近ごろ、VanguardのログインページをMicrosoft Edgeで開こうとした際に、突然「You can’t log in using a script」というエラーが出て困っている方は多いようです。Google Chromeやほかの端末ではログインできるのに、なぜかEdgeだけはNG…という状況はやきもきしますよね。ここではその原因と対処法を中心に、さまざまな角度から具体的な改善策をご紹介していきます。
Vanguardの「You can’t log in using a script」エラーとは
Vanguardの公式サイトでログインを試みた際、まるでボットや自動スクリプトがアクセスしているかのように誤認識されてしまい、ログインブロックがかかるケースがあります。特にMicrosoft Edgeで頻発しやすいという報告が見られますが、必ずしもEdge固有の問題というわけではありません。Chromeや他ブラウザ・端末からは問題なくログインできる場合もあり、なぜ同じ操作をしているのに一部環境でだけエラーが発生するのか…と疑問に思う方も多いでしょう。
実は、こうした「スクリプト扱い」となる原因は複合的で、ブラウザのキャッシュやCookieの断片化、拡張機能の影響、セキュリティソフトの干渉などが絡んでいることがほとんどです。以下では、よくある原因と対策を段階的に解説していきます。
なぜMicrosoft Edgeで多発しやすいのか
Microsoft EdgeはChromiumベースとはいえ、セキュリティ機能や拡張機能との相性がChromeと微妙に異なる場合があります。特にWindows 11環境で、セキュリティ関連のアップデートや拡張機能の仕様変更が行われた直後に、Vanguardだけでなく一部の金融系サイトのログインで不具合が生じることが報告されています。
また、Edgeの拡張機能はChromeと同様に豊富ですが、仕様が完全に同じではないため、ある特定の拡張機能が「Web上での自動操作」を検出する仕組みにひっかかってしまう事例もあります。
原因1:ブラウザのキャッシュやCookieの問題
キャッシュやCookieの破損、あるいは大量に蓄積された状態が原因で、Vanguardのサイトが正しく認証情報を取得できず、スクリプトとして扱われることがあります。とくに頻繁にいろいろなサイトを行き来している場合や、金融機関のサイトを複数同時に開いているようなケースでは、Cookieやキャッシュのデータが干渉し合ってしまうことがあります。
具体的な対処方法
まずは、シンプルにブラウザのキャッシュとCookieを削除することから始めましょう。Microsoft Edgeの場合は以下の手順がおすすめです。
- Edgeを起動し、右上の「…」(設定など)をクリック
- 「設定」→「プライバシー、検索、サービス」に移動
- 「閲覧データをクリアする」を選択し、「Cookieとその他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」などにチェックを入れて削除実行
- ブラウザを再起動して再度ログインを試す
キャッシュやCookieをクリアすることで、Vanguard側のサイトが「新しい訪問者」としての認証を再度行い直すため、誤ブロックのリセットが期待できます。なお、よく利用するサイトのログイン情報なども一時的に消えてしまうため、再度パスワードを入力する手間は生じますが、エラー対処には効果的です。
注意点
キャッシュを削除すると、一時的にページの読み込みが遅くなることがありますが、これは正常な動作です。また、Cookieの削除はログイン情報やサイト設定をクリアするので、再度ログインが必要な点にはご留意ください。
原因2:ブラウザ拡張機能との相性
次に疑ってみたいのが、ブラウザの拡張機能です。広告ブロッカーやトラッキング防止系、セキュリティ強化系の拡張機能が、Vanguardのログイン処理を「自動化ツールによる不正ログイン」とみなしている可能性があります。まれにタブ管理系や翻訳系の拡張機能でも誤作動が起こるケースがあります。
拡張機能をまとめて無効にしてテスト
対処の基本は「問題の切り分け」です。以下の手順で一度すべての拡張機能を無効にして、Vanguardにログインできるか試してください。
- Edge右上の「拡張機能」アイコンをクリック
- 拡張機能の一覧で、利用中の拡張機能をすべてオフにする
- ブラウザを再起動
- Vanguardにログインを試す
これでログインが成功するようであれば、拡張機能のいずれかが原因です。ひとつずつオンに戻して、どの拡張機能を再び有効化した時点でエラーが再発するかを確認しましょう。犯人が特定できたら、その拡張機能をアンインストールするか、設定を見直すことで解決する場合がほとんどです。
表:拡張機能別の問題が起きやすい例
拡張機能の種類 | よくある影響 | 対策 |
---|---|---|
