Plannerでプランをコピーしてプロジェクト管理を効率化する方法~Basic PlanとProject Management Planの活用ポイント

Plannerを活用することで、チーム全体のタスク管理や進捗状況の可視化が容易になります。とくに類似プロジェクトや繰り返し作業が多い場合には、プランをコピーしてテンプレートとして使う方法が非常に便利です。本記事では、Plannerでのプラン複製手順や機能面での制限、さらにBasic PlanとProject Management Planの違いなどを詳しく解説します。

Plannerでプランをコピーするメリット

Plannerで一度作成したプランをコピーして再利用することで、タスクの追加やメンバーの招待といった初期設定の手間を大きく減らせます。特にプロジェクトの進め方が大きく変わらない場合や、共通するタスクが多い場合にはテンプレートを用意する感覚で使える点が魅力です。

類似プロジェクトを複数運用する際の効率化

新しいプランを一から作る場合、タスクの名称や割り当て、優先度などを何度も設定し直す必要があります。これが一度設定したプランをコピーできると、同じようなプロジェクトならすぐに流用し、進行のための大枠があらかじめ整った状態で始められます。

  • タスクの階層構造(バケット)やラベルを再利用
  • 各タスクの名前や期日設定などを短時間で整備可能
  • 同じメンバー構成での作業開始がスムーズ

テンプレート化で生産性アップ

「定型業務」「定期的に発生するイベント」など、いつも同じような手順が必要になる作業こそPlannerでのテンプレート化が効果を発揮します。プロジェクトの準備段階で必要なタスク一覧や、スケジュール感をあらかじめ登録しておけば、次回からはコピーするだけで準備にかかる時間を短縮できるのです。

Plannerでのプランをコピーする方法

実際にプランをコピーする際には、いくつか注意点や前提条件があります。特に「グループ作成権限の有無」と「Web版Plannerの利用有無」は要チェックです。

権限の確認

Plannerでプランをコピーするためには「グループの作成権限」を持っている必要があります。組織によっては管理者がグループの作成を制限している場合があり、その場合はPlannerの画面上で「コピー」オプションが表示されません。
もしコピーの項目が表示されない場合は、以下の手順で確認・対応してみてください。

  1. 組織の全体設定を確認し、Plannerのグループ作成が許可されているかどうかを確かめる
  2. 管理者に問い合わせて、必要な権限を付与してもらう
  3. 権限が付与されているユーザーからコピー操作を行う

Web版Plannerの活用

PlannerをTeamsのタブやデスクトップアプリ(Microsoft Teamsアプリの中)から利用していると、コピー機能が見当たらないケースがあります。Web版のPlannerにアクセスすると「コピー」機能がきちんと表示されることが多いので、以下の手順を試してみましょう。

  1. ブラウザで「https://tasks.office.com/」にアクセス
  2. サインイン後、Plannerの「ハブ」画面(プラン一覧)が表示される
  3. コピーしたいプランをクリックし、メニュー(…)の中に「プランをコピー」という項目があるか確認
  4. コピー先のプラン名や必要な設定を入力して複製完了

Teamsタブからの利用との違い

Teamsの中にPlannerをタブとして追加すると、チームメンバーとのコミュニケーションがしやすい反面、機能が限定的になっていることがあります。とくにプランの設定変更やコピーに関する項目が表示されない場合があるので、コピー操作はWeb版Plannerの使用をおすすめします。

以下に、Plannerの利用形態ごとの機能比較を表にまとめてみました。

利用形態特徴コピー機能の有無
Web版Plannerすべての機能が利用可能「プランのコピー」可
Teams内タブコミュニケーションと一体運用できるが機能限定コピー機能が表示されない場合が多い
モバイルアプリタスクの確認や進捗管理がメインコピー機能は基本的になし

Basic PlanからProject Management Planへの変更可否

Plannerには「Basic Plan」と呼ばれるベーシックなタスク管理用のテンプレートがありますが、そこから直接「Project Management Plan」に切り替える機能は提供されていません。実際に「Basic Planでタスクを並べて運用していたが、あとからProject Management Planに変更したい」と考える方は多いですが、現時点ではPlanner上での変換は不可となっています。

Planner単体での変更が難しい理由

Plannerはあくまでも軽量タスク管理を主目的とするサービスです。一方で「Project Management Plan」はMicrosoft Projectとの連携を見据えた高度なプロジェクト管理テンプレートを意識しており、より詳細なガントチャートやリソース管理、コスト管理などが必要になります。
Plannerはシンプルで直感的に使える一方、プロジェクト管理に不可欠な機能(予算管理やクリティカルパスの可視化など)は搭載していないため、その差分をワンクリックで埋める仕組みは準備されていません。

