Office 2019からOffice 2021への安全アップグレード徹底ガイド

大切なデータを守りながらOfficeをスムーズにアップグレードしたいと考えている方は多いのではないでしょうか。特にOutlookのメールや連絡先、カレンダーなどは仕事やプライベートで欠かせない要素。この記事では、Office 2019からOffice 2021へ安全に移行するための具体的な手順や注意点を、分かりやすく解説していきます。不要な重複フォルダに悩まされがちなOutlookの管理方法なども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。快適な新バージョンのOffice環境へスムーズに移行するヒントがきっと見つかるはずです。

Office 2019からOffice 2021へアップグレードするメリット

Office 2019を利用していても、機能面やサポート面で新しいOffice 2021に魅力を感じる方は多いでしょう。ここでは、アップグレードするメリットを具体的に見ていきます。

最新機能とサポートの継続

Office 2021では、WordやExcel、PowerPoint、Outlookなどの各アプリケーションが最新の機能を搭載し、より洗練されたUIや高速化が図られています。特にExcelでは新しい関数が追加され、データ分析がより簡単になりました。また、サポート期間も延長されるため、長期的に安心して使える点がメリットです。

コラボレーション機能の強化

Office 2021では、Microsoft 365ほどではないにせよコラボレーション機能が改善されています。たとえば、Word文書への複数ユーザーによる共同作業や、Excelでのリアルタイムな共同編集がさらにスムーズに行えるようになっています。会議や共同プロジェクトの多い方にとっては大きな利点です。

セキュリティの強化

Office 2021はOffice 2019よりも新しいセキュリティ更新プログラムが適用されるため、脆弱性が修正されやすくなります。特に外部とのメールのやり取りが多いOutlookユーザーにとって、最新のセキュリティパッチが適用されるのは大きな安心材料です。

互換性の向上

企業や団体では常に新しいシステム環境へ移行していく場合が多く、Officeも例外ではありません。Office 2021は最新のWindows OSとの互換性がより高く、ソフトウェアの動作も安定しているケースが多いとされています。ExcelやWordで作成したファイルを共有する相手がOffice 2021以降のバージョンを使っている場合、ファイルのレイアウトや機能をより完全に共有できる利点もあります。

Office 2019をアンインストールせずに上書きインストールは可能か?

Office 2019を使いながらOffice 2021を上書きインストールしたいという要望は少なくありません。しかし、実際のところ安全性やトラブル発生のリスクを考えると、以下のような注意点があります。

上書きインストールのリスク

Office 2019をアンインストールせずにOffice 2021をインストールすると、インストール先のフォルダやレジストリ設定が競合を起こす可能性があります。特にOutlookのデータファイル設定は複雑で、バージョン競合による不具合(フォルダが認識されない、アドインが動作しないなど)が生じやすいです。

一般的にはアンインストール推奨

多くのシステム管理者やMicrosoftの推奨方法を見ても、まずは旧バージョンのOfficeをアンインストールし、その後に新バージョンをクリーンインストールする手順が望ましいとされています。不要なレジストリの残骸を減らせるため、新しいOfficeが正常に動作する可能性が高まります。

アンインストールしてもデータは消えない

Officeをアンインストールしたからといって、OutlookのPSTファイルやWord・Excelなどのドキュメントが勝手に削除されるわけではありません。ただし、念には念を入れて必ずバックアップを取り、安全策を講じてからアンインストールを実施することをおすすめします。

Office 2021インストール前のバックアップ手順

重要なメールやスケジュール情報が詰まったOutlookデータをはじめ、各種Officeファイルを失うのは大きな痛手です。アップグレード前には以下のような手順でバックアップを行いましょう。

Outlookデータファイル(PST/OST)のバックアップ

Outlookのデータは、通常「.pst」または「.ost」という拡張子のファイルに格納されています。以下のような手順でバックアップを取得しておくと安心です。

  1. Outlookを終了
    データファイルをコピーする前に、Outlookを確実に終了させます。
  2. データファイルの場所を確認
  • Outlookを起動している場合は、[ファイル] → [アカウント設定] → [アカウント設定] → [データ ファイル]タブからPSTやOSTの場所を確認できます。
  • Outlookを終了したら、エクスプローラーを使って実際のデータファイルの場所を開きます。
  1. ファイルをコピー
    見つけたPSTやOSTファイルをUSBメモリや外付けHDD、あるいはクラウドストレージなどにコピーします。OSTはExchangeやMicrosoft 365などのサーバーと同期できるファイルですが、念のためコピーしておくと安心です。
  2. エクスポート機能の利用
    PSTファイルの場合、[ファイル] → [開く/エクスポート] → [インポート/エクスポート] → [ファイルにエクスポート] の機能を使い、PSTとしてエクスポートすることで、より確実なバックアップが可能です。

