この記事では、Pythonの`wheel`ファイルと`egg`ファイルの違い、それぞれの使用方法について詳しく解説します。具体的なコード例、その解説、および応用例を含めています。
目次
はじめに
Pythonのパッケージングにはいくつかの形式が存在しますが、特に`wheel`と`egg`は頻繁に目にするものでしょう。それぞれの特性や使用ケースに応じて最適な形式を選ぶ必要があります。
`wheel`とは?
定義と特徴
`wheel`はPythonでよく使われるパッケージング形式の一つです。`.whl`という拡張子を持ちます。
- 高速なインストールが可能
- コンパイル済みバイナリを含むことができる
- Pythonの新しいパッケージング標準であり、広く推奨されている
基本的な使用方法
`wheel`ファイルはpipを使って簡単にインストールできます。
# wheelファイルをインストールするコマンド
pip install some_package-1.0.0-py2.py3-none-any.whl
`egg`とは?
定義と特徴
`egg`は古い形式のPythonパッケージで、`.egg`という拡張子を持っています。
- zip形式で圧縮されている
- メタデータを含むことができる
- セットアップツールでの利用が一般的
基本的な使用方法
`egg`ファイルもpipを使ってインストール可能ですが、セットアップツールがよく使われます。
# eggファイルをインストールするコマンド
easy_install some_package-1.0.0-py2.7.egg
違いのポイント
拡張性と速度
`wheel`は`egg`よりも高速にインストールでき、コンパイル済みバイナリも含めることができます。
標準性
`wheel`はPythonの新しいパッケージング標準であり、`egg`よりも広く推奨されています。
依存性の取り扱い
`wheel`は依存関係もしっかりと管理できますが、`egg`はこの点で若干劣ります。
応用例1: `wheel`で依存関係を管理
# requirements.txtに依存パッケージを書いておく
echo "some_dependency==1.0.0" > requirements.txt
# wheelファイルと依存関係もまとめてインストール
pip install some_package-1.0.0-py2.py3-none-any.whl -r requirements.txt
応用例2: `egg`でパッケージング
# setup.pyを作成
from setuptools import setup
setup(
name="some_package",
version="1.0.0",
)
# eggファイルを生成
python setup.py bdist_egg
まとめ
`wheel`と`egg`はPythonの異なるパッケージング形式であり、それぞれに利点と欠点があります。`wheel`は新しい標準で高速、`egg`は古いが柔軟性があります。用途に応じて適切な形式を選びましょう。
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