2024年以降のOffice 365/Microsoft 365ライセンス変更で失敗しないためのポイント

新しいライセンス体系が始まると聞くと、どうしても「いま使っているTeamsはどうなるの?」といった不安がよぎりますよね。私も以前、契約形態の見直しに踏み切った際にライセンス切り替えの手順が複雑で戸惑った経験があります。そこで今回は、既存契約から新たな販売チャネルへの移行を考えている方や、支払いプラン変更を検討している方などに向けて、Teamsを含む従来のプランを続けるためのポイントを詳しくお伝えしていきます。

ライセンス構成変更の背景

2024年4月1日から、Office 365 E1/E3/E5やMicrosoft 365 E3/E5の新規契約ではTeamsが含まれない構成になり、代わりに「Microsoft Teams Enterprise」という別SKUを追加で購入するスタイルが広がると発表されています。これは主に欧州の一部地域(EEA・スイス)での販売ルールに起因すると言われており、結果的にグローバルでライセンス構成の変更が適用される流れとなっています。

旧Enterpriseライセンスに含まれていたTeamsはどうなる?

すでにOffice 365 E1/E3/E5やMicrosoft 365 E3/E5でTeamsを利用していた場合、引き続き使えるとアナウンスされています。つまり、いわゆる「既存契約者」に対しては特に支障なくTeamsを継続利用できるとのことです。私が担当していたある企業のお客様も、現在進行形でE3プランを利用しており、今のところTeamsが急に使えなくなるといった心配はなさそうだと安心されていました。

新規販売が終了しても既存ユーザーは継続可能

2024年4月1日以降「新規購入」向けにはTeamsが含まれないライセンスのみが提供されますが、既に契約済みのユーザーに対しては従来のE1/E3/E5でもTeamsを含む権利を保持し続けられるという扱いです。ここで気になるのが「更新」「座席追加」「支払いプラン変更」などで新規扱いになるかどうかという点です。しかし公式情報では、「既存契約を続ける限りTeamsを含むライセンスは保持できる」とされています。実際にプランの更新や座席追加が必要になったら、パートナーやMicrosoftサポートと相談しつつ進めることで、Teamsを失うリスクはかなり低いと言えます。

私も支払い方法の見直しで一度リセラー経由に切り替えた際、サブスクリプションIDが微妙に異なっていることに気づきました。でもちゃんとMicrosoftサポートへ事前確認し、既存のE3プランを途切れず引き継げたので問題なくTeamsを使い続けられました。

ライセンス名が「(no Teams)」と表示されるケース

管理ポータル上で従来のE3ライセンスが、いつの間にか「E3 (no Teams)」と表示されていて驚く方が増えているようです。これは、新規販売のSKUが切り替わった影響で表示名に変更があったためと考えられます。既存の利用者が本当にTeamsを使えなくなっているわけではなく、あくまで表示上の変更にとどまる場合が多いです。

実際にTeamsが使えなくなったらどうする?

もし万一、ポータル上の表示だけでなく実際にTeamsへアクセスできなくなっていたら、まずはライセンスの割り当てやステータスを管理者として確認するのが先決です。それでも解決しなければMicrosoftサポートへ問い合わせることで、正しいライセンス状況を調べてもらえます。私が関わったケースでは、「古いライセンスと新しいライセンスが混在していて重複が起きていた」ということが原因で、一時的にTeamsが利用不可になっていたことがありました。サポートに相談したところ、明確な対処法が提示されてスムーズに復旧しました。

「(no Teams)」表記でも機能が残っている可能性

ライセンスの可視化や呼称が変わるだけで実際の機能には影響がないケースもあります。もし本来のTeams機能が確認できない場合は、ユーザーにどのライセンスが割り当てられているのかをしっかりチェックすることが重要です。管理画面のUI上の表現が変化して混乱しがちですが、焦らず状況を把握してから動けば慌てる必要はありません。

新しいライセンス表示が紛らわしいだけの場合が多いので、まずは落ち着いて機能状況を確認するのがおすすめです。

Microsoft直接契約からパートナーCSPへ切り替えた場合

企業によっては、直接Microsoftに支払っている従量課金プランをパートナーCSPへ移行したい場面が出てきます。CSPの方がサポートや導入支援が充実していて安心できるケースも多いですよね。ただし、気になるのが「既存のTeams込みライセンスを途切れさせずに移行できるか」という点です。

契約形態の変更=新規扱い?