Officeドキュメントのバックアップ

WordやExcel、PowerPointなどのドキュメントについては、OneDriveやSharePointなどクラウド上に保存している場合を除き、ローカルPC内に保管しているファイルをまとめてバックアップすることをおすすめします。重要なファイルを下記のように整理するとわかりやすいでしょう。

種類保存場所バックアップ例
Word文書ドキュメントフォルダなど外付けHDDやクラウドストレージにコピー
Excelブック同上フォルダごと圧縮し保存
PowerPoint同上バージョン管理ソフトと連携しておくのも可
OneNoteクラウドやローカルノートブックの同期状況を要確認
Accessデータデフォルトまたは指定フォルダ最新版をバックアップ(競合注意)

Office 2021へのインストール手順

バックアップを終えたら、いよいよOffice 2021のインストールへ移ります。Office 2019をアンインストールする場合と、上書きインストールする場合では若干異なる点がありますが、ここでは最も安全とされる「アンインストールしてからインストールする」方法を中心に解説します。

Office 2019のアンインストール

  1. コントロールパネルからのアンインストール
  • Windowsの[コントロール パネル] → [プログラムと機能]からOffice 2019を選択し、アンインストールを行います。
  1. アンインストールツールの利用
  • 通常のアンインストールでエラーが発生する場合は、Microsoft公式の「サポート ツール(Officeアンインストール ツール)」を使う方法もあります。
  • コマンドプロンプトやPowerShell経由で特定のスクリプトを実行し、完全にOffice関連のファイルを削除することも可能です。
# 例: Officeアンインストールツールをダウンロード・実行するPowerShellスクリプト
Invoke-WebRequest -Uri "https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=2168888" -OutFile "SetupProd_OffScrub.exe"
Start-Process "SetupProd_OffScrub.exe" -Wait
  1. ライセンスキーの確認・控え
  • 将来何らかの理由でOffice 2019を再インストールする可能性がある場合や、ライセンス移行の都合でプロダクトキーが必要になることがあるため、アンインストール前に製品キーを控えておくと安心です。

Office 2021のインストール

  1. インストーラーの入手
  • Microsoftストアや公式サイト、あるいは製品パッケージからOffice 2021のインストーラーを入手します。
  1. インストール開始
  • インストーラーを起動し、画面の指示に従ってインストールを進めます。通常、プロダクトキーの入力や、インストール構成の確認などを経てインストールが自動的に始まります。
  1. インストール中の注意
  • セキュリティソフトや常駐アプリケーションが干渉するケースもあります。インストールが正常に完了しない場合は、セキュリティソフトを一時的に無効化したうえで再試行してみると良いでしょう。
  1. 更新プログラムの確認
  • インストール後はWindows UpdateやOfficeの更新機能を使って、最新の更新プログラムを適用します。これによりセキュリティや安定性が保たれます。

データの引き継ぎとOutlookのセットアップ

Office 2021をインストールした後は、Outlookをはじめとした各アプリケーションの動作を確認し、データを正しく引き継いでいるかチェックしましょう。

Outlook初回起動時の設定

  1. メールアカウントのセットアップ
  • 初回起動時にメールアカウントの設定ウィザードが表示される場合は、以前と同じメールアドレスやサーバー情報を入力します。
  • すでにアカウントがある場合は自動的に検出されるケースもあります。
  1. データファイル(PST/OST)の読み込み
  • 既存のPSTファイルを活用する場合は、[ファイル] → [開く/エクスポート] → [Outlookデータファイルを開く] から読み込むことができます。
  • OSTファイルを利用している場合は、ExchangeやMicrosoft 365と同期しているため、自動的にメールや連絡先が再同期されます。
  1. フォルダ構成の確認
  • 旧バージョンと同じ構成でメールフォルダや連絡先、カレンダーを利用できるか確認します。万が一重複したフォルダが作成された場合は、不要なフォルダを整理してください。

OneDriveやSharePointとの連携確認

Office 2019の設定を引き継いでいる場合でも、OneDriveやSharePointにサインインする必要があるケースがあります。WordやExcel、PowerPointを起動して、アカウントの状態を確認し、同期が正しく動作しているかを確かめてください。

重複したカレンダーや連絡先を整理する方法

アップグレード後、Outlookを開いてみると同じ名前のカレンダーや連絡先が増えてしまうことがあります。これは新しいプロフィールやデータファイルが作成されると起こりがちな現象です。以下のステップで重複を整理しましょう。

不要なフォルダの確認と削除

  1. フォルダビューで確認
  • Outlook左下のフォルダビュー(メール、連絡先、カレンダーなど)を切り替えながら、余分なフォルダが存在しないかを確認します。
  • たとえば「カレンダー(1)」「カレンダー(2)」など、同名または非常に似た名前のフォルダがある場合は重複の可能性が高いです。
  1. 削除またはマージ(統合)
  • 不要なフォルダの中身が空であれば、そのまま削除します。
  • もし削除対象フォルダにデータが入っているなら、必要なデータを移動(ドラッグ&ドロップ)してからフォルダ自体を削除すると安全です。
  • PSTファイルが重複している場合もあるため、[アカウント設定] → [データファイル] から不要なデータファイルを削除する方法も検討してみてください。

