Microsoft Edge拡張機能「CelestialQuasaror」を完全削除する方法|管理者ロック解除の手順

パソコンを使っていると、意図しない拡張機能が勝手にインストールされてしまったり、組織や管理者によって制御される設定が思うように変更できなかったりすることがあります。とりわけMicrosoft Edgeの拡張機能で「Administratorにより管理されています」と表示されている場合、通常の方法では削除できず困惑する方も多いのではないでしょうか。

「Administratorにより管理されています」と表示される拡張機能とは

Microsoft Edgeにおいて、拡張機能の上部または詳細画面に「Administratorにより管理されています」という表示が出るケースがあります。これは、Windowsのグループポリシーやレジストリ設定によって、拡張機能やブラウザの動作が強制的に管理されている状態を意味します。企業や教育機関などの組織環境ではよく見られる構成ですが、個人環境でも特定のソフトウェアがポリシーを設定している場合があるのです。

「CelestialQuasaror」のような拡張機能が削除できない場合には、単純にEdgeの[拡張機能]一覧から「削除」をクリックするだけではなく、レジストリやポリシー周りの設定を見直す必要があります。以下では、その具体的な手順を詳しく解説していきます。

削除に必要な準備:Edgeの拡張機能が管理される仕組みを理解する

管理者ロックがかかっている拡張機能を削除する際には、まず以下のポイントを理解しておくとスムーズです。

1. 拡張機能がどのようにインストールされるのか

Microsoft Edgeの拡張機能は、通常はユーザーがMicrosoft StoreやChrome Web Storeなどから手動で導入します。しかし、一部の拡張機能はWindowsのグループポリシーやレジストリキーを通じてシステム管理者が強制的にインストールさせることが可能です。こうした拡張機能はユーザー権限だけでは削除できない場合があります。

2. 「Administratorにより管理」されるポリシーの実態

拡張機能の管理には、おもに以下の二つの場所(レジストリキー)が関係します。

  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge
  • HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge

これらのキー配下に拡張機能に関する設定やポリシーがあると、ユーザーがブラウザ上から自由に拡張機能を消去できなくなります。

3. 管理者権限を取得する重要性

レジストリを操作するには通常のユーザー権限ではアクセスが制限されることが多く、特にシステム領域にあたる「HKEY_LOCAL_MACHINE」配下のキーを削除したり編集したりするには管理者権限が必須です。社用端末や組織環境では、さらに厳重にロックされている場合があるため、必ず自分がシステム管理者としての権限を持って作業を行う必要があります。

CelestialQuasaror拡張機能を完全に削除するための具体的な手順

以下では、実際にMicrosoft Edgeの拡張機能「CelestialQuasaror」が管理者ロックされている状況を想定した対処法をご紹介します。

1. Edgeブラウザを完全に終了する

まずは作業に取りかかる前に、Microsoft Edgeをすべて終了させます。バックグラウンドで起動し続ける場合もあるため、タスクマネージャー等で確認し、Edge関連のプロセスが残っていないことをチェックしてください。ブラウザが起動中だと、レジストリを編集しても変更が有効にならない場合があります。

2. レジストリエディタを開く

Windowsキーを押し、「regedit」と入力してレジストリエディタを起動します。必ず「管理者として実行」してレジストリエディタを開いてください。

アドレスバーの有効化

レジストリエディタを開いたら、上部メニューの「表示」から「アドレスバー」を有効にします。こうすることで、任意のレジストリパスを直接入力して移動しやすくなります。アドレスバーが見える状態にしておきましょう。

3. レジストリキーの削除対象を特定

下記のパスを順に確認し、Edge拡張機能のポリシーが存在するか確認します。

レジストリキー名存在有無を確認するフォルダ
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft「Edge」フォルダ
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Policies\Microsoft「Edge」フォルダ

