Microsoft Edgeを使っていると、検索結果の読み込みが急に遅くなり、なぜかBingの画面を経由せずに「skyjem.com」を挟んでGoogleへリダイレクトされてしまう現象にお困りの方も多いのではないでしょうか。ここでは、その原因と具体的な解決策について詳しく解説していきます。
Microsoft Edgeで起こる「skyjem.com」経由のリダイレクト問題とは
Microsoft Edgeを使って検索をかけた際、本来であればBingなどの既定の検索エンジンで結果が表示されるはずです。しかし、読み込みに時間がかかった末に、「skyjem.com」という見慣れないサイトを経由し、その後Googleの検索結果ページへ移動してしまう――これが今回の問題の概要です。
このような現象が起こる場合、大きく疑われるのが「ブラウザハイジャッカー」と呼ばれる不正な拡張機能や広告ソフト(アドウェア)、あるいはシステム内に潜むマルウェアが原因となっている可能性です。
下記では、この問題の背景と考えられる根本原因について、より細かく紐解いていきます。
本来の検索エンジンが置き換えられる仕組み
ブラウザハイジャッカーとは、ユーザーが意図しない形で既定の検索エンジンやホームページを変更してしまう不正なプログラムです。Edgeの場合、通常はBingを既定の検索エンジンとして使用しますが、ブラウザハイジャッカーに感染すると、この設定が無断でGoogleや別のサイトに書き換えられることがあります。今回問題になっている「skyjem.com」は、リダイレクトを行う中継地点のような役割を担っており、実際の検索結果画面がGoogle側へ飛ばされてしまう仕組みです。
「遅い」「重い」と感じる理由
本来の検索フローに余計なサイトが介在するため、表示までのプロセスが増えてしまいます。その結果、Edgeで検索するときに「なかなか検索結果が出ない」「ページの読み込みが明らかに遅い」といった問題が発生しやすくなります。これらの症状は、回線速度が問題なのではなく、不正な処理が裏側で走っている可能性を示唆しているのです。
拡張機能以外から感染するケースもある
悪意ある拡張機能を自分でインストールした覚えがない場合でも、フリーソフトのダウンロードに紛れ込んだアドウェアやツールバー、あるいは不正なスクリプトが導入されるケースがあります。たとえば、知らないうちに「Adblock360」「NewTab拡張」など、それらしい名前を冠した拡張機能がEdgeに追加されている場合、何らかの形でハイジャックされている可能性が高まります。
また、会社や公共機関のPCであっても、権限がある程度緩い環境では、利用者が気づかない間に広告ソフトがインストールされてしまうリスクが存在します。
リダイレクト問題を引き起こす具体的な原因
この問題が起こる原因は多岐にわたりますが、主に以下の3つが代表的です。
- 悪意ある拡張機能(ブラウザハイジャッカー)
ブラウザの検索エンジンや設定を勝手に書き換える拡張機能がインストールされているケース。 - アドウェアや不要なソフトウェア
広告表示やリダイレクトを目的としたアプリケーションがPC内に存在し、常駐している。 - マルウェア感染
ウイルスやトロイの木馬といったマルウェアが、Edgeだけでなくシステム全体に影響を与えている可能性もある。
いずれのケースにおいても、まずは「どのファイルや拡張機能が原因なのか」をはっきりさせることが、問題解決への第一歩です。
不要なツールバーが原因になっている例
ブラウザハイジャックは「拡張機能の形」で入り込むだけでなく、古いツールバーを介して起こる場合もあります。たとえば昔に導入したまま放置しているツールバーなどが、第三者に買収されたり、アップデートで不審な機能が追加されたりすることがあり、そこからリダイレクトが起こることがあります。
PC自体のパフォーマンスが影響するケース
PCが極端に古い、あるいはストレージ容量が圧迫されているなどの場合は、ブラウザの動作全般が遅くなることがあります。しかし、今回の「skyjem.com」を経由した特定のリダイレクトに関しては、システム性能だけが原因とは考えにくいため、やはりハイジャックなどのソフトウェア的な問題を疑ったほうがよいでしょう。
有効な対策ステップ1:AdwCleanerによるスキャン
