フランスの経済学者トマピケティの「21世紀の資本」をやっと読み終わりました。かなりのボリュームがあって3ヶ月くらいかかりました。私にとっては1日数ページ読んだらげっそりするくらい濃い内容で、途中諦めかけましたが、おもしろかったのもあってなんとか読破しました。
目次
簡単に内容の説明
話の展開は、経済学の歴史をデータを用いて複数の視点で分析して、現在の経済そして未来の経済はどうなるのかを非常にロジカルに説明しています。驚いたのが1800年どうだったかまで、当時の経済指標を分析して軽快に分析しているところです。また、内容は非常に難しいんですが、専門用語の説明が繰り返し出てきますので、経済学初心者でも気合いいれなくても読めるようになっています。いや気合いはいるな
投資に役立つこと
本を読もうと思った理由としては、投資をする上で体系的に資本について学習したいと思ったからです。「この投資法で勝つ」だとか「日本の経済は大暴落」するとかっていうチープな本やWebサイトの記事が無数にあり、どれもうさん臭く感じていました。例えば、Aという本とBという本に相反する内容が書かれていたりします。このようなことが投資系の文献には非常に多く、私のように優柔不断で経済に疎い人間が読むと非常に混乱するのです。そこで、考えたわけです世界中で評価されている経済学者のトマピケティを基礎にしようと、トマピケティの主張には必ず裏づけデータがあり、それを開示して議論を進めるので安心感があって信用する事ができます。まあ、だからあんなに分厚い本なのです。
前おきが長くなりましたが、一般ピープルが投資をする上で参考になった内容について纏めてみました。
- 資本収益率(r)と経済成長率(g)
資本収益率とは、株や土地などの資本から得られる配当金や地代の事を指します。経済成長率とは、前年と比較してどのくらい比率で経済が成長したかを指します。ピケティの主張は現在r>gとなっており、今後もr>gが継続していく、これは端的に表現すると労働者の賃金が増える金額より、資本からの収益の方が大きくなるため、資本家がますますリッチになって格差が広がって経済が不安定になってよろしくないよって事を言っています。
結論:なるほど、細かい疑問はあるがとにかく投資をした方がいいって事 - 投資をするのはあたりまえ
頭では投資をするのはあたりまえと分かってはいても、頭の中の根っこに「汗水垂らして働かないといけない」とか「素人が投資なんて損をする」とか「定期預金が最強だろ」とか「そもそも金必要?」とかっていう刷り込みがありました。しかし、ピケティの本にはそもそも、投資の有効性についての議論がなく、ある程度お金が貯まったら投資をするのはあたりまえであり、普通預金で持っているといった概念がありませんでした。そう、歴史上のデータを分析しても金持ちは100%投資をしていて財産を増やしているのです。
結論:日本的な「働かないなんて怠けている」といった教えにとらわれることなく投資をしよう - 現金で保持していてもリスクがある?!
現金で資産を持っていれば、流石に安心だろうと思っていました。しかし、インフレリスクについて、考えたこともありませんでした。単純な話で、インフレが進行すると、現金の価値が減少します。500円のラーメンが800円になってしまうという事です。しかし、株や不動産等で資産を保持していれば、インフレに連動して価値が上昇します。私が、このリスクについて、無頓着だったのが、日本はデフレデフレと散々喚いていて、実際に物価が上昇したといった実感がなかった為です。しかし、今後についてはどうでしょうか?ピケティの本によると、先進国は基本的にインフレ傾向にあり、日銀等の中央銀行もインフレになるような資産分配をしているとのことでした。たまたま、今まで物価上昇していなっただけで、今後インフレが継続的におきる可能性は多いにあると考えられます。
結論:現金もインフレ次第では資産として半減してしまうよ
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