日頃からWindows 10やWindows 11のパソコンを使っていると、個人用の設定やファイルと、仕事や団体活動用のOffice 365サービスが混ざってしまうことがあります。そんな時はローカルアカウントとMicrosoftアカウントをしっかり使い分けるのがおすすめです。ここでは、実際の体験談も交えながら、複数のアカウントをどのように追加し、どのように活用すると快適になるのかを詳しくご紹介していきます。
ローカルアカウントとMicrosoftアカウントの違い
Windows 10/11のローカルアカウントとMicrosoftアカウントは、パソコンを使ううえで重要な役割を持っています。実は私も、かつてはずっと同じアカウントでOneDriveや仕事用Outlookを操作していたのですが、予定表やメール設定が混在していて何度か痛い目に遭ったことがあります。そうした失敗経験を踏まえて、ここでは両アカウントの特徴を説明します。
ローカルアカウントとは
ローカルアカウントは、Windowsにサインインするためだけに使われるアカウントで、インターネット上のサービスとの結びつきがありません。Windows XPやWindows 7の頃のように、端末ごとに作成したユーザー名とパスワードでログインする方式がローカルアカウントです。例えば「John」という名前でパソコンに登録して、パスワードを「letmein!!」に設定するといった形になります。
ローカルアカウントでサインインすると、OneDriveのようなクラウドサービスやMicrosoft Storeとの連携は自動的には行われず、基本的にはパソコン本体の中だけで作業するイメージです。
Microsoftアカウントとは
Microsoftアカウントは、HotmailやOutlook、または独自のメールアドレスを使ってMicrosoftのオンラインサービス全般にアクセスするためのアカウントです。Windows 10/11では、初回セットアップ時にMicrosoftアカウントを使うよう求められる場合があります。これにより、OneDriveと自動的に連携が行われたり、Windowsの設定がオンライン上に同期されたりするという利点があります。
ただし、個人用のアカウントと仕事用、あるいは団体用のアカウントが混在すると、OneDriveの保存先やOutlookのメールボックスが入り乱れて混乱してしまうケースもあります。私も最初のころ、個人用のPCで仕事のMicrosoftアカウントを使ってログインし、どこに何が保存されているのか分からなくなったことがありました。
アカウントを分けて併用するメリット
ローカルアカウントとMicrosoftアカウントを併用する最大のメリットは、用途ごとにきちんとデータを分けられる点です。ここでは、具体的にどんなメリットを得られるのかをお伝えします。
例えば私の場合、慈善団体の運営で複数人が共有するOneDriveフォルダには機密情報やボランティアスタッフに関するデータが含まれていました。もし個人のアカウントでそれらのファイルをうっかり開いてしまうと、家族写真と同じフォルダに並んでいて危うく消しそうになったこともあります。アカウントを分けておくことで、そういったヒヤリ・ハットを防げるようになりました。
ローカルアカウントでサインインした場合、標準ではOneDriveとの連携がないため、本当に必要な場合だけブラウザーで団体のOneDriveにアクセスする形にできます。一方で、Microsoftアカウントのアカウントを使ってログインすれば、デフォルトでOneDriveが同期されるので、業務用ファイルをダイレクトに扱えるようになります。私の知り合いも、仕事のファイルを扱う時だけMicrosoftアカウントに切り替え、プライベートタイムはローカルアカウントで過ごす方法を取っていて「切り替えに少し手間はかかるけれど、安全で安心感があるよ」と言っていました。
メールやクラウド同期に不具合が起きたときも、個人用のローカルアカウントの設定に影響が及びにくいため、原因を切り分けて対処しやすくなります。もしMicrosoftアカウント側で障害が発生してOutlookが使えなくなっても、ローカルアカウントでサインインして作業を続行できるのは大きな安心要素です。以前、団体用のOffice 365に重大なシステム障害が起きていた時は、私は個人のローカルアカウントに切り替えスムーズに別の作業に集中できました。
アカウントを分けるデメリットと対処法
どんな便利な方法にも、いくつか面倒が伴うことがあります。ここではローカルアカウントとMicrosoftアカウントを併用する際のデメリットを挙げ、その対策もあわせて解説します。
