Outlookを毎日使っている方にとって、フォント表示の不具合はちょっとしたストレスになることがありますよね。特にMicrosoft 365 v2405へのアップデート後に、一覧画面のタイ語が読めないほど小さくなるという報告は深刻です。ここでは実際の事例を踏まえながら、不具合の原因や回避策、さらにはExcelにも発生している問題への対処法についてまとめて解説していきます。タイ語を使う方やマルチリンガル環境での作業が多い方は、ぜひ参考にしてみてください。
Outlookのタイ語フォントが小さくなる原因と症状
Microsoft 365 (v2405) のClassic Outlookを利用している環境で、タイ語フォントが異常に小さく表示されてしまうという不具合が一部で報告されています。具体的には、メール本文を開いたときは通常のサイズで表示されるものの、メール一覧画面(受信トレイなどの一覧表示領域)においてのみ極端に小さい文字サイズになるのが特徴です。
この現象はWindowsのディスプレイ設定やフォント設定などの環境要因に左右される部分もありますが、多くの場合はアプリ側のフォントサイズ指定がおかしくなっていると考えられます。特定言語のフォントレンダリング周りで発生しているため、「タイ語フォントでしか起きない」あるいは「他の言語では問題がない」のに、タイ語だけ小さくなるといったケースが散見されます。
症状の例
- Outlookの「差出人」「件名」「プレビュー」がタイ語の場合のみ極端に小さくなる
- 本文を開くと通常サイズなので、メールを開かないと読めない
- Windowsのフォント設定を変えても改善しないことがある
- 別のユーザープロファイルでログインすると症状が出ない場合もある
アジア言語に特化したフォント設定が影響?
Microsoft Office製品は多言語に対応しているものの、内部でタイ語やその他のアジア言語を扱うときに固有のフォント指定を行うケースがあります。今回の症状では特にタイ語フォントが対象になっているため、Office内部のフォント読み込みやグローバル設定が原因の可能性が高いです。
Outlookでの回避策・対処方法
タイ語フォントが小さくなる原因は完全には解明されていませんが、現在いくつかの有効な回避策が報告されています。環境によっては設定を変更するだけで改善したというケースもあるため、まずは以下の方法を試してみるとよいでしょう。
1. 表示設定からフォントを変更する
Outlook上部の「表示」→「表示設定」→「その他の設定」画面で、メール一覧に関するフォントを直接変更できます。この操作は一覧表示部分のフォント設定を直接変えるため、タイ語フォントのサイズがおかしい場合でも効果が期待できます。
手順 | 操作内容 |
---|---|
1 | Outlook上部のリボンから「表示」をクリック |
2 | 「表示設定」を選択 |
3 | 「その他の設定」をクリック |
4 | 「行フォント(Row Font…)」と「メッセージ プレビュー フォント(Font…)」をそれぞれTahomaや8ptなどに変更 |
5 | 設定を保存して再度Outlookを確認 |
フォントを日本語フォント以外に変更したり、サイズを大きく設定するなどの調整を行うことで、タイ語フォントも読みやすい大きさに戻る可能性があります。また、Windows全体でタイ語用のフォントを新しく追加・更新してみるのも一つの手段です。
2. 「ステーショナリとフォント」からの変更
Outlookの「ファイル」→「オプション」→「メール」→「ステーショナリとフォント」からもフォントサイズや書式の変更を行えます。ただし、これは新規メール作成時や返信時の本文フォント設定に影響するのが主で、一覧表示部分への影響は限定的です。
一見同じ「フォント設定」なので混同しがちですが、メール一覧の見え方を改善したい場合は「表示設定」からの変更が効果的です。もし「ステーショナリとフォント」での変更のみを行って改善しない場合は、上記の表示設定を再確認してください。
3. ロールバック(以前のバージョンに戻す)
どうしても改善しない場合、Officeのバージョンを以前に戻す(ロールバック)という最終手段があります。Microsoft 365は自動で最新バージョンへ更新されるため、一度アンインストールして指定バージョンを再インストールする必要があります。
一般的なWindows Updateのように「一部分だけ更新をアンインストールする」手段が提供されていないため、以下のようなOffice Deployment Tool(ODT)を用いた方法が有名です。
<!-- ロールバック用のサンプル構成ファイル (config.xml) -->
<Configuration>
<Add OfficeClientEdition="64" Channel="MonthlyEnterprise" Version="16.0.16327.20214">
