大切なソフトを使おうとしたら「Microsoft Edge WebView2が既にインストールされています」と表示され、インストールも削除もできず行き詰ってしまうことはありませんか。私自身、3Dプリントソフトを立ち上げようとしたときに同じトラブルが起こり、思わぬ時間と手間を取られた経験があります。そこで今回は、Edge WebView2の再インストール時に起きるエラーを解消し、問題なくソフトを動作させる具体的な手順を詳しくご紹介します。
はじめに
Edge WebView2は、Microsoft Edgeのエンジンを活用してアプリケーション内でWebコンテンツを表示するために欠かせない存在です。3DプリントソフトやUnity関連ツール、Outlook(新バージョン)など、多くの場面で使用されるようになっています。しかし、突然「既にインストールされている」と表示され、実際にはファイルがない、もしくは動作しないケースに遭遇することがあります。この症状に悩む方は意外と多く、特に再インストールやアンインストールがブロックされてしまうと、何をどうすればいいのか分からなくなるかもしれません。
トラブルの概要
ある日、3Dプリントソフトを久しぶりに立ち上げると、エラーが出てしまい「Microsoft Edge WebView2をインストールしてください」と表示されたのに、いざインストールしようとすると「既にインストールされています」と弾かれる。削除してやり直そうと思っても「ファイルが見つからない」「既にインストール済み」と出るばかりで先に進まない。そんなループにはまり込むケースが報告されています。
主な原因の考察
実は、このような不具合が起きる原因として、以下のような可能性が考えられています。
1. レジストリ情報の矛盾
PC上にはアンインストール済みの痕跡や破損したレジストリ情報が残っており、実際に必要なフォルダーやファイルがないのに「インストール済み」と認識されてしまうケースがあります。
2. アップデート時のエラー
Windows UpdateやOfficeの自動更新、あるいはEdge本体の更新などのタイミングで何らかのエラーが発生し、WebView2の関連ファイルが不完全な状態で上書きされたり削除されたりすることがあります。
3. セキュリティソフトの影響
ウイルス対策ソフトやセキュリティポリシーが厳格に設定されている環境だと、必要なファイルがブロックされ、インストールプロセスが正常に進行しない場合も報告されています。

私の環境では、Windowsアップデートの途中で強制終了したのが原因だったようです。レジストリを覗いてみたら中途半端に情報が残っており、フォルダーを直接削除したら問題が解決しました。
Edge WebView2の不具合対処の全体像
ここからは、実際の対処方法を順序立てて解説していきます。すぐにでも再インストールを試したいかもしれませんが、まずは必要な準備やバックアップをしっかり行うことが大切です。万が一のリスクを回避して安全に作業を進めるために、以下の手順を大まかに把握してみてください。
手順1:バックアップを取る
最初に、今のシステム状態を保護するためにバックアップを実行しましょう。重要なデータは外付けHDDやUSBメモリ、クラウドストレージなどにコピーしておくことが望ましいです。特にレジストリをいじる前には、Windowsシステムの復元ポイントを作成するなど、トラブル時に元に戻せる準備が必須です。
手順2:最新のEdgeとWebView2インストーラーを用意
事前にMicrosoft公式サイトから「Microsoft Edge」の最新インストーラーと「Microsoft Edge WebView2 Runtime」のインストーラーをダウンロードしておきましょう。オフラインインストーラーが用意されている場合は、それを活用するとスムーズです。
手順3:Edge関連フォルダーを削除
「C:\Program Files (x86)\Microsoft」や「C:\Program Files\Microsoft」などのフォルダー内を確認し、EdgeもしくはWebView2に関連しそうなフォルダーを削除できる範囲で削除します。
ただし、削除できないファイルやフォルダーがある場合は、権限の問題が絡んでいる可能性があるため、管理者権限のコマンドプロンプトやセーフモードを利用すると削除ができるかもしれません。
よく削除対象となるフォルダー例
– C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge
– C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeCore
– C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeWebView
ただし、フォルダー構成はバージョンによって微妙に異なるので、似た名前があれば対象として確認してください。誤って必要なフォルダーを消さないよう、内容をチェックしつつ進めることが大切です。
手順4:レジストリキーを削除(管理者権限で実施)
WebView2関連のアンインストールや再インストールを阻んでいる大きな要因は、レジストリ内の矛盾した情報です。以下の手順で慎重に削除しましょう。
4.1 レジストリエディターの起動
Windowsのスタートメニューから「regedit」と入力して「レジストリエディター」を起動します。必ず管理者として実行しましょう。
4.2 レジストリのバックアップ
レジストリエディターで「ファイル」→「エクスポート」を選んで、レジストリ全体あるいは編集予定のキー部分をバックアップしておくことを強くおすすめします。
4.3 エラーの原因となるキーを削除
以下のパスをたどり、「{F3017226-FE2A-4295-8BDF-00C3A9A7E4C5}」というキーを探して削除します。
HKEY_LOCAL_MACHINE └─ SOFTWARE └─ WOW6432Node └─ Microsoft └─ EdgeUpdate └─ Clients └─ {F3017226-FE2A-4295-8BDF-00C3A9A7E4C5}
このキーはWebView2を示す情報としてよく知られており、削除することで「既にインストールされている」という誤認識がリセットされることが多いです。
手順5:Microsoft Edgeを再インストール
準備しておいたEdgeのインストーラーを実行し、Edge本体を改めてインストールします。エラーなく完了できればOKですが、万が一セットアップ中にエラーが起きる場合は、Windows Updateを最新状態にするなどの下準備を再度見直してみてください。
手順6:WebView2を再インストール
続けてWebView2 Runtimeのインストーラーを実行します。途中でセキュリティソフトがブロックしたり、Windowsのサービスが一時的に走っている場合は、処理が終わるまで待機することが大切です。一度タスクマネージャーを開いて「msiexec.exe」や「officeclicktorun.exe」などが動作していたら、全工程が終わるまでパソコンを触らずに待つことも手です。
再インストール後のチェックポイント
– アプリケーションを再度起動してみる
– 「プログラムと機能」または「アプリと機能」でWebView2が正常にインストールされているか確認
– Windows Updateを改めて手動で実行してみる
具体的な作業例のテーブル
以下に、今回の手順をまとめたテーブルを用意しました。作業漏れを防ぐために確認用としてご利用ください。
作業ステップ | 作業内容 | 注意点 |
---|---|---|
1. バックアップ | 重要ファイル、システム復元ポイント | 万一のトラブルに備える |
2. インストーラー準備 | Edge・WebView2のオフラインインストーラー | Microsoft公式サイトから入手 |
3. フォルダー削除 | 旧Edge・WebView2関連フォルダーを消去 | 管理者権限やセーフモードを活用 |
4. レジストリ削除 | キー「{F3017226-FE2A-4295-8BDF-00C3A9A7E4C5}」などを削除 | レジストリバックアップ必須 |
5. Edge再インストール | Edgeのインストーラーを実行 | エラー時はWindows Updateを確認 |
6. WebView2再インストール | WebView2のインストーラーを実行 | セキュリティソフトの監視に注意 |
7. 動作確認 | アプリ起動、正常動作をチェック | 必要に応じて再起動 |
トラブルシューティングのポイント
上記の手順でほとんどのケースでは問題が解決されるはずですが、まれにうまくいかない場合があります。次のポイントも合わせてチェックしてみてください。
セキュリティソフトを一時的に無効化
インストールの途中でセキュリティソフトが何らかの動作をブロックしている可能性があります。作業中だけリアルタイムスキャンを停止してみると、スムーズに導入できることがあります。ただし、停止の際はオフライン環境を整えるなど安全面に配慮してください。
Windows Updateを最新にする
Windows自身が古いバージョンだと、EdgeやWebView2のアップデートが正しく行われない場合があります。Windows Updateを実行し、できる限り最新の状態にしてから再度挑戦してみましょう。
法人・教育機関などの管理環境
会社や学校など、集中管理されたネットワーク環境でPCを利用している場合、グループポリシーや管理者権限の設定が影響していることも考えられます。IT管理部門に相談して権限を一時的に開放してもらうか、管理者に代理で作業してもらうと安心です。