これらの場所に「Edge」というフォルダがあれば、管理ポリシーが設定されている可能性が高いです。フォルダ内には「ExtensionInstallForcelist」など拡張機能を強制インストールするキーが格納されている場合があります。CelestialQuasarorに関わる記述が確認できたら、そのキーを削除または該当フォルダごと削除を試みます。

削除ができない時の対処例

削除を実行しようとすると「アクセスが拒否されました」などのエラーが表示されるケースがあります。その場合は以下の対策を行いましょう。

  1. フォルダ(キー)の所有権を自分のアカウントに変更する
    レジストリエディタで削除したいキーを右クリック → [アクセス許可] → [詳細設定] → [所有者]の欄で、現在のユーザーアカウントに変更します。
    その上で、ユーザーに「フルコントロール」権限を付与し、再度削除を試みます。
  2. 上位のキーに遡って所有権を変更する
    子のレジストリキーだけでなく、上位フォルダの所有権を変更しないと削除できない場合があります。必要に応じて上位キーのアクセス許可を調整しながら進めます。
  3. コンピューターを再起動して再度試す
    レジストリエディタはリアルタイムで変更が反映されますが、別のプロセスがキーを使用中の場合や一時的にロックがかかっている場合は再起動を挟むことで削除できることがあります。

4. Edgeを再起動して拡張機能が削除できるか確認

レジストリから管理ポリシーを取り除いた後は、改めてMicrosoft Edgeを起動し、「拡張機能」セクションを開きましょう。これまで「Administratorにより管理されています」と表示されて削除ボタンが無効化されていた拡張機能が、自分の操作で削除可能になっているか確認します。もしここでまだ削除できない場合は、以下の追加対処策を検討してください。

追加のポイントと注意点

1. 管理者権限のチェック

意外と見落としがちなのが「レジストリエディタを通常起動している」ケースです。Windows 10以降では、スタートボタンを右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選び、「regedit」と入力すると、通常ユーザー権限で立ち上がる場合があります。必ず「管理者として実行」を選択しないと、一部のキーにアクセスできません。

2. グループポリシーが適用されている場合

職場や学校など、組織の管理下にある端末では、グループポリシーによって拡張機能のインストールや削除が制御されているケースがあります。その際は、レジストリを削除できたとしても、再度ポリシーが適用されるタイミングで同じキーが復活する可能性があります。下記を確認してください。

  • グループポリシーエディタでの設定
    Windowsキー + Rキーを押して「gpedit.msc」を起動し、以下のパスをチェックします。
    [コンピューターの構成] → [管理用テンプレート] → [Microsoft Edge] → [拡張機能]
    こちらで「拡張機能の強制インストール」が設定されていないか確認しましょう。
  • システム管理者への依頼
    自分でポリシーを変更できない場合は、IT部門やシステム管理者へ問い合わせてロックを解除してもらう必要があります。

3. オンラインで配布される不審な拡張機能に注意

「CelestialQuasaror」のように、あまり聞き慣れない拡張機能が知らぬ間にインストールされていた場合は、マルウェアやスパイウェアが裏で勝手にポリシーを追加しているリスクも否定できません。常にウイルス対策ソフトやマルウェアスキャンを実施しておき、怪しいプロセスや設定が残っていないかを総合的に確認することが推奨されます。

トラブルシューティング:削除作業がうまくいかない場合

管理者権限を用いてレジストリキーを削除しても拡張機能が残る、あるいは削除後も再起動時に復活するなどの症状が起こりうることがあります。そのような時は、より深いレベルでの対応が必要です。

1. 拡張機能ファイルの物理的存在を確認する

ブラウザ拡張機能は、場合によってはファイルとしてローカルディスクに配置されることがあります。通常はユーザープロファイルやシステムフォルダの奥深くに保存されます。以下のような場所を探して、怪しいフォルダが残っていないかを確認しましょう。

  • C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Edge\User Data\Default\Extensions
  • C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\<バージョン>\Extensions
  • C:\Program Files\Microsoft\Edge\Application\<バージョン>\Extensions