一度ログインしたら気軽に使い続けられるシーンが多いのがパソコンの良いところですが、複数のアカウントを使い分ける場合は、状況に応じてサインアウトとサインインを繰り返す必要があります。メールをチェックしてから個人用に戻る、などの使い方をするときは少々ストレスを感じるかもしれません。ただ、私自身はメリットの大きさを考えると、この手間は受け入れられる範囲だと感じています。
アカウントを作ると、そのユーザープロファイルフォルダが作成されるため、ストレージ容量をある程度消費します。特にOneDriveで同期するファイルが大きいと、ディスク領域を圧迫しがちです。私もノートパソコンで容量が少ないSSDを使っていた頃は、あっという間に残り容量が数GBになってしまい焦った記憶があります。今は必要最低限のファイルだけ同期対象にするように設定を変えて快適に使えています。
ローカルアカウントとMicrosoftアカウントを追加する手順
実際にWindows 10/11で複数のアカウントを設定する方法について、手順をまとめてみました。ここでは一例として、個人向けのローカルアカウントがすでに存在している前提で、団体向けのMicrosoftアカウントを追加登録する流れを想定しています。
1. 設定画面からアカウントを開く
まずはWindowsのスタートボタンから設定を起動し、「アカウント」を選択します。Windowsの設定画面はWindowsキー + Iを押しても開くことができるので、ショートカットを覚えておくと便利です。
2. 家族とその他ユーザーを選ぶ
アカウントのサイドバーにある「家族とその他ユーザー」または「その他のユーザー」という項目をクリックします。Windowsのバージョンやエディションによって呼び名が多少異なりますが、大体似たような表示になっているはずです。
3. このPCに他のユーザーを追加
その他のユーザーの欄にある「その他のユーザーをこのPCに追加」ボタンをクリックすると、新規アカウントを追加するウィザードが始まります。ここでMicrosoftアカウントのメールアドレスを入れるか、もしくは「Microsoftアカウントを使わずにサインインする」からローカルアカウントを作成します。
4. Microsoftアカウントの場合
Microsoftアカウントを使う場合は、団体から貸与されているメールアドレスや、自身が持っているOutlook.comのメールアドレスなどを入力し、パスワードを設定します。団体用のOffice 365アカウントを持っている場合は、そのメールアドレスとパスワードを使うと、そのままOneDriveやSharePointにもアクセスしやすくなります。
5. ローカルアカウントの場合
ローカルアカウントで追加する場合は、ユーザー名とパスワードを自由に決められます。例えば仮に「CharityUser」という名前と、セキュリティ的に十分な強度を持つパスワードを設定しておけば、団体用のアカウントとして独立したユーザープロファイルを確保できます。私の友人は、ローカルアカウントを「SharedWork」と名付けて使っていました。視覚的にもすぐ「これは共有用だ」と認識できるので間違いにくいようです。
アカウントを切り替えるときのコツ
アカウントを追加したら、実際に切り替えて使う方法を知っておくとスムーズです。私の場合は、あまり頻繁には切り替えず、1日の初めはローカルアカウントで起動し、必要に応じてMicrosoftアカウントにサインインしなおす、といった使い分けをしています。
サインアウトから切り替える
画面左下のスタートボタンをクリックしてユーザーアイコンを選ぶと、サインアウトの項目が出てきます。そこで一旦サインアウトしてから、次に現れるログイン画面で別のアカウントを選択します。サインアウトする際には開いていたアプリケーションやファイルがいったん閉じられてしまうため、作業を保存してから行うように心がけましょう。
複数ユーザーを同時に稼働させる場合
Windowsのバージョンにもよりますが、サインアウトせずに「別のユーザーを切り替える」という項目が選べることがあります。これを選択すると、現在のアカウントをログアウトせずにメモリ上に残したまま、別のアカウントにログインできます。ただし、メモリやCPUがそれなりに負荷を受ける場合があるため、パソコンのスペックが低いと動作が重くなることがあります。
私も一時期、個人用の作業を中断せずに団体用のメールを確認しようと試したことがありますが、メモリが4GBしかない古いノートPCでは動作がもたついてしまい、結局サインアウトした方が早かった、という経験があります。

私自身の体験としては、メモリ16GB以上のデスクトップ機では複数アカウントの切り替え同時利用もわりとスムーズでした。スペック次第で快適さが大きく変わるので注意してください。