プロファイル再作成の検討

何度かアップグレードを重ねている場合や、複数アカウントを設定している場合には、Outlookのプロファイルを一度削除・再作成するほうがスッキリする場合もあります。Windowsの[コントロール パネル] → [メール] → [プロファイルの表示] から新規プロファイルを作成し、必要なアカウントを追加することでフォルダの重複を防ぎやすくなります。

プロファイル再作成の注意点

  • ExchangeやMicrosoft 365アカウントの場合は、再同期に時間がかかることがある
  • POPアカウントの場合は、受信メールを一度ダウンロードしている可能性があるため、再設定時に過去メールが再度受信されるケースがある
  • PSTファイルを使ったバックアップがある場合は、新しいプロファイルにインポートする手順を事前に確認

トラブルシューティングとよくある質問

アンインストール時にエラーが出て先に進めない

Office 2019のアンインストールがうまくいかない場合は、以下の手順を試してみてください。

  • Microsoft公式アンインストールツールを利用する
  • セーフモードで起動してからアンインストールを試す
  • Windows Updateの実施後に再試行する
  • 管理者権限でコマンドプロンプトを開き、特定のスクリプト(OffScrubなど)を実行する

Outlookの連絡先が一部消えてしまった

一時的に連絡先が見えなくなっている可能性があります。まずはOutlook上部の検索機能を利用して探してみてください。見つからない場合は、以下の手順を検討します。

  • バックアップしたPSTファイルをインポートする
  • ExchangeやMicrosoft 365を利用しているなら、サーバー側の連絡先を再同期させる
  • 削除済みアイテムフォルダを確認する(誤って削除した連絡先が残っている場合がある)

Office 2021のライセンス認証がうまくいかない

Office 2021のライセンス認証でエラーが出る場合は、以下をチェックしてください。

  • プロダクトキーの入力ミスがないか
  • インターネットに接続されているか
  • ライセンスの有効期限や台数上限を超過していないか
  • アクティベーション ウィザードを再起動して再試行

Office 2021の活用ポイント

新機能を使いこなす

Office 2021では細かな機能追加やUIの変更が行われているため、積極的に新機能を使いこなすことで作業効率の向上が期待できます。

  • Excelの新関数例: XLOOKUP、FILTER、UNIQUEなど、従来のVLOOKUP等では難しかった柔軟な参照が可能
  • PowerPointのプレゼンテーション録画機能: 画面録画やナレーションを同時に行いやすくなった
  • Wordのモダンコメント機能: コメントのやり取りがスレッド形式で見やすくなり、共同編集がスムーズ

クラウド連携の強化

Office 2021はクラウド環境との連携がさらにスムーズになりました。特にOneDriveやSharePointを活用することで、外出先や別のPCからでも同じドキュメントにアクセスできるなど、ワークスタイルの柔軟化に大いに役立ちます。

Microsoft Teamsとの連携

リモートワークやオンライン会議が増える中、Microsoft Teamsは重要なコラボレーションツールです。Office 2021と組み合わせることで、会議中のファイル共有や共同編集、チャットの履歴管理など、複数の機能がシームレスに連携します。

まとめ: 安全なアップグレードとOutlookデータ管理のポイント

Office 2019からOffice 2021へのアップグレードは、最新機能やセキュリティを得られる魅力的な選択肢です。しかし、安全に移行するためには旧バージョンのOfficeをアンインストールし、バックアップを十分に行うことが重要となります。特にOutlookのデータ(メール、連絡先、カレンダー)は失うと大きな痛手になりますので、PST/OSTファイルを確実にバックアップしておきましょう。

また、新たにインストールしたOffice 2021でOutlookを初回起動した際に重複したフォルダが作成されることがあります。フォルダビューやアカウント設定から不要なフォルダやPSTファイルを削除・整理することでスッキリさせることができます。再同期に時間がかかったり、プロファイルを新規作成することでトラブルを解消できるケースもあるため、状況に応じた対処法を選択しましょう。

さらに、Office 2021の新機能を積極的に活用すれば、業務効率や生産性を大幅にアップできます。Excelの新関数やPowerPointの録画機能など、便利な機能が多数追加されていますので、アップグレードを機に作業フローも見直してみると良いでしょう。

最後に、ライセンス認証やインストール時のエラーなどで困った際は、Microsoft公式サイトのサポート記事やコミュニティフォーラムを活用するのがおすすめです。多くのユーザーが同様の課題を経験しており、解決策が共有されています。安心してOffice 2021の世界を楽しんでください。

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