Pythonでのソフトウェアテストにおいて、ユニットテストと統合テストは基本的かつ重要なテスト手法です。しかし、これらが何であり、いつどれを使うべきなのかは初心者には特に混乱を招きがちです。この記事では、ユニットテストと統合テストの違い、それぞれの目的と実際のコード例を通して詳しく解説します。
ユニットテストとは
ユニットテストは、プログラムの最小単位（通常は関数やメソッド）が期待通りに動作するかを確認するテストです。Pythonでは、`unittest`フレームワークが広く用いられます。
ユニットテストの基本的な書き方
Pythonの`unittest`フレームワークを用いたユニットテストの基本的な書き方を見てみましょう。
import unittest
class TestMyFunction(unittest.TestCase):
def test_add(self):
# 1 + 1 は 2 であるべき
self.assertEqual(add(1, 1), 2)
def test_subtract(self):
# 3 - 1 は 2 であるべき
self.assertEqual(subtract(3, 1), 2)
このコードのポイント
– `unittest`をインポートしています。
– `unittest.TestCase`を継承したクラス内でテストケースを定義しています。
– `assertEqual`メソッドで期待値と実際の値が一致するか確認しています。
統合テストとは
統合テストは、複数のユニット（関数、クラス、モジュールなど）が連携して期待通りに動作するかを確認するテストです。
統合テストの基本的な書き方
Pythonの`unittest`フレームワークを用いた統合テストの基本的な書き方を見てみましょう。
import unittest
class TestIntegration(unittest.TestCase):
def test_pipeline(self):
data = load_data("data.csv")
processed_data = process_data(data)
result = analyze_data(processed_data)
# 最終的な分析結果が期待値と一致するか
self.assertEqual(result, "Success")
このコードのポイント
– 複数の関数（`load_data`, `process_data`, `analyze_data`）が連携して動作することを確認しています。
– 最終的な結果（`result`）が期待値（`”Success”`）と一致するかテストしています。
ユニットテストと統合テストの違い
ユニットテストと統合テストの主な違いは、テストの対象範囲です。ユニットテストは単一のユニット（通常は関数やメソッド）に焦点を当て、統合テストは複数のユニットが連携して動作することを確認します。
応用例1：Mockを用いたユニットテスト
外部APIに依存する関数をテストする際には、`unittest.mock`を用いて依存関係を模倣（Mock）することが一般的です。
from unittest.mock import patch
class TestAPIFunction(unittest.TestCase):
@patch("external_api.call")
def test_api_function(self, mock_call):
mock_call.return_value = "Mocked Data"
result = api_function()
self.assertEqual(result, "Processed: Mocked Data")
このコードのポイント
– `unittest.mock.patch`を用いて外部APIの呼び出しを模倣（Mock）しています。
– Mockが正しく機能しているかを`assertEqual`で確認しています。
応用例2：パラメトライズドテスト
同じロジックを異なるパラメータで複数回テストする必要がある場合、パラメトライズドテストが有用です。
from parameterized import parameterized
class TestParameterized(unittest.TestCase):
@parameterized.expand([
("case1", 1, 2, 3),
("case2", 4, 5, 9),
("case3", -1, 1, 0),
])
def test_add(self, name, a, b, expected):
self.assertEqual(add(a, b), expected)
このコードのポイント
– `parameterized`ライブラリを用いて、複数のテストケースを簡潔に書いています。
まとめ
ユニットテストと統合テストは、それぞれ異なる目的と対象範囲で用いられます。ユニットテストは小さな単位での動作を、統合テストは複数のユニットが連携して動作することを確認するものです。それぞれのテストには独自の応
用例も多く、テストの質を高めるためにそれらを理解し活用することが重要です。
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