作業の分担をもっと便利にする工夫
アカウントを切り替えるだけではなく、もっと快適に使うための工夫はいくつかあります。PCの環境を少し整備するだけで、より快適にアカウントを使い分けられます。
ブラウザーのシークレットウィンドウ
Webブラウザーのシークレットウィンドウ(プライベートブラウズ)を使えば、ログイン情報が残らないため、個人用アカウントと団体のアカウントを簡単に切り替えることができます。ChromeやEdge、Firefoxなど主要なブラウザーはほぼ対応しており、ワンクリックで使えるので便利です。
私も以前、ネット上ですぐに団体のメールをチェックしなければいけないときは、Chromeのプライベートウィンドウを開いて、団体用Office 365にアクセスしていました。この方法なら完全にログインし直す手間や、Windowsユーザー自体を切り替える必要がなく、ちょっとした確認をするのに重宝していました。
デスクトップや書類フォルダへのショートカット整理
それぞれのアカウントで使うアプリやフォルダは異なると思います。私の場合、ローカルアカウントではプライベート写真編集ソフトや個人ゲーム、MicrosoftアカウントではWordやExcel、ブラウザーのタブなどがメインになります。そうした違いを考えながら、ショートカットを分かりやすく配置すると、迷わずに済むので時短にもつながります。
表で見るアカウント追加のポイント
下記はローカルアカウントとMicrosoftアカウントをそれぞれ追加する際の要点をまとめた表です。作業手順やメリットを簡単に振り返る際に活用してください。
作業手順 | 概要 | メリット |
---|---|---|
設定画面の 「アカウント」へ | Windows設定からアカウントのページに進む | いつでも追加入力が可能で、変更も容易 |
「家族とその他ユーザー」 を開く | 自分とは別のアカウントを 追加するメニューがある | 家族や共同作業者も含めて複数人が利用しやすい |
「その他のユーザーを このPCに追加」を選択 | 新規アカウント作成 (Microsoft or ローカル) | 用途に合わせて手軽に アカウントを分けられる |
Microsoftアカウント を入力する | OutlookやHotmailなどの メールアドレスとパスワード | OneDriveやOffice 365 との連携がスムーズ |
ローカルアカウントを 作成する | ユーザー名とパスワードのみ でWindowsにログイン | クラウド同期なしで シンプルに運用できる |
複数アカウントを活用する実際の事例
ここで、実際に複数アカウントを活用しているケースをご紹介します。私の知人は小規模なNPOに勤めていて、活動レポートや会計関係の書類をOneDriveで共有していましたが、個人の写真を誤って共有フォルダにアップロードしそうになったことが何度かあったそうです。そこで、プライベート用はローカルアカウントで運用し、NPO用にはOffice 365のMicrosoftアカウントで運用する形に切り替えました。
切り替えて最初は面倒だと感じたものの、慣れてくると「個人アカウントでは業務ファイルが絶対に見えない」し「業務アカウントではプライベートのファイルが操作できない」ので、うっかりミスが激減しましたとのこと。情報管理の観点でも、後でどちらのアカウントがどんな操作をしたのかを切り分けやすいため、同僚たちも賛成してくれたそうです。



私自身も、個人・業務の使い分けによってファイルの場所や共有範囲を誤るリスクが減ったので助かっています。特に組織的な活動では不必要なトラブルを防ぐのに効果的だと感じます。
セキュリティ対策にも活かせるアカウント管理
アカウントを分けることでセキュリティ向上に役立つケースも少なくありません。特にローカルアカウントを使う時は、Microsoftサーバーに情報が同期されにくいため、外部からの不正アクセスを受けた場合でも被害を最小限に抑えられることがあります。また、万が一Microsoftアカウントのパスワードが漏洩しても、ローカルアカウントが無事であればPC自体のログインには影響が及ばないのが利点です。
パスワード管理の重要性
アカウントを増やせば増やすほどパスワードの管理が大変になりますが、対策としてはパスワードマネージャーソフトを活用すると便利です。私の場合、個人用のローカルアカウントとMicrosoftアカウントでそれぞれ違うパスワードを設定しているので、もし片方が侵害されてももう片方が守られるようにしています。特にクラウドストレージを利用しているときは、二段階認証や生体認証など、追加のセキュリティ策を講じることで安心感が高まります。