リダイレクト問題を解決するうえで最も取り組みやすいのが、Malwarebytes社が提供している「AdwCleaner」の利用です。AdwCleanerは、軽量ながらもアドウェアやブラウザハイジャッカー検出に特化しており、多くのユーザーから高評価を得ています。
AdwCleanerの特徴
- 軽量・ポータブル:インストール不要で実行できるため、システムに負荷が少なく気軽に使える。
- 専門性が高い:広告ソフトやブラウザ関連の不審な設定を重点的に検出する。
- シンプルな操作:スキャンボタンを押すだけで検出&削除が完了するため、初心者にも扱いやすい。
AdwCleanerの使い方
- 公式サイト(Malwarebytes | AdwCleaner)からダウンロードする。
- ダウンロードしたファイルを実行し、利用規約に同意。
- メイン画面が表示されたら「Scan Now(今すぐスキャン)」などのボタンをクリック。
- スキャン結果で悪意あるソフトや不要な広告ソフトが検出されたら、削除または隔離を実行。
- PCの再起動を求められたら再起動し、ブラウザの動作を確認する。
AdwCleanerで多くのブラウザハイジャッカーは一掃できるケースが多く、特に不審なアドウェア系プログラムが原因であれば、このステップだけで問題が解決することもあります。
有効な対策ステップ2:FRST(Farbar Recovery Scan Tool)を使った詳細調査
AdwCleanerのスキャンでも問題が解決しない、あるいはさらに詳細に原因を突き止めたい場合は、FRST(Farbar Recovery Scan Tool)の利用が推奨されます。FRSTはシステム全体を細かくチェックし、問題の根源となっているレジストリやファイルを洗い出す強力なツールです。
FRSTで何ができるのか
- 細部までのスキャン:レジストリやシステムフォルダ、タスクスケジューラなどを含む広範囲の解析が可能。
- ログの作成:実行後に「FRST.txt」「Addition.txt」という詳細なログファイルが作成され、どのファイルやエントリが怪しいかを可視化できる。
- Fix機能で問題を除去:ログをもとにFRSTの「Fix」ボタンを押すと、悪質なファイルやレジストリエントリを修正・削除するように設定可能。
FRSTの基本的な使い方
- 信頼できるサイト(BleepingComputerなど)からFRSTをダウンロードする。
- ダウンロードした実行ファイルを「右クリック → 管理者として実行」。
- 使用許諾に同意後、「Scan」ボタンをクリックしてスキャン開始。
- スキャン完了後、「FRST.txt」「Addition.txt」という2つのテキストファイルが生成される。
- ログファイルを確認し、怪しいエントリが指摘されている場合は、FRSTの「Fix」用スクリプトを作成(または、自動生成されたFixリストを使用)し、修正を実行。
- 修正・削除が完了したらPCを再起動し、Edgeを再度起動して挙動を確認する。
FRSTは高度なツールであるため、誤った操作をするとシステムに不具合が生じるリスクもあります。自信がない場合や、より専門的なアドバイスを求めるなら、IT専門家やフォーラムなどでログを見てもらうのも一つの手です。
AdwCleanerとFRSTの比較表
以下の表で、2つのツールの特徴をざっくり比較してみましょう。
ツール名 | 特徴 | 操作性 | 検出範囲 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
AdwCleaner | 広告ソフトとブラウザ関連に特化 | シンプル | 限定的だがブラウザ周りに強い | 初心者~中級者向け |
Farbar Recovery Scan Tool (FRST) | システム全体の詳細スキャンが可能 | やや上級者向け | レジストリやタスクスケジューラなど含め広範囲 | 中級者~上級者向け |
上記のように、まずはAdwCleanerで簡単にチェックし、より根深い問題が疑われる場合にはFRSTを使って詳細に調査・修正を行うのが一般的な流れです。
具体例:不審な拡張機能「Adblock360」が原因だったケース
ユーザー報告の中には「Adblock360」という拡張機能が勝手に導入されており、それがリダイレクトの直接的な原因だったという事例があります。一見すると広告ブロッカーのような名称ですが、実際には信頼性の低い拡張機能で、検索エンジンの結果を改ざん・リダイレクトする仕組みが含まれていたようです。
