Microsoft Edgeを最新バージョンに更新した直後、マウス操作でのスクロールがカクついてしまいお困りではありませんか? 本記事では、なめらかなスクロールを取り戻すためのポイントを中心に、Windows側の設定やEdgeの実験的機能(Flags)の活用方法など、具体的な解決策を幅広くご紹介します。
Edgeアップデート後になめらかなスクロールが効かない原因とは?
Microsoft Edgeのバージョンアップに伴い、これまで快適に動作していたSmooth Scrolling機能が突然無効になってしまう事例が報告されています。特に「ロジクールMX Master 3S」などの高機能マウスを使っている環境では、アップデート後のEdgeだけスクロールがカクつき、以前のバージョンでは問題なく動作していた…といった不具合が生じるケースがあります。こうした差異の背景には、Edgeの内部設定(Flags)の初期値変更や、Windows側のマウス設定、マウスドライバ(ソフトウェア)の相性など、複数の要因が絡み合っていることが多いです。
考えられる主な原因
- Edgeの実験的機能(Flags)で「Smooth Scrolling」がデフォルトで無効化された
- Windowsのマウス設定がEdgeのアップデートに伴いリセットまたは変更された
- マウスドライバやLogi Options/Logi Options+などの設定と競合が発生している
- 一時的なバグやキャッシュの不具合
これらの原因を踏まえると、まずはFlagsやWindows設定を見直し、必要に応じてマウス側のドライバ設定を最適化することで解決に近づける可能性が高いです。
Edgeのバージョン情報を確認する重要性
Edgeのバージョンによって、挙動や初期設定が大きく変わることがあります。現在の最新版(執筆時点では125.0.2535.51 64ビット)以降、設定が変わったり、新しい機能が追加されたりするたびに不具合の報告が増えることも少なくありません。
不具合が生じたら、まずは「設定 → Microsoft Edgeについて」からバージョンを正確に把握し、不具合があれば再起動や再インストールを検討するのがおすすめです。
EdgeのSmooth Scrollingを再び有効にする設定方法
なめらかなスクロールを復活させるために、最初に試しておきたいのがMicrosoft Edgeの実験的機能(Flags)の見直しです。デフォルトでオンになっていると思い込んでいても、バージョン更新のタイミングでオフになっている場合があります。
1.Edge FlagsでSmooth Scrollingを有効にする
- アドレスバーに「
edge://flags/
」と入力し、実験的機能の設定ページを開く - 検索ボックスで「
Smooth Scrolling
」または「Windows Scrolling Personality
」を検索 - 対象となる項目が「Disabled」や「Default」になっている場合は「Enabled」(有効)に変更
- 設定変更後、必ずEdgeを再起動して反映させる
Flags設定が見つからない場合
バージョンによっては「Smooth Scrolling」や「Windows Scrolling Personality」などの項目名が非表示、あるいは統合されている場合もあります。その場合、同画面で「scroll」「mouse」「Windows scroll」といったキーワードで探してみてください。それでも見つからないときは、次のステップに進み、Windowsやマウスのドライバ設定を見直すことが得策です。
Windowsのマウス設定を見直すポイント
EdgeのFlagsを有効にしても改善が見られない場合、次に注目したいのがWindowsのマウス設定です。とくに更新タイミングによるOS側の設定変更や、Windows Updateの反映によって、従来の設定がリセットされている可能性があります。
2.Windowsでスクロール行数や精度を調整する
- 「Win + I」キーでWindowsの設定を開きます
- 「Bluetoothとデバイス」→「マウス」を選択
- 「追加のマウス設定」(または関連する設定)をクリック
- 「ホイール」タブでスクロール行数やスクロールの方向を確認・調整
- 必要に応じて行数を減らしつつ、細かく調整してみる
マウスのスクロール行数が大きすぎたり、小さすぎたりすると、Edgeの挙動と噛み合わなくなるケースがあります。少しずつ値を変えてみて、なめらかに感じるポイントを探ると良いでしょう。
マウスドライバやLogi Optionsの設定で解決を図る
ロジクールのMX Master 3Sなど、専用のドライバソフト(Logi OptionsまたはLogi Options+)を用いている場合、それらのソフトウェア設定も見直してみましょう。Edgeのアップデートと連動してドライバ側にも変更が生じ、思わぬ競合が起きている可能性もあるからです。
3.Logi Options/Logi Options+での設定を再確認
- Logi Options(あるいはLogi Options+)を起動し、対象マウスの設定画面を開く
- 「スクロール」や「スムーズスクロール」といった項目があればオンになっているかを確認
- オフになっている場合は有効に設定し、マウスやPCを再起動してみる
- その他、ホイールの速度調整や特殊機能が衝突している場合は、機能を一時的にオフにして様子を見る
ドライバを再インストールする手順
マウスドライバが破損している可能性も否定できません。特にWindows Update後にドライバの互換性が損なわれることがあります。以下の手順でドライバを再インストールしてみると解決する場合があります。
- Windowsデバイスマネージャーで当該マウスを右クリックし、「デバイスのアンインストール」を選択
