React Routerでの複数レイアウト切り替え方法を詳しく解説!

Reactアプリケーションで複数のレイアウトを切り替える必要性は、さまざまなウェブアプリケーションにおいて一般的な課題です。例えば、管理者用ダッシュボードと一般ユーザー向けページでは、異なるデザインや機能を持つレイアウトが求められます。本記事では、React Routerを活用して効率的に複数のレイアウトを切り替える方法について解説します。これにより、柔軟かつ保守性の高いアプリケーションの構築が可能となります。

目次

React Routerとは


React Routerは、Reactアプリケーション内でのページ間の移動を可能にする人気の高いルーティングライブラリです。これにより、シングルページアプリケーション(SPA)でありながら、ユーザーに複数ページが存在するかのような体験を提供できます。

React Routerの基本的な機能


React Routerの主な機能には以下が含まれます。

  • 動的ルーティング:URLのパラメータやクエリに基づいてコンポーネントをレンダリングします。
  • ネストされたルーティング:複数のレベルのページ構造をサポートし、親子関係を表現できます。
  • プログラム的なナビゲーション:ボタンやイベントをトリガーとして、コードでページ遷移を制御します。

React Routerが必要な理由


シンプルなアプリケーションではルーティングを必要としない場合もありますが、以下のような理由で利用が推奨されます。

  1. ユーザーエクスペリエンスの向上:複数ページをシームレスに切り替える体験を提供します。
  2. コードの分割と管理:各ページを個別のコンポーネントとして管理することで、コードの可読性と再利用性が向上します。
  3. 状態管理との統合:ルートごとに異なる状態やデータを管理しやすくなります。

React Routerは、シンプルなプロジェクトから大規模なアプリケーションまで、幅広いユースケースに対応できる柔軟性を提供します。

複数レイアウトを使用するユースケース

複数のレイアウトを切り替える必要が生じるのは、特定の状況や要件が異なるページ間で一貫性と柔軟性を保ちたい場合です。以下にいくつかの典型的なユースケースを示します。

管理者ダッシュボードとユーザーページ


管理者用ダッシュボードでは、統計情報や操作パネルを含む専用のレイアウトが求められる一方、一般ユーザー向けのページではシンプルで直感的なデザインが適しています。これらは異なるレイアウトで構成されることが多く、動的な切り替えが必要です。

認証が必要なページと公開ページ


認証が必要なページ(例:プロフィール編集や購入履歴)は、セキュリティとユーザー体験の観点から特別なナビゲーションメニューやレイアウトを持つ場合があります。対照的に、公開ページ(例:ホームページや製品詳細ページ)は全ユーザー向けに設計されています。

デバイスごとのカスタマイズ


デスクトップとモバイルデバイスの両方に対応するアプリケーションでは、デバイスの特性に応じてレイアウトを最適化する必要があります。例えば、モバイルではナビゲーションドロワー、デスクトップではサイドバーを使用することが考えられます。

ブランドやテーマごとのページデザイン


アプリケーションが複数のブランドやテーマを扱う場合、それぞれに合わせたレイアウトを提供することで、ユーザーが一貫性のある体験を得られます。

複数ステップのウィザードフロー


フォームやプロセスをステップごとに分けるウィザード形式のページでは、各ステップで異なるレイアウトやコンテンツが必要になることがあります。

これらのユースケースでは、React Routerを利用した複数レイアウトの切り替えが、効率的かつ柔軟なソリューションを提供します。

必要な環境設定とライブラリの導入

React Routerを使って複数レイアウトを実現するには、適切な環境を整えることが重要です。以下に、準備手順と必要な依存ライブラリを解説します。

Reactアプリケーションのセットアップ

  1. Reactプロジェクトの作成
    Create React Appを使って新しいプロジェクトを作成します。
   npx create-react-app my-app
   cd my-app
  1. 必要なパッケージのインストール
    React Routerをインストールします。
   npm install react-router-dom

