PowerShellでWindowsハイパフォーマンス電源プランを有効化しPCの性能を最大化する方法

PowerShellを使用してWindowsのハイパフォーマンス電源プランを有効化し、PCの性能を最大限に引き出す方法について解説します。

Windowsには、PCの消費電力とパフォーマンスを調整するための「電源プラン」という設定があります。特に、ハイパフォーマンス電源プランを適用することで、CPUのクロック制御がより積極的に行われ、システムのレスポンスが向上します。これは、ゲームや動画編集、3Dレンダリング、プログラムのコンパイルといった、高い処理能力を必要とする作業を行う際に有効です。

しかし、デフォルトの設定ではハイパフォーマンス電源プランが適用されていないことが多く、また、Windowsの設定画面を通じて変更するのは手間がかかる場合があります。そこで、本記事では、PowerShellを利用して効率的に電源プランを変更する方法を解説します。さらに、ウルティメイトパフォーマンスプランの有効化、スクリプトを用いた自動化の方法、適用時の注意点についても紹介します。

PowerShellを活用すれば、手動での設定変更よりも素早く、簡単に電源プランを切り替えられます。システムのパフォーマンスを最大化し、作業効率を向上させるために、ぜひ本記事の手順を試してみてください。

Windowsの電源プランとは

Windowsには、PCの電力消費とパフォーマンスを管理するための「電源プラン」という設定が用意されています。電源プランを適切に設定することで、バッテリー駆動時の持続時間を延ばしたり、パフォーマンスを最大限に引き出したりすることが可能です。

主な電源プランの種類

Windowsには、以下の3つの標準的な電源プランが用意されています。

  1. バランス(推奨)
  • Windowsのデフォルト設定で、多くのPCで有効になっています。
  • 必要に応じてCPUのクロック速度を調整し、消費電力を抑えながらパフォーマンスを確保します。
  • 一般的な作業(Web閲覧、オフィス作業)に適しています。
  1. 省電力
  • バッテリー駆動時に最適化された電源プランです。
  • CPUのパフォーマンスを抑え、画面の輝度を下げるなどして、消費電力を最小限にします。
  • ノートPCでバッテリー駆動時間を延ばしたい場合に有効です。
  1. ハイパフォーマンス
  • CPUのクロック速度を最大限に維持し、高いパフォーマンスを発揮します。
  • システムの応答速度が向上し、ゲームや動画編集など負荷の高い作業に適しています。
  • ただし、電力消費が増えるため、ノートPCではバッテリーの持続時間が短くなります。

特別な電源プラン

Windows 10/11の一部のエディション(Windows 10 Pro for Workstationsなど)では、ウルティメイトパフォーマンスというさらに高性能な電源プランが提供されています。これは、ハイパフォーマンス電源プランをさらに最適化したもので、最小限の電力管理を行いながらシステムの性能を最大化する設計になっています。

電源プランの適用による影響

電源プランを適切に選択することで、PCの動作が最適化されます。たとえば:

  • ゲームや高負荷作業を行う場合は、「ハイパフォーマンス」または「ウルティメイトパフォーマンス」を選択すると、よりスムーズな動作が期待できます。
  • ノートPCのバッテリー駆動時は、「省電力」を選択することで、バッテリーの持続時間を延ばすことができます。

次のセクションでは、ハイパフォーマンス電源プランの特徴と利点について詳しく解説します。

ハイパフォーマンス電源プランの特徴と利点

ハイパフォーマンス電源プランは、Windowsの電源管理設定の中で、パフォーマンスを最優先するプランです。この設定を有効化することで、CPUやその他のコンポーネントの動作が最大限のパフォーマンスを発揮するようになります。