- PCを再起動してから、Logi Options/Logi Options+を再度インストール
- ドライバの自動インストールが終了したら、再度マウスのスクロール挙動を確認する
スムーズスクロールが効かないときの追加チェックリスト
スムーズスクロールが効かない場合、EdgeやWindowsだけでなく、以下のポイントも確認しておくとトラブルシューティングが捗ります。
チェック項目 | 内容 | 確認方法 / 対処法 |
---|---|---|
他ブラウザでの挙動 | ChromeやFirefoxでも同様にカクつくか | Edgeだけの問題ならFlagsや設定変更、複数ブラウザで起きるならドライバを重点チェック |
拡張機能の干渉 | インストールした拡張機能が競合を起こしていないか | 拡張機能を無効化し、再度スクロールをテスト |
PCスペックの負荷 | CPUやメモリが逼迫しているとスクロールがカクつきやすい | タスクマネージャーでリソース状況を確認し、余裕がない場合は不要なタスクを終了 |
再起動の実施 | OSやEdgeを再起動せず設定変更だけ行っても反映されない可能性 | 設定変更後、Edgeを一度閉じてからWindowsごと再起動してみる |
原因切り分けのためのテスト方法
すべての対処法を一気に試すと、どの手段が有効だったのか分からない場合があります。順番に1つずつ設定を変更し、改善したタイミングをメモしておくと原因を特定しやすくなるでしょう。また、短期的に直ったと思っても再度カクつく場合は、Flags設定の競合や一時的なバグの可能性もあるため、数日間テストしてから最終判断すると安心です。
Edgeの初期化・再インストールでの最終手段
どうしても問題が解消しない場合は、Edge自体を初期化あるいは再インストールする方法もあります。ただし、初期化や再インストールを行うとキャッシュや一部の設定がリセットされるため、事前にブックマークやパスワードなど大切なデータのバックアップを取っておくのを忘れないように注意しましょう。
Edgeの初期化手順
- Edgeの「設定」→「リセットとクリーンアップ」→「設定をリセット」へ移動
- 「設定を既定値に戻す」を選択し、確認を行う
- リセット後はEdgeを再起動し、前述のFlags設定やマウス設定を再度見直す
再インストールの注意点
Windows 10やWindows 11では、Microsoft Edgeはシステムに深く組み込まれているため、アンインストールがやや手間になることがあります。公式サイトからインストーラーをダウンロードして上書きインストールするか、Windowsの機能を使ってアンインストール・再インストールを行う方法があります。いずれにしても、必ず重要データのバックアップを取ってから実行するようにしましょう。
Microsoftコミュニティやフォーラムでの情報収集
個別環境によっては、特定のWindowsビルドや特定のドライババージョンの組み合わせでのみ不具合が発生することがあります。もし上述の対処法をすべて試しても解決に至らない場合、Microsoftコミュニティや有志のフォーラムで同様の事例が投稿されていないかを調べてみましょう。リアルタイムでアップデートに伴う不具合情報が共有されているため、自分の環境にピッタリ合った解決策が見つかるかもしれません。
快適なスクロール体験のためのさらなるヒント
Smooth Scrollingは、文章を読むときや長いウェブページを閲覧するときに非常に快適ですが、一方でGPUアクセラレーションとの相性や、ハードウェアの問題が影響を及ぼす場合もあります。以下のポイントもぜひ確認してみてください。
GPUアクセラレーションを無効化する
Edgeの「設定 → システムとパフォーマンス」(または類似の項目)にある「利用可能な場合はハードウェアアクセラレーションを使用する」を無効にすると、スクロールが改善されるケースがあります。
ただし、ハードウェアアクセラレーションをオフにすると、動画再生や一部のWebアプリのパフォーマンスが落ちる可能性もあるため、メリットとデメリットを考慮してから判断しましょう。
ホイールボタンの設定を変更する
一部のマウスでは、スクロールホイールがフリースピンとラチェット(段階的)の2種類に切り替え可能なものがあります。MX Master 3Sでも「スマートシフト機能」をオンオフにすることで、スクロールの感覚が変化します。思ったよりもカクつくと感じる場合、ホイールモードを切り替えてみると改善が実感できるかもしれません。
Edge以外のアプリでの動作も検証する
スムーズスクロールがEdgeだけで問題となっているのか、WordやExcelなどのアプリケーションでも似たような症状が出ているのかを確認することも大切です。他アプリでもカクつくなら、Windows全体のマウスドライバやハードウェアの問題が疑われます。
まとめ:なめらかなスクロールを取り戻すために
Edgeを使っているときにスクロールがカクつくと非常にストレスを感じやすいですが、今回ご紹介したように「Edge Flagsの設定」「Windowsのマウス設定」「マウスドライバの再調整」など、複数のアプローチを試すことで解決につながるケースがほとんどです。特に、Edgeの実験的機能(Flags)が初期化されていたり、Windows Updateでマウス設定が変更されていたりする点は見落とされがちです。ぜひ、上記のステップを1つずつ試しながら環境を整えてみてください。
もし設定変更やドライバ再インストールでも改善しない場合は、Microsoftコミュニティや有志フォーラムで同様の不具合事例を探し、詳細なログや環境情報を共有してアドバイスを得るとよいでしょう。快適なブラウジング体験を取り戻すため、ぜひ本記事を参考に問題解決を進めてみてください。
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