Microsoft Edgeのブラウザハイジャックを解消する方法:Search-great.com完全削除ガイド

日頃から快適にブラウザを使っていると、突然知らない検索エンジンに置き換わってしまい困惑された経験はないでしょうか。とくに「Search-great.com」に代表されるブラウザハイジャックの被害に遭うと、通常の手順ではなかなか元に戻せず苦労するケースが多いようです。今回は、Microsoft Edgeに特化して、この不審なサイトを完全に削除するための具体的な方法や注意点を、できるだけわかりやすくご紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、より安全で快適なブラウジング環境を取り戻しましょう。

Search-great.comによるブラウザハイジャックとは?

ブラウザハイジャックとは、何らかの不正なプログラムやスクリプトによって、ブラウザの設定を勝手に変更される現象を指します。代表的な例として、スタートページや検索エンジンの設定が「Search-great.com」のような知らないサイトに書き換えられてしまい、下記のような不具合が生じます。

  • Microsoft Edgeを起動すると、自動的にSearch-great.comにリダイレクトされる
  • 既定の検索エンジンがGoogleなどからSearch-great.comに変更される
  • 広告やポップアップが頻繁に表示され、正常にブラウジングできない

こうした症状に遭遇すると、単純なキャッシュ削除や再インストールだけでは解消しない場合があります。その主な原因として、レジストリやシステム内部の設定が書き換えられていたり、スタートアップに潜むプログラムが自動的に再設定している可能性が考えられます。そこで有効となるのが「Farbar Recovery Scan Tool (FRST)」を使った詳細なシステムスキャンと修正です。

なぜ通常のウイルス対策ソフトやMalwarebytesで解決しないのか

一般的にウイルス対策ソフトやMalwarebytesのようなマルウェア対策ソフトは、多くのウイルスやスパイウェアを検知・駆除できます。しかし、ブラウザハイジャック系の不具合は必ずしもマルウェアとして定義されていないケースがあるため、見つからなかったり、断片的に駆除されるだけで完璧には修復されないことがあります。また、ブラウザそのもののポリシー設定やレジストリ、スタートアップ項目など、複数の箇所に断片的に仕込まれていると、対策ソフトの単一スキャンではカバーしきれません。

そこでFRSTのような高度な診断ツールを使って、システム全体のログを取得し、専門家やサポート担当者のアドバイスを受けながらピンポイントで不要項目を削除・修正するといった作業が必要になるのです。

Farbar Recovery Scan Tool(FRST)を使った解決手順

以下では、Microsoft EdgeがSearch-great.comに乗っ取られてしまった場合に、FRSTを用いて修正する具体的な流れをご説明します。FRSTの作業においては、管理者権限のあるアカウントで実施することと、正しいfixlist.txtを作成・実行することが重要です。

1. Farbar Recovery Scan Toolのダウンロードと初回スキャン

FRSTを初めて使う場合は、以下の手順で準備を行ってください。

  1. 公式サイトまたは信用のおけるダウンロードサイトから「Farbar Recovery Scan Tool」を入手してください。通常はFRST64.exeを選択します。
  2. ブラウザによってはSmartScreenなどのセキュリティ機能が警告を表示する場合がありますが、「詳細情報」→「実行」や「保持する」などを選択して続行します。
  3. ダウンロードしたFRST64.exeをデスクトップなどのわかりやすい場所に保存してください。これは後の手順でログや修正ファイルと同じフォルダにまとめるためです。
  4. FRST64.exeを起動し、デフォルト設定のまま「Scan」を実行します。スキャンが完了すると、自動的に「FRST.txt」と「Addition.txt」の2つのログファイルが生成されます。これらを安全に保管しておきます。

このとき、ウイルス対策ソフトによってはFRST自体を怪しいプログラムと誤検知することがあります。心配な場合は、いったんリアルタイムスキャン機能を一時的にオフにするか、FRSTを除外リストに登録した上でスキャンを行ってください。スキャンが終わったら、ウイルス対策ソフトを元の状態に戻すことを忘れずに。

2. 専門家によるログ解析と「fixlist.txt」の受け取り

作成された「FRST.txt」と「Addition.txt」には、システムのさまざまな情報が含まれています。どのファイルやレジストリキーが怪しいのかを判断するには、以下のように専門家やサポート担当者の協力を仰ぐと安心です。

