「This site can’t be reached」エラーを完全解決!DNSとネットワークの徹底対策

突然お気に入りのサイトにアクセスできなくなると、日常の作業や情報収集が途端に滞ってしまい、非常に困りますよね。とくに「This site can’t be reached」や「Connection Timed out」「Name not resolved」といったエラーメッセージは原因が複雑に絡んでいることも多く、一筋縄ではいかない場合があります。この記事では、DNSサーバーの設定変更からネットワーク機器の再起動、さらには高度なトラブルシューティングの手順まで、さまざまな対処法をまとめました。自分の環境に合った解決策を組み合わせることで、またスムーズにウェブサイトにアクセスできるようになるはずです。

「This site can’t be reached」エラーとは?

「This site can’t be reached」エラーは、Webブラウザーが目的のサイトを正しく読み込めなかったときに表示される一般的なエラーメッセージです。似たエラーとして「Connection timed out」や「Name not resolved」などが表示されることもあります。これらのエラーが起きる原因は、大まかに以下のようなものが考えられます。

  • DNSサーバーやDNSキャッシュの不具合
  • ネットワーク機器(ルーター・モデムなど)の異常
  • 回線やプロバイダー(ISP)の障害
  • OSやブラウザー設定、セキュリティソフト、ファイアウォール等の設定問題
  • IPv6やプロキシ設定など、ネットワーク構成特有の問題

これらの要因が絡み合って、結果としてWebサイトへのアクセスが途絶してしまうケースがあります。

エラーが発生するタイミング

「This site can’t be reached」エラーは、以下のような状況で起きやすい傾向があります。

  • 突然、今まで問題なくアクセスできていたサイトが読み込めなくなる
  • ブラウザーを起動した直後
  • VPNやプロキシなどネットワーク設定を変えた直後
  • Windows UpdateやOSアップデート後
  • ネットワーク環境を変えた(Wi-Fiアクセスポイントや接続回線を変更した)後

問題が発生するタイミングを把握すると、原因をより絞り込みやすくなります。

その他の類似エラー

  • ERR_CONNECTION_REFUSED
    ウェブサーバー自体が拒否しているか、PCまたはルーターのファイアウォールが通信をブロックしている可能性があります。
  • ERR_NAME_NOT_RESOLVED
    DNSの設定に問題があるか、入力したドメイン名が誤っている場合に起こります。

これらのエラーも本質的にはDNSやネットワーク周りの問題であることが多いので、今回ご紹介する対処法は応用できます。

対処法その1:DNSサーバーを変更してみる

DNS(Domain Name System)は、Webサイトのドメイン名とIPアドレスを紐づける仕組みです。もしプロバイダーが提供するDNSサーバーが不安定、あるいは応答が遅い場合、サイトに正常に接続できなくなることがあります。以下の手順でパブリックDNSを設定してみましょう。

代表的なパブリックDNSの例

DNS提供元IPv4アドレス備考
Google DNS8.8.8.8 / 8.8.4.4安定・高速で世界的に利用される
Cloudflare DNS1.1.1.1 / 1.0.0.1プライバシーに配慮した高速DNS
OpenDNS208.67.222.222 / 208.67.220.220フィルタリング機能などが豊富

Windows環境での設定例

  1. 「コントロールパネル」から「ネットワークとインターネット」→「ネットワークと共有センター」を開く
  2. 左メニューの「アダプターの設定の変更」をクリック
  3. 該当のネットワークアダプター(Wi-Fiやイーサネット)を右クリックし「プロパティ」を選択
  4. 「インターネット プロトコル バージョン4 (TCP/IPv4)」を選択して「プロパティ」をクリック
  5. 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択し、上記のパブリックDNSのIPアドレスを入力
  6. 設定後にOKを押し、ブラウザーなどを再起動してアクセスを確認

ルーター側でのDNS設定

自宅やオフィスのネットワークでルーターを利用している場合は、ルーターの管理画面にもDNSサーバーの設定項目があります。ここをパブリックDNSに変更しておくと、ローカルネットワークに接続している他のデバイスも同時に高速・安定したDNSを利用できる可能性が高いです。

