Office 365の更新後にAccessだけがうまく動作せず、奇妙なエラーメッセージやファイルロックに悩まされていませんか。ここでは実際の事例や原因、そして今すぐできる対処法をわかりやすく紹介します。少しでも負担を減らし、スムーズに業務を進められるよう参考にしてみてください。
Access 365 バージョン 16.0.17928.20114 での不具合の概要
Access 365は日々の業務で頻繁に利用されるデータベース管理アプリケーションですが、バージョン 16.0.17928.20114 に更新した際、以下のようなトラブルが報告されています。
- 「メモリ不足」のような内容不明のエラーメッセージが表示される
- データベースを閉じようとしてもファイルがロックされたままになる
- バックグラウンドでAccessのプロセス (MSACCESS.EXE) が残り続ける
この問題はExcelやPowerPointなど、他のOfficeアプリケーションでは発生しないにもかかわらず、Access単体でだけ見られるケースが多いといわれています。
問題発生時のユーザー側の影響
Accessのプロセスが完全に終了しないまま残ってしまうことで、以下のような二次的なトラブルも生じるおそれがあります。
- データベースファイルの再オープンができず、業務がストップする
- ファイルロックが解除されないため、圧縮修復や名前変更など管理上の操作ができない
- Windows自体のパフォーマンス低下 (不要なメモリ・CPU使用) が発生
発生原因と考えられるポイント
バージョン 16.0.17928.20114 では、いくつかの内部的な更新が影響し、Accessの終了プロセスが正しく走らないバグが含まれていた可能性が指摘されています。具体的な原因としては、リソース管理やオブジェクト解放関連のコードに不具合があると言われていますが、詳細はMicrosoftから公式に明言されていません。
Office 365更新の背景
Office 365は常に最新機能やセキュリティパッチを提供するため、自動更新がデフォルトで有効になっています。しかし、ときには最新バージョンに新しいバグが潜むことがあるのも事実です。今回の問題もその典型例といえます。
意図しないバージョンへのアップデート
自動更新により意図せず問題のあるビルドにアップデートしてしまった場合、業務に支障を来すことになるため、状況によっては自動更新を一時的に停止する手段も考慮すべきです。
具体的な対処方法
以下に示す解決策は、すぐに試せる応急処置から、本格的な修正策まで幅広く紹介しています。自社の環境やポリシーに合わせて、最適な対処法を選んでください。
1. バージョンを以前の安定ビルドにロールバック
最も手っ取り早い解決策は、不具合を起こしているバージョンから以前の安定ビルドに戻すことです。
手順 | 説明 |
---|---|
1 | コマンドプロンプト (管理者として実行) を開く |
2 | OfficeC2RClient.exeにパラメータを指定して実行し、ロールバックする |
3 | ロールバック完了後、Officeの自動更新をオフにする |
下記はOfficeをロールバックする例です (Cドライブのパスは環境によって異なります)。
cd "C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\ClickToRun"
OfficeC2RClient.exe /update user updatetoversion=16.0.17726.20160
実行後にOfficeの修復や再起動を行い、安定バージョンでAccessが問題なく動作するか確認します。
ロールバック後の注意点
ロールバック作業が完了すると、再度自動更新によって同じバージョンに戻らないよう、[ファイル] → [アカウント] → [更新オプション] から自動更新をオフにするのがおすすめです。問題が修正された後に再度更新をオンに切り替えましょう。
2. Microsoftがリリースした修正版へのアップデート
Microsoftは本バグを認識し、既に修正版 (例: 16.0.17928.20156 など) を公開しています。修正ビルドに更新できる環境であれば、以下の手順で最新のOfficeにアップデートして問題が解消するかチェックしましょう。
- Accessを含むすべてのOfficeアプリケーションを終了する
- [ファイル] → [アカウント] → [更新オプション] → [今すぐ更新] を選択
- 更新が完了したら、Accessを起動して動作確認を行う
