Microsoft Edgeのテーマを自動切り替えする方法~レジストリからサードパーティツールまで徹底解説

システム全体のライト/ダークモード切り替えに合わせて、Microsoft Edgeの色味も自動的に変われば便利ですよね。今回は、この要望を実現するために考えられる方法と、その際に注意すべき点を詳しく解説していきます。Edgeの彩度を活かしつつ快適に作業を進めましょう。

Microsoft Edgeのライト/ダークモードを自動化したい背景

パソコンやスマートフォンのOSには、ライトモードとダークモードを手軽に切り替えられる機能が備わっています。多くの人は時間帯や周囲の明るさに応じて、OSの設定を自動的に切り替えるようにしているかもしれません。ところが、ブラウザのMicrosoft Edgeは標準設定ではOSに合わせてテーマカラーを自動反映する仕組みがありません。例えばWindows 11の設定で夜になったらダークモード、昼はライトモードに切り替えている人にとっては、Edgeだけ別のカラーテーマを手動で切り替えるのはやや手間がかかります。そこで、Edgeのテーマも自動で連動させたい、という声が増えているわけです。

こうしたニーズに応える公式機能は現時点では用意されていませんが、レジストリ編集やサードパーティーツールを使うことで、ある程度自動化が可能になるかもしれません。本記事では、そうした方法を検討する際に知っておきたいポイントをまとめました。

Edge標準機能ではどうにもならないのか?

Microsoft Edgeには、OS全体のモードとは別に独自の色設定(ライト・ダーク・システム既定など)を行うことができます。ただし「システム既定」を選択しても、OSのライト/ダークモード設定に合わせてテーマが変わるのはブラウザのベース部分だけで、カラーテーマ(例えば独自の青系やパステルカラーなど)を指定している場合は自動で変化しません。

Chrome系の共通仕様

EdgeはChromiumベースのブラウザであり、実質的にGoogle Chromeや他のChromium系ブラウザと同様の仕組みを共有しています。Chromiumブラウザの多くは「OS設定に準拠したライト/ダーク」の切り替えを提供していますが、あくまでUI全体の配色がライトかダークか程度で、独自のテーマカラーが自動的に切り替わる機能はデフォルトで実装されていません。あくまでスキンやテーマとしてのカスタマイズは手動での適用が基本になります。

Edgeの「テーマ色=拡張機能」という考え方

ブラウザのテーマや外観をカスタマイズする機能は、拡張機能(Extension)やストアからのダウンロードによって適用する仕組みがあるため、ユーザーがその都度好みのテーマを切り替えることが前提となっています。よって「時間やOS設定に応じてテーマを変える」といった需要は公式想定外というのが現状です。

レジストリ編集・スクリプトによる自動切り替えの可能性

Edgeのテーマ設定の一部はWindowsのレジストリに書き込まれています。もし自動切り替えを実現するには、以下のような考え方が検討材料となります。

手順の概要

  1. OSがライト/ダークモードに切り替わるタイミングを検知する
  2. Edgeが保持しているテーマ情報をレジストリで書き換える
  3. Edgeの再起動、または少なくとも設定リロードを行う

この流れを実装できれば、OSの設定に併せてEdgeも自動的にテーマを変更できるかもしれません。例えばWindowsの「タスクスケジューラ」やPowerShellスクリプトを用いて、時間帯やライト/ダーク切り替えイベントをフックし、対応するレジストリキーを書き換える方式が想定されます。

具体的なレジストリキーの例

Edgeに関連するレジストリキーはWindowsのバージョンやEdgeのビルドによって変わる可能性がありますが、参考として次のような場所にある場合があります。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Edge\Theme

あるいは

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Microsoft\Edge

など、ポリシーやユーザー設定に応じたパスが考えられます。実際にキーを確認する場合は「regedit」で該当箇所を探索するとよいでしょう。ただし、誤操作やタイプミスがシステム全体に思わぬ悪影響を及ぼす可能性があるため、十分に注意が必要です。

PowerShellスクリプト例

以下はあくまでもサンプルイメージであり、実際のキー名や値は各自でご確認ください。

# Edgeテーマレジストリ設定をライトモードに切り替える例
Set-ItemProperty -Path "HKCU:\Software\Microsoft\Edge" -Name "Theme" -Value "Light"

# Edgeテーマレジストリ設定をダークモードに切り替える例
Set-ItemProperty -Path "HKCU:\Software\Microsoft\Edge" -Name "Theme" -Value "Dark"

このようなスクリプトを組み合わせ、ライト/ダークモード切り替え時に実行されるようタスクスケジューラなどで設定すれば、一定の自動化は見込めるでしょう。

再起動や再読み込みの課題

Edgeのテーマが変更されるのは、ブラウザの設定リロードや再起動が必要になるケースがあります。スクリプトでレジストリ値を変えても、すぐさまEdgeのUIが自動的に変化しないこともあるため、完全にストレスフリーな状態を実現するには、Edgeを閉じて再度起動し直すなどの手動介入が必要な場面もあり得ます。

