Microsoft EdgeのWorkspace機能は、作業内容ごとにウィンドウを分け、複数のタブ管理をスムーズにするための便利な機能です。ところが、最近のアップデートなどが影響して、お気に入りバーが統合されてしまう例が報告されています。そこで本記事では、Workspaceごとにお気に入りを分けて表示できるようにする方法と、解決に向けたポイントを徹底解説します。
Microsoft EdgeのWorkspaceとお気に入りが統合される問題とは?
Microsoft Edgeには、プロジェクトやタスク単位でタブを整理できる「Workspace」機能があります。本来、各Workspaceは独立してタブやお気に入りを管理できるため、用途ごとに効率的なブラウジング環境が実現しやすいのが魅力です。しかし、ある時期から「Workspaceに切り替えても、従来の通常のお気に入りバーと統合されてしまった」という現象を指摘する声が増え始めました。
この問題が発生すると、以下のような不便が生まれます。
- 目的別に分類していたお気に入りが表示されず、すべて一つのバーにまとめられてしまう
- Workspace専用のお気に入りを見つけにくくなり、必要なブックマークが埋もれてしまう
- 以前は正常にWorkspaceごとにお気に入りバーが別表示されていたのに、なぜか統合されるようになった
こうした状況は、最新のMicrosoft Edgeの仕様変更やアップデートが影響している場合もあれば、一部設定が変更された結果として起こるケースも考えられます。
原因として考えられる背景
- Edgeのバージョンアップに伴う仕様変更で、Workspaceと通常のウィンドウ、あるいは他のWorkspaceのお気に入りが統合管理されるようになった。
- ユーザーの操作(履歴からWorkspaceを再度開いた場合など)により、特定のWorkspaceが通常ウィンドウ扱いになってしまった。
- Edgeの実験的フラグ設定が無効化・変更されたことで、Workspace専用のお気に入りバーがオフ状態になっている。
Workspace単位でのお気に入りバー表示を取り戻す方法
Workspaceが一つのお気に入りバーに統合されてしまった際、最も注目すべきは「実験的フラグ」の設定です。Microsoft Edgeには「edge:flags」と呼ばれる実験的機能の管理画面が存在し、ここで設定を変更することで従来のようにWorkspaceごとにお気に入りバーを分けることが可能です。
設定手順
以下の表は、Workspaceとお気に入りバーを再度分離させるための操作をわかりやすくまとめたものです。
操作 | 内容 |
---|---|
① アドレスバーに「edge:flags」と入力 | Edgeの隠し設定(実験的フラグ)画面を開く。 |
② 検索バーで「favorites」を検索 | 項目を見つけやすくするために英語表記で検索する。 |
③ 「Show Workspace Favorites in Favorites Bar」を有効に | 「Enabled」を選択すると、従来通りWorkspaceごとにお気に入りバーが分かれるようになる。 |
④ ブラウザを再起動 | 設定を反映するため、Edgeを一度閉じて開き直す。 |
この操作により、「Workspaceごとにお気に入りバーが統合されてしまう」問題が解消する可能性が高まります。ただし、Edgeのバージョンによっては「Show Workspace Favorites in Favorites Bar」というフラグそのものが存在しない場合があります。その際は、まずMicrosoft Edgeを最新バージョンに更新してから再度設定画面をチェックしてみてください。
最新バージョンへの更新方法
- 画面右上の「…(設定など)」をクリックし、「ヘルプとフィードバック > Microsoft Edge について」を選択
- バージョン情報の画面が表示され、自動的に更新チェックが行われる
- 更新があればダウンロードと適用が始まるので、再起動すれば完了
Microsoft Edgeのバージョンが古いままだと、Workspace機能の仕様やフラグ名が異なる可能性もあるため、常に最新の状態にしておくことが重要です。
設定を有効にしてもトラブルが解決しない場合
上記の「edge:flags」からの設定変更を行っても、お気に入りが正しく分割されない場合があります。その要因には、以下のようなものが考えられます。
- 複数のWorkspaceが何らかの理由で同期されており、すでにお気に入りが一本化されてしまっている
- WorkplaceがEdgeの通常ウィンドウ扱いになり、別々の領域ではなくなっている
- Edgeの他のフラグや実験的機能設定が干渉して、お気に入り表示が正常に切り替わらない
こうした場合、まずは「Workspaceを一度すべて閉じ、PCを再起動したあとに再度Workspaceを作成・再設定する」などのリセット的な手法が有効な場合があります。さらに、アカウント同期の状態やお気に入りがクラウドに保存されている場合などは、Edgeの同期設定も見直してみるとよいでしょう。
Workspaceごとに再構築する手順
- まず、すべてのWorkspaceを閉じるか削除し、通常のEdgeウィンドウのみの状態にする
- Microsoft Edgeの「お気に入りマネージャー」を開き、不要なお気に入りや重複しているエントリを整理する
- 改めてWorkspaceを作成し、それぞれのWorkspaceで必要なお気に入りを追加してみる
- 再度「edge:flags」の設定を確認し、「Show Workspace Favorites in Favorites Bar」が有効になっているかチェックする
- ブラウザを再起動し、Workspaceの挙動をテストする
この一連のステップを踏むことで、不要な同期や過去の設定が残らない状態を作り、Workspaceごとのお気に入り管理が復活する可能性が高まります。
フィードバックを送信して改善を促す