ハイパフォーマンス電源プランの特徴

  1. CPUのクロック速度が高く維持される
  • 通常の「バランス」プランでは、CPUの負荷に応じてクロック速度が変動しますが、ハイパフォーマンスプランではクロック速度が常に高めに維持されます。
  • そのため、負荷の高い処理を実行する際に、パフォーマンスの向上が期待できます。
  1. システムの応答性が向上する
  • CPUの動作が常に高速で行われるため、アプリケーションの起動やタスクの切り替えがスムーズになります。
  • 特に、ゲームや動画編集、3Dレンダリング、プログラムのコンパイルなどの作業に適しています。
  1. ディスクやネットワークのパフォーマンスが最適化される
  • ハードディスクやSSDの電源管理も最小限に抑えられ、アクセス速度が向上します。
  • ネットワークアダプタの省電力設定がオフになり、通信の遅延が減少するため、オンラインゲームやリモート作業にも適しています。
  1. 電力消費が増える
  • ハイパフォーマンスモードでは、電力管理が抑制されるため、消費電力が増加します。
  • デスクトップPCでは問題になりにくいですが、ノートPCではバッテリーの持続時間が短くなる可能性があります。

ハイパフォーマンス電源プランが適しているケース

  • 高負荷なアプリケーションを使用する場合
  • ゲーム、3Dモデリング、映像編集、プログラムのコンパイルなど
  • レイテンシ(遅延)を最小限にしたい場合
  • 音楽制作、動画配信、オンラインゲーム、リモートデスクトップ操作など
  • PCのパフォーマンスを最大限に活用したい場合
  • サーバー用途や仮想マシンのホストPCなど

ハイパフォーマンス電源プランのデメリット

  • 電力消費が増えるため、バッテリー駆動時間が短くなる
  • CPUやGPUの温度が上昇する可能性がある
  • ファンの回転が増えて騒音が大きくなることがある

これらの特徴を考慮し、用途に応じてハイパフォーマンス電源プランを選択するのが重要です。

次のセクションでは、PowerShellを使用して現在の電源プランを確認する方法を解説します。

PowerShellで電源プランを確認する方法

Windowsの電源プランを変更する前に、現在適用されている電源プランを確認することが重要です。PowerShellを使用すると、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使わずに、コマンドライン上で素早く電源プランを確認できます。

1. PowerShellの起動

まず、PowerShellを管理者権限で実行します。

手順:

  1. Windows + X キーを押して「Windows ターミナル (管理者)」または「PowerShell (管理者)」を選択
  2. ユーザーアカウント制御 (UAC) のダイアログが表示された場合、「はい」をクリック

2. 現在の電源プランを確認するコマンド

PowerShellで以下のコマンドを入力し、現在の電源プランを確認します。

powercfg /getactivescheme

実行結果の例:

Power Scheme GUID: 381b4222-f694-41f0-9685-ff5bb260df2e  (バランス)

この出力では、現在の電源プランが「バランス」であることがわかります。

3. 利用可能な電源プランを一覧表示する

Windowsに登録されているすべての電源プランを確認するには、以下のコマンドを実行します。

powercfg /list

実行結果の例:

既存の電源スキーム
Power Scheme GUID: 381b4222-f694-41f0-9685-ff5bb260df2e  (バランス) *
Power Scheme GUID: a1841308-3541-4fab-bc81-f71556f20b4a  (省電力)
Power Scheme GUID: 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c  (ハイパフォーマンス)
Power Scheme GUID: e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61  (ウルティメイトパフォーマンス)

* が付いている電源プランが現在適用されているものです。

4. GUIDを利用して現在の電源プランを取得する(詳細情報付き)

以下のPowerShellコマンドを使用すると、より詳細な情報を取得できます。

(Get-CimInstance -Namespace root/cimv2/power -Class Win32_PowerPlan | Where-Object {$_.IsActive -eq $true}).ElementName

出力例:

バランス

このコマンドは現在有効な電源プランの名称のみを出力するため、スクリプトの一部として活用できます。


PowerShellを活用すれば、GUIを開かなくても素早く電源プランを確認できます。
次のセクションでは、PowerShellを使ってハイパフォーマンス電源プランを有効化する方法を解説します。

PowerShellでハイパフォーマンス電源プランを有効化する方法

現在の電源プランを確認した後、PowerShellを使用してハイパフォーマンス電源プランを有効化する方法を紹介します。手動で設定画面を開く必要がなく、コマンド一つで簡単に適用できます。

1. PowerShellを管理者権限で実行

まず、PowerShellを管理者権限で開きます。

手順:

  1. Windows + X を押して「Windows ターミナル (管理者)」または「PowerShell (管理者)」を選択
  2. ユーザーアカウント制御 (UAC) のダイアログが表示されたら「はい」をクリック

2. ハイパフォーマンス電源プランのGUIDを確認

次に、以下のコマンドを実行して、システム内に登録されている電源プランの一覧を表示します。

powercfg /list

出力例:

既存の電源スキーム
Power Scheme GUID: 381b4222-f694-41f0-9685-ff5bb260df2e  (バランス) *
Power Scheme GUID: a1841308-3541-4fab-bc81-f71556f20b4a  (省電力)
Power Scheme GUID: 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c  (ハイパフォーマンス)

ハイパフォーマンスのGUIDは通常 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c ですが、環境によって異なる可能性があるため、実際の値を確認してください。

3. ハイパフォーマンス電源プランを適用

以下のコマンドを実行して、ハイパフォーマンス電源プランを有効化します。

powercfg /setactive 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c

成功すると、PCの電源設定がハイパフォーマンスに変更されます。

4. 設定が反映されたか確認

適用後、現在の電源プランが正しく変更されたかを確認するために、次のコマンドを実行します。

powercfg /getactivescheme

出力例:

Power Scheme GUID: 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c  (ハイパフォーマンス)

このように表示されていれば、ハイパフォーマンス電源プランの適用が完了しています。


まとめ

  • powercfg /list で利用可能な電源プランを確認
  • powercfg /setactive <GUID> でハイパフォーマンスを適用
  • powercfg /getactivescheme で適用結果を確認

次のセクションでは、さらに強力な ウルティメイトパフォーマンス電源プラン の有効化方法を解説します。

PowerShellでウルティメイトパフォーマンス電源プランを有効化する方法

ウルティメイトパフォーマンス(Ultimate Performance)電源プランは、ハイパフォーマンスプランをさらに最適化し、PCのパフォーマンスを最大限に引き出す特別な設定です。この電源プランは主にWindows 10/11 Pro for WorkstationsEnterpriseエディション で提供されていますが、通常のWindowsでも手動で有効化できます。


1. ウルティメイトパフォーマンス電源プランとは?

ウルティメイトパフォーマンスプランは、以下の点でハイパフォーマンスプランよりも優れています。

CPUの電源管理を最小限に抑え、常に最大パフォーマンスを維持
ハードディスクやSSDのスリープを無効化し、データアクセスを高速化
ネットワークやGPUの電力管理を抑え、より安定したパフォーマンスを実現

ただし、消費電力が大幅に増加するため、主にデスクトップPC向けの設定です。


2. ウルティメイトパフォーマンス電源プランを確認

現在のシステムでこのプランが利用できるか確認するには、以下のコマンドを実行します。

powercfg /list

出力に e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61(ウルティメイトパフォーマンス)が含まれていれば、既に利用可能です。

もしリストにない場合は、次の手順で有効化できます。


3. ウルティメイトパフォーマンス電源プランを追加

以下のコマンドを実行して、この電源プランを追加します。

powercfg /duplicatescheme e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61

成功すると、新しい電源プランが登録されます。


4. ウルティメイトパフォーマンス電源プランを適用

以下のコマンドで、ウルティメイトパフォーマンス電源プランを有効化します。

powercfg /setactive e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61

5. 設定が適用されたか確認

現在の電源プランを確認するために、次のコマンドを実行します。

powercfg /getactivescheme

出力例:

Power Scheme GUID: e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61  (ウルティメイトパフォーマンス)

このように表示されていれば、適用完了です。


6. ウルティメイトパフォーマンスプランを削除する方法

このプランを削除し、元の電源プランに戻したい場合は、まず別の電源プランを適用してから削除します。

powercfg /setactive 381b4222-f694-41f0-9685-ff5bb260df2e  # バランスに変更
powercfg /delete e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61

これでウルティメイトパフォーマンスプランを削除できます。


まとめ

ウルティメイトパフォーマンスプランは、最もパフォーマンスを重視する設定
Windows 10/11 Pro for Workstations 以外でも追加可能
powercfg /duplicatescheme で有効化、powercfg /setactive で適用可能
消費電力が増えるため、デスクトップPC向け