React Routerのバージョン確認


React Routerは頻繁にアップデートされるため、最新バージョンを使用することを確認してください。特に、v6以降のバージョンでは大幅な変更があります。
インストール済みバージョンを確認するには以下のコマンドを使用します。

npm list react-router-dom

プロジェクト構成の見直し


複数レイアウトを効率的に管理するために、以下のディレクトリ構造を検討します。

src/
├── components/
│   ├── layouts/
│   │   ├── AdminLayout.js
│   │   ├── UserLayout.js
│   │   └── AuthLayout.js
│   ├── pages/
│   │   ├── Dashboard.js
│   │   ├── Home.js
│   │   └── Login.js
│   └── common/
│       ├── Header.js
│       ├── Footer.js
│       └── Sidebar.js
├── App.js
├── index.js
└── routes.js

React Router設定ファイルの分離


ルート構成を専用のファイル(例:routes.js)に分けて、保守性を向上させます。これにより、アプリケーション全体のルートを一元管理できます。

開発ツールとデバッグ設定

  1. React DevToolsの導入
    開発中のルート状態やコンポーネントの確認に役立つツールです。
    React DevTools
  2. エラー境界の設定
    レイアウト切り替え時のエラーをキャッチするため、エラー境界を導入します。

これらの準備を終えると、複数レイアウトを使ったアプリケーション開発の基盤が整います。次に、具体的なルート設定や実装に進みます。

複数レイアウトを実現するReact Routerの設定例

複数のレイアウトをReact Routerで切り替えるためには、ルートごとに適切なレイアウトコンポーネントを指定する必要があります。以下に、React Routerを使用した設定例を詳しく解説します。

基本的なルーティング設定


React Routerの<Routes><Route>コンポーネントを使用して、ページごとに異なるレイアウトを指定します。

import React from 'react';
import { BrowserRouter as Router, Routes, Route } from 'react-router-dom';
import AdminLayout from './components/layouts/AdminLayout';
import UserLayout from './components/layouts/UserLayout';
import AuthLayout from './components/layouts/AuthLayout';
import Dashboard from './components/pages/Dashboard';
import Home from './components/pages/Home';
import Login from './components/pages/Login';

function App() {
  return (
    <Router>
      <Routes>
        {/* ユーザーレイアウト */}
        <Route path="/" element={<UserLayout />}>
          <Route index element={<Home />} />
        </Route>

        {/* 管理者レイアウト */}
        <Route path="/admin" element={<AdminLayout />}>
          <Route path="dashboard" element={<Dashboard />} />
        </Route>

        {/* 認証レイアウト */}
        <Route path="/auth" element={<AuthLayout />}>
          <Route path="login" element={<Login />} />
        </Route>
      </Routes>
    </Router>
  );
}

export default App;

レイアウトコンポーネントの例


各レイアウトコンポーネントは、ヘッダー、フッター、サイドバーなどの共通要素を含みます。

AdminLayout.js

import React from 'react';
import { Outlet } from 'react-router-dom';
import Sidebar from '../common/Sidebar';
import Header from '../common/Header';

function AdminLayout() {
  return (
    <div className="admin-layout">
      <Sidebar />
      <div className="main-content">
        <Header />
        <Outlet />
      </div>
    </div>
  );
}

export default AdminLayout;

UserLayout.js

import React from 'react';
import { Outlet } from 'react-router-dom';
import Header from '../common/Header';
import Footer from '../common/Footer';

function UserLayout() {
  return (
    <div className="user-layout">
      <Header />
      <main>
        <Outlet />
      </main>
      <Footer />
    </div>
  );
}

export default UserLayout;

Outletによるネストされたルートの管理


<Outlet>はネストされたルートをレンダリングするために使用されます。親ルートのレイアウトを維持しながら、子コンポーネントを動的に切り替えることが可能です。

コードのポイント

  1. 共通部分の管理
    レイアウトコンポーネントに共通のヘッダーやフッターを含めることで、コードの重複を防ぎます。
  2. ルートごとの要件を明確化
    各ルートに適切なレイアウトを割り当てることで、機能やデザインの一貫性を保ちます。

結果


これにより、React Routerを用いて各ページに最適化されたレイアウトを簡単に切り替えられるようになります。次に、レイアウト内のコンポーネント管理についてさらに詳しく解説します。