法人環境では、意図せずWindows Updateが制限されているケースが結構あります。IT管理部門に聞いてみるのが手っ取り早い解決策です。
作業しても直らない場合の最終手段
どうしても直らない場合、OS側が深刻なダメージを受けている可能性があります。システムをクリーンインストールして環境を整え直すことも視野に入れましょう。面倒ではありますが、一度クリーンインストールを行うとトラブルの原因だったゴミファイルや矛盾したレジストリも消え、きれいに再構築できるメリットがあります。
まとめ
「Microsoft Edge WebView2が既にインストール済みと表示され、削除も再インストールもできない」というトラブルは、レジストリ情報や古いフォルダーが中途半端に残っている場合に起こりやすい問題です。
しかし、正しい手順を踏んでフォルダーやレジストリを掃除し、その後にきちんとMicrosoft EdgeとWebView2を再インストールすれば、多くのケースでスムーズに解決できます。特にセキュリティソフトの影響やWindows Updateの最新化など、周辺環境を整えることも大切なポイントです。
今後の予防策
同じトラブルを繰り返さないためには、定期的にWindows Updateを実施し、EdgeやWebView2も自動更新に任せるのが理想的です。また、重要なアップデート中はPCを強制終了しないように注意しましょう。万一トラブルが起きても、今回ご紹介したようなバックアップと修復手順を覚えておけば、落ち着いて対処できるはずです。



EdgeやWebView2を使うアプリケーションはこれからも増えていく傾向にあるので、今回の修復スキルは知っておくと役立ちますよ。
さいごに
私も最初は、インストーラーを何度ダウンロードしても「すでにインストールされています」と突っぱねられ、どうしたらいいのか途方に暮れました。レジストリエディターでキーを探して削除するのは一瞬ドキッとしますが、手順通りにやれば意外と簡単です。もし同じようなエラーに直面してしまった場合は、ぜひ今回の記事を参考に、一歩一歩確認しながら作業してみてください。
困ったらプロやコミュニティに相談
各種公式フォーラムやIT系コミュニティサイトでは、同様のトラブルにあったユーザーからの情報が多く公開されています。検索キーワードを工夫すると事例が見つかるかもしれません。解決が難しいと感じたら、PCサポートに詳しい専門業者に任せるのも選択肢のひとつです。



私も一度、どうしても解消できないエラーに出くわした際、フォーラムの先人たちの投稿に助けられました。意外と同じ悩みを持つ人が世界中にいるものです。
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