次のセクションでは、電源プラン変更後に設定が正しく反映されたかを確認する方法について解説します。

電源プラン変更後の確認方法

ハイパフォーマンスやウルティメイトパフォーマンス電源プランをPowerShellで適用した後、設定が正しく反映されているかを確認することが重要です。PowerShellコマンドを使用して、現在の電源プランの適用状況や詳細設定を確認する方法を紹介します。


1. 現在の電源プランの確認

適用した電源プランが正しく反映されているかを確認するには、次のコマンドを実行します。

powercfg /getactivescheme

出力例:

Power Scheme GUID: 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c  (ハイパフォーマンス)

または、

Power Scheme GUID: e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61  (ウルティメイトパフォーマンス)

この出力に変更したプランが表示されていれば、適用が完了しています。


2. 電源プランの詳細設定を確認

適用された電源プランの詳細設定を確認するには、次のコマンドを使用します。

powercfg /query

このコマンドを実行すると、各電源プランの詳細設定(CPUの最大動作頻度、ディスクの電源管理、スリープ設定など)が一覧で表示されます。

特定の設定が正しく変更されているかを確認する場合は、次のようにCPUの電源設定を個別に確認できます。

powercfg /query SCHEME_CURRENT SUB_PROCESSOR

3. GUIで確認する方法(オプション)

PowerShell以外でも、Windowsの設定画面から変更が反映されているか確認できます。

  1. Windows設定を開く (Win + I)
  2. システム」→「電源とスリープ」→「追加の電源設定」をクリック
  3. 選択されている電源プランが、適用したプランになっているか確認

4. 電源プランが自動で戻ってしまう場合の対処

適用した電源プランがしばらくすると元に戻ってしまう場合、以下の対策を試してください。

① Windowsの自動電源管理を無効化

Windowsの一部のシステムでは、バッテリー使用時や特定の負荷状態で電源プランが自動的に変更されることがあります。これを防ぐには、次のコマンドを実行します。

powercfg /change monitor-timeout-ac 0
powercfg /change standby-timeout-ac 0
powercfg /change disk-timeout-ac 0

② グループポリシーエディタで強制設定

Windows Pro以上のエディションでは、グループポリシーを使用して電源プランを固定できます。

  1. Win + R を押して gpedit.msc を入力し、エンターキーを押す。
  2. 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「システム」→「電源管理」→「選択可能な電源プランを指定する」を開く。
  3. 「有効」に設定し、適用したい電源プランのGUIDを入力。
  4. PCを再起動 して適用を確認。

まとめ

powercfg /getactivescheme で現在の電源プランを確認
powercfg /query で詳細な設定を確認
Windowsの設定画面でも確認可能
電源プランが元に戻る場合は、自動電源管理を無効化する

次のセクションでは、PowerShellスクリプトを作成し、電源プランの変更を自動化する方法を解説します。

PowerShellでハイパフォーマンス電源プランをスクリプトで自動化する

電源プランをPowerShellで手動変更するのは便利ですが、毎回コマンドを入力するのは面倒です。そこで、スクリプトを作成して自動実行 することで、特定の状況(PC起動時、アプリ実行時など)で自動的にハイパフォーマンス電源プランを適用できるようにしましょう。


1. ハイパフォーマンス電源プランの適用スクリプト

まず、PowerShellスクリプト (.ps1) を作成し、ハイパフォーマンス電源プランを適用するようにします。

スクリプトの内容(例)

以下の内容をテキストエディタにコピーし、「set_high_performance.ps1」という名前で保存します。

# PowerShellスクリプト: set_high_performance.ps1
# ハイパフォーマンス電源プランを適用するスクリプト

# ハイパフォーマンス電源プランのGUID
$highPerfGUID = "8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c"

# 電源プランをハイパフォーマンスに変更
powercfg /setactive $highPerfGUID

# 現在の電源プランを表示
powercfg /getactivescheme

このスクリプトを実行すると、自動的にハイパフォーマンス電源プランが適用されます。


2. スクリプトの実行方法

作成したスクリプトをPowerShellで実行する方法を説明します。

手動で実行する場合

PowerShellを管理者権限で開き、スクリプトを次のように実行します。

powershell -ExecutionPolicy Bypass -File "C:\path\to\set_high_performance.ps1"

