Microsoft Edgeを日常的に利用していると、お気に入り登録したサイトのアイコンがあるだけで探しやすく、ちょっとした達成感も生まれます。しかし、このアイコンはいつの間にか消えてしまうこともあり、再取得やバックアップでの復元手順を知っていると非常に便利です。ここでは、Microsoft Edgeのブックマークアイコンがどこに保存されているのか、そしてアイコンが消えた際の対処法やバックアップによる復元方法を詳しく解説していきます。
Microsoft Edgeのお気に入りアイコンの管理概要
Microsoft EdgeはChromiumベースに移行してから、ブックマーク(お気に入り)の管理方法がGoogle Chromeとほぼ同様になりました。お気に入りを登録すると、該当サイトにアクセスした際にそのWebサイトのファビコン(favicon)がキャッシュとして保存され、次回以降はそのキャッシュされたアイコンを利用して表示する仕組みです。
このファビコンが一度消えてしまうと、もう一度同じサイトにアクセスしない限り自動で再表示されにくいという特性があります。そこで、アイコンを一括で復元したい場合や、バックアップから複数のブックマークアイコンをまとめて戻したい場合、どのファイルを扱えばよいのかを正しく理解しておくとスムーズに対応できるようになります。
Edgeのアイコン保存先の基本的な考え方
Chromium系ブラウザでは、基本的に「Favicons」と呼ばれるデータベースファイルがアイコン情報を管理しています。このファイルはSQLite形式で、アイコンのURLや画像のバイナリデータなどが格納されています。また、同期などが行われる際には同時に「Favicons-journal」などの補助ファイルを用いて一貫性を保ちながら更新されます。
旧Edge(EdgeHTML版)の場合
旧Edge(Windows 10にプリインストールされていた初期のEdge)は「Spartan」と呼ばれる独自エンジンを使っており、Chromiumベースとは構造が大きく異なっていました。そのため、保存先やファイル構造も違う部分があります。ただし、Windows Updateによって新Edge(Chromium版)への切り替えが進んだことで、現在はChromiumベースのEdgeを利用している環境がほとんどになっています。もし旧Edgeをあえて継続利用している場合は、アイコン管理方法が別であることを認識しておきましょう。
お気に入りアイコンが保存される具体的な場所
多くの環境では、以下のパスに「Favicons」というファイルが存在しています。
%LocalAppData%\Microsoft\Edge\User Data\Default\Favicons
上記はWindowsの環境変数「%LocalAppData%」を使った書き方ですが、実際のフォルダパスとしては、
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Edge\User Data\Default\Favicons
のようになります。ユーザー名の部分には、実際に使用しているWindowsアカウント名が入る点に注意してください。また、複数のプロファイルを使い分けている場合は「Default」ではなく「Profile 1」「Profile 2」などのフォルダに保存されることもあります。
関連ファイルの役割
Edgeがアイコンデータを正しく管理するためには、単に「Favicons」ファイルだけでなく、「Favicons-journal」などいくつかの関連ファイルも一緒に存在します。主に次のようなファイルが存在することが多いです。
- Favicons
アイコン情報が主に格納されているSQLiteデータベースファイル - Favicons-journal
更新操作が行われた際にトランザクションログの役割を果たし、データの一貫性を維持する補助ファイル - History
履歴データなどを管理するためのファイル(Faviconsとは直接関係は薄いが、ブラウザ全体の管理上重要)
これらのファイルを総合的に扱うことで、アイコンデータの正確な復元や再取得が期待できます。
アイコンが消えた場合の対処法
Edgeのお気に入りアイコンが突然消えてしまう原因はいくつか考えられます。たとえば、ブラウザのキャッシュクリア機能や、セキュリティソフト・クリーナーソフトを用いたキャッシュ削除などが挙げられます。また、Edgeのバージョンアップデート時に稀に不具合が発生してアイコンデータが破損する場合もあります。以下の方法でアイコン再取得や復元を試してみましょう。
サイトを再度開いてアイコンを取得
