Microsoft Edgeの新しいタブページにMSN広告ロゴが表示されることに不満を感じるユーザーは少なくありません。本記事では、この厄介なロゴを消したいと悩む方々に向けて、具体的な対処法や回避策をわかりやすく解説します。
Microsoft Edgeの新しいタブページとMSN広告ロゴの関係
Microsoft Edgeを使っていると、新しいタブを開くたびに左上に表示されるMSNの広告ロゴが気になるという声は多く聞かれます。特にWindows環境では、EdgeがOSと強く統合されているため、カスタマイズの幅が少ないという課題があります。ここでは、まずMSNロゴがなぜ新しいタブページに出現するのか、その仕組みや背景を掘り下げつつ、ユーザーが感じるデメリットについて詳しく見ていきましょう。
MSNロゴが表示される仕組み
Microsoft Edgeの新しいタブページは、実質的にMSN(あるいはMicrosoft News)のWebページをフレーム内で表示している形になっています。従来のInternet Explorer時代とは異なり、Edgeの新しいタブページは「ntp.msn.com」などのドメインからコンテンツが配信されるため、ユーザー側の通常の方法ではカスタマイズが難しくなっています。例えばユーザースクリプトをTampermonkeyなどで適用しようとしても、新しいタブの内部処理ではスクリプトが動作しないケースが少なくありません。
利用者が感じる不快感
企業や一般ユーザーが「プロ向けに使っているPCやOSなのに、広告まみれで邪魔」という感想を抱きやすい点は見逃せません。特にWindows 10やWindows 11のProエディションを使用しているユーザーの中には、「広告が表示されない洗練されたUIを求めていたのに」という落胆を示す人も多いです。さらに、MSNのニュースフィードや広告写真が自分で設定したカスタムテーマを上書きしてしまうこともあり、個人の好みに合わせた新しいタブページを用意したいユーザーにとって不満が募る要因となっています。
MSN広告ロゴの削除が難しい理由
広告ブロッカーやユーザースクリプトを使っても、MSNロゴを完全に消すのはほぼ不可能に近いと言われています。ここでは、その主な理由と、なぜEdge標準の設定だけではどうにもならないのかを具体的に解説します。
Edgeの内部ページが特別扱いされている
Microsoft Edgeでは、アドレスバーに「edge://」で始まる独自の内部ページが多数存在します。新しいタブページも厳密には「edge://newtab」という仕組みで、内部的にMSNのページと連携しているだけです。こうした内部ページは、Chrome拡張機能や広告ブロッカーが通常通りに動作するようには設計されていません。その結果、ユーザーが望むようにページ要素を差し替えたり、ロゴを非表示にしたりといった操作が簡単にはできないのです。
ブラウザ拡張の制限
多くの広告ブロッカー拡張機能は、Chromeウェブストア経由で配信されるものが多く、そもそも「edge://」や「chrome://」といったブラウザの設定系統のページにはアクセスできないよう制限がかかっています。これはセキュリティ上の観点から仕方のない部分ですが、ユーザーのカスタマイズ意欲をそぐ要因になっています。結果として、Edgeの新しいタブページでMSNロゴを隠そうとしても、ブロッカーが反応しないというケースがほとんどです。
考えられる対処法とそのメリット・デメリット
ここからは、実際にユーザーが取り得る対処法と、そのメリット・デメリットを表を交えて整理してみましょう。完全にロゴを消し去る方法は現状公式には提供されていませんが、代替策や回避策はいくつか存在します。
カスタム新しいタブページ拡張を導入
最もシンプルかつ確実な回避策として、新しいタブページを丸ごと別の拡張機能のページに置き換えてしまう方法があります。Microsoft Edge アドオン ストアやChromeウェブストアには、「Custom New Tab Page」「New Tab Redirect」といった拡張機能が存在し、インストールすると「edge://newtab」を開いたときに自分が指定したURLを表示させることが可能になります。
- メリット
- MSNロゴを目にすることなく、好きなページ(例えばGoogleや自社サイト、あるいはブランクページなど)を表示できる。
- 拡張機能をオンオフすれば簡単に元の新しいタブページに戻すことも可能。
- デメリット
- Microsoft Edge標準のニュースフィードや天気表示など、MSN由来の機能も利用できなくなる。
- 拡張機能を利用するため、組織のポリシーやセキュリティ要件によっては制限がかかる可能性がある。
