PowerShellでWindowsサービス稼働状況をSlackに通知する方法

PowerShellを活用することで、Windowsサービスの稼働状況を監視し、問題が発生した際にSlackへ自動通知を送る仕組みを構築できます。本記事では、PowerShellスクリプトの基本からSlack APIの設定、さらにスクリプトの自動化までを具体的に解説します。この方法により、サービスの停止やエラーを迅速に検知でき、システム運用の効率化が可能となります。

目次
  1. 必要な環境とツールの準備
    1. 1. PowerShellのバージョン確認
    2. 2. モジュールのインストール
    3. 3. Slackアカウントの作成
    4. 4. 管理者権限の確認
  2. Windowsサービスの稼働状況を確認する方法
    1. 1. サービス一覧の取得
    2. 2. 特定のサービスの状態を確認
    3. 3. サービスの状態フィルタリング
    4. 4. 状態の簡略取得
    5. 5. サービス状態の監視用スクリプトの準備
  3. Slack APIとWebhookの設定
    1. 1. Slackワークスペースへのログイン
    2. 2. Slack Appの作成
    3. 3. Incoming Webhookの有効化
    4. 4. Webhook URLの保存
    5. 5. 通知テスト
  4. PowerShellスクリプトの基本構造
    1. 1. スクリプト全体のフロー
    2. 2. スクリプトの基本構造
    3. 3. スクリプトの各部分の詳細
    4. 4. スクリプトの拡張性
  5. サービス状態をSlackに通知するロジックの実装
    1. 1. Webhook URLの設定
    2. 2. 監視対象サービスのリストアップ
    3. 3. サービス状態の確認とメッセージ作成
    4. 4. エラーハンドリングの追加
    5. 5. 完成したスクリプト
    6. 6. 実行例
  6. スクリプトの実行と動作確認
    1. 1. スクリプトの保存
    2. 2. PowerShellの実行ポリシーの確認と設定
    3. 3. スクリプトの実行
    4. 4. 動作確認
    5. 5. トラブルシューティング
    6. 6. 自動化に向けた次のステップ
  7. 応用:複数サービスの一括監視と通知
    1. 1. 複数サービスのリストアップ
    2. 2. サービス状態確認と通知のロジック
    3. 3. 応用例:異常がない場合の通知
    4. 4. サービス状態のまとめ通知
    5. 5. 応用のポイント
    6. 6. 実行例
  8. スクリプトの自動化とスケジュール設定
    1. 1. スクリプトの準備
    2. 2. タスクスケジューラの起動
    3. 3. タスクの基本設定
    4. 4. トリガーの設定
    5. 5. 操作の設定
    6. 6. 設定の確認と保存
    7. 7. 動作確認
    8. 8. トラブルシューティング
    9. 9. 応用: ログの記録
  9. まとめ

必要な環境とツールの準備

PowerShellを使用してWindowsサービスの稼働状況をSlackに通知するには、以下の環境とツールを準備する必要があります。

1. PowerShellのバージョン確認

PowerShellのバージョンが5.0以上であることを確認します。必要に応じて最新バージョンをインストールしてください。

$PSVersionTable.PSVersion

2. モジュールのインストール

Slackへの通知を行うために、Invoke-RestMethodコマンドが使用可能であることを確認してください。これはPowerShellに標準で含まれていますが、万が一不足している場合、最新のPowerShellをインストールすることで利用可能になります。

3. Slackアカウントの作成

Slackアカウントがない場合は、Slack公式サイトからアカウントを作成してください。次の手順でIncoming Webhookを設定する際に必要です。

4. 管理者権限の確認

Windowsサービスにアクセスするためには、PowerShellを管理者権限で実行する必要があります。PowerShellを右クリックして「管理者として実行」を選択してください。

これらの準備が整えば、スクリプトを作成して実行する基盤が整います。次に、Windowsサービスの稼働状況を確認する方法について解説します。

Windowsサービスの稼働状況を確認する方法


PowerShellを使用してWindowsサービスの稼働状況を確認するには、サービス管理用のコマンドを活用します。このセクションでは基本的なコマンドとその使い方を解説します。

1. サービス一覧の取得


Windowsに登録されているすべてのサービスを取得するには、以下のコマンドを使用します。

Get-Service


このコマンドは、サービスの名前、表示名、ステータス(Running, Stopped など)をリストで表示します。

2. 特定のサービスの状態を確認


特定のサービスの状態を確認する場合は、Get-Serviceコマンドにサービス名を指定します。例えば、「Windows Update」サービス(wuauserv)の状態を確認するには以下のようにします。