  1. 「FRST.txt」と「Addition.txt」をOneDriveやGoogleドライブなど、外部からアクセスできるクラウドストレージにアップロードし、そのリンクを相手に共有します。
  2. 信頼できるフォーラムやサポート窓口にログの内容を確認してもらい、Search-great.comハイジャックの原因となっているファイルや設定を特定してもらいます。
  3. 解析結果をもとに、「fixlist.txt」という修正指示ファイルを受け取ります。このファイルには、どのエントリを削除・修正すべきかが記述されています。

FRSTでは、ログ解析時の書式が厳密に決まっているため、「fixlist.txt」の内容を自分で誤って書き換えると、予期せぬ不具合を招く恐れがあります。指示された通りに利用することが大切です。

3. FRSTでの修正作業と再起動

fixlist.txtを手に入れたら、いよいよ具体的な修正を行います。

  1. fixlist.txtをFRST64.exeと同じ場所(たとえばデスクトップ)に保存します。
  2. FRST64.exeを再度起動し、今度は「Fix」ボタンをクリックします。
  3. しばらくするとシステム修正が実行され、必要に応じて自動的にPCが再起動します。
  4. 再起動後、同じフォルダに「Fixlog.txt」が生成されるので、内容を確認し修正結果をチェックしましょう。

この修正作業で、Search-great.comによるブラウザハイジャックの原因となっていたレジストリエントリやファイルが削除され、設定が本来の状態に戻ることが期待できます。

4. FRSTと関連ファイルの後処理

問題が解決したことを確認したら、FRSTやログファイルなど不要となったツールを削除しておきましょう。FRSTでは、次のように独自の削除機能が用意されています。

  1. FRST64.exeを「uninstall.exe」という名前にリネームします。
  2. リネームしたファイルを実行すると、FRST関連のファイルやレジストリエントリを包括的に削除する機能が起動します。
  3. 処理が終わると、ログファイルやFRST本体が削除され、PCの状態が整理されます。

Edgeのリセットや設定確認も並行して実施

FRSTを使ったシステムレベルの修正は非常に有効ですが、ブラウザ側のリセットや設定確認も大切なステップです。Edgeの内部設定を見直してみましょう。

Edgeブラウザ設定のリセット

  1. Edgeを開き、右上の「…」メニューから「設定」を選択します。
  2. 「リセットとクリーンアップ」もしくは「既定のブラウザー」などの項目を開き、必要に応じて「設定のリセット」を実行します。
  3. リセット後はブラウザが初期設定に戻るため、拡張機能の再導入やお気に入りの復元などが必要となります。

ただし、リセットを行っても、根本的にSearch-great.comを仕込んだ不審なプログラムが残っていると、再度設定が書き換えられる恐れがあります。FRSTの修正とあわせて対処することが重要です。

ブラウザポリシーやグループポリシー(GPO)の確認

企業内で使われているPCや、グループポリシーを適用している環境の場合、Microsoft Edgeの検索エンジン設定などがグループポリシーによって固定化されていることがあります。以下の方法で確認できます。

  1. Windowsの検索バーから「gpedit.msc」を起動し、「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Microsoft Edge」に関するポリシーをチェックします。
  2. 組織によるポリシーが存在しないか、または誤って「Search-great.com」を指定していないか確認します。

もしポリシーによる影響があれば、IT管理者や上司に相談して修正してもらう必要があります。自分の個人PCであれば無関係なケースが多いですが、念のため確認をおすすめします。

追加で試してほしいブラウザ保守・対策

FRSTで問題を解決できたら、再発防止のためにブラウザの保守や対策をしっかり行いましょう。以下ではいくつかのポイントを紹介します。

ウイルス対策ソフトの継続スキャン

すでに導入されているウイルス対策ソフトやMalwarebytesを、最新の状態に更新し、定期的にシステムフルスキャンを行ってください。感染源が残っていないかを二重チェックすることで安心できます。

不要プログラムのアンインストール

ハイジャック系の不具合が起こるPCでは、同時に怪しいプログラムがインストールされている可能性があります。以下のような流れでチェックするとよいでしょう。

  1. 「コントロール パネル」または「設定」→「アプリの追加と削除」を開く。
  2. 見覚えのないツールバーや、名前が怪しいプログラムがあればアンインストールする。
  3. アンインストール後は、再度ブラウザ設定を確認しておく。

拡張機能(アドオン)の見直し

Edgeの拡張機能の中に、広告ブロッカーや便利ツールの名目で配布されている、実は不審なプログラムが含まれることがあります。下記のような手順でチェックし、怪しいものは削除・無効化してください。