Microsoft Edgeはアップデートのスパンが比較的短く、実験段階の機能が突然有効化・無効化されるケースも少なくありません。そのため、ユーザーの要望が多ければ、正式な機能としてWorkspaceごとのお気に入りバー管理が復活したり、設定メニューに簡単に切り替えられるオプションが追加される可能性があります。
Edgeのフィードバック機能の活用
開発チームにダイレクトに意見を届けるには、Edgeの組み込みフィードバック機能が便利です。具体的には、以下の方法が推奨されています。
- Alt + Shift + Iキーを押す
- 画面右上にフィードバックウィンドウが立ち上がり、バグや要望を送信できる
- 詳細情報やスクリーンショットを添付
- 具体的な問題の画面をキャプチャして送ると、開発側でも内容を把握しやすい
- 連絡先情報を入力
- メールアドレスを登録しておくと、開発チームからの返信やアップデート情報が得られる場合がある
また、Windowsキー + Fを押して開く「フィードバックHub」アプリからも同様の手順で報告が可能です。文字だけでなくスクリーンショット、動画もアップロードできるため、より具体的に問題を説明できます。
フィードバック送信時のポイント
- いつから問題が発生しているか
- どのバージョンのEdgeでトラブルが起きているか
- Workspaceが統合されるまでの操作手順や経緯
- お気に入りにどのような影響が出ているかを具体的に示す
このような詳細を伝えると、開発チーム側も再現テストを行いやすくなります。
Workspace活用のメリットと注意点
Workspaceは、通常のウィンドウとは別に「プロジェクト別のタブ管理」や「プライベート用と仕事用を分ける」といった使い方ができるため、大変便利な機能です。以下のようなメリットがありますが、同時に注意点も存在します。
メリット | 注意点 |
---|---|
・タスクやプロジェクトごとにタブを分類でき、作業効率が向上 ・Cookieや拡張機能を切り替えることで、別人になりきった状態でブラウジングも可能 ・同じEdgeアカウントでログインしていれば、Workspaceを複数の端末で再現しやすい | ・バージョンアップで仕様が変わることがある ・フラグをオンにしても将来的にそのフラグが廃止される可能性あり ・同期設定やブラウザ履歴の扱いによってはWorkspaceが通常ウィンドウと統合されてしまうことがある |
こうしたメリット・デメリットを理解したうえで、Workspaceを使いこなすと、より生産性を高めるブラウジング環境を構築できます。
EdgeのWorkspaceを使いこなす上でのアドバイス
Workspaceはまだ比較的新しい機能ということもあり、ユーザーの利用状況やブラウザのアップデート方針によって仕様が変化しやすい点に注意が必要です。以下のアドバイスを参考にすると、問題に直面しても対処しやすくなります。
こまめにバージョンを確認する
Microsoft Edgeは頻繁に更新が行われ、新機能の追加や不具合の修正、セキュリティパッチの適用などが実施されます。そのため、定期的にバージョンを確認しておき、「Show Workspace Favorites in Favorites Bar」のフラグの有無や、Workspaceの仕様が変化していないかチェックしましょう。
異なるブラウザとの併用を検討する
Workspaceを多用していると、どうしても「お気に入りバーが見づらい」「拡張機能の管理が複雑になる」「同期のタイミングでタブが混在する」などの問題が発生する場合があります。そのようなときには、必要に応じてMicrosoft Edge以外のブラウザを併用するという方法も選択肢に入れましょう。たとえば、プライベート用のGoogle Chromeと、業務用のMicrosoft Edge Workspaceを使い分ける、といったスタイルです。
定期的なバックアップやエクスポートを活用
お気に入りを独自に整理していたWorkspaceが統合されたり消失したりすると、作り直す手間がかかり大変です。Edgeのお気に入りはHTML形式などでエクスポートが可能なので、定期的にバックアップを取っておくと安心です。
- 画面右上の「…(設定など)」をクリック
- 「お気に入り」または「設定」メニューからエクスポートを選択
- HTMLファイルとして保存し、クラウドストレージや外部ドライブにバックアップしておく
このようにしておけば、予期せぬトラブルがあっても簡単にお気に入りを復元できます。
バックアップの頻度の目安
- お気に入りに大きな変更を加えた後
- 新しいWorkspaceを作り込み、整理整頓が完了したタイミング
- 大型アップデートが行われる前後
まとめ:EdgeのWorkspaceでお気に入りを活用するコツ
Microsoft EdgeのWorkspace機能は非常に便利でありながら、アップデートや実験的機能の仕様に左右される面があります。特にお気に入りバーが統合されてしまう問題は、従来の使い方に慣れているユーザーにとって大きなストレスになることもあるでしょう。
しかし、「edge:flags」で「Show Workspace Favorites in Favorites Bar」を有効にし、Workspaceごとに独立したお気に入りバーを復活させる方法は多くの場合有効です。設定してみても改善しないときは、バージョン更新やフィードバック送信、さらにWorkspaceの一時的なリセットなどを試してみる価値があります。
今後もMicrosoft EdgeのWorkspaceに関しては継続的な仕様変更が見込まれるため、こまめに最新情報をチェックしながら使いこなすのがおすすめです。もしもフラグ自体が存在しなくなるなどの状況になった場合でも、引き続きEdgeの公式ドキュメントやユーザーコミュニティを活用し、最適なワークスペース管理方法を探ってみてください。
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