Get-Service -Name wuauserv


出力例:

Status   Name               DisplayName  
------   ----               -----------  
Running  wuauserv           Windows Update  

3. サービスの状態フィルタリング


特定の状態(例: Running または Stopped)のサービスだけをリストアップするには、Where-Objectを組み合わせます。
例: 稼働中のサービスを一覧表示する。

Get-Service | Where-Object { $_.Status -eq 'Running' }

4. 状態の簡略取得


サービスの状態だけを簡略的に取得するには、次のコマンドを使用します。

(Get-Service -Name wuauserv).Status


このコマンドは、サービスのステータスだけを返します(例: Running もしくは Stopped)。

5. サービス状態の監視用スクリプトの準備


以下は、複数のサービスの稼働状況を一度に確認する簡易スクリプトの例です。

$services = @('wuauserv', 'bits', 'Spooler')  
foreach ($service in $services) {  
    $status = (Get-Service -Name $service).Status  
    Write-Output "$service: $status"  
}

このコマンドを活用すれば、サービスの稼働状況を簡単に確認できます。次のステップでは、Slack APIを利用して、これらの情報を通知する方法を解説します。

Slack APIとWebhookの設定


Slackに通知を送るためには、Slack APIを利用してIncoming Webhookを設定します。このセクションでは、Webhook URLを取得する手順を詳しく解説します。

1. Slackワークスペースへのログイン


Slackの公式ウェブサイトにアクセスし、ワークスペースにログインしてください。必要に応じてワークスペースを作成することも可能です。

2. Slack Appの作成


Slack APIを利用するには、Slack Appを作成する必要があります。以下の手順に従ってください。

  1. Slack API管理ページにアクセスします。
  2. 「Create New App」をクリックします。
  3. 「From scratch」を選択し、以下の情報を入力します:
  • App Name: 任意のアプリ名を入力(例: “Service Monitor Notifier”)。
  • Workspace: 対象となるワークスペースを選択。
  1. 「Create App」をクリックします。

3. Incoming Webhookの有効化

  1. 作成したアプリの「Features」セクションで「Incoming Webhooks」をクリックします。
  2. 「Activate Incoming Webhooks」をオンにします。
  3. 「Add New Webhook to Workspace」をクリックし、通知を送るチャンネルを選択します(例: #general チャンネル)。
  4. 「許可する」をクリックすると、Webhook URLが生成されます。これが通知に使用されるURLです。

4. Webhook URLの保存


取得したWebhook URLはPowerShellスクリプトで使用するため、安全な場所に保存してください。URLの例は以下のようになります。

https://hooks.slack.com/services/T00000000/B00000000/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX

5. 通知テスト


Webhookが正常に動作するかを確認するため、以下のPowerShellスクリプトを実行してSlackにテスト通知を送ります。

$webhookUrl = "https://hooks.slack.com/services/T00000000/B00000000/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX"  
$message = @{
    text = "Slack Webhookが正常に設定されました!"
}
Invoke-RestMethod -Uri $webhookUrl -Method Post -ContentType 'application/json' -Body ($message | ConvertTo-Json -Depth 10)


Slackに通知が届けば、設定は成功です。

これでSlack APIとWebhookの設定は完了です。次に、PowerShellスクリプトの基本構造を解説します。

PowerShellスクリプトの基本構造


PowerShellを使ってWindowsサービスの稼働状況をSlackに通知するためのスクリプトの全体構造を説明します。このスクリプトでは、サービスの状態を確認し、問題があればSlackに通知するという基本的なフローを構築します。

1. スクリプト全体のフロー


スクリプトは以下の流れで構成されます:

  1. Webhook URLの設定
  2. 対象サービスの定義
  3. サービス状態の確認
  4. 通知メッセージの作成
  5. Slackへの通知

2. スクリプトの基本構造


以下は基本的なスクリプトのテンプレートです。

# 1. Webhook URLの設定
$webhookUrl = "https://hooks.slack.com/services/T00000000/B00000000/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX"