主要なコンポーネントの分離と管理方法

複数レイアウトを実現する際には、共通部分を適切に分離し、再利用性と保守性を高めることが重要です。ここでは、主要なコンポーネントであるヘッダー、フッター、サイドバーをどのように設計し、管理するかを解説します。

コンポーネントの分離のメリット

  1. 再利用性
    ヘッダーやフッターなどの共通部分を一度作成すれば、複数のレイアウトで使い回すことができます。
  2. 保守性
    共通部分を一箇所にまとめることで、変更や修正が簡単になります。
  3. 読みやすいコード
    各コンポーネントが単一の責任を持つようになるため、コードが整理され、理解しやすくなります。

コンポーネント設計の例

Header.js
ヘッダーはロゴやナビゲーションメニューなど、すべてのレイアウトで共通して使用される部分です。

import React from 'react';

function Header() {
  return (
    <header className="header">
      <div className="logo">MyApp</div>
      <nav>
        <ul>
          <li><a href="/">Home</a></li>
          <li><a href="/about">About</a></li>
          <li><a href="/contact">Contact</a></li>
        </ul>
      </nav>
    </header>
  );
}

export default Header;

Footer.js
フッターはコピーライト情報や補足リンクを含む部分です。

import React from 'react';

function Footer() {
  return (
    <footer className="footer">
      <p>&copy; 2024 MyApp. All rights reserved.</p>
    </footer>
  );
}

export default Footer;

Sidebar.js
サイドバーは管理者用ダッシュボードや特定のページで使用される部分です。

import React from 'react';

function Sidebar() {
  return (
    <aside className="sidebar">
      <ul>
        <li><a href="/admin/dashboard">Dashboard</a></li>
        <li><a href="/admin/settings">Settings</a></li>
        <li><a href="/admin/profile">Profile</a></li>
      </ul>
    </aside>
  );
}

export default Sidebar;

コンポーネントの管理


すべての主要コンポーネントを一箇所で管理するために、commonディレクトリを作成します。これにより、各レイアウトが必要な共通コンポーネントを容易にインポートできます。

ディレクトリ構造

src/
└── components/
    └── common/
        ├── Header.js
        ├── Footer.js
        └── Sidebar.js

使用例:UserLayout.jsでの利用

import React from 'react';
import { Outlet } from 'react-router-dom';
import Header from '../common/Header';
import Footer from '../common/Footer';

function UserLayout() {
  return (
    <div className="user-layout">
      <Header />
      <main>
        <Outlet />
      </main>
      <Footer />
    </div>
  );
}

export default UserLayout;

スタイルの統一


共通部分のスタイリングを適切に行うことで、全体のデザインに統一感を持たせることができます。CSSやCSS-in-JSライブラリ(例:styled-components)を利用すると便利です。

結果


このように主要なコンポーネントを分離して管理することで、開発効率が向上し、プロジェクト全体がスケーラブルな構造になります。次に、動的なレイアウト切り替えの実装方法について詳しく解説します。

ダイナミックなレイアウト切り替えの実装

React Routerを使用して動的にレイアウトを切り替える方法は、ルートごとの条件やコンテキストに応じて柔軟にレイアウトを選択できる仕組みを構築することです。以下にその実装方法を詳しく説明します。

レイアウトの動的選択の仕組み


動的レイアウト切り替えは、ルートの構造に基づいて、どのレイアウトを使用するかを決定するプロセスです。たとえば、認証が必要なルートにはAuthLayoutを使用し、公開ページにはPublicLayoutを適用する、といった使い分けを行います。

App.jsの動的レイアウト設定


以下のコード例では、useLocationフックを使用して現在のパスに基づきレイアウトを切り替えています。

import React from 'react';
import { BrowserRouter as Router, Routes, Route, useLocation } from 'react-router-dom';
import PublicLayout from './components/layouts/PublicLayout';
import AdminLayout from './components/layouts/AdminLayout';
import AuthLayout from './components/layouts/AuthLayout';
import Home from './components/pages/Home';
import Dashboard from './components/pages/Dashboard';
import Login from './components/pages/Login';

function App() {
  return (
    <Router>
      <DynamicLayoutRouter />
    </Router>
  );
}

function DynamicLayoutRouter() {
  const location = useLocation();

