Microsoft Edgeで複数のサイトが開けない原因と解決策を徹底解説

突然、普段使いしているMicrosoft Edgeで複数のウェブページが開けなくなると焦ってしまいますよね。ネットワークをリセットしてもダメ、ChromeやFirefoxなど他のブラウザでもログインが必要なサイトがアクセス不可となると、原因が一筋縄ではいかないことが多いものです。そこで本記事では、実際に起こりうるマルウェアの影響やネットワークアダプターの不具合、そしてMicrosoftアカウントの同期不具合など、多角的な視点から原因と解決策をご紹介します。

Microsoft Edgeで多数のウェブページが読み込めない原因とは?

「Edgeの画面に証明書エラーが頻発し、ウェブページを開こうとしても読み込まれない」「Microsoftアカウントでの再ログインができなくて同期が止まってしまう」など、さまざまな症状が同時に発生するときは、単純な設定ミスだけが原因ではないかもしれません。以下では、主な原因となりやすいポイントを解説します。

1. マルウェアによるネットワーク環境の破壊

最近ではウイルス対策ソフトの精度も高くなっていますが、それをかいくぐる形で侵入するマルウェアも後を絶ちません。特に「WebDiscover Browser」のように、一見するとブラウザの派生ソフトウェアに見えつつ、実はスパイウェア的に動作する悪質なプログラムが存在しています。
こうしたマルウェアが入り込むと、Windowsのネットワーク設定や証明書関連を壊してしまい、多くのウェブページを正常に開けなくなる可能性があります。また、マルウェアによってはウイルス対策ソフト自体の検出を回避する仕組みを備えているため、普通に1回スキャンを実行しただけでは駆除しきれないケースもあります。

マルウェアの存在を確かめるチェックポイント

  • ウイルス対策ソフト(Windows Defenderや他社製ソフト)を起動して、複数回スキャンを行う
  • 「WebDiscover Browser」など身に覚えのないソフトがインストールされていないかプログラム一覧を確認
  • Windowsタスクマネージャーで不審なプロセスやスタートアップ項目がないかチェック
  • レジストリエディタで怪しいキーが登録されていないかを調べる(上級者向け)

2. ネットワークアダプターやドライバーの不具合

ネットワーク経路に問題がある場合は、単にブラウザだけを疑うのではなく、物理的なデバイスやドライバー設定を見直すことが重要です。特にUSBタイプのWi-Fiアダプターは頻繁に着脱を行うことが多く、内部的に不具合が生じる可能性も高いものです。
また、マルウェアの影響でネットワーク設定が書き換えられていると、有線接続(Ethernet)を試しても正しく通信できないことがあります。ネットワークスタックそのものが破損していると、再インストールや高度なトラブルシューティングが必要な場合もあるので注意が必要です。

ネットワークアダプターの不具合を疑うサイン

  • Wi-Fiの接続が頻繁に切れる、または速度が極端に低下する
  • デバイスマネージャーで警告アイコンが表示される(ドライバーのエラー)
  • 別のPCやスマホでは問題なく接続できるのに、特定のPCだけネットワーク不安定
  • Windowsで「ネットワークのリセット」を実行しても改善しない

3. Microsoftアカウントへのサインイン障害と同期問題

EdgeはMicrosoftアカウントとの同期機能を標準でサポートしており、ブックマークやパスワード、閲覧履歴などを同期するにはアカウントへのログインが欠かせません。ところが、マルウェアや証明書エラーが原因で「ログインページ自体にアクセスできない」という事態になると、同期の設定どころかPCの時刻や地域情報の自動修正すら行えなくなります。
このような場合、Microsoftアカウントが使えないままローカルアカウントでのログインに固定され、Windowsのアップデートやアプリの認証にも支障が出てしまう可能性があります。

実際に行った主な解決策

ここからは、現場で実際に行われた対処法を大きく4つに分けてご紹介します。マルウェア駆除からネットワークアダプターのチェック、そしてOSやブラウザの更新、最後にMicrosoftアカウント再ログインの手順という流れです。トラブルを根本的に解決するには一つひとつ地道に対策を進めることが肝心です。