最も簡単な方法は、消えてしまったアイコンのサイトに再度アクセスし直すことです。Chromium系ブラウザでは、サイトにアクセスしたタイミングでWebサーバーからファビコンを取得し、再度キャッシュとして書き込むようになっています。ただし、お気に入りが大量にある場合、これを手動で一つひとつ行うのは手間がかかります。
一括で複数サイトを開く方法
ブックマークフォルダを使っている場合は、そのフォルダ内のサイトを右クリックして「すべて開く」を選択すると、一括でタブが開きます。これを実行すると一時的に大量のタブが立ち上がるため、PCの動作に負荷がかかりやすいですが、効率的に再取得できる手段です。ただし、「すべて開く」以外の公式な一括再取得方法は用意されていないため、実行する場合はPCのスペックやタブの数に注意してください。
バックアップから「Favicons」ファイルを復元する
もし定期的にユーザーデータフォルダをバックアップしている場合は、バックアップした「Favicons」ファイルを用いて復元する方法があります。手順は次のようになります。
- Microsoft Edgeをすべて終了
復元する際は、Edgeが起動していない状態で作業することが鉄則です。起動中に上書きしてしまうと、競合や書き込み不具合が発生する可能性があります。 - バックアップから「Favicons」ファイル(および関連ファイル)を取得
可能であれば「Favicons」だけでなく「Favicons-journal」もバックアップしてあるとより安全です。ファイルのバージョンが異なると整合性が保てないケースもあるため、同じバックアップ世代の一連のファイルをまとめて用意しましょう。 - 元の場所に上書きコピー
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Edge\User Data\Default\
上記にある「Favicons」や「Favicons-journal」を、バックアップしたファイルで置き換えます。既存のファイルは誤って削除しないように、必要に応じてリネームしてバックアップを取っておくのも良い方法です。
- Edgeを再起動
正常にファイルが復元されていれば、ブックマークアイコンは戻っているはずです。もし復元されていない場合は、ファイルの整合性がとれていない可能性や、バックアップ自体が壊れている場合もあるため、別の世代のバックアップを試すか、他の方法を検討してください。
一括再取得の難しさと代替策
ブックマークに登録したサイトのファビコンは、基本的に「サイトへアクセスしたとき」にのみ再取得されます。残念ながら、公式にすべてのアイコンを一括で再ダウンロードさせるような機能はEdgeやChromeには搭載されていません。それが理由で、アイコンの再取得=サイトを一度開くというアクションに頼らざるを得ない状況です。
サードパーティ製ツールや拡張機能の活用
一部の拡張機能やサードパーティソフトには、ブックマークアイコンをまとめてチェックしに行く機能を備えているものがあります。こういった拡張機能を利用すれば、ブラウザが自動的にタブを開いてアイコンを再取得してくれる場合もあります。しかし、これらは公式サポート外のため、環境によっては上手く動作しなかったり、セキュリティ上の懸念があったりする点に注意が必要です。
拡張機能を導入する際の注意点
- 拡張機能による情報収集やプライバシー保護についてのリスクを把握する
- Edgeのバージョンによっては拡張機能が動作しない場合がある
- 定期的に拡張機能を見直し、安全性や更新状況を確認する
アイコン情報を保持しやすくするための工夫
アイコンが消えないようにするためには、普段からのブラウザ管理やシステムメンテナンスが重要になります。以下では、アイコン情報をなるべく長期間保持するための工夫を紹介します。
対策 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
キャッシュの削除範囲を見直す | 定期的にキャッシュをクリアする場合、アイコンに該当するデータまで消してしまうことがあります。キャッシュ削除設定でどの範囲のデータを消すかを再確認しましょう。 | 完全に削除しすぎるとアイコンだけでなく、ログイン状態などもリセットされやすい |
クリーナーソフトの設定を調整 | セキュリティソフトやPC掃除ソフトが自動的にキャッシュを削除しないよう設定を確認します。 | 定期スキャンの度に削除されないよう除外設定を行うこと |
Edgeのバージョンを最新に保つ | 古いバージョンから新バージョンへの更新でアイコンを再取得できる可能性があります。最新バージョンではアイコン管理の不具合も改善されていることがあるので、更新はこまめに行いましょう。 | 意図せずバージョンアップによる不具合が起きることもあるため、アップデート直後は動作確認を |
同期機能を活用してアイコン情報をクラウドに保存