# 2. 対象サービスの定義
$services = @('wuauserv', 'bits', 'Spooler')  # 監視対象のサービス名

# 3. サービス状態の確認
foreach ($service in $services) {
    $status = (Get-Service -Name $service).Status

    # 4. 通知メッセージの作成
    if ($status -ne 'Running') {
        $message = @{
            text = "⚠ サービス: $service が $status 状態です。確認が必要です。"
        }

        # 5. Slackへの通知
        Invoke-RestMethod -Uri $webhookUrl -Method Post -ContentType 'application/json' -Body ($message | ConvertTo-Json -Depth 10)
    }
}

3. スクリプトの各部分の詳細

1. Webhook URLの設定


Slackから取得したWebhook URLを変数 $webhookUrl に格納します。このURLを使用して通知を送信します。

2. 対象サービスの定義


監視対象とするサービス名を配列 $services にリストアップします。サービス名は正確に記述してください(例: wuauserv は「Windows Update」サービス)。

3. サービス状態の確認


Get-Service コマンドでサービスの状態を取得します。状態が Running 以外の場合、アラートを送信する仕組みを構築します。

4. 通知メッセージの作成


Slackに送信するメッセージは、ハッシュテーブル形式で作成し、ConvertTo-Json コマンドでJSON形式に変換します。

5. Slackへの通知


Invoke-RestMethod コマンドを使用して、Webhook URLを介してSlackに通知を送信します。通知内容はメッセージに基づいて送信されます。

4. スクリプトの拡張性


この基本構造を応用して、監視対象サービスの追加、通知内容のカスタマイズ、エラーハンドリングの実装など、柔軟に機能を拡張できます。

次は、Slack通知のロジックを具体的に実装する方法について解説します。

サービス状態をSlackに通知するロジックの実装


ここでは、PowerShellを使用してWindowsサービスの稼働状況を監視し、Slackに通知するロジックを具体的に実装します。以下に詳細な手順を示します。

1. Webhook URLの設定


まず、Slackから取得したWebhook URLを設定します。このURLはSlackへの通知送信に使用します。

# Webhook URL
$webhookUrl = "https://hooks.slack.com/services/T00000000/B00000000/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX"

2. 監視対象サービスのリストアップ


監視対象とするサービス名を配列として定義します。サービス名はGet-Serviceで確認したものを使用します。

# 監視対象サービスの定義
$services = @('wuauserv', 'bits', 'Spooler')  # 必要に応じて追加可能

3. サービス状態の確認とメッセージ作成


各サービスの状態を確認し、状態がRunningでない場合にメッセージを作成します。

foreach ($service in $services) {
    # サービスの状態を取得
    $status = (Get-Service -Name $service).Status

    # 状態がRunningでない場合に通知メッセージを作成
    if ($status -ne 'Running') {
        $message = @{
            text = "⚠ サービス: $service が $status 状態です。対応が必要です。"
        }

        # Slackに通知
        Invoke-RestMethod -Uri $webhookUrl -Method Post -ContentType 'application/json' -Body ($message | ConvertTo-Json -Depth 10)
    }
}

4. エラーハンドリングの追加


通知処理が失敗した場合のために、エラーハンドリングを追加します。これにより、実行中の問題を検出しやすくなります。

try {
    foreach ($service in $services) {
        $status = (Get-Service -Name $service).Status

        if ($status -ne 'Running') {
            $message = @{
                text = "⚠ サービス: $service が $status 状態です。対応が必要です。"
            }

            Invoke-RestMethod -Uri $webhookUrl -Method Post -ContentType 'application/json' -Body ($message | ConvertTo-Json -Depth 10)
        }
    }
} catch {
    Write-Error "Slack通知中にエラーが発生しました: $_"
}

5. 完成したスクリプト


以下が完成版のスクリプトです。

# Webhook URL
$webhookUrl = "https://hooks.slack.com/services/T00000000/B00000000/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX"

# 監視対象サービス
$services = @('wuauserv', 'bits', 'Spooler')

# サービス状態確認とSlack通知
try {
    foreach ($service in $services) {
        $status = (Get-Service -Name $service).Status

        if ($status -ne 'Running') {
            $message = @{
                text = "⚠ サービス: $service が $status 状態です。対応が必要です。"
            }

            Invoke-RestMethod -Uri $webhookUrl -Method Post -ContentType 'application/json' -Body ($message | ConvertTo-Json -Depth 10)
        }
    }
} catch {
    Write-Error "Slack通知中にエラーが発生しました: $_"
}