"C:\path\to\set_high_performance.ps1" の部分を、保存したスクリプトのパスに置き換えてください。

スクリプトの実行ポリシーを変更

PowerShellではデフォルトでスクリプトの実行が制限されているため、実行ポリシーを変更 する必要があります。

Set-ExecutionPolicy Bypass -Scope Process -Force

これにより、スクリプトの実行を一時的に許可できます。


3. PC起動時に自動適用する(タスクスケジューラ設定)

スクリプトをPC起動時に自動実行 するように設定することも可能です。

タスクスケジューラで自動実行する方法

  1. Win + R を押し、taskschd.msc を入力してタスクスケジューラを開く。
  2. 「基本タスクの作成」 をクリック。
  3. タスク名 を入力(例: Set High Performance Power Plan)。
  4. 「トリガー」 で「ログオン時」または「コンピューターの起動時」を選択。
  5. 「操作」 で「プログラムの開始」を選択し、以下を入力:
  • プログラム/スクリプト: powershell.exe
  • 引数の追加: -ExecutionPolicy Bypass -File "C:\path\to\set_high_performance.ps1"
  1. 「完了」をクリックして設定を保存。

これで、PCを起動するたびに自動的にハイパフォーマンス電源プランが適用 されます。


4. 特定のアプリ実行時に自動適用する

特定のアプリ(例: ゲームや動画編集ソフト)を実行する際に、自動的にハイパフォーマンス電源プランを適用するスクリプトを作成することも可能です。

アプリ実行時に電源プランを変更するスクリプト

次のスクリプトを set_powerplan_with_app.ps1 として保存します。

# 実行するアプリケーションのプロセス名(拡張子なし)
$targetApp = "chrome"   # 例: Google Chromeをターゲットにする場合

# ハイパフォーマンス電源プランのGUID
$highPerfGUID = "8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c"

# バランス電源プランのGUID(元に戻す場合)
$balanceGUID = "381b4222-f694-41f0-9685-ff5bb260df2e"

while ($true) {
    $runningApps = Get-Process | Where-Object { $_.ProcessName -eq $targetApp }

    if ($runningApps) {
        Write-Output "アプリが実行中 - ハイパフォーマンスモード適用"
        powercfg /setactive $highPerfGUID
    } else {
        Write-Output "アプリが終了 - バランスモードに戻す"
        powercfg /setactive $balanceGUID
    }

    Start-Sleep -Seconds 10  # 10秒ごとに確認
}

このスクリプトを実行すると、指定したアプリが起動している間はハイパフォーマンス電源プランを適用し、終了すると元の電源プランに戻す ことができます。

実行方法:

powershell -ExecutionPolicy Bypass -File "C:\path\to\set_powerplan_with_app.ps1"

まとめ

PowerShellスクリプトを作成して、ハイパフォーマンス電源プランを適用
PC起動時に自動で適用するには、タスクスケジューラを利用
特定のアプリ実行時にハイパフォーマンス電源プランを適用するスクリプトを作成可能

次のセクションでは、ハイパフォーマンス電源プラン適用時の注意点やトラブルシューティング について解説します。

ハイパフォーマンス電源プラン適用時の注意点とトラブルシューティング

PowerShellを利用してハイパフォーマンス電源プランを適用すると、PCのパフォーマンスを最大限に引き出せます。しかし、いくつかの注意点やトラブルが発生する可能性があるため、適用後の影響や問題の解決策について解説します。


1. ハイパフォーマンス電源プランのデメリット

消費電力の増加
ハイパフォーマンスモードではCPUやGPUの省電力機能が制限されるため、電力消費が増加します。特にノートPCでは、バッテリーの持ちが悪くなる点に注意が必要です。

発熱とファンノイズの増加
CPUやGPUのクロックが高い状態を維持するため、発熱量が増え、冷却ファンの回転数が上昇する可能性があります。高温状態が続くと、PCのパフォーマンス低下やハードウェアの寿命短縮につながることもあります。

不要な電源プランの自動変更
Windowsのアップデートやバッテリー駆動時に、電源プランが勝手に変更されることがあります。これはWindowsの電源管理機能によるものですが、手動で修正する方法もあります。