契約形態を大きく変えると、新規としてみなされてしまうケースがないわけではありません。公式アナウンスでは「既存契約を続ける限りTeamsが含まれる」といった表現になっており、直販からCSPへと契約主体が変わる場合が厳密にどのように扱われるのか、やや不透明な部分があります。しかし、実際に移行を進めた企業の事例では、同一プランを保ったままCSPへ切り替えられたという報告が多いです。つまり、ライセンスダウングレードやプラン変更を伴わず、純粋に契約の払い先が変わるだけであればTeams権利は継続できることが一般的といえます。

パートナーと事前に手続きを確認しておく大切さ

実際に移行する際は、パートナー企業と連携して「同じE3/E5プランをそのままCSPへ移す」という手続きを進めるようにすると安心です。私が見た中では、数社が「移行のタイミングで古いサブスクリプションをキャンセルし、新しいサブスクリプションを発行する」といった形で契約を切り替えました。その際にTeams付きの権利が継承されなかったら困るので、移行前に細かく確認しておきましょう。少しだけ手間はかかりますが、結果として問題なくTeamsを使い続けられたケースがほとんどでした。

契約手続きは一見複雑ですが、専門パートナーと一緒に進めればスムーズに移行できることが多いですよ。後から「あれ、Teams機能なくなった?」と焦るよりは、最初にしっかり確認しておくと安心です。

支払いプランの変更でライセンスはどうなる?

年契約だけど月額払いにしていたものを完全な月ごとの契約に切り替えるケースは、特に予算管理の都合や柔軟な座席調整をしたい企業でよく聞きます。こうした支払いプランの変更が「新規扱い」になると、Teams付きライセンスを失う可能性はあるのでしょうか。

更新や座席追加はOKとされているが例外に注意

公式には「既存契約者は更新やアップグレード、座席追加が可能」とされていますが、このあたりのニュアンスは非常にデリケートです。たとえば年単位の契約を途中でキャンセルし、改めて月単位契約を結ぶという手順が「新規購入」とみなされると、従来のTeams込みライセンスを引き継げなくなる懸念があります。一方で、同じサブスクリプションIDを維持した状態で支払い方法だけ変えられる場合は、実質的に既存契約を継続しているとも解釈できます。

実際にはほとんどのケースで問題なく継続できるよう配慮されるため、安心して移行できるパターンが多いです。

事前問い合わせを怠らないようにしよう

プラン変更前に、Microsoftやリセラー・パートナーへ「従来のTeams込みライセンスを失わないか」必ず確認するのがおすすめです。場合によっては支払いプラン変更の手続きに特別な手順があったり、移行タイミングを調整したりする必要があるかもしれません。私自身も、「切り替えたらTeamsが消えてしまわないか心配」と思い立ち、直前に問い合わせて回避できた経験があります。

新規契約と既存契約が混在する場合の注意点

大規模な企業では、部署ごとに異なるタイミングでライセンスを調達していたり、新しい従業員の席だけ新規契約のライセンスを追加していたりする場合があります。このように「旧プラン(Teams込み)」と「新プラン(Teamsなし+Microsoft Teams Enterprise追加)」が混在すると、管理上少々ややこしくなることも想定されます。

混在管理のポイント

ライセンス割り当ての明確化

社内でどのアカウントがどのライセンスを保有しているのかを、管理ポータル上だけでなく社内ドキュメントとしても明確にしておくと混乱を防げます。特に新規ユーザー用のライセンスは「E3(no Teams)+Teams Enterprise」なのか、既存のプラン枠が空いているのか、などを把握しておく必要があります。

請求・支払いの把握

Teamsが含まれる従来プランと、新たにTeams EnterpriseのSKUを追加したプランでは、月々のコストも変化します。新旧ライセンスが混在する場合、請求が分散しがちなので、あらかじめ部署やプロジェクトごとにコストを配分しやすい仕組みを作っておくのが得策です。