サードパーティツール・拡張機能の活用

本来、ユーザー側がOSとブラウザのテーマ連動を望むのは自然な流れです。そのため、サードパーティの拡張機能やカスタムツールを提供している開発者が存在するかもしれません。

拡張機能を探す

Edgeの拡張機能ストア、またはChromeウェブストアの拡張機能を利用することで、テーマ自動切り替えに関する機能が提供されているかもしれません。「auto dark mode」「schedule theme」「day night theme」などのキーワードで検索すると、類似機能を持つ拡張が見つかる可能性があります。

しかし、拡張機能により実現できる範囲は限られることが多いです。特に、ブラウザのコア部分(タブのバーやメニューの色)を変えるのは、ブラウザ内部の設定と密接に関わるため、拡張機能だけでは十分に制御できない場合もあります。また、サードパーティが配布しているものはセキュリティ面やサポート体制のチェックが必須です。

自動切り替え用アプリの検討

サードパーティ製の小規模アプリやツールが、Windowsテーマ切り替えと連動してEdgeの設定を変更する仕組みを持っている場合があります。ただし、こうしたツールは公式サポートが無かったり、WindowsやEdgeのアップデートによって動かなくなるリスクがある点に注意が必要です。

メリットとデメリットを比較する

ライト/ダークモードの自動切り替えをEdgeでも実装したいと思ったとき、複数の方法を組み合わせて検討する必要があります。以下の表は、主な方法を比較した例です。

方法メリットデメリット実装難易度
標準設定のまま手動切り替え・公式サポート内で安心
・簡単に操作できる
・毎回切り替えが必要
・自動化ができない
レジストリ編集+スクリプト・ある程度自動切り替え可能
・拡張機能不要
・誤操作リスク大
・Edge再起動が必要になる場合あり
中~高
サードパーティ拡張/ツール・簡易的に自動化ができる場合あり
・動作がわかりやすい
・セキュリティリスク
・将来の互換性不安
Chromeなど別ブラウザへ移行・Chromiumベースなら似た機能が利用可能
・他のテーマ連動拡張の選択肢が増える
・Edge固有の機能が使えない
・移行コスト

実際に運用する際の注意点

どの方法を選ぶにしても、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

レジストリのバックアップ

レジストリ編集に関しては、誤操作をするとシステムに不具合を生じさせる可能性があります。作業前には必ずバックアップを取るか、復元ポイントを作成するなどして安全を確保しましょう。

Edgeアップデートへの備え

Microsoft Edgeは定期的に更新が行われ、その際にレジストリの構成が変わったり、拡張機能の動作が変わるケースがあります。自動切り替えをカスタムで実装した場合、これらのアップデートによって使えなくなる可能性も考慮しておきましょう。

セキュリティリスクの評価

サードパーティの拡張機能やアプリは、一見便利でも悪意のある仕組みや利用者情報の収集といったリスクを内包していることがあります。インストール前には十分にレビューを確認し、開発元の信頼性をチェックしてください。

将来的な公式機能サポートの可能性

Microsoftはユーザーの意見を取り入れながらEdgeを進化させており、公式のフォーラムやフィードバック機能を通じて「EdgeのテーマもOSに合わせて自動で変わるようにしてほしい」という要望が寄せられれば、将来的に対応が検討されるかもしれません。Chromeや他のChromiumブラウザでも同様のフィードバックが多い場合は、Chromiumのコア部分として実装される可能性もゼロではないでしょう。

今のところ確実なアナウンスはありませんが、もしMicrosoftやChromiumプロジェクト側で同機能が実装されれば、手動切り替えやサードパーティツールに頼らずに済むようになるかもしれません。

まとめ:現時点の最適解は「手動かレジストリ+スクリプト」

結論として、Microsoft Edgeのテーマをシステムのライト/ダークモードに合わせて自動切り替えしたい場合、標準機能では対応できないため、現状は以下のいずれかを検討する形となります。

  • 毎回手動でライト/ダークのテーマに切り替える
    手間はかかりますが、確実に安全で公式サポートの範囲内です。
  • レジストリ編集+スクリプトによる自動化に挑戦
    多少のリスクとスキルが必要ですが、タスクスケジューラやPowerShellなどを組み合わせることで自動化に近い運用が可能になる可能性があります。
  • サードパーティツールや拡張機能を探す
    必ずしも思い通りの動作が得られるとは限りませんが、条件に合うツールが見つかれば導入のハードルは低めです。ただし、セキュリティリスクと継続的なサポート状況を見極める必要があります。
  • 他のブラウザで実現する
    Edge固有のメリットやMicrosoftアカウント連携の便利さを捨てる形にはなるため、乗り換えは慎重に検討すべきです。

ライトモードとダークモードを時間帯や周囲の状況で快適に切り替えることは、目の疲れを軽減し、作業効率を高める上でも大切なポイントです。Edgeのテーマも同期できれば理想ですが、まだ公式には対応していない以上、今後のアップデートを期待しつつ、暫定的に自己流の手段を模索してみてはいかがでしょうか。

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