1. マルウェアの徹底駆除

まず最優先されるのが、PC内部に潜んでいる不要・不審なソフトウェアを根こそぎ取り除くことです。以下のように複数のツールを使い分けて、重複スキャンを行うのがおすすめです。

セキュリティソフト特徴スキャンのポイント
Windows DefenderWindows標準搭載で、リアルタイム保護機能あり常駐保護をオンにして、オフラインスキャンやフルスキャンを試す
Spybotスパイウェアに特化した検出・駆除機能深い階層のマルウェアを発見しやすいため、何度もスキャン
Malwarebytes多様なマルウェア検出に優れる有名ツール無料版でも定期的なスキャンが可能。隠れた残骸ファイルも狙う
  • 「WebDiscover Browser」など不要なプログラムをアンインストール
    Windowsの「アプリと機能」(または「プログラムの追加と削除」)を開き、見慣れないソフトを削除します。
  • 怪しいブラウザ拡張機能の無効化・削除
    EdgeやChrome、Firefoxなど、全てのブラウザの拡張機能一覧をチェックし、不審なものを削除します。
  • スタートアップ項目からの除外
    「タスクマネージャー」→「スタートアップ」タブで、自動起動されるプログラムを見直し、不要なものは無効化します。

再スキャンを繰り返す重要性

一度マルウェアを検出・駆除しても、残存ファイルやレジストリが再度不審な挙動を引き起こす場合があります。特に厄介なタイプのスパイウェアやアドウェアは、システムの深い部分に潜り込み、他のファイルをダウンロードしてくることもあるため、ウイルス対策ソフトや専門ツールを使って何度かスキャンを繰り返すことが大切です。

2. ネットワークアダプターの交換・修理またはドライバー更新

マルウェアの駆除がある程度完了したら、ネットワーク関連のハードウェアとドライバーを確認します。故障や不具合が疑われる場合は、次のステップを試してみましょう。

  1. USBタイプのWi-Fiアダプターを別のUSBポートに挿してみる
  2. 別のPCで同じアダプターを試し、正常に動作するか確認する
  3. メーカーサイトから最新のドライバーをダウンロード・インストールする
  4. 有線LAN(Ethernet)が利用できるなら、LANケーブルを使って接続テストを行う

もしアダプター自体が壊れているようであれば、新しい製品への買い替えも視野に入れる必要があります。また、LANポートに問題がある場合はマザーボードの故障や設定不良の可能性も考えられるため、ハードウェアの専門家に相談するのも一つの手段です。

コマンドプロンプトでのネットワークリセット例

ドライバーを更新しても問題が残る場合、以下のコマンドを使ってWindowsのネットワーク設定を初期化してみると改善することがあります。

netsh int ip reset
netsh winsock reset
ipconfig /flushdns
ipconfig /release
ipconfig /renew

これらのコマンドにより、IPアドレスやDNSキャッシュ、Windows Socketの設定をリセットし、新たに再取得を試みることができます。ただし、リセット後に再起動が必要な場合もあるので、PCを再起動して設定が正しく反映されるか確かめましょう。

3. Windows 10 と Microsoft Edgeのアップデート

マルウェアを駆除し、ハードウェア周りの不具合を取り除いた後は、OSやブラウザのバージョンを最新にしておくことが重要です。ただし、マルウェアの影響が残っているとアップデートが失敗することもあるので、以下のポイントをチェックしながら実施しましょう。

  • Windows Updateの障害をチェック
    「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開き、更新プログラムをインストール。何かエラーが出る場合はエラーコードを検索する。
  • Edgeのバージョン確認
    Edgeを開き「…」(メニュー)→「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edgeについて」から最新バージョンかどうか確認。更新があれば適用し、再起動を行う。
  • ドライバーパッケージの更新
    Windows Updateに表示されない場合でも、メーカーサイトからチップセットやLAN、Wi-Fi関連のドライバー更新を行う。

