main() {
    val unknownError = ApiError.UNKNOWN_ERROR
    handleGeneralError(unknownError) // 出力: 未定義のエラーが発生しました。
}

まとめ


KotlinのEnumクラスを活用することで、エラー状態を明確に定義し、シンプルなエラーハンドリングが実現できます。追加のプロパティやwhen式と組み合わせることで、詳細なエラー情報や柔軟なエラー処理が可能になります。

Enumの応用例:アプリケーションの状態管理


KotlinのEnumクラスを使うことで、アプリケーションの状態管理がシンプルで分かりやすくなります。特に、複数の画面や処理ステップが存在するアプリケーションでの状態管理に効果的です。

例:シンプルな画面遷移の状態管理


アプリケーションにおける画面遷移をEnumで管理する例です。

Enumで画面状態を定義

enum class ScreenState {
    HOME, PROFILE, SETTINGS, ERROR
}

画面状態に応じた処理を実装

fun navigateTo(state: ScreenState) {
    when (state) {
        ScreenState.HOME -> println("ホーム画面に移動します")
        ScreenState.PROFILE -> println("プロフィール画面に移動します")
        ScreenState.SETTINGS -> println("設定画面に移動します")
        ScreenState.ERROR -> println("エラー画面に移動します")
    }
}

fun main() {
    navigateTo(ScreenState.HOME)       // 出力: ホーム画面に移動します
    navigateTo(ScreenState.PROFILE)    // 出力: プロフィール画面に移動します
}

例:認証フローの状態管理


ログイン画面における認証の状態をEnumで管理することで、明確なフローを構築できます。

Enumで認証状態を定義

enum class AuthState {
    LOGGED_OUT, LOGGING_IN, LOGGED_IN, LOGIN_FAILED
}

状態に応じた処理

fun handleAuthState(state: AuthState) {
    when (state) {
        AuthState.LOGGED_OUT -> println("ログアウト状態です")
        AuthState.LOGGING_IN -> println("ログイン処理中です")
        AuthState.LOGGED_IN -> println("ログインに成功しました")
        AuthState.LOGIN_FAILED -> println("ログインに失敗しました")
    }
}

fun main() {
    handleAuthState(AuthState.LOGGING_IN)   // 出力: ログイン処理中です
    handleAuthState(AuthState.LOGIN_FAILED) // 出力: ログインに失敗しました
}

状態遷移を伴うTodoアプリの例


Todoタスクの状態をEnumで管理することで、タスクの進行状況を簡単に追跡できます。

Enumでタスクの状態を定義

enum class TaskStatus {
    TODO, IN_PROGRESS, DONE, ARCHIVED
}

タスクの状態遷移と処理

fun updateTaskStatus(task: String, status: TaskStatus) {
    when (status) {
        TaskStatus.TODO -> println("タスク「$task」は未着手です")
        TaskStatus.IN_PROGRESS -> println("タスク「$task」は進行中です")
        TaskStatus.DONE -> println("タスク「$task」は完了しました")
        TaskStatus.ARCHIVED -> println("タスク「$task」はアーカイブされました")
    }
}

fun main() {
    updateTaskStatus("レポート作成", TaskStatus.TODO)        // 出力: タスク「レポート作成」は未着手です
    updateTaskStatus("レポート作成", TaskStatus.IN_PROGRESS) // 出力: タスク「レポート作成」は進行中です
    updateTaskStatus("レポート作成", TaskStatus.DONE)        // 出力: タスク「レポート作成」は完了しました
}

状態管理のベストプラクティス

  1. シンプルなEnum定義:状態が増えすぎないよう、シンプルに保つ。
  2. 明確な遷移ルール:Enumの各状態に対する遷移を明確に定義する。
  3. 拡張性を考慮:将来の変更を考慮し、柔軟に追加できる構造にする。
  4. エラーハンドリング:想定外の状態に備えたデフォルト処理を用意する。

まとめ


KotlinのEnumクラスを活用することで、アプリケーションの状態管理が効率的になり、コードの可読性や保守性が向上します。画面遷移や認証フロー、タスク管理など、さまざまな場面で応用できるため、積極的に取り入れましょう。

まとめ


本記事では、KotlinにおけるEnumクラスを使った状態管理について解説しました。Enumクラスの基本概念から、プロパティやメソッドの追加、状態遷移の管理方法、when式を活用した条件分岐、エラーハンドリング、さらには実際のアプリケーションでの応用例まで、具体的に紹介しました。

Enumクラスを利用することで、状態が明確になり、コードの可読性や保守性が大幅に向上します。特に複雑な状態遷移が必要な場面では、Enumクラスを活用することでシンプルで堅牢な実装が可能です。Kotlinの強力な型安全性と併せて、状態管理の効率を最大限に高めていきましょう。

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目次
  1. Enumクラスとは何か
    1. Enumクラスの特徴
    2. 基本的な構文
  2. Enumクラスで状態を管理するメリット
    1. 1. **コードの可読性向上**
    2. 2. **型安全性の向上**
    3. 3. **条件分岐のシンプル化**
    4. 4. **拡張性とメンテナンス性の向上**
    5. 5. **状態遷移の管理が容易**
  3. Enumクラスの基本的な定義方法
    1. 基本的なEnumクラスの定義
    2. Enumクラスの使用方法
    3. Enumクラスを使った条件分岐
    4. Enumクラスのインデックスと名前
    5. Enum定数の一覧を取得
  4. Enumにプロパティとメソッドを追加する方法
    1. Enumにプロパティを追加する
    2. Enumにメソッドを追加する
    3. Enumにデフォルトメソッドを定義する
    4. コンストラクタやプロパティを使用した複雑な例
    5. まとめ
  5. Enumで状態遷移を管理する具体例
    1. 状態遷移の基本構造
    2. 状態遷移の解説
    3. 状態遷移の検証
    4. 状態遷移を伴うステートマシンの応用例
    5. まとめ
  6. Enumとwhen式の活用法
    1. 基本的なEnumとwhen式の使い方
    2. 複数のケースをまとめる
    3. when式でEnumのすべての定数をカバーする
    4. Enumにプロパティやメソッドを持たせた場合のwhen式
    5. まとめ
  7. Enumクラスでのエラーハンドリング
    1. Enumを使ったエラー状態の定義
    2. Enumを用いたエラーハンドリングの実装
    3. エラー状態に追加情報を持たせる
    4. 不明なエラーへの対応
    5. まとめ
  8. Enumの応用例:アプリケーションの状態管理
    1. 例:シンプルな画面遷移の状態管理
    2. 例:認証フローの状態管理
    3. 状態遷移を伴うTodoアプリの例
    4. 状態管理のベストプラクティス
    5. まとめ
  9. まとめ