Microsoft Edgeを使っていて、お気に入りリストやサイドバーに表示されるサイトを右クリックしようとしたとき、本来なら使えるはずの「新しいタブで開く」「新しいウィンドウで開く」といったメニューがなぜかグレーアウトし、クリックできない――そんな不便な状況が報告されています。ここでは、この現象の原因や解決策を詳しくご紹介していきます。
Microsoft Edgeのお気に入り右クリック問題とは?
Microsoft Edgeでは、従来お気に入りバーやサイドバーからお気に入りサイトを右クリックすると、「新しいタブで開く」「新しいウィンドウで開く」「InPrivateウィンドウで開く」といったオプションを自由に選択することができました。しかし、特定のバージョンアップ以降、このメニューの選択肢がグレーアウトしてしまい、クリックしても反応しなくなる不具合が一部のユーザーで発生しました。以下では、具体的な症状や報告例、影響範囲について整理します。
不具合の症状
- お気に入りバー上に表示されているサイトやフォルダーを右クリックすると、「新しいタブで開く」「新しいウィンドウで開く」などがグレーアウトしていて選べない
- サイドバー形式でお気に入りを表示している場合にも同様の状況が起きる
- 右クリックメニューは表示されるが、実際に選択すると機能しない
- 代わりにキーボードショートカット(Ctrl+クリック、Shift+クリック、マウスの中ボタンなど)を使えば、新規タブや新規ウィンドウで開くことは可能
報告例と影響範囲
今回の不具合は、デスクトップ版のMicrosoft Edgeで主に報告されています。ただし、Xbox版やモバイル版などでも一部同様の現象が起きるとの声があります。以下ではそれぞれの環境について簡単に解説します。
デスクトップ版における報告状況
- Windows 10やWindows 11など、複数のOS環境で同様の問題が発生
- 特定のバージョン(例:129.0.2792.52など)へのアップデート後に不具合が発生し始めたという報告が多い
- その後、Microsoftから修正を含むアップデート(例:129.0.2792.65など)がリリースされ、一部のユーザー環境ではすでに改善
モバイル版・Xbox版など別環境での事例
- Xbox版Edgeでも似たような「右クリック」相当の操作が制限されるケースが確認されている
- モバイル版(iOS/Android)では、右クリック操作がそもそもないため報告例は少ないものの、一部メニューが押せない事象が散見
- これらの環境ではデスクトップ版の修正とアップデートのスケジュールがずれる傾向があり、解消までに時間差が生じる可能性がある
問題の原因と詳細
今回の不具合は、主にMicrosoft Edgeのバージョンアップにともなう不具合と考えられています。Edge内部の設定や動作仕様が変更され、サイドバーやお気に入りバー上での右クリックメニューが正しく読み込まれない・動作しないケースがあるようです。ここでは、マイクロソフトの公式見解や修正内容について深掘りしていきます。
バージョンアップによる仕様変更との関連
Microsoft EdgeはChromiumベースで動作しており、頻繁にバージョンアップが行われます。大きな機能追加やパフォーマンス向上に伴って、細かな仕様やUI挙動が変わることも珍しくありません。今回のような右クリックメニューの不具合は、以下のような経緯が推測されています。
- 新機能や拡張機能との競合
特定のバージョンで新機能が導入され、お気に入りバーやサイドバーのコンテキストメニューとの競合が起こるケースがある。 - UI/UX上の実験機能(フラグ)の影響
Edgeには実験的機能を制御するフラグ設定があり、これが不具合を引き起こす要因になる場合がある。 - セキュリティやプライバシー機能の拡張による副作用
Edgeではセキュリティ強化のためのアップデートが頻繁に行われる。これらの改修により、グレーアウトするメニューが意図せず設定されてしまう可能性もある。
マイクロソフトの公式見解と修正状況
マイクロソフトは、ユーザーコミュニティやフィードバックHubなどを通じて本問題を早期に把握したとみられます。事実、デスクトップ版向けには修正版が比較的早くリリースされており、129.0.2792.65などへアップデートした環境では、すでに不具合が解消されたという報告が増え始めています。
一方で、全ユーザー環境に一斉に行き渡るまでにはタイムラグがあるため、まだ修正版が適用されていないユーザーや別プラットフォームのEdgeでは不具合が続いている場合があります。そうした場合には、手動で更新をチェックするのがおすすめです。
具体的な解決策
右クリックメニューの「新しいタブで開く」「新しいウィンドウで開く」「InPrivateウィンドウで開く」がグレーアウトしてしまう問題に対しては、Microsoftがすでに修正を行ったバージョンをリリースしているため、最新バージョンへのアップデートが最も有力な解決策となります。もし更新がまだ反映されていない場合でも、一時的に対処できる方法がいくつか存在します。
Edgeを最新バージョンにアップデート
最新バージョンにアップデートすることで、既知の不具合修正が適用されます。まずは、下記の手順を試してみましょう。
自動更新の仕組み
Microsoft Edgeは原則として自動で更新される設定になっています。Windows Updateと連動しているケースもあり、Edgeを再起動したタイミングで最新バージョンが適用されることが多いです。自動更新が有効になっていれば、大半の場合は放置しておいてもいずれ修正が反映されます。
手動更新の手順
- Edgeの右上にある「…」(設定など)をクリック
- 「ヘルプとフィードバック」または「設定」から「Microsoft Edgeについて」を選択
- バージョン情報が表示され、自動的に更新チェックが実行される
- アップデートが見つかればダウンロードとインストールが始まる
- 完了後はEdgeを再起動すると最新バージョンが反映される
以下に、代表的なEdgeバージョンとリリース日、主な修正内容を表にまとめました。
Edgeバージョン | リリース日 | 主な修正内容 |
---|---|---|