広告ブロッカー系 | ログインフォームの一部スクリプトをブロック | Vanguardのサイトをホワイトリストに登録 |
セキュリティ強化系 | 自動送信処理を遮断 | 対象サイトを信頼サイトに設定 |
VPN接続系 | 国・地域指定制限でブロック | VPNをオフにして再ログイン |
パスワード管理系 | 自動入力がスクリプト扱いされる | 自動入力機能を一時的に停止 |
原因3:セキュリティソフトの干渉(Malwarebytesなど)
Vanguardのログイン時に「You can’t log in using a script」と表示され、なかなか先に進めない場合、セキュリティソフトが背後でWebアクセスを監視・ブロックしている可能性があります。特にMalwarebytesなどのセキュリティソフトが、金融関連サイトのスクリプトを厳しく監視するよう設定されているケースが多々報告されています。
Malwarebytes拡張機能のオフ/アンインストール
Malwarebytes本体ではなく、ブラウザ拡張機能が原因になっている場合が少なくありません。Malwarebytes Browser Guardなどをインストールしている場合は、一度無効化してからVanguardのログインを試してみてください。それでも改善しないなら、拡張機能自体をアンインストールし、一時的にセキュリティソフトそのものを停止してログインテストを行うのも一つの手です。もちろんリスクを最小限に抑えるため、テストが終わったらすぐに有効化することをお忘れなく。
アプリケーションレベルでの干渉
場合によっては、PCにインストールされているセキュリティソフトが通信データをリアルタイムで監視し、ログインフォームの送信を改変してしまうことがあります。たとえば通信をSSL通信から一旦復号して検査し、再度暗号化するような「中間者(MITM)」的な手法をとるソフトも存在します。その過程で、金融サイトのスクリプトが不正な形で書き換えられてしまうと、Vanguard側で「ボットによる攻撃かもしれない」と判断される可能性が高まるのです。
原因4:InPrivate(シークレットモード)での挙動
Microsoft EdgeのInPrivateウィンドウ、Chromeのシークレットモードなどを使うと、Cookieや拡張機能の影響を最小限に抑えられます。もしInPrivateウィンドウで正常にログインできる場合は、やはり通常ブラウザでのCookieや拡張機能設定が原因の可能性が高いです。ただし、シークレットモードでも一部の拡張機能は有効化できる設定になっているため、拡張機能が干渉している場合はシークレットモードでもエラーが出ることがあります。
一時しのぎの対処か根本解決か
シークレットモードでログインできた場合、それは一時的な回避策としては有効です。しかし根本的な問題は解消していないため、再度通常のウィンドウに戻ったときに再びエラーに遭遇する可能性があります。恒久的な対処を考えるなら、拡張機能の見直しやキャッシュ・Cookieのクリア、セキュリティソフトの設定確認が不可欠です。
原因5:Windowsアップデートやブラウザのバージョンの影響
Microsoft Edgeのバージョンが古かったり、Windows 11の最新パッチが適用されていない場合、Vanguardのサイトとの互換性に問題が生じるケースもあります。特に金融関連サイトはセキュリティ対策が厳しいため、古いブラウザや未適用のアップデート環境をはじくことがあるのです。
以下のポイントを確認し、常に最新の状態に保つことを心がけましょう。
- Edgeのバージョンチェック:
edge://settings/help
にアクセスし、最新バージョンであるかを確認 - Windows Updateの確認: 設定アプリで「更新とセキュリティ」を開き、最新パッチが適用されているか確認
- ドライバの更新: ネットワークドライバなど、周辺の環境が古いと通信に不具合を起こす場合がある
対処の具体例
- Windows 11のバージョンアップ: 大型アップデートの中には、Edgeの内部機能に影響を及ぼすものが含まれています。セキュリティパッチも含め、常に更新を怠らないようにしましょう。
- ブラウザの再インストール/修復: 場合によってはEdgeの設定ファイルが壊れていることもあります。「アプリの追加と削除」画面から修復を試す、あるいは再インストールすることで、問題が解決することがあります。
原因6:パスワードの自動入力やコピー・ペーストの制限
Vanguardのログインフォームでは、パスワードをコピーペーストで入力したり、自動入力ツールを使うと、まれに「スクリプト扱い」されてしまうという報告があります。これはセキュリティ強化のため、外部スクリプトによる自動フォーム入力を制限していると推測されます。
手動入力でエラーが起きないか確認