以下に、主な対処法を一覧にまとめました。
対処法 | メリット | デメリット | 推奨度 |
---|---|---|---|
カスタム新しいタブ拡張を導入 | MSNロゴ非表示、任意のURL設定可 | MSNフィードを利用できない | 高 |
広告ブロッカー(uBlock Origin等) | 一部の広告要素を除去可能 | Edge内部ページには非対応 | 中 |
JavaScriptユーザースクリプト | 柔軟なカスタマイズが可能 | Edge新タブでは機能制限多い | 低 |
Edge Insider版の利用 | MSNロゴが非表示の可能性あり | 将来仕様が変わるリスク | 中 |
他ブラウザへ乗り換え | 自由度が高い、ロゴ問題回避 | Edge独自機能が使えない | 中 |
広告ブロッカーは新しいタブページに有効なのか
uBlock OriginやAdGuardなどの広告ブロッカーを活用するユーザーも多いですが、前述のとおり「edge://newtab」のような特殊ページへの適用は制限されています。加えて、新しいタブページはネットワーク上のリソースをブロックしたとしても、フレーム構造内でMSNロゴが描画される仕組みになっているため、単純に要素を消し去ることが難しくなっています。
DNSレベルでのブロックは有効か
企業や自宅ネットワークでDNSフィルタをかけ、MSNや広告ドメインをブロックしてしまえば表示されないのでは、という発想もあります。実際、Pi-holeなどを利用してネットワーク全体から特定ドメインを遮断する方法もありますが、MSNのドメイン全体をブロックすると他のMicrosoftサービスに支障が出る可能性があり、あまり現実的とは言えません。さらに、新しいタブページが正しく読み込まれなくなり、真っ白になる、あるいはエラーが出てしまうケースもあります。
Edge Insider版でMSNロゴが表示されないケース
一部のユーザーからは、Insiderチャネル(DevやBeta版)を使っている環境ではMSNロゴが表示されない、あるいは最小限で済むという報告があります。Microsoftが実験的にUIを変更している可能性があり、一時的にMSNロゴや広告要素がなくなっているだけのパターンも考えられます。
Insider版を使う際の注意点
- 不安定な要素がある
Insider版はベータテストのような立ち位置であるため、通常版よりもバグやクラッシュが発生しやすいことが知られています。ビジネス用途のメイン環境として導入する場合、慎重な検証やバックアップが必須です。 - 将来的な仕様変更のリスク
DevやBeta版でMSNロゴがなくても、正式リリースで復活するケースは十分に考えられます。したがって、「現在使えているから、これで安心」と思っていると、更新によって再び広告ロゴが表示される可能性があります。
他ブラウザへの乗り換えという選択肢
根本的にMSNロゴのないブラウザを使いたいなら、ChromeやFirefox、Operaなどの他ブラウザに乗り換えるという手段も検討する価値があります。特にGoogle Chromeなら、同様の拡張機能が豊富にそろっているため、より自由度の高いカスタマイズが実現しやすいでしょう。
乗り換えのハードル
Windows 10やWindows 11で、標準のブラウザとしてEdgeを使用しているユーザーは多いですが、他ブラウザに移行する際には以下のようなハードルが考えられます。
- ブックマークやパスワードの移行
Edge独自の同期機能を使っている場合、ChromeやFirefoxへスムーズにデータを移行できるか確認する必要があります。 - 職場や学校のポリシー
組織で指定されたブラウザがEdgeである場合、勝手に他ブラウザに切り替えるとセキュリティポリシーや社内規定に抵触する可能性があります。
Edgeでしか動作しない機能の存在
一部のMicrosoft製品や社内Webアプリは、Edgeを前提に最適化されているケースもあります。その場合、MSNロゴが気に入らないだけで乗り換えを決断するのは実務上厳しいこともあるでしょう。したがって、そうしたシステムを使わざるを得ない場合は、カスタム新しいタブページ拡張などを利用して折り合いをつけるのが現実的です。
グループポリシーやレジストリでの制御は可能か
企業や組織の管理者であれば、Windowsのグループポリシー(GPO)やレジストリを通じてMicrosoft Edgeの設定を幅広く制御できないか、という疑問をお持ちかもしれません。実際、エンドユーザーが触れない高度な設定項目をGPOで管理すれば、新しいタブページ上の要素を非表示にできそうに思えます。しかし、現時点で公式に提供されているGPOのテンプレートでは、新しいタブページのニュースフィードや広告の完全な非表示を実現するオプションは含まれていません。