129.0.2792.52 | 202X年X月X日 | 一部環境で右クリックメニューがグレーアウトする不具合が発生 |
129.0.2792.65 | 202X年X月X日 | グレーアウト不具合の修正を含むアップデート |
以降のバージョン | 随時 | セキュリティや新機能の追加、その他の細かな改善 |
一時的な回避方法
アップデートがまだ適用されていない環境、あるいはすぐにアップデートできない状況においては、以下の回避策を活用することで右クリックメニューの機能不足を補うことができます。
キーボードショートカットを活用
- Ctrl + クリック: リンクを新しいタブで開く
- Shift + クリック: リンクを新しいウィンドウで開く
- Ctrl + Shift + クリック: リンクをInPrivate(シークレット)ウィンドウで開く(環境によって挙動が異なる場合があります)
キーボードショートカットを使えば、右クリックメニューが使えない状況でも必要な機能を補うことが可能です。
お気に入りバーでの操作
一部のユーザー報告によれば、サイドバーでお気に入りを表示しているときはグレーアウトが発生するが、ブラウザ上部に固定表示される「お気に入りバー」に切り替えると問題なく右クリックメニューが機能するケースがあります。設定でお気に入りバーの表示を有効にし、サイドバーの利用を停止することで回避できる可能性があります。
- Edgeの設定画面を開く
- 「外観」を選択し、「お気に入りバーの表示」をオンにする
- 必要に応じてサイドバー上のお気に入りアイコンを非表示にする
- 右クリックメニューが通常どおり使えるか確認する
その他の対処法:修復・再インストール
アップデートをしても改善されない場合や、設定周りで問題が解決しない場合は、Edgeの修復や再インストールを試してみる価値があります。Windows 10/11の場合、以下の手順でEdgeの修復を行えます。
- 「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」の順に開く
- アプリ一覧から「Microsoft Edge」を探して選択
- 「詳細オプション」をクリックし、「修復」または「リセット」を実行
修復を実行しても治らない場合は、一度アンインストールして再インストールする方法もあります。ただし、再インストールによってお気に入りや履歴、拡張機能などのデータに影響が出る可能性があるため、事前にMicrosoftアカウントと同期させてデータをバックアップしておくと安心です。
関連情報:Edgeフィードバックの活用
Edgeの不具合修正は、ユーザーからの報告が多いほど対応の優先度が上がり、早期解決につながる場合があります。グレーアウト問題が発生している場合は、ぜひフィードバック機能を利用して不具合内容を送信してみましょう。
問題報告の手順
ブラウザ上で簡単に不具合を報告する方法として、以下の二つがあります。
Alt + Shift + Iの活用
Edgeを立ち上げた状態でキーボードの「Alt + Shift + I」を押すと、フィードバック送信画面が立ち上がります。不具合が発生した画面や状況をキャプチャして添付し、症状を詳しく書き込むと開発チームが問題を再現しやすくなります。
Feedback Hubの利用
Windows 10/11には「Feedback Hub」というアプリが標準搭載されており、ここからもMicrosoft全体に対して不具合報告が可能です。Edgeの問題について報告する場合も、カテゴリを選択してスクリーンショットや必要情報を添付することでより具体的な連絡を行えます。
今後のアップデートとトラブル回避策
Microsoft Edgeのバージョンアップは短いスパンで行われ、機能強化と不具合修正が繰り返されます。今回の右クリック不具合も迅速に修正がリリースされたように、定期的なアップデートチェックが非常に重要です。ここでは、リリースサイクルを理解し、トラブルを最小限に抑えるヒントを紹介します。
Microsoft Edgeのリリースサイクルを理解する
Edgeには「Beta」「Dev」「Canary」「Stable(安定版)」といった複数のリリースチャンネルがあります。安定版(Stable)では一般ユーザー向けに安定性が高いバージョンが提供され、DevやCanaryでは最新機能が試せる一方で不具合が発生しやすい場合もあります。
ベータ版・プレビュー版を試すメリット
- 次期バージョンの新機能やUIの変更をいち早く試せる
- 不具合があった場合、正式リリース前に開発チームにフィードバックを送ることで、安定版リリース時には修正されている可能性が高い
ただし、ベータ版やプレビュー版は動作に不安定要素が残ることがあります。メインブラウザでの使用は控え、サブとして試すのがおすすめです。
安定版のアップデートスケジュール
安定版は約4週間ごとにメジャーアップデートが行われるケースが多く、途中で緊急の不具合修正(ホットフィックス)が出されることもあります。今回のような不具合は、こうしたホットフィックスによって解消されることがほとんどです。定期的に更新をチェックして、早めに適用するようにしましょう。
まとめ
Microsoft Edgeでお気に入りを右クリックした際に表示される「新しいタブで開く」や「新しいウィンドウで開く」がグレーアウトする問題は、特定バージョンでの不具合としてMicrosoftがすでに把握し、修正版をリリースしています。対策としては、まずEdgeを最新バージョンにアップデートすることが有効です。更新で改善しない場合は、キーボードショートカットを活用する、一時的にお気に入りバーに切り替える、あるいはEdgeの修復や再インストールを行うことで多くの場合問題を回避できます。
また、今後類似のトラブルを最小限に抑えるためには、Edgeの自動更新を常に有効にしておくとともに、問題が起きた際には迅速にフィードバックを送ることで開発・修正の優先度を高めるといった対応が大切です。ベータ版やプレビュー版を積極的に試してみるのも、いち早く不具合を認識し、改善を促す手段の一つと言えます。ぜひ今回の情報を活用しながら、日々のブラウジングを快適に保ってみてください。
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