パスワード管理ソフトに頼らず、自分でユーザー名とパスワードをキーボードから1文字ずつ入力してみてください。そこで問題なくログインできる場合は、自動入力機能の使用を避けることで解決に近づきます。
パスワード管理ツールの設定変更
パスワード管理ソフトの中には、サイトごとに自動入力の挙動を細かく設定できるものがあります。あらかじめ「自動入力を無効化」「自動送信をオフ」などのオプションを設けているものもあるので、必要に応じて設定を見直してみましょう。
総合的な対処フロー
ここまでご紹介してきた原因や対処策を、段階的に試すためのフローチャートをイメージすると以下のようになります。
- ブラウザのキャッシュ/Cookieを削除
- 改善したかどうか確認。
- 拡張機能の無効化
- 広告ブロッカーやセキュリティ系を中心にチェック。
- セキュリティソフト(Malwarebytesなど)の確認
- 拡張機能やアプリ本体を一時停止またはアンインストールしてテスト。
- シークレットモードでログイン
- 通常モードでエラーが出る場合、シークレットモードで問題が解消するかチェック。
- Windowsやブラウザの最新化
- Windows UpdateとEdgeのバージョンを最新にする。
- パスワードの手動入力
- 自動入力やコピー・ペーストをオフにして試す。
これらを順に試していくことで、多くの場合「You can’t log in using a script」エラーは解消されるでしょう。ただし、どうしても解決しない場合は、Vanguardサポートに直接問い合わせることも検討してください。金融機関のセキュリティポリシーやシステム構成変更が影響しているケースでは、個別の事情が絡む可能性もあるため、サポートとのやりとりで原因を特定するのが近道です。
よくある質問と回答例
最後に、皆さんが抱きやすい疑問点をQ&A形式でまとめてみました。
Q1. Google Chromeではログインできるのに、なぜEdgeだけNG?
A. Edge固有の設定や拡張機能、あるいはWindowsとの相性で誤作動を起こしている可能性が高いです。Chromeで利用していない拡張機能がEdgeに入っているなどの違いが原因になりがちです。
Q2. 一度はログインできたのに、また同じエラーが出るようになった
A. キャッシュやCookieが再び破損したり、セキュリティソフトのアップデートで設定が戻ってしまったなどが考えられます。再度キャッシュクリアや拡張機能の状態を確認し、必要に応じて設定を見直してください。
Q3. シークレットモードではログインできる。ずっとシークレットモードで使うのはアリ?
A. シークレットモードでの利用に特段の問題はありませんが、長期的には通常モードで快適に利用できるよう設定を整えたほうが利便性は高いでしょう。自動入力や拡張機能、ブックマーク管理などもフル活用したい場合は尚更です。
Q4. セキュリティソフトを停止するのは怖い…
A. 確かにセキュリティリスクはあります。あくまで一時的な検証のために停止するのであって、ログインテストが終わったらすぐに再有効化してください。もし停止している間に何らかの心配がある場合は、オフラインの環境でテストするなど、リスク回避策を講じましょう。
Q5. Windows Updateを無理に実行すると、別の不具合が起きるのでは?
A. Windowsのアップデートには大規模な機能更新とセキュリティ更新がありますが、金融サイトの利用においては最新セキュリティ更新を適用しておくほうが安全性は高いです。ただし、システムのバックアップを取ってからアップデートを進めると、万一の場合も安心です。
まとめ:複数要因の切り分けがカギ
「You can’t log in using a script」エラーは、見た目はシンプルでもその背景にはいくつもの要因が潜んでいます。
- キャッシュやCookieの破損による誤作動
- 拡張機能(広告ブロッカーやセキュリティ系)の誤認識
- Malwarebytesなどのセキュリティソフトによる干渉
- Windowsやブラウザのバージョン不一致
- パスワード自動入力の制限
これらは別個の問題のようでありながら、複数が同時に絡むとさらにエラーが複雑化します。根気よく一つひとつ検証を行い、どの部分に原因があるのかを切り分けながら解決していくのが近道です。また、どうしても原因がわからないときは、Vanguardのサポートデスクやコミュニティフォーラムを活用して、実例や最新情報を収集するのも賢い方法です。金融機関だからこそセキュリティ要件が厳格であり、少しの設定の違いで「ボット認定」される可能性も否定できません。
最終的には「EdgeがダメならChromeを使う」という短絡的な方法もありますが、今後の使い勝手を考えるなら、今回紹介した対策をきっちり行って、どのブラウザでも安心してログインできる環境を整えることをおすすめします。
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