MicrosoftアカウントでEdgeを利用し、同期機能を有効にしていると、お気に入りだけでなく拡張機能、設定などのデータがクラウドに保存されます。アイコンデータもある程度同期されますが、実際にはローカルキャッシュファイルが必要となるので、バックアップファイルを持っておくことは依然として重要です。ただし、複数デバイスで同期している場合は、いずれかのデバイスでアイコンが消えてしまうと、同期のタイミング次第では他のデバイスにまで影響が及ぶ可能性がある点に留意してください。
実際の手順をまとめた事例
ここでは、誤ってお気に入りアイコンを消してしまい、バックアップから復元した具体例を示します。
ケーススタディ:クリーナーソフト使用後にアイコンが全滅
あるユーザーが、Windowsのディスククリーンアップツールやサードパーティのクリーナーソフトを使って、不要ファイルやキャッシュを大幅に削除しました。すると、Edgeのブックマークアイコンがすべて灰色の「星マーク」か「地球マーク」のように初期状態のアイコンに置き換わってしまいました。
そのユーザーは事前に「Edge\User Data」フォルダを自動バックアップするよう設定していたので、以下の手順で復元に成功しました。
- Edgeを終了:タスクマネージャーでエッジのプロセスが残っていないことも確認
- バックアップフォルダから必要ファイルをコピー:
- Favicons
- Favicons-journal
- 現在のFaviconsとFavicons-journalをリネームして退避:
- 例)Favicons.old、Favicons-journal.old
- バックアップファイルを同一フォルダに置き換え
- Edgeを起動してブックマークを確認
結果として、お気に入りリストには以前取得していたアイコンがほぼすべて復元され、サードパーティのクリーナーソフトで削除される前の状態に戻りました。
Chromium系ブラウザ共通の知識として
Google Chromeをはじめ、Chromiumエンジンを採用しているブラウザは、Faviconsファイルの取り扱いが非常に似ています。もしChromeでも同じようにアイコンが消えてしまった場合、同様のアプローチで復元を試みるとよいでしょう。さらに、同期機能や拡張機能などの扱い方もほぼ同じなので、Edge特有の設定とChromium共通の設定を混同しないように気をつければ、他ブラウザへの応用も容易です。
トラブルシューティング:それでもアイコンが戻らない場合
下記のような追加対処も検討してみてください。
関連ファイルすべてを再生成させる
完全にアイコンが消えてしまい、バックアップもない場合は、Faviconsファイルを一度削除する(もしくは退避する)ことで、Edgeに再度キャッシュを作り直させる手法もあります。ただし、この場合は当然ながらアイコンデータがまっさらな状態から再構築されるため、サイトごとに再アクセスしない限りアイコンが再取得されません。バックアップが存在しない場合の最終手段と言えるでしょう。
プロファイルを新規作成してお気に入りを移行
まれにプロファイル自体が壊れていると、FaviconsやHistoryなどのファイルを何度復元してもうまく動かない場合があります。その場合はEdgeの新しいプロファイルを作り、そこにお気に入りをエクスポート/インポートすることでアイコンを再取得しやすくなるケースがあります。新しいプロファイルでは、キャッシュや設定が初期化された状態ですので、より安定した動作が期待できます。
まとめ:アイコン管理を理解し、必要に応じて適切にバックアップ
Microsoft Edgeのブックマークアイコンは、「Favicons」というファイルを中心に管理されており、バックアップから復元する方法を把握しておくと、予期せぬトラブルが起きても迅速に対処できます。大量のお気に入りを一度に再取得したい場合などは、手動でサイトにアクセスする以外に有効な公式機能がないため、バックアップ体制や同期機能の使い分けが重要です。
もしアイコンが消えてしまっても慌てず、まずは対象となるファイルやフォルダの場所をチェックし、バックアップの有無を確認しましょう。Edgeのプロファイルやバージョンによっては保存場所が微妙に異なるケースもありますが、基本的に「Default」や「Profile 1」などのフォルダに「Favicons」ファイルがある点は共通しています。
日頃からのバックアップやキャッシュ削除設定の見直し、そしてEdgeの最新アップデートを適用しておくことが、アイコンを含むブラウザデータを快適に保つ上でのカギとなります。自分の環境と利用スタイルに合わせた管理方法を見つけて、ストレスなくお気に入りサイトを運用していきましょう。
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