Project Management Planへの移行とテンプレート活用

既存のBasic PlanからProject Management Planへ移行したい場合、Planner上での直接変換はできないので「新規にProject Management Planのプランを作成し、コピー機能でタスク構成を移行する」アプローチが現実的です。
具体的には、以下のようなステップを検討するとよいでしょう。

  1. 新しいプランで「Project Management Plan」のテンプレートを選択
  2. 既存のBasic Planを「コピー」し、必要なタスク・バケットなどを再構成
  3. 作成済みのプランからタスクをエクスポートし、新プランへインポート(手動で移す場合もある)
  4. 必要に応じてコメントやファイルの添付などの情報を移行

このように、Planner上だけではワンクリック変換はできないものの、「コピー」や「新規プラン作成のテンプレート選択」を組み合わせれば、負担を軽減しながら移行可能です。

Microsoft Projectとの連携

もし本格的にプロジェクト管理を行いたい場合は、Microsoft Projectとの連携を検討することをおすすめします。Microsoft Projectは、より高度な計画管理や予算管理、リソース割り当てなどが可能であり、大規模プロジェクトや複数ステークホルダーが絡む複雑な案件には向いています。

ProjectとPlannerの比較

PlannerとMicrosoft Projectは、どちらもMicrosoft 365の一部として使われるケースが増えているツールですが、使いどころが大きく異なります。両者の機能を比較してみましょう。

項目Planner(Basic / その他)Microsoft Project
用途軽量なタスク管理、チームの進捗共有大規模プロジェクトの管理や高度なリソース・コスト管理
対応プラットフォームWeb / Teamsアプリ / モバイルWeb / デスクトップアプリ(Project Online / Project for the Web)
ガントチャートのサポートなし(一部ビューで簡易的なタイムライン)あり(詳細なガントチャート機能を搭載)
リソース管理・工数管理ほぼ不可可能(ワークロードの可視化やリソースの最適化をサポート)
コスト管理不可可能(プロジェクト予算やコストの管理機能)
学習コスト・操作性直感的で比較的簡単高度な設定が多く、運用には知識が必要
料金形態Microsoft 365プランに含まれる(無料)Projectライセンスが必要(Project Plan 1/3/5 など)

上記のように、Plannerはあくまで「シンプル&チーム向けのタスク管理」、Microsoft Projectは「本格的なプロジェクト運用」を想定しているため、それぞれの得意分野を踏まえて使い分けるのが理想です。

Planner運用のコツ

Plannerを日々のタスク管理に組み込む際、以下のような工夫をすると効率的な利用が可能です。

ラベルやカテゴリ設定をフル活用する

Plannerには、タスクを色分けできるラベル機能があります。プロジェクトによっては「開発」「レビュー」「ドキュメント整備」「テスト」「外部連携」など、各段階をラベルで分類しておくと、進捗確認が一目でわかりやすくなります。
また、同じラベルでもプロジェクトが違うと用途が変わる可能性があるため、プランのコピー後には必ずラベル名を見直しましょう。名前や色をカスタマイズしておくことで、チームメンバー全員にとってわかりやすい管理が実現します。

メンバー管理とタスクの割り振りを適切に

Plannerでのタスク割り振りは、「メンバーを招待しておけば特定のメンバーにタスクを紐付けられる」という手軽さが魅力です。タスクをコピーすると、もともとの割り振りが残った状態になるので、必要に応じて再振り分けすることを忘れないようにしましょう。
特に以下のポイントに注意します。

  • コピー後のプランが同じメンバー構成かどうかを確認
  • 新規メンバーや担当変更が必要な場合は、早めに再アサイン
  • タスク完了前に担当者不明状態にならないよう、チーム内で適宜共有

まとめ

Plannerでプランをコピーするためには、組織内でグループ作成が許可されているかをまずチェックし、Web版Plannerにアクセスして操作することがポイントです。Teams内のPlannerタブではコピー機能が非表示になっている可能性が高いため、Web版での操作が確実といえます。また、Basic PlanからProject Management Planへの直接的な変換は実装されていないため、移行したい場合は新規にProject Management Planを作成しつつ、コピーやタスクの再設定などを組み合わせて運用するのがおすすめです。
もしより高度なプロジェクト管理を行う必要があるなら、Microsoft Projectとの連携も検討するとよいでしょう。Plannerはあくまでも軽量なタスク管理に強みがあるため、ガントチャートや予算管理などが必要ならProjectとの併用が選択肢になります。
最終的には、チームの規模やプロジェクトの内容に応じてツールを選択し、テンプレート化やラベル機能の活用、メンバーの管理を整えていくことで、効率的なタスク管理・進捗把握につなげられます。Plannerのコピー機能を活用し、より快適な業務フローをぜひ構築してみてください。

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