<Product ID="O365ProPlusRetail">
<Language ID="ja-jp" />
</Product>
</Add>
<Updates Enabled="TRUE" Channel="MonthlyEnterprise" />
<Display Level="None" AcceptEULA="TRUE" />
<Property Name="AUTOACTIVATE" Value="1" />
</Configuration>
- Office Deployment ToolをMicrosoft公式サイトからダウンロード
- 上記のような構成ファイル(config.xml)を作成
- コマンドプロンプトやPowerShellから「setup.exe /configure config.xml」のコマンドを実行
- 指定バージョンのMicrosoft 365がインストールされる
上記ではVersionに戻したいバージョンを指定します。たとえば、今より少し前のビルド番号を指定して再インストールすることで、不具合が発生しないバージョンを継続して使えます。ただし、セキュリティ更新や他の最新機能も失う恐れがあるため、ロールバックはあくまでも暫定的な対処策として捉えるのが望ましいです。
4. 新しいOutlookへの切り替え
Windows環境で利用していると、Classic Outlookとは別に「新しいOutlook」が選択できる場合があります。新しいOutlookに切り替えるとタイ語フォントが小さくなる不具合は発生しないという報告もあるため、Classic版にこだわりがなければ一時的にでも新しいUI・機能を試してみるのも手です。
新しいOutlookはUIデザインが変わるだけでなく、メール・カレンダー周りの機能や表示方法も刷新されています。そのため、移行直後に多少操作感の違いを感じることはあるかもしれませんが、不具合を回避しつつ最新のOutlookを体験できるメリットがあります。
Excelでもタイ語フォントが小さくなる不具合
同じv2405アップデート後、Outlookと同様にExcel 365でもタイ語フォントが異常に小さくなるという声があります。こちらもアプリ内部のフォント設定が原因となっている可能性が高いため、類似の対策を試すことで一時的に回避できるかもしれません。
Excelでの対策例
- 「ホーム」タブでタイ語が使用されるセルのフォントを別のもの(MS GothicやTahomaなど)に変えてみる
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」→「表示」のセクションで「システムフォント」を大きめに設定する
- Windowsの「ディスプレイ設定」で拡大率(スケーリング)を変更し、タイ語表示が拡大されるか確認
Outlookと同じくフォント周りのレンダリングが原因であれば、Excel側の内部設定やWindows側の設定変更で一時しのぎは可能です。ただし、これらは根本解決というよりはあくまで暫定的な回避策にすぎません。Microsoftが正式に不具合を認識しているのであれば、将来的に配信されるアップデートによる解決を待つことになるでしょう。
不具合修正の見込みと注意点
現時点では、Microsoftから正式な修正パッチに関するアナウンスがない状況や、アップデートのスケジュールが明確にされていないケースも珍しくありません。しかし、多言語対応に関わる不具合はグローバル展開を重視するMicrosoftにとって見過ごしにくい問題と言えます。実作業に支障があるほどの問題であれば、下記の点に留意して対処を検討してください。
- まずはOutlookの「表示設定」やExcelの「フォント設定」をカスタマイズし、手間が少ない方法を試す
- 改善しなければ、アンインストール+ロールバックを検討
- Classic Outlookにこだわりがなければ、新しいOutlookを使ってみる
- Officeの次回アップデート情報をこまめにチェックし、不具合修正の有無を確認
タイ語以外でも似たような現象が出る可能性は否定できないため、他言語を日常的に扱う方は早めに情報収集をしておくと安心です。
まとめ
Microsoft 365 (v2405) アップデート後に発生するタイ語フォントのサイズ問題は、現時点で確実に解決する「公式パッチ」が提供されていないため、ユーザー側でできる対策は限られています。しかし、Outlookの表示設定やExcelのフォント設定を工夫することで大きく改善する例も多いです。また、どうしても作業に支障が出る場合はバージョンをロールバックしたり、新しいOutlookへ切り替えるという手段もあります。将来的にMicrosoftが修正アップデートをリリースしてくれることが期待されますが、その間は今回ご紹介した回避策を活用していただければ幸いです。
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