二段階認証の有効化
Microsoftアカウントには、ログイン時にスマートフォンなどへ通知を送る二段階認証機能があります。私もこれを使っていて、パスワードだけでは不正ログインできないようにしています。団体内で二段階認証を義務化しているところも少なくありません。実際に私が関わった慈善団体でも、二段階認証を徹底することで、ボランティアメンバーのアカウント乗っ取りリスクを減らせたという成果がありました。
生体認証の活用
指紋認証や顔認証が使えるパソコンであれば、ローカルアカウントとMicrosoftアカウントのログインを指紋ひとつで切り替えられます。私の友人はこれをフル活用していて、パスワードを覚える手間を最小限にしていました。生体認証機能の精度は年々向上しているので、うまく使えばより快適にアカウントを管理できます。
アカウント管理でありがちな疑問
実際に複数アカウントを併用していると、特定のサービスだけを別アカウントにしたい場面や、設定がうまく同期されない場面に出くわすことがあります。そんなときに遭遇しやすい疑問をいくつかピックアップします。
Microsoftアカウントだけ使いたいサービスがある場合
例えば、Windowsログインそのものはローカルアカウントで行いたいけれど、OneDriveだけはMicrosoftアカウントで使いたい、という場合はOfficeのアプリケーションからサインインすることで利用が可能です。WordやExcelを開いてファイルを保存する際に、Office 365アカウントにサインインしてOneDriveに保存すれば、Windows自体はローカルアカウントでも問題なく利用できます。
メールとOneDriveが同期されないときの対処法
MicrosoftアカウントでサインインしているのにOneDriveがうまく同期されない、またはOutlookメールの受信が止まってしまうことがあります。その場合は、アプリ内のアカウント設定を再確認し、一度サインアウトして再度サインインするのが早いです。私も過去に、Microsoftアカウントのパスワードを変更した直後、OneDrive側で古い情報が残っていて同期に失敗した経験があります。このときは、一度サインアウトしてWindowsを再起動したところ正常に戻りました。
複数アカウントを使っているときにWindowsアップデートはどうなる?
Windowsアップデートは、あくまでPC全体のシステムに対する更新なので、ログインアカウントが複数あっても基本的には同様に行われます。ただし、アカウントごとにログインしているタイミングがばらばらだと、それぞれの初回ログイン時にアップデート処理や構成作業が発生して、起動が遅くなるといったケースがあります。私の環境でも、ローカルアカウントとMicrosoftアカウントの両方に更新が反映されるまで少し時間がかかりました。
手軽に切り替える補助ツールの活用
アカウント切り替えをより手軽にしたい場合、Windowsのスタートメニューにショートカットを置いておく方法や、Windows + Lキーで画面をロックしてユーザー切り替え画面を出す方法などがあります。また、フリーソフトや有料のユーティリティを使うと、より素早くユーザー切り替えができるようなものもあります。私が試したところ、あまり大きな違いは感じませんでしたが、複数アカウントを頻繁に使う人には便利かもしれません。



私が以前使っていたソフトでは、タスクバーに常駐してワンクリックでユーザー切り替えできる機能がありました。状況によってはこうしたツールを導入しても良いかもしれません。
まとめ
ローカルアカウントとMicrosoftアカウントを併用することで、個人データやプライベートな設定を守りながら、Office 365やOneDriveといった団体利用に必要な機能もフル活用できます。私自身、アカウントをしっかり分けるようになってからは、団体用のデータを誤って削除したり、自分の個人情報が共有アカウントに混ざってしまう心配が格段に減りました。
大切なのは、どのアカウントをいつ使うかを整理し、必要に応じてきちんと切り替える意識を持つことです。最初はひと手間増えたように感じるかもしれませんが、慣れると「これで安全に使えるなら全然OKだな」と思うようになります。パソコンのスペックやストレージ容量、利用するクラウドサービスの内容に合わせて柔軟に構成すれば、きっとより快適にWindowsライフを送れるでしょう。



私も今では完全に使い分けが定着していて、家族や友人にも「アカウント分けを始めたら作業効率と安心感が全然違うよ!」と積極的に勧めています。もし同じ悩みを持っている方がいたら、ぜひチャレンジしてみてください。
コメント