  // 動的にレイアウトを選択
  const getLayout = () => {
    if (location.pathname.startsWith('/admin')) {
      return <AdminLayout />;
    }
    if (location.pathname.startsWith('/auth')) {
      return <AuthLayout />;
    }
    return <PublicLayout />;
  };

  return (
    <>
      {getLayout()}
      <Routes>
        {/* 公開ページ */}
        <Route path="/" element={<Home />} />

        {/* 管理者ページ */}
        <Route path="/admin/dashboard" element={<Dashboard />} />

        {/* 認証ページ */}
        <Route path="/auth/login" element={<Login />} />
      </Routes>
    </>
  );
}

export default App;

レイアウトごとの子ルート管理


レイアウトごとに子ルートを持たせることで、ルーティングをさらに整理できます。
AdminLayout.jsにおける子ルートの設定例:

import React from 'react';
import { Outlet } from 'react-router-dom';
import Sidebar from '../common/Sidebar';
import Header from '../common/Header';

function AdminLayout() {
  return (
    <div className="admin-layout">
      <Sidebar />
      <div className="main-content">
        <Header />
        <Outlet />
      </div>
    </div>
  );
}

export default AdminLayout;

PublicLayout.jsにおける設定例:

import React from 'react';
import { Outlet } from 'react-router-dom';
import Header from '../common/Header';
import Footer from '../common/Footer';

function PublicLayout() {
  return (
    <div className="public-layout">
      <Header />
      <main>
        <Outlet />
      </main>
      <Footer />
    </div>
  );
}

export default PublicLayout;

認証状態によるレイアウトの制御


ユーザーの認証状態に基づいて、動的にレイアウトを変更する例を以下に示します。

import React from 'react';
import { Navigate, Outlet } from 'react-router-dom';

function ProtectedLayout({ isAuthenticated }) {
  return isAuthenticated ? (
    <div className="protected-layout">
      <header>Protected Header</header>
      <main>
        <Outlet />
      </main>
    </div>
  ) : (
    <Navigate to="/auth/login" replace />
  );
}

export default ProtectedLayout;

コードのポイント

  1. useLocationの活用
    現在のパス情報を取得して動的な条件分岐を行う。
  2. Outletの活用
    レイアウト内で動的にコンテンツを挿入するための重要な要素。
  3. 認証と状態管理の統合
    認証状態を利用して、適切なレイアウトやリダイレクトを選択。

結果


この方法により、React Routerを活用した柔軟なレイアウト切り替えが可能になり、ユーザー体験を大幅に向上させることができます。次に、エラー対処とデバッグの手法について解説します。

エラーハンドリングとデバッグ方法

複数のレイアウトを利用したアプリケーションでは、複雑なルーティングや動的な状態管理に伴い、エラーが発生する可能性があります。ここでは、よくあるエラーとその対処方法、さらにデバッグの効率的な方法を解説します。

よくあるエラーとその解決方法

1. パスの設定ミス


問題:
ルートが正しく設定されていない場合、ページが表示されないか、意図しないコンポーネントがレンダリングされます。

対処法:

  • Routeに設定されたpathを再確認してください。
  • React Routerのexactプロパティ(旧バージョン)やパスの優先順位を正しく設定します。
  <Route path="/" element={<Home />} />
  <Route path="/admin" element={<AdminLayout />} />

2. “未設定のエラー


問題:
子ルートを表示するための<Outlet>がレイアウトコンポーネントに含まれていないと、ページが空白になる。

対処法:
すべての親レイアウトコンポーネントに<Outlet>を含めます。

import { Outlet } from 'react-router-dom';
function Layout() {
  return (
    <div>
      <header>Header</header>
      <Outlet />
    </div>
  );
}

3. リダイレクトの設定ミス


問題:
保護されたルートに未認証のユーザーがアクセスすると、意図したページにリダイレクトされない。

対処法:
認証を確認するガード関数を適切に実装します。

function ProtectedRoute({ isAuthenticated, children }) {
  if (!isAuthenticated) {
    return <Navigate to="/auth/login" />;
  }
  return children;
}