対処法その2:DNSキャッシュのクリアとIPアドレス再取得

DNSサーバーを変更してもすぐには反映しない場合があります。その際はDNSキャッシュのリセットを実行すると効果的です。Windowsではコマンドプロンプトを管理者権限で開き、以下のコマンドを順番に実行してみましょう。

ipconfig /flushdns
ipconfig /release
ipconfig /renew
  • ipconfig /flushdns
    これによりPC内部に保存されているDNS解決情報をクリアします。古い情報が原因でアクセスできない場合に有効です。
  • ipconfig /release
    現在割り当てられているIPアドレスを解放します。
  • ipconfig /renew
    DHCPサーバー(ルーターなど)から新しいIPアドレスを取得し直します。

この一連の操作で、ネットワーク周りの情報をリセットし、新たに正しいDNS情報を取得しやすくします。

Linux / MacでのDNSキャッシュクリア

Windows以外でも、DNSキャッシュをリセットできるコマンドがあります。例えばMacでは、ターミナルで以下のように実行します(一部バージョンでコマンドが異なる場合があります)。

sudo killall -HUP mDNSResponder

LinuxではディストリビューションやDNSサービス(systemd-resolvedなど)によりコマンドが異なるため、各環境に応じて調べる必要があります。

対処法その3:ネットワーク接続状況の確認

回線速度が極端に遅かったり、パケットロスが多かったりすると、ブラウザーが正常にサイトを読み込めずに「This site can’t be reached」等のエラーが出ることがあります。以下のコマンドを使ってネットワークの疎通状況を確認してみてください。

ping www.google.com

応答速度(ms単位)が極端に大きい、もしくはパケットのロス(失われたパケットの割合)が高い場合は、回線品質に問題がある可能性が高いです。その際は、次のようなチェックを行いましょう。

  • ルーター・モデムのランプ状態:正常に点灯・点滅しているか
  • LANケーブルの差し直し:断線や接触不良がないか
  • Wi-Fi電波状況:距離や障害物により極端に弱くなっていないか

もし自宅やオフィス内で改善しない場合は、インターネットサービスプロバイダー(ISP)に障害が起きていないか問い合わせてみるのも手です。

対処法その4:ルーターの再起動・ファームウェアの更新

ネットワーク機器の不具合や一時的なバグが原因で、特定のサイトにアクセスできなくなるケースも少なくありません。以下の手順を試してみてください。

  1. ルーターの電源をオフにし、数十秒待機する
  2. 再度ルーターの電源を入れ、インターネットに接続できるか確認
  3. ルーターの管理画面にアクセスし、ファームウェア(内部ソフトウェア)に更新がある場合は最新版にアップデート

ファームウェアが古いままだと、新しいセキュリティ規格や通信方式に対応できず、想定外のトラブルが発生することがあります。定期的に確認しておくと良いでしょう。

対処法その5:IPv6を無効化する

最近ではIPv6対応の環境も増えていますが、実は対応していないサイトや機器との相性不具合でエラーが起こるケースがあります。一度IPv6を無効化してみることで、問題が解決するか確認してみてください。

WindowsでのIPv6無効化手順

  1. コントロールパネル → ネットワークと共有センター → アダプターの設定の変更
  2. 該当のネットワークアダプターを右クリックして「プロパティ」を選択
  3. 「Internet Protocol Version 6 (TCP/IPv6)」のチェックを外す
  4. OKをクリックして設定を適用し、再度ブラウザーからアクセスをテスト

もしこれでエラーが解消される場合は、IPv6通信に何らかの問題があると考えられます。長期的にはISPや機器側の対応を検討しても良いでしょう。

対処法その6:ファイアウォールやセキュリティソフトの設定を確認

企業や学校などのセキュアなネットワーク環境では、特定のポートやサイトがファイアウォールによってブロックされている場合があります。また、個人で導入しているセキュリティソフトやウイルス対策ソフトの誤検知によって、特定のサイトだけアクセスできなくなるケースも存在します。

一般的なチェックポイント

  • ファイアウォールのアクセス許可一覧
    該当のブラウザー(Chrome, Edge, Firefoxなど)が許可されているか
  • セキュリティソフトのWeb保護機能
    不要なサイト制限やフィルタリングルールが適用されていないか
  • 一時的にセキュリティソフトを無効化
    あくまでテストのため一時的に無効化し、アクセスが可能になるかを確認する

これらの操作を行う場合はセキュリティリスクも伴うため、自己責任で慎重に行いましょう。

対処法その7:ブラウザーの拡張機能やアドオンを疑う

ブラウザーの拡張機能(プラグインやアドオン)は非常に便利ですが、時にはネットワークエラーの原因となる場合があります。特に広告ブロック系やVPN機能を持つ拡張機能は、Web通信の経路を大きく変化させるため、サイトへのアクセスを阻害することがあるのです。