6. 実行例


上記スクリプトを実行すると、Slackに以下のような通知が届きます(例)。

⚠ サービス: Spooler が Stopped 状態です。対応が必要です。

これでSlackへの通知ロジックの実装は完了です。次に、スクリプトの実行方法と動作確認について説明します。

スクリプトの実行と動作確認


ここでは、完成したPowerShellスクリプトの実行方法と、Slack通知が正しく動作するかを確認する手順を解説します。

1. スクリプトの保存


作成したPowerShellスクリプトをファイルとして保存します。以下の手順に従ってください。

  1. 任意のテキストエディタ(例: メモ帳やVS Code)を開きます。
  2. 完成したスクリプトをコピーして貼り付けます。
  3. ファイルを以下のような名前で保存します(拡張子は.ps1)。
   MonitorServices.ps1

2. PowerShellの実行ポリシーの確認と設定


スクリプトを実行するには、PowerShellの実行ポリシーを適切に設定する必要があります。現在のポリシーを確認し、必要に応じて変更します。

# 現在の実行ポリシーを確認
Get-ExecutionPolicy

# 必要に応じて変更(管理者権限で実行)
Set-ExecutionPolicy -Scope CurrentUser -ExecutionPolicy RemoteSigned

3. スクリプトの実行


保存したスクリプトを実行します。以下の手順を参考にしてください。

  1. PowerShellを管理者権限で開きます。
  2. スクリプトの保存場所に移動します。例:
   cd C:\Path\To\Script
  1. スクリプトを実行します。
   .\MonitorServices.ps1

4. 動作確認


スクリプト実行後に以下を確認します:

1. Slack通知の確認


Slackで指定したチャンネルに以下のような通知が表示されることを確認します。

⚠ サービス: Spooler が Stopped 状態です。対応が必要です。

2. エラーメッセージの確認


PowerShellコンソールにエラーメッセージが表示されていないことを確認します。エラーが表示されている場合は、スクリプト内の設定やSlack Webhook URLを再度確認してください。

5. トラブルシューティング


もし通知が届かない場合、以下をチェックしてください。

  1. Slack Webhook URL: 正しいURLが設定されているか確認してください。
  2. サービス名: Get-Serviceコマンドで正確なサービス名を取得しているか確認してください。
  3. ネットワーク接続: PowerShellからSlackにアクセスできるインターネット接続があるか確認してください。

6. 自動化に向けた次のステップ


動作が確認できたら、スクリプトを定期的に実行するために自動化を設定します。これについては次のセクションで詳しく解説します。

応用:複数サービスの一括監視と通知


PowerShellスクリプトを応用して、複数のWindowsサービスを一括で監視し、その稼働状況をSlackに通知する仕組みを構築します。この方法により、大規模な環境でも効率的にサービス状態を監視できます。

1. 複数サービスのリストアップ


監視対象とする複数のサービスを配列に追加します。サービス名は正確に記述する必要があります。

# 監視対象サービス
$services = @('wuauserv', 'bits', 'Spooler', 'WinRM', 'MSSQLSERVER')

2. サービス状態確認と通知のロジック


スクリプト内で各サービスの状態を順番に確認し、異常があればSlackに通知する仕組みを実装します。通知は一括で送信するように最適化できます。

# Webhook URL
$webhookUrl = "https://hooks.slack.com/services/T00000000/B00000000/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX"

# 通知メッセージを初期化
$notificationMessage = ""

foreach ($service in $services) {
    # サービスの状態を取得
    $status = (Get-Service -Name $service).Status

    # 異常がある場合に通知メッセージを追加
    if ($status -ne 'Running') {
        $notificationMessage += "⚠ サービス: $service が $status 状態です。対応が必要です。`n"
    }
}

# Slack通知を送信
if ($notificationMessage -ne "") {
    $message = @{
        text = $notificationMessage
    }

    Invoke-RestMethod -Uri $webhookUrl -Method Post -ContentType 'application/json' -Body ($message | ConvertTo-Json -Depth 10)
}

3. 応用例:異常がない場合の通知


すべてのサービスが正常に稼働している場合も、確認のため通知を送る機能を追加できます。

if ($notificationMessage -eq "") {
    $notificationMessage = "✅ すべてのサービスが正常に稼働しています。"
    $message = @{
        text = $notificationMessage
    }