4. ネストされたルートの不整合


問題:
ネストされたルートが正しく定義されていない場合、期待するコンテンツが表示されない。

対処法:
pathのスラッシュや親ルートの指定方法に注意します。

<Route path="/admin" element={<AdminLayout />}>
  <Route path="dashboard" element={<Dashboard />} />
</Route>

デバッグツールの活用

1. React Developer Tools


用途: コンポーネントの状態、プロパティ、ツリー構造を確認。
公式ページ

2. React Router DevTools


用途: 現在のルート情報、マッチング状況、ルーティングエラーをリアルタイムで確認。
インストール方法:

npm install --save-dev @remix-run/dev

3. ブラウザのデバッグツール


用途: コンソールログやネットワークエラー、DOMの確認。

  • コンソールでconsole.log(location)などを使い、現在のURLやルート情報を確認。

4. Error Boundaryの実装


用途: 予期しないエラーの捕捉。

class ErrorBoundary extends React.Component {
  constructor(props) {
    super(props);
    this.state = { hasError: false };
  }

  static getDerivedStateFromError(error) {
    return { hasError: true };
  }

  render() {
    if (this.state.hasError) {
      return <h1>Something went wrong.</h1>;
    }
    return this.props.children;
  }
}

ログの出力とモニタリング

  1. ログ出力の標準化:
    ログライブラリ(例:Winstonやlog4js)を活用して、エラーや状態を統一的に管理します。
  2. モニタリングツールの利用:
    Sentryなどのエラーモニタリングツールを導入し、リアルタイムでエラーを追跡します。

結果


適切なエラーハンドリングとデバッグ方法を組み合わせることで、React Routerを利用した複数レイアウトアプリケーションの信頼性が向上します。次に、応用編として認証を含むレイアウト管理の方法を解説します。

応用編:異なる認証要件を持つページのレイアウト管理

認証が必要なページと公開用ページで異なるレイアウトを管理することは、多くのアプリケーションで重要な要件です。このセクションでは、認証状態に応じてレイアウトを切り替え、セキュリティとユーザーエクスペリエンスを両立する方法を解説します。

要件に応じたレイアウトの分離

認証が必要なページでは、以下のような特定の要件を考慮する必要があります:

  1. セキュリティ: 認証がない場合はアクセスを制限。
  2. UIの最適化: 認証ページと公開ページでは異なるデザインを適用。

たとえば:

  • 認証が必要なページ: ダッシュボード、ユーザープロファイル。
  • 公開ページ: ホーム、製品情報、ログインページ。

認証コンテキストの構築

認証状態をグローバルで管理するためにReact Contextを使用します。

AuthContext.js

import React, { createContext, useState, useContext } from 'react';

const AuthContext = createContext();

export function AuthProvider({ children }) {
  const [isAuthenticated, setIsAuthenticated] = useState(false);

  const login = () => setIsAuthenticated(true);
  const logout = () => setIsAuthenticated(false);

  return (
    <AuthContext.Provider value={{ isAuthenticated, login, logout }}>
      {children}
    </AuthContext.Provider>
  );
}

export function useAuth() {
  return useContext(AuthContext);
}

index.js

import React from 'react';
import ReactDOM from 'react-dom';
import App from './App';
import { AuthProvider } from './AuthContext';

ReactDOM.render(
  <AuthProvider>
    <App />
  </AuthProvider>,
  document.getElementById('root')
);

認証状態によるレイアウト切り替え

ProtectedRoute.js

import React from 'react';
import { Navigate } from 'react-router-dom';
import { useAuth } from './AuthContext';

function ProtectedRoute({ children }) {
  const { isAuthenticated } = useAuth();

  if (!isAuthenticated) {
    return <Navigate to="/auth/login" replace />;
  }

  return children;
}

export default ProtectedRoute;

App.js

import React from 'react';
import { BrowserRouter as Router, Routes, Route } from 'react-router-dom';
import PublicLayout from