一部要素の無効化は可能
GPOを利用すると、新しいタブページのニュースフィードを「おとなしく」させることはできる場合があります。例えば「ニュースフィードを表示しない」「画像の表示を最低限にする」といった設定が可能で、MSNフィードを最小限に抑えられることもあるでしょう。ただ、MSNロゴそのものを消し去る設定は用意されていないため、根本的な解決には至りません。
ユーザースクリプトやCSSの書き換えに挑む方法
技術に自信のあるユーザーや開発者の中には、「JavaScriptやCSSを直接書き換えればロゴを消せるのでは?」と考える方もいます。たとえばStylusやTampermonkeyなどの拡張機能を使って、任意のCSSやJavaScriptを差し込むことで、MSNロゴをdisplay:noneするようなスタイルを指定するアイデアです。しかし、Edgeの新しいタブページでは、セキュリティやブラウザの仕組み上の理由から、ユーザースクリプトが正常に注入されず適用されない場合がほとんどです。
デベロッパーツールでの一時的な除去
開発者用ツール(F12)で要素を検証し、MSNロゴを隠すことは可能です。ただし、これはあくまで一時的な手段であり、タブを閉じて再度開けば元通りロゴが表示されてしまうため、一般的な運用には向きません。また、スクリプトを定期的に実行させるという方法も考えられますが、Edgeの内部ページではたいていブロックされてしまい、結局ロゴが表示され続けるケースがほとんどです。
今後の見通しとユーザーが取るべきアクション
Microsoftが公式に「MSNロゴを非表示にできるオプション」を提供する可能性は、現時点ではあまり高くないと見られています。Edgeの標準機能としてMSNフィードを採用している以上、このロゴや広告スペースはMicrosoftにとっても重要な収益源やユーザーリーチの手段となっているからです。
長期的な視野での対応策
- Edge自身のUI刷新を待つ
過去のアップデートでも、新しいタブページのデザインが変更されることは何度かありました。Insider版でMSNロゴが消えているのであれば、将来的な正式リリースでも同様のUI変更が適用される可能性はゼロではありません。 - 拡張機能によるカスタムの安定化
現時点で存在する新しいタブページ置き換え型拡張機能は、今後もアップデートが期待されます。利用者からの要望が多ければ、より使いやすく安定した形でEdgeにフィットする拡張が登場するかもしれません。 - Microsoftへのフィードバックを送る
Edgeに対する要望や不満は、公式のフィードバック機能から送信することが可能です。ユーザーが多ければ多いほど、企業としても需要や不満点に対応するインセンティブが高まります。
総合的なアドバイス
- カスタム新しいタブページの拡張は、最も現実的なソリューションです。ロゴだけを除去してMSNフィードをそのまま使う方法は現状ないため、「フィードごと断念」するか、「他ブラウザに乗り換える」かの二択に近い状況と言えます。
- Edge Insider版を導入する場合は、テスト環境やセカンドPCなどで様子を見るのがおすすめです。メインPCにいきなり導入すると、予期せぬ不具合に悩まされる可能性もあります。
- 企業利用の場合、他ブラウザへの乗り換えが難しいケースもあるため、グループポリシーで最小限のニュースフィードを表示しつつ、利用者への周知を徹底するなどの対応策を検討しましょう。
まとめ
Microsoft Edgeの新しいタブページに表示されるMSN広告ロゴは、多くのユーザーにとって悩ましい存在です。標準設定や広告ブロッカーでは完全に消せず、ユーザースクリプトもEdgeの内部ページには適用できないため、公式な解決策は限りなく少ないのが現状です。どうしてもロゴを消したいという方は、カスタム新しいタブページを利用する拡張機能を導入するか、Edge Insider版を試してみる、あるいは思い切ってChromeやFirefoxに乗り換えるという選択を検討するしかありません。
もちろん、Microsoftが将来的にデザインを刷新し、MSNロゴをオプションでオフにできる仕組みを導入してくれる可能性は否定できません。しかし、当面はユーザーの声を届けつつ、回避策を活用しながら付き合っていくしかないのが現実と言えるでしょう。今後のアップデートや拡張機能の進化が、MSNロゴの存在感を薄めてくれることを期待したいところです。
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