    Invoke-RestMethod -Uri $webhookUrl -Method Post -ContentType 'application/json' -Body ($message | ConvertTo-Json -Depth 10)
}

4. サービス状態のまとめ通知


以下は、全サービスの状態をまとめたリスト形式で通知する方法です。

# 全サービスの状態を通知用メッセージにまとめる
$summaryMessage = "サービス状態の確認結果:`n"
foreach ($service in $services) {
    $status = (Get-Service -Name $service).Status
    $summaryMessage += "サービス: $service - 状態: $status`n"
}

# Slack通知を送信
$message = @{
    text = $summaryMessage
}
Invoke-RestMethod -Uri $webhookUrl -Method Post -ContentType 'application/json' -Body ($message | ConvertTo-Json -Depth 10)

5. 応用のポイント

  • 動的サービスリストの生成
    サービス名を手動で入力するのではなく、特定の条件(例: 自動起動サービスのみ)でリストを動的に生成することも可能です。
  $services = Get-Service | Where-Object { $_.StartType -eq 'Automatic' } | Select-Object -ExpandProperty Name
  • 通知形式のカスタマイズ
    Slackのメッセージフォーマットを改善するため、Markdownやリッチメッセージを活用します。たとえば、サービスごとにブロック形式で通知することもできます。

6. 実行例


Slackで以下のような通知が届きます:

⚠ サービス: Spooler が Stopped 状態です。対応が必要です。
⚠ サービス: MSSQLSERVER が Paused 状態です。対応が必要です。

またはすべて正常な場合:

✅ すべてのサービスが正常に稼働しています。

この方法で複数のサービスを効率的に監視でき、異常の早期発見と対応が可能になります。次は、このスクリプトを定期的に実行するための自動化方法について解説します。

スクリプトの自動化とスケジュール設定


Windowsタスクスケジューラを使用して、PowerShellスクリプトを定期的に実行する設定方法を解説します。これにより、サービス状態の監視とSlack通知を自動化できます。

1. スクリプトの準備


自動化に使用するスクリプトを準備します。例えば、以下のようなスクリプトを保存します:

# ファイル名: MonitorServices.ps1
$webhookUrl = "https://hooks.slack.com/services/T00000000/B00000000/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX"
$services = @('wuauserv', 'bits', 'Spooler')

$notificationMessage = ""

foreach ($service in $services) {
    $status = (Get-Service -Name $service).Status
    if ($status -ne 'Running') {
        $notificationMessage += "⚠ サービス: $service が $status 状態です。`n"
    }
}

if ($notificationMessage -ne "") {
    $message = @{
        text = $notificationMessage
    }
    Invoke-RestMethod -Uri $webhookUrl -Method Post -ContentType 'application/json' -Body ($message | ConvertTo-Json -Depth 10)
} else {
    $message = @{
        text = "✅ すべてのサービスが正常に稼働しています。"
    }
    Invoke-RestMethod -Uri $webhookUrl -Method Post -ContentType 'application/json' -Body ($message | ConvertTo-Json -Depth 10)
}

保存場所は例として以下にします:

C:\Scripts\MonitorServices.ps1

2. タスクスケジューラの起動

  1. 「スタートメニュー」を開き、「タスクスケジューラ」を検索して起動します。
  2. 右側の「タスクの作成」をクリックします。

3. タスクの基本設定

  1. 名前: タスク名を設定(例: “Monitor Windows Services”)。
  2. 説明: タスクの概要を入力(例: “Windowsサービスを監視してSlackに通知するスクリプトを実行”)。
  3. 実行時のオプション: 「最上位の特権で実行する」にチェックを入れます。

4. トリガーの設定

  1. 「トリガー」タブを選択し、「新規」をクリックします。
  2. 実行タイミングを設定します。例:
  • 毎日実行: 毎日1回実行する設定(時間を指定)。
  • カスタム間隔: 毎時、または特定の曜日に実行するよう設定。
  1. 必要に応じて「繰り返し間隔」を指定(例: 1時間ごとに実行)。

5. 操作の設定

  1. 「操作」タブを選択し、「新規」をクリックします。
  2. 操作の種類: 「プログラムの開始」を選択します。
  3. プログラム/スクリプト: 以下を入力します:
   powershell.exe
  1. 引数の追加: スクリプトのパスを指定します。例:
   -ExecutionPolicy Bypass -File "C:\Scripts\MonitorServices.ps1"