Windows Updateで失敗が続く場合の対策

  • 一時的にウイルス対策ソフトの常駐保護をオフにして再度トライ
  • BITS(バックグラウンド インテリジェント転送サービス)やWindows Updateサービスを再起動
  • システムファイルチェッカー(sfc /scannow)やDISMコマンドで破損ファイルを修復
DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth
sfc /scannow

これらのコマンド実行後、再度Windows Updateを試してみると成功するケースがあります。

4. Microsoftアカウントの再サインインと同期設定

マルウェア駆除やネットワーク問題が解決した後は、再度Microsoftアカウントでサインインすることで、Edgeのブックマークやパスワード、Windowsの設定などを同期し直すことが可能になります。
手順としては「設定」→「アカウント」→「お使いの情報」から「Microsoftアカウントでサインイン」を選び、メールアドレスとパスワードを入力。二段階認証を設定している方は、認証コードを入力してログインを完了させます。

同期設定の確認項目

  • 同期オプション: Edge上で「同期」の項目がオンになっているか確認
  • PCの時刻・地域情報: 「設定」→「時刻と言語」で自動的に日付と時刻が同期されているかチェック
  • 初回サインイン時の再起動: 場合によってはサインイン後の再起動で同期が有効になることもある

より確実なトラブル回避のためのヒント

ここからは、同様のトラブルを二度と繰り返さないためのヒントをいくつかまとめます。今後、Edgeが急に使えなくなったり、PCが不安定になったりしないよう、日頃から予防策を講じておきましょう。

1. 定期的なバックアップとシステムイメージ

万一マルウェアに再感染したり、OSファイルが大きく破損した場合でも、バックアップがあれば比較的簡単に復旧できます。特に、マルウェア被害はシステム全体が破損するリスクがあるため、イメージバックアップや重要ファイルのクラウド保存を定期的に行いましょう。

2. ブラウザ拡張機能の厳選

便利だからといって、やたらに拡張機能を追加していないでしょうか。知らないうちに不審な拡張機能をインストールしていると、ブラウザ内部でマルウェアが活動しやすくなります。公式ストア以外の場所から拡張機能をダウンロードする場合は、とくに注意が必要です。

3. 不審サイトやフリーソフトの利用に注意

「便利そうなフリーソフトをダウンロードしたら、いつの間にか広告まみれになった」「海外の怪しいサイトからドライバーを落としたらPCが不調になった」というケースは少なくありません。公式や信頼できるソースからのみダウンロードする癖をつけましょう。

4. リアルタイム保護とファイアウォールの維持

Windows Defenderや他社製セキュリティソフトのリアルタイム保護をオフにして放置したり、ファイアウォール設定を無効化したまま使っていると、外部からの攻撃を受けやすくなります。トラブルシュートで一時的にオフにした場合も、完了したら必ず再度オンに設定しましょう。

5. トラブル時はイベントビューアーでログを確認

Windowsにはイベントビューアーという強力なログ機能があり、起動エラーやネットワーク断、セキュリティ関連の警告などが記録されています。ブラウザが開かない、証明書エラーが多発する場合でも、イベントビューアーの「システム」や「アプリケーション」のログをチェックすることで、何かヒントが得られるかもしれません。

まとめ:マルウェア駆除とネットワーク安定化が鍵

最終的には、マルウェアの徹底駆除が成功し、ネットワークアダプターを交換・修理またはドライバー更新で安定化することで、Edgeや他のブラウザでの閲覧障害が解消されるケースが大半です。ローカルアカウントでログインしていた場合も、問題解決後にMicrosoftアカウントに切り替えて同期を復活させることで、本来のWindows 10が持つ便利な機能を再び利用できるようになります。
また、今回のように複数の原因が複雑に絡み合っている場合、根気強く一つひとつの問題を切り分けて対応することが重要です。マルウェアは軽視できない脅威であるため、日頃からウイルス対策ソフトや拡張機能の管理に気を配りつつ、定期的なバックアップを取る習慣を身につけると安心です。

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