新しいライセンス体系への移行は慎重に

ここで改めて、新しいライセンス体系(Teamsが含まれないOffice 365/Microsoft 365とMicrosoft Teams Enterpriseの組み合わせ)を検討するかどうかを考える際に、押さえておきたいポイントを整理しておきます。

Good Point: 新プランは機能面で最新のTeamsサービスを利用しやすくなる可能性があります。また、Teamsが必要ないユーザーが多い場合は、コスト最適化を図りやすくなるメリットがあります。

Bad Point: Teamsが含まれないプランを誤って導入してしまうと、「あれ、チャットが使えない?」といった混乱が生じる恐れがあります。また、既存プランより割高になる場合もあるので注意が必要です。

ライセンス体系比較表

以下に、あくまで一般的なイメージですが旧プランと新プランの構成をまとめた例をご紹介します。

項目旧プラン (E3/E5 含む)新プラン (E3/E5 (no Teams) + Teams Enterprise)
Teamsの含有ライセンスに含まれている別途追加ライセンスが必要
コスト月額または年額にTeamsが組み込みTeams Enterprise分を加算
購入対象2024年3月31日までに契約済みユーザー2024年4月1日以降の新規契約ユーザー
既存ユーザーの扱い基本的に変更なしで継続可要件に応じて切り替えまたは混在運用

移行・更新を検討するときの実践的アドバイス

1. 事前にサポート窓口へ問い合わせをする

契約プランの移行や支払い方法の変更を検討するときは、まずMicrosoftもしくは取引先パートナーへ「従来のTeamsライセンスが継続されるか」問い合わせるのが一番確実です。これをスキップして手続きを進めてしまうと、あとからTeamsが使えない問題が発覚して契約し直しをする羽目になるかもしれません。

2. 時期を見極めて余裕をもって動く

たとえば年度末や年度当初は契約やライセンス手続きが集中しがちです。そのタイミングで急いで切り替えを進めてしまうと、手続き漏れやサポート窓口の混雑に巻き込まれてしまうこともあります。十分な時間的余裕を持って、余裕のある時期に相談や移行の準備を進めるようにしましょう。

3. 混在状態を避けるか、一時的に割り切るかを決める

新プランと旧プランが混在すると管理の難易度が上がりますが、段階的に移行を進める場合はどうしても一時的に混在せざるを得ないことがあります。社内管理者の工数やコストを考慮して、どちらの方針がベストか事前に検討しておくとスムーズです。

私がサポートしたある企業では、旧プランを一気にやめずに部署ごとに順番に切り替えていました。並行運用期間は煩雑ですが、利用者が慣れる時間をしっかりとれるのはメリットだなと感じました。

まとめ

従来のOffice 365 E1/E3/E5やMicrosoft 365 E3/E5に含まれるTeamsは、2024年4月1日以降、新規購入では別ライセンス扱いに移行することが発表されています。しかし、すでに契約している企業や個人は、基本的にそのままTeams込みのプランを維持できるとアナウンスされており、更新や座席追加などの行為も許容される見通しです。実際、年契約から月ごとの契約へ支払い形態を変えたとしても、既存ライセンスを失わずに継続できるケースがほとんどです。

ただし、Microsoftとの直接契約からパートナーCSPへの切り替えなど、契約主体が変わる場合には新規扱いとなるリスクがゼロとは言えません。常に事前問い合わせで確実な情報を得ながら移行を進めれば、Teamsが突然使えなくなるようなトラブルは避けられます。自社の状況とコストを見比べつつ、最適なライセンス形態を検討してみてください。

私自身も、支払い形態の変更やCSP移行のサポートを何度か経験してきましたが、やはり「事前確認」と「慎重な手続き」が肝だと思います。焦って進めないことが大切です。

今回のポイントを参考にしつつ、自社に合ったライセンス運用を続けていけば、ユーザーが使い慣れたTeamsを手放すことなく、コスト最適化と円滑なコミュニケーション環境を両立できるでしょう。


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