6. 設定の確認と保存

  1. 「条件」タブで「スリープ解除してタスクを実行する」を有効にします。
  2. 「OK」をクリックしてタスクを保存します。

7. 動作確認


タスクスケジューラで設定したタスクを手動で実行し、Slackに通知が届くかを確認します。

  1. タスクスケジューラのタスクリストから設定したタスクを右クリックし、「実行」を選択します。
  2. Slackで通知が届くか確認します。

8. トラブルシューティング


タスクが実行されない場合は以下を確認してください:

  • タスクスケジューラの履歴: 実行ログを確認し、エラーがある場合は詳細を調査します。
  • スクリプトパス: パスが正しいか確認します。
  • 権限: スクリプト実行に管理者権限が必要な場合があります。

9. 応用: ログの記録


スクリプト実行時にログを記録することで、問題の追跡が容易になります。例:

Start-Transcript -Path "C:\Scripts\MonitorServices.log" -Append
# スクリプトのメイン部分
Stop-Transcript

これで、スクリプトの自動化とスケジュール設定が完了です。次回はまとめとして、今回の内容を簡単に振り返ります。

まとめ


本記事では、PowerShellを使用してWindowsサービスの稼働状況をSlackに通知する方法について解説しました。具体的には、以下のポイントを扱いました:

  1. 必要な環境準備とSlack APIのWebhook設定。
  2. Windowsサービスの状態をPowerShellで確認する方法。
  3. Slackへの通知ロジックの実装とエラーハンドリング。
  4. 複数サービスの一括監視およびまとめ通知の応用。
  5. スクリプトをタスクスケジューラで定期実行する自動化設定。

この手法を導入することで、システム管理者は重要なサービスの稼働状況を効率的に監視し、異常発生時に迅速な対応が可能となります。また、スクリプトのカスタマイズや拡張を行うことで、さらに柔軟で強力な監視システムを構築できます。ぜひ実践して、運用管理の効率化を実現してください!

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目次
  1. 必要な環境とツールの準備
    1. 1. PowerShellのバージョン確認
    2. 2. モジュールのインストール
    3. 3. Slackアカウントの作成
    4. 4. 管理者権限の確認
  2. Windowsサービスの稼働状況を確認する方法
    1. 1. サービス一覧の取得
    2. 2. 特定のサービスの状態を確認
    3. 3. サービスの状態フィルタリング
    4. 4. 状態の簡略取得
    5. 5. サービス状態の監視用スクリプトの準備
  3. Slack APIとWebhookの設定
    1. 1. Slackワークスペースへのログイン
    2. 2. Slack Appの作成
    3. 3. Incoming Webhookの有効化
    4. 4. Webhook URLの保存
    5. 5. 通知テスト
  4. PowerShellスクリプトの基本構造
    1. 1. スクリプト全体のフロー
    2. 2. スクリプトの基本構造
    3. 3. スクリプトの各部分の詳細
    4. 4. スクリプトの拡張性
  5. サービス状態をSlackに通知するロジックの実装
    1. 1. Webhook URLの設定
    2. 2. 監視対象サービスのリストアップ
    3. 3. サービス状態の確認とメッセージ作成
    4. 4. エラーハンドリングの追加
    5. 5. 完成したスクリプト
    6. 6. 実行例
  6. スクリプトの実行と動作確認
    1. 1. スクリプトの保存
    2. 2. PowerShellの実行ポリシーの確認と設定
    3. 3. スクリプトの実行
    4. 4. 動作確認
    5. 5. トラブルシューティング
    6. 6. 自動化に向けた次のステップ
  7. 応用:複数サービスの一括監視と通知
    1. 1. 複数サービスのリストアップ
    2. 2. サービス状態確認と通知のロジック
    3. 3. 応用例:異常がない場合の通知
    4. 4. サービス状態のまとめ通知
    5. 5. 応用のポイント
    6. 6. 実行例
  8. スクリプトの自動化とスケジュール設定
    1. 1. スクリプトの準備
    2. 2. タスクスケジューラの起動
    3. 3. タスクの基本設定
    4. 4. トリガーの設定
    5. 5. 操作の設定
    6. 6. 設定の確認と保存
    7. 7. 動作確認
    8. 8. トラブルシューティング
    9. 9. 応用: ログの記録
  9. まとめ