拡張機能をチェックする手順
- Microsoft Edgeを起動。
- 画面右上の「…(設定など)」アイコンをクリックし、表示されるメニューから「拡張機能」を選択。
- インストールされている拡張機能リストを確認。
- 見覚えのない拡張機能や、「Adblock360」「NewTab something」など怪しそうな名前があれば削除・無効化する。
- 拡張機能を削除した後、Edgeを再起動してリダイレクトが解消されているかを確認。
「自分は拡張機能を入れた記憶がない」という場合でも、何らかのソフトウェアをインストールした際に、知らず知らずのうちに追加されていた可能性があります。定期的に拡張機能を確認し、不要なものはオフまたは削除するのが望ましいでしょう。
信頼できる広告ブロッカーの導入
怪しい拡張機能を削除した後は、再発防止のために信頼性のある広告ブロッカーを導入するのもおすすめです。特に人気が高いのは「uBlock Origin」や「uBlock Origin Lite」などです。
uBlock Originをおすすめする理由
- 軽量でブラウザへの負荷が少ない。
- 大手コミュニティで維持されており、フィルタリストが豊富。
- 不正広告やスクリプトを高精度でブロックできる。
Microsoft Edge用のuBlock Originは、こちらから、uBlock Origin Liteはこちらから導入可能です。
広告ブロッカーの利用時の注意点
- 一部のサイトでは広告ブロックにより正常に表示されない要素があるかもしれない。
- その際は、広告ブロッカーを一時的に無効化するなど、柔軟に対応する。
- 安全性の低い不審な広告ブロッカーは入れないようにする(今回のようなハイジャックの原因になるケースもある)。
その他の注意点とトラブルシューティング
SmartScreenの警告について
Microsoft EdgeにはSmartScreenというセキュリティ機能が搭載されており、ダウンロード時やサイト訪問時に警告を出すことがあります。AdwCleanerやFRSTのように正当なツールでも、稀に警告が表示される場合がありますが、公式サイトから取得したものならば許可して問題ないケースが大半です。
ブラウザのリセットや再インストール
どうしても原因が特定できない場合、Edgeをリセット(初期化)したり、一度アンインストールして再インストールする方法もあります。ただし、この作業を行う前に、AdwCleanerやFRSTを使ってシステムのクリーンアップを試みることを強くおすすめします。不要なプログラムを除去しないまま再インストールをしても、また同じ問題が再発する恐れがあるからです。
定期的な確認・メンテナンスの大切さ
- 拡張機能の定期チェック:知らないうちに追加されていないか、月1回程度は確認する。
- ウイルス対策ソフトの導入:リアルタイムでマルウェアを検知できるセキュリティソフトを導入しておく。
- Windows Updateの実施:OSやブラウザを常に最新の状態に保つことで、多くの脆弱性をあらかじめ塞ぐことができる。
まとめ:早めの対策でスムーズなEdge体験を取り戻そう
Microsoft Edgeで検索が遅くなり、Bingが一瞬見えた後「skyjem.com」を経由してGoogleに強制リダイレクトされる場合、大半はブラウザハイジャッカーやアドウェアが原因となっています。
- Step1:AdwCleanerで不要な広告ソフトやブラウザハイジャッカーをスキャン・削除
- Step2:FRSTで詳細にシステムを解析し、残っている不審なエントリをFix
- Step3:拡張機能のチェックと不審なものの削除
- Step4:uBlock Originなど、信頼性の高い広告ブロッカーを導入して再発防止
これらの手順を踏むことで、ほとんどのリダイレクト問題は解消されるはずです。ブラウザの動作が元に戻ったら、日々のメンテナンスとして拡張機能やアップデートを定期的に確認し、快適なMicrosoft Edgeライフを送るための対策を継続していきましょう。
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