環境によっては数時間~数日程度で最新バージョンが配信される場合もあるため、すぐに更新できない場合はロールバックの方法と併用して対処してください。
更新時のポイント
修正ビルドへのアップデートを行っても、問題が再現するケースも報告されています。その際はもう一度Office修復 (後述) を実行したり、Windowsのクリーンブートを試してみてください。
3. 一般的なトラブルシューティング
以上の方法でも解消しない場合は、以下の操作で環境を整備し直すことで原因の切り分けが可能です。
- Office修復 (Repair)
コントロールパネルやWindowsの設定から「プログラムのアンインストールまたは変更」に進み、Officeを選択して修復を実行します。クイック修復で不十分な場合は「オンライン修復」を試すと効果が高いです。 - Windowsのクリーンブート
スタートアップ項目とサービスを最小限に絞った状態でWindowsを起動することで、他の常駐ソフトウェアの影響を排除しやすくなります。これにより競合を見極めやすくなります。 - 新規ユーザーアカウントでの動作確認
ユーザープロファイルが破損していると、Officeアプリに予期せぬ不具合が発生する場合があります。新アカウントでログインしAccessを試して、問題の有無を切り分けるのがおすすめです。 - 他のOfficeアプリとの比較
WordやExcel、PowerPointで同様の事象が出るかどうか確認することで、Access独自の問題か、Office全体の問題かを把握します。
4. 参考情報やコミュニティによる報告
Access関連の不具合は公式フォーラムや海外サイトでも頻繁に共有され、ワークアラウンドが多数紹介されています。
- Devhut.net Accessのプロセスが終了しないバグや回避策について詳細にまとめられています。
- AccessForever.org Access専門のコミュニティで、同じ不具合の報告と今後の修正情報がアップデートされています。
コミュニティ情報はリアルタイムで更新されていることも多いため、最新状況を追うのに大変便利です。
データベース管理を円滑に進めるためのコツ
Accessを使ったデータベース管理がビジネス上重要な方にとって、今回のようなバグ発生は致命的なトラブルにつながる可能性があります。定期的にバックアップを取る、複数のアプリケーションをまたいで業務を進められるようにするなど、いくつかの予防策を組み合わせておくとリスク軽減に役立ちます。
バックアップとアーカイブの重要性
ファイルがロックされて圧縮・修復できない状態になる前に、定期的なバックアップを確保しておくと安心です。Accessのバックアップは以下のような方法を組み合わせると効果的です。
- 自動バックアップツール
Windowsのタスクスケジューラを活用し、深夜や休憩時間などに自動でバックアップを作成する。 - クラウドストレージ
OneDriveやSharePointと連携し、クラウド上でも履歴管理できる環境を用意する。 - ローカル+リモートの二重化
万が一ローカルファイルに問題が起きても、リモート側のファイルが残るようにしておく。
代替ツールを準備しておく
Access特有の機能を活用していると、簡単に他のツールへ切り替えるのは難しいですが、ExcelやPower BI、SQL Serverなど、状況によって部分的に代用できるケースもあります。
一時的にAccessが使用不可になっても業務が完全に止まらないよう、業務システムの冗長化を考慮するとリスク分散につながります。
まとめ
Office 365の最新バージョンへのアップデートはセキュリティ対策や新機能の利点がありますが、まれに今回のような不具合が含まれる場合があります。Access 365のバージョン 16.0.17928.20114で起こる「終了できない」「ロック解除されない」といった問題は、ロールバックや修正済みバージョンへのアップデートで解決できる可能性が高いです。
加えて、普段から以下の点を意識しておくと、同様のトラブル時もスムーズに対処しやすくなります。
- 定期的なバックアップ体制の構築
- クリーンブートやプロファイル切り替えなど基礎的なトラブルシュート手法の把握
- コミュニティサイトや公式リリースノートのこまめなチェック
万が一同じ現象に再度遭遇した場合も、今回紹介した方法を参考にすれば早期解決が可能になるはずです。バージョン管理やアップデートの運用ルールを見直すきっかけにしていただければ幸いです。
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