  1. Edgeの「…」メニュー → 「拡張機能」でインストールされているアドオンを一覧表示。
  2. 「開発元が不明」や「説明文が英語のみかつ評判が悪い」など、疑わしいものを取り除く。

ブラウザとOSの更新

Windows UpdateやEdgeのバージョンアップが適切に行われていないと、セキュリティホールを突かれてブラウザハイジャックに遭いやすくなります。定期的な更新プログラムのチェックとインストールを心がけましょう。

表で見る「FRSTを用いた修正作業の概要」

以下に、今回のFRSTを使用した修正作業の流れをわかりやすく表にまとめました。各ステップでやるべきことを整理しておくとスムーズに進みます。

ステップ作業内容ポイント
1. FRSTダウンロード公式サイトからFRST64.exeを入手 デスクトップなどに保存SmartScreenなどの警告は「詳細情報」→「実行」で回避
2. 初回スキャンFRST64.exeを起動 「Scan」でログ取得 FRST.txtとAddition.txtを保存ウイルス対策ソフトが誤検知する場合がある
3. ログ共有と解析クラウドストレージにログをアップ 専門家などに内容を確認してもらうどのファイルが不審か専門家の意見を聞く
4. fixlist.txt受け取り解析結果に基づく修正指示ファイル レジストリやファイル削除の具体的手順が記載fixlist.txtを誤編集しないよう注意
5. 修正の実行FRST64.exeと同じフォルダにfixlist.txtを配置 FRST起動 → 「Fix」実行 → 再起動 Fixlog.txtで結果確認Edgeのハイジャック原因を根本的に削除
6. 後処理問題解決確認 「uninstall.exe」にリネームしたFRSTを実行し、ツールとログを削除不要になったFRSTやログをクリーンアップ

万が一改善されない場合はどうする?

上述の手順を踏んでもうまくSearch-great.comのハイジャックが解消しない場合、以下の追加対策を検討してみてください。

  • Windowsのクリーンブート Windows起動時に読み込まれる不要なプログラムを停止させてから、再度ブラウザ設定を確認する方法です。スタートアップやサービスを最小限に絞って起動し、問題の原因を切り分けることができます。
  • システムの復元 ハイジャックされる前の復元ポイントが存在すれば、それを選んでシステム状態を戻すのも一つの手です。ただし、復元ポイントが古い場合は、セキュリティ更新プログラムなどを再インストールする必要があります。
  • Edgeの再インストールや修復 OSのバージョンによっては、Microsoft Edgeを「アプリと機能」から修復や再インストールできる場合があります。FRST修正後でも問題が残るなら、一度Edgeをアンインストール→再インストールを試すのも手段の一つです。

再発防止のためのセキュリティ習慣

せっかくハイジャックを解消しても、同じ被害に再び遭うのは避けたいところです。そこで、以下のセキュリティ習慣を身につけましょう。

  1. 怪しいサイトやメールのリンクを開かない 不審な広告やメールのリンクをむやみにクリックすると、ブラウザハイジャックの温床となるプログラムがダウンロードされる恐れがあります。
  2. セキュリティソフトの定期更新 ウイルス対策ソフトは日々進化する脅威に対応するため、常に最新データベースを更新し、リアルタイム保護を有効にしておきましょう。
  3. 不要な拡張機能の定期的なチェック インストールしっぱなしになっている拡張機能がないか、定期的に確認して怪しいものを削除する癖をつけてください。
  4. OS・ブラウザの最新アップデート適用 Windows UpdateやEdgeのバージョンを常に最新に保つことで、既知のセキュリティホールを塞ぎ、ハイジャックを受けにくくなります。

まとめ

Search-great.comによるブラウザハイジャックは、表面的なキャッシュクリアや再インストール程度では解決が難しいケースが多々あります。しかし、Farbar Recovery Scan Tool(FRST)を用いてシステム内部のログを精査し、専門家の指示に従ってfixlist.txtを適切に実行すれば、多くの場合は原因を根本から排除可能です。また、修正後はEdgeのリセットや不要プログラムのアンインストールなどを同時に行い、再発のリスクを最小限に抑えましょう。

ブラウザハイジャックは、日頃からのセキュリティ対策と安全な操作を心がけることで防ぐことができます。もし再び怪しい挙動を感じたら、焦らずにログを取得し、適切なサポートを受けて対処してください。ネット上のトラブルは、根本原因を正しく突き止めることが最善の近道となるのです。

コメント

コメントする