拡張機能の無効化方法(一例:Chrome)

  1. Chromeの右上にある「︙」ボタン → 「その他のツール」 → 「拡張機能」
  2. 一覧から怪しい、または最近インストールした拡張機能を探す
  3. トグルスイッチをオフにし、一時的に無効化してみる
  4. 無効化後、再度アクセスを試みてエラーが解消されるかを確認

もし拡張機能を無効にした状態で問題なくアクセスできる場合は、その拡張機能が原因と考えられます。代替手段を探す、もしくは拡張機能をアップデートするなどの対応を検討しましょう。

対処法その8:LAN設定やプロキシ設定を確認する

企業や大学など特定の組織に所属している場合、ネットワーク管理者がプロキシサーバーを設定している可能性があります。一方で、自宅利用では基本的にプロキシサーバーは不要なことが多いです。不要なプロキシ設定がアクティブになっていると、正常に通信できなくなる場合があります。

Windowsでのプロキシ設定確認

  1. 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「プロキシ」
  2. 「自動検出設定」をオンにし、それ以外の手動プロキシ設定がオフになっているか確認
  3. ブラウザー内の「設定」→「詳細設定」→「システム」→「プロキシ設定を開く」から同様の設定を参照できることもある

もし特定のプロキシサーバーを使用する必要がある場合は、正しいサーバーアドレス・ポート番号が入力されているかを再確認しましょう。

対処法その9:高度なネットワーク診断ツールを活用する

対策を一通り試しても解決しない場合は、もう少し高度なネットワーク診断ツールを活用するのも手です。以下にいくつか代表的なコマンドやツールを紹介します。

tracert(Windows) / traceroute(Linux, Mac)

目的のホストまでデータパケットが通過する経路を表示します。途中どのルーターやノードで通信が詰まっているかを知ることで、ネットワーク障害の位置を特定できます。

tracert www.google.com

経路上でタイムアウトや到達不能が連続する場合は、その区間に問題がある可能性が高いです。

nslookup

DNSの名前解決が正しく動作しているかを調べるコマンドです。以下の例では「www.example.com」のIPアドレスを照会します。

nslookup www.example.com

ここで正しいIPアドレスが返らなかったり、全く応答が返ってこない場合はDNS周りのトラブルが疑われます。

netshコマンド

Windowsのネットワーク設定を詳細に操作できる強力なコマンドです。WinsockのリセットやIP設定のリセットなど、奥深いトラブルシューティングに役立ちます。

netsh winsock reset
netsh int ip reset

これらを実行するとネットワーク設定が大幅にリセットされるため、再起動後に接続設定が必要となる場合がある点に注意が必要です。

対処法その10:サイト側の問題やISPの障害を疑う

自分のPCやネットワーク環境に問題がない場合でも、「This site can’t be reached」エラーが表示されることはあります。Webサーバーがダウンしている、またはISPの経路障害が発生しているなど、自分では対処できない外的要因も考えられるのです。

サイト側の稼働状況を確認

  • 「Down for Everyone or Just Me」などのオンラインサービス
    指定したURLが世界的にダウンしているかをチェックできるサイトがあります。
  • SNSや公式発表
    企業や団体の公式Twitterやサポートサイトで障害情報が公開されている場合があります。

ISPへの問い合わせ

  • プロバイダー側で障害が発生していないか電話やウェブフォームで確認
  • 回線メンテナンス中で一時的に接続不可になっている可能性もある

もし外部要因と判明した場合、基本的にユーザー側でできることは少ないですが、サーバー復旧やメンテナンス完了を待つしかないケースもあります。

まとめ:複数の対処法を試すことが重要

「This site can’t be reached」エラーが出る原因は多岐にわたるため、単一の対策で解決しないことも珍しくありません。今回ご紹介した方法を複数組み合わせて試すことで、ほとんどのケースで問題を解決できる可能性が高まります。

  • DNSサーバーの変更 → DNSキャッシュのクリア
  • ルーターの再起動 → ファームウェア更新
  • IPv6の無効化 → ファイアウォール・セキュリティソフトの確認
  • ブラウザー拡張機能の無効化 → プロキシ設定の確認
  • 高度な診断ツール(tracert, nslookup, netshなど)の活用
  • サイト側・ISP側の障害の可能性のチェック

一通り試しても問題が解決しない場合は、ネットワーク専門家やシステム管理者などのプロフェッショナルに相談することも検討してください。

コメント

コメントする