Microsoft Edgeのバックグラウンド動作を完全に停止する方法|レジストリ編集など具体的対策

Microsoft Edgeを普段から利用していると、ブラウザを閉じたはずなのに裏で動き続けることがあり、メモリを消費していたりセキュリティ面で不安を感じたりするケースがあります。そんなときに「どうすれば確実にEdgeを終了させられるのか?」を知っておくと、不要な負荷を避けられ、気持ちよくPCを使い続けられるでしょう。この記事では、Edgeの設定からレジストリの編集まで、具体的な解決策を幅広く解説します。

Microsoft Edgeが閉じてもバックグラウンドで動作し続ける理由

EdgeはChromiumベースのブラウザとして高速性・拡張性を備えている一方で、標準でバックグラウンド実行機能がオンになっている場合があります。これは、再度ブラウザを起動するときの立ち上げ速度を上げるためや、拡張機能(アドオン)の更新や通知などを受け取るために設計されているものです。

実際にEdgeを閉じてもタスクマネージャーを開くと、複数のプロセスが残っている様子を確認できることがあります。特に「バックグラウンドで拡張機能とアプリを実行する」や「起動ブースト」の設定がオンだと、ユーザーが終了操作を行ってもEdgeのプロセスが完全に落ちきらない状態になりがちです。

ただし、最近のアップデート以降は、これらの設定をオフにしてもなお、裏で動作し続けるという声が多く報告されているのも事実です。そこで次に、バックグラウンド実行を抑制するための一般的な設定方法と、より踏み込んだ対策方法を具体的に紹介します。

バックグラウンド実行をオフにする基本設定

Edgeがバックグラウンドで動作し続けるのを防ぐために、まずはブラウザの設定画面から確認してみましょう。最近のEdgeバージョンでは「システムとパフォーマンス」という項目があり、そこで関連するオプションを調整できます。

1. Edgeのシステム設定を確認する

  1. Edgeを起動し、右上にある「…」アイコンをクリックして「設定」を選択します。
  2. 左側のメニューから「システムとパフォーマンス」をクリックします。
  3. 以下の二つの項目をオフに設定しましょう。
  • 「Microsoft Edgeを閉じた後もバックグラウンドで拡張機能とアプリを実行する」
  • 「起動ブースト」

これらをオフにすると、通常はEdgeを閉じたときにメモリとCPUを使用し続けないように動作が切り替わります。しかし、冒頭で触れたように、これだけでは問題が解決しない場合もあるため、次のステップも検討しましょう。

2. 設定が効かない場合の対処

上記の項目をオフにしたにもかかわらず、Edgeがバックグラウンドで動き続けるケースがあります。この場合は以下の方法を検討してください。

  • タスクマネージャーからの手動終了
    Edgeを閉じたあと、Windowsのタスクマネージャーを開いて「Microsoft Edge」または「msedge.exe」のプロセスをすべて終了させるという方法です。手動で毎回操作する手間がありますが、レジストリの編集などのリスクを回避したい場合の一時的な対処策となります。
  • ブラウザのアップデートを待つ
    Microsoftが公式にアップデートをリリースすることで修正される可能性もあります。問題が広く報告されているときは、フィードバックツール(Alt + Shift + I)を使って不具合を送信すると、開発陣に早く届くかもしれません。

レジストリを使った上級者向けの対策

上記の設定だけではどうしてもバックグラウンド動作が止まらない場合、レジストリを編集してEdgeのサイドバー機能を無効化することで、プロセスを減らす手段があります。これはEdgeの一部機能を制限するため、リスクとメリットをよく理解した上で行う必要があります。

1. レジストリ編集の流れ

  1. Windowsの検索バーなどから「regedit」と入力し、レジストリエディタ(regedit.exe)を右クリックして「管理者として実行」を選びます。
  2. レジストリエディタが起動したら、以下のキーを展開してください:
   HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge


もし「Edge」フォルダがなければ手動で作成します。

  1. この「Edge」キーの下に「DWORD(32 ビット)値」を作成し、名前を
   StandaloneHubsSidebarEnabled


として値を「0」に設定します。

  1. 設定が終わったら、PCを再起動するかEdgeを再起動しましょう。

この操作でEdgeのサイドバー機能が無効化されるため、バックグラウンドのプロセスが減り、Edgeを閉じたあとに残り続ける可能性が減少します。ただし、サイドバー機能を利用しているユーザーにとっては、一部の拡張機能やサイドバーからのアプリ操作などが使えなくなるデメリットもある点に注意してください。

2. レジストリ編集のリスクと注意点

  • システム不具合の可能性:レジストリを誤って編集すると、Windowsそのものの動作に影響が出る可能性があります。編集前には必ずバックアップをとりましょう。
  • 組織管理の表示:このようにPoliciesキーを編集すると、Edgeの設定画面などに「組織によって管理されています」と表示されることがありますが、個人環境でも問題なく利用できます。
  • 拡張機能の制限:一部の拡張機能やアプリがサイドバー経由で動作している場合は、使えなくなる可能性があります。自分の運用に合うかどうか事前によく検討してください。

Edgeプロセスを完全に終了させるための追加ポイント

一度レジストリを使ったり設定をオフにしたりした後も、場合によってはEdgeがバックグラウンドで動き続けることがあります。そこで、いくつかの追加ポイントを確認してみましょう。

