この記事では、Pythonで非同期デコレータを作成と使用する方法について詳しく解説します。デコレータはPythonの強力な機能の一つで、非同期プログラミングにおいてもその有用性があります。具体的なコード例とその解説、応用例を含めています。
非同期デコレータとは
非同期デコレータとは、非同期関数を修飾するための特殊な種類のデコレータです。通常のデコレータは同期関数を修飾することが多いですが、非同期デコレータは`async def`で定義された関数を修飾します。
通常のデコレータとの違い
通常のデコレータは、修飾される関数をラップし、その前後で何らかの処理を加えることが多いです。非同期デコレータも基本的には同じ役割を果たしますが、非同期操作が可能な点が異なります。
非同期デコレータの基本的な作成方法
from asyncio import sleep
async def my_decorator(func):
async def wrapper(*args, **kwargs):
print("何らかの前処理")
await sleep(1)
result = await func(*args, **kwargs)
print("何らかの後処理")
return result
return wrapper
@my_decorator
async def my_function(x):
print(f"関数本体: {x}")
return x * 2
この例では、`my_decorator`が非同期デコレータとして機能しています。このデコレータは、`my_function`という非同期関数を修飾しています。
コードの詳細解説
1. `from asyncio import sleep`: asyncioのsleep関数をインポートしています。これによって非同期にスリープすることが可能です。
2. `async def my_decorator(func)`: 非同期デコレータ`my_decorator`を定義しています。引数として非同期関数`func`を受け取ります。
3. `async def wrapper(*args, **kwargs)`: 非同期関数`func`をラップする非同期関数`wrapper`を定義しています。
4. `await sleep(1)`: 非同期に1秒スリープしています。
5. `result = await func(*args, **kwargs)`: 非同期関数`func`を呼び出して、結果を`result`に保存しています。
応用例
例1: デコレータでのログ出力
import logging
async def log_decorator(func):
async def wrapper(*args, **kwargs):
logging.info(f"{func.__name__}関数が呼び出されました")
result = await func(*args, **kwargs)
logging.info(f"{func.__name__}関数が完了しました")
return result
return wrapper
@log_decorator
async def example_func1(x):
print(f"処理1: {x}")
return x + 1
例2: デコレータでのエラーハンドリング
async def error_handling_decorator(func):
async def wrapper(*args, **kwargs):
try:
result = await func(*args, **kwargs)
except Exception as e:
print(f"エラーが発生しました: {e}")
return None
return result
return wrapper
@error_handling_decorator
async def example_func2(x, y):
return x / y
まとめ
Pythonで非同期デコレータを作成と使用する方法について詳しく解説しました。非同期デコレータは非同期プログラミングで多くの有用な機能を提供するため、高度なテクニックとして覚えておくと良いでしょう。
コメント