この記事では、Pythonでデータベースを扱う際に使われるライブラリ、SQLAlchemyにおけるモデルの継承とポリモーフィズムについて解説します。具体的なコード例とその詳細な解説、さらに応用例を2つ以上を含めています。
目次
SQLAlchemyとは
SQLAlchemyは、Pythonでリレーショナルデータベースを扱うためのライブラリです。オブジェクト関係マッピング（ORM）をサポートしており、SQLのクエリをPythonのコードで書くことができます。
モデルの継承とは
モデルの継承とは、すでに定義されたモデル（親モデル）から新しいモデル（子モデル）を生成する手法です。これにより、コードの重複を避けつつ効率的にデータモデルを設計できます。
ベースとなるモデル
通常、一つのベースモデルを作成し、それを継承して子モデルを作成します。例えば：
from sqlalchemy import Column, Integer, String
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
Base = declarative_base()
class Person(Base):
__tablename__ = 'persons'
id = Column(Integer, primary_key=True)
name = Column(String)
ポリモーフィズムとは
ポリモーフィズムとは、プログラミングにおいて同一のインターフェースで異なる型のオブジェクトを扱う能力です。SQLAlchemyでは、いくつかの方法でポリモーフィズムを実現できます。
具体的な方法
SQLAlchemyでは主に「単一テーブル継承」と「具象テーブル継承」という2つの方法があります。
単一テーブル継承
class Employee(Person):
__tablename__ = 'persons'
id = Column(Integer, primary_key=True)
type = Column(String)
salary = Column(Integer)
__mapper_args__ = {
'polymorphic_identity':'employee',
'polymorphic_on':type
}
具象テーブル継承
class Manager(Person):
__tablename__ = 'managers'
id = Column(Integer, primary_key=True)
department = Column(String)
応用例
ユーザーと管理者のモデル
一つのWebアプリケーションで、一般ユーザーと管理者を別々のモデルで扱いたい場合：
class User(Person):
__tablename__ = 'users'
id = Column(Integer, primary_key=True)
email = Column(String)
__mapper_args__ = {
'polymorphic_identity':'user',
}
class Admin(User):
__tablename__ = 'admins'
id = Column(Integer, primary_key=True)
role = Column(String)
商品カテゴリーのモデル
異なる種類の商品を一つのテーブルで管理したい場合：
class Product(Base):
__tablename__ = 'products'
id = Column(Integer, primary_key=True)
name = Column(String)
type = Column(String)
__mapper_args__ = {
'polymorphic_identity':'product',
'polymorphic_on':type
}
class Book(Product):
__mapper_args__ = {
'polymorphic_identity':'book',
}
author = Column(String)
まとめ
SQLAlchemyでのモデル継承とポリモーフィズムは、データモデリングにおいて非常に強力な概念です。この機能を理解し活用することで、より柔軟かつ効率的なデータベース設計が可能となります。
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