2. Windows Defenderやその他セキュリティソフトのスキャン

マルウェア等が裏で拡張機能を仕込んでいる場合は、レジストリ編集だけでは対処しきれないことがあります。Windows Defenderのフルスキャンや、セキュリティソフトによるスキャンを実施することで、不審なファイルやプロセスが検知されるか確認してください。

3. クリーンブートの実行

常駐アプリケーションやサービスが原因でレジストリの編集がブロックされている可能性もあります。クリーンブート(必要最低限のサービスとスタートアップだけを有効化してWindowsを起動する方法)を試すことで、余計なプロセスに邪魔されずにレジストリ編集が可能になる場合があります。

クリーンブート手順の例

  1. Windowsキー + R を押し、「msconfig」と入力してシステム構成を開く。
  2. 「サービス」タブで「Microsoftのサービスを隠す」にチェックを入れ、「すべて無効にする」をクリック。
  3. 「スタートアップ」タブ(Windows 10の場合は「タスクマネージャーを開く」)で、不要なスタートアップ項目を無効化。
  4. 再起動してクリーンな状態でログインし、再度レジストリキーの削除を試す。

トラブル回避と今後の対策

1. 自動アップデート設定の見直し

Microsoft Edgeは自動アップデートで機能が追加・修正されるため、拡張機能の管理ルールも更新される可能性があります。定期的にEdgeのバージョンを確認し、必要に応じてアップデートするか、あるいは問題が起きる場合はアップデート一時停止を考慮しましょう(企業環境の場合はIT管理者の指示に従う)。

2. 信頼できる拡張機能だけを導入する

マルウェアに近い拡張機能を回避するには、Chrome Web StoreやMicrosoft Storeでのユーザーレビューをチェックし、信頼性が高い拡張機能だけを使用するのが賢明です。怪しい拡張機能や開発元不明のものはインストールを控えるか、セキュリティソフトで検証してから導入しましょう。

3. 定期的なバックアップとシステムのスナップショット

レジストリ編集は非常に強力な操作です。誤ったキーを削除すると、システム全体に不具合が起こるリスクもあります。大切なデータや設定を守るために、定期的なバックアップを習慣づけることが重要です。特にビジネス用途のPCでは、システムのスナップショットやイメージバックアップを取っておくと安心です。

まとめ:管理ポリシー下の拡張機能削除のポイント

ここまで解説したように、Microsoft Edgeで「Administratorにより管理されています」と表示される拡張機能(今回は「CelestialQuasaror」を例にしています)は、以下の手順を踏むことで削除が可能になるケースが多いです。

  1. Edgeを完全に終了
    作業前にすべてのEdgeプロセスを終了させて、レジストリへの変更が正しく反映されるようにする。
  2. レジストリエディタの使用
    「regedit」を管理者権限で起動し、Policies配下にある「Microsoft\Edge」フォルダと、その中の拡張機能関連キーを削除する。
  3. 削除ができない場合の対処
    所有権の変更、アクセス許可の設定、再起動、セキュリティソフトによるスキャン、グループポリシーの確認などを行う。
  4. 企業環境など組織管理下では管理者に相談
    グループポリシー自体が原因である場合はシステム管理者による変更が必要。自己判断でいじるとポリシーに抵触する恐れもあるので、正式に申請するのが望ましい。
  5. 今後の拡張機能管理
    なるべく信頼できるストアから拡張機能を導入し、怪しい開発元や未知の拡張機能を安易にインストールしないように注意する。また、定期的にセキュリティソフトでスキャンを行い、レジストリの監視も行うと安心です。

以上のポイントを押さえることで、厄介な拡張機能がブラウザに居座るのを回避しやすくなります。特にレジストリ操作は細心の注意を払って行う必要がありますが、正しく対処すれば「CelestialQuasaror」のように管理者ロックされた拡張機能もきれいに削除できます。もし操作に不安がある場合は、Windowsに詳しい知人やシステム管理者にサポートを依頼するとよいでしょう。

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