2. 電源プランが勝手に変更される場合の対処法

① Windowsの電源管理をオフにする

Windowsが自動的に電源プランを変更するのを防ぐには、次の設定を変更します。

  1. Win + I を押して「設定」を開く
  2. 「システム」→「電源とスリープ」→「追加の電源設定」を選択
  3. 現在の電源プランの「プラン設定の変更」をクリック
  4. 「詳細な電源設定の変更」を開く
  5. 「プロセッサの電源管理」→「最小のプロセッサの状態」 を 100% に設定
  6. 「PCI Express」→「リンク状態の電源管理」 を「オフ」に設定
  7. 設定を適用し、PCを再起動

これにより、Windowsによる電源プランの自動変更を防げます。

② グループポリシーエディタで強制設定する(Windows Pro以上)

Windows Pro以上のエディションでは、グループポリシーエディタを利用して電源プランを固定できます。

  1. Win + R を押して gpedit.msc を入力し、Enterを押す
  2. 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「システム」→「電源管理」→「選択可能な電源プランを指定する」
  3. 「有効」に設定し、適用する電源プランのGUIDを入力
  4. PCを再起動

3. ハイパフォーマンス電源プランが適用されない場合の対策

① 電源プランのGUIDを確認する

適用しようとした電源プランが正しく存在しているか、次のコマンドで確認してください。

powercfg /list

もし ハイパフォーマンス が一覧にない場合は、次のコマンドで追加できます。

powercfg /duplicatescheme 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c

② PowerShellを管理者権限で実行

管理者権限でないと電源プランを変更できないことがあります。
PowerShellを管理者として開き、次のコマンドを実行してください。

powercfg /setactive 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c

③ Windowsの電源管理サービスを再起動

電源管理サービス (power サービス) に問題がある場合は、次のコマンドで再起動すると改善されることがあります。

Restart-Service power

4. ノートPCでのバッテリー持続時間を改善する設定

ハイパフォーマンス電源プランはノートPCではバッテリーの消耗が激しくなるため、次の設定を併用するとバッテリー持続時間を延ばすことができます。

画面の明るさを下げる

(Get-WmiObject -Namespace root/WMI -Class WmiMonitorBrightnessMethods).WmiSetBrightness(1,50)

50 の部分を希望の明るさ(0〜100)に変更)

ディスプレイのオフ時間を短縮する

powercfg /change monitor-timeout-dc 5

(5分後にディスプレイをオフにする設定)

スリープタイマーを設定する

powercfg /change standby-timeout-dc 10

(バッテリー駆動時、10分でスリープにする設定)


まとめ

ハイパフォーマンス電源プランの適用後は、消費電力や発熱に注意
Windowsの電源管理機能が自動でプランを変更するのを防ぐ方法がある
電源プランが適用されない場合は、GUIDの確認・管理者権限の使用・サービス再起動を試す
ノートPCでのバッテリー消費を抑える設定も可能

次のセクションでは、本記事の内容を総括し、重要なポイントを振り返ります。

まとめ

本記事では、PowerShellを使用してWindowsのハイパフォーマンス電源プランを有効化し、PCのパフォーマンスを最大化する方法について解説しました。

主なポイントは以下の通りです。

Windowsの電源プランの概要

  • 「バランス」「省電力」「ハイパフォーマンス」「ウルティメイトパフォーマンス」の違いを解説しました。

PowerShellで電源プランを管理する方法

  • powercfg /list で利用可能な電源プランを確認し、
  • powercfg /setactive <GUID> を実行することでハイパフォーマンスモードを有効化できることを説明しました。

スクリプトを利用した自動化

  • PowerShellスクリプトを作成し、PC起動時や特定のアプリ実行時に自動で電源プランを適用する方法を紹介しました。

トラブルシューティングと注意点

  • 電源プランが勝手に戻る問題や、適用されない場合の対処法を説明しました。
  • ノートPCではバッテリー消費が増えるため、ディスプレイの明るさやスリープタイマーを調整すると良いことも解説しました。

ハイパフォーマンス電源プランを適用することで、ゲームや動画編集、プログラムのコンパイルといった高負荷な作業のパフォーマンスを最大化できます。一方で、電力消費や発熱の増加には注意し、用途に応じて適切な電源プランを選択することが重要です。

PowerShellを活用して、より快適なPC環境を構築しましょう!

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