1. PC起動時のスタートアップ登録を確認

Edgeが「スタートアップ」として登録されていると、PC起動直後からプロセスが走っている可能性があります。以下をチェックしてください。

  1. タスクバーを右クリックし、「タスクマネージャー」を開きます。
  2. 「スタートアップ」タブを選択し、Microsoft Edgeが含まれていないか確認します。
  3. 含まれていた場合は、右クリックから「無効」を選択し、PCを再起動します。

2. 拡張機能の設定を個別に確認

拡張機能の中には、常にバックグラウンドで動いているものがあります。拡張機能を一括でオフにしてから動作を確認すると、どの拡張機能が原因かが判明することもあります。

  1. Edgeを起動して「設定」→「拡張機能」を開きます。
  2. すべての拡張機能をオフにして一度ブラウザを閉じ、プロセスが終了するか確認します。
  3. 正常に終了した場合は、拡張機能を一つずつオンにしてテストし、原因の拡張機能を特定します。

3. セキュリティソフトとの競合の可能性

セキュリティソフトによっては、ブラウザの常駐保護や独自のスキャン機能がEdgeプロセスを維持している場合もあります。セキュリティソフトの設定画面で「ブラウザ保護」などの項目をオフにすると、Edgeが終了しやすくなるケースもあります。ただし、セキュリティレベルが下がる可能性もあるため、十分に理解した上で調整してください。

よくあるQ&A

Q1. バックグラウンドでEdgeが動作し続けると、メモリはどのくらい使われるの?

A. 一般的には数百MBの範囲でメモリを使うことが多いですが、拡張機能の数や種類、またバックグラウンドで動作している処理内容によってはそれ以上になることもあります。PCのメモリに余裕があれば問題ない場合もありますが、なるべくリソースを解放したいときには対策を講じるのがおすすめです。

Q2. Edgeをタスクマネージャーで終了させる以外に、自動的に落とす方法はある?

A. すぐには利用できる標準機能はありませんが、スクリプトやバッチファイルを作成し、PC終了時や特定のタイミングで「タスク終了」コマンドを実行する方法があります。ただし、一般ユーザーにとっては手間がかかるため、Edge自体の設定やレジストリ修正で十分な場合はそちらを優先しましょう。

Q3. レジストリでサイドバーを無効化すると、どんな機能が失われるの?

A. EdgeのサイドバーからアクセスできるニュースフィードやOutlook、Office関連機能など、一部サービスへのクイックアクセスが利用できなくなります。また、関連する拡張機能があればそれらの動作にも影響が出ることがあります。普段からサイドバーを使っていない場合はあまり影響ありませんが、ヘビーユーザーにはデメリットかもしれません。

Q4. 一時的にEdgeではなく、ほかのブラウザを使うのはあり?

A. もちろん選択肢としては有効です。ChromeやFirefox、Operaなど、ChromiumベースやGeckoベースのブラウザも豊富に存在します。ただし、Windowsとの連携やMicrosoft 365との統合機能を活用したい場合には、やはりEdgeが便利なシーンも多いです。

まとめ

Microsoft Edgeが閉じた後もバックグラウンドで動き続ける問題は、設定や拡張機能、レジストリなど複合的な原因が絡むため、まずは以下の対策を順に試すことをおすすめします。

対策内容メリットデメリット
設定画面で「バックグラウンド実行」や「起動ブースト」をオフにする手軽に行え、Edgeの公式推奨手順最新版Edgeでは効かないケースがある
タスクマネージャーで手動強制終了すぐに実行できる確実な方法毎回手動操作が必要
レジストリ編集 (StandaloneHubsSidebarEnabled = 0)サイドバー機能を無効化し、Edgeプロセスを減らす設定画面に「組織管理」表示が出る、サイドバー機能が使えない
拡張機能の個別チェック原因が特定できれば設定変更のみで済むどの拡張機能が問題か特定に時間がかかる可能性
セキュリティソフトとの連携設定変更Edgeプロセスを抑制できる場合もあるソフトの機能低下や保護レベル低下に注意が必要
  • オフにする設定が複数ある:Edgeの「システムとパフォーマンス」や「スタートアップ登録」、さらには拡張機能のバックグラウンド設定など、いくつかの場所を総合的にチェックすることが大切です。
  • レジストリ編集は自己責任:上級者向けの方法としては有効ですが、誤った操作をするとシステムに不具合を生じるリスクがあります。事前に復元ポイントを作成するなど十分に注意しましょう。
  • Edgeを長く使うために:バックグラウンド実行を停止したり、必要がない拡張機能をオフにすることでリソースを節約し、安全性も高めることができます。EdgeはWindowsと密に連携するブラウザですから、トラブルが起きたときの対処法を知っておけば、より快適なPCライフが送れるはずです。

最終的に、設定の見直しとレジストリ修正を組み合わせることで、Edgeの裏動作を効果的に抑制できる可能性があります。それでも解決しない場合は、Microsoft公式のサポート情報を参照したり、他ブラウザへの切り替えを一時的に検討するのも選択肢です。自分の利用スタイルに合った方法を取り入れ、不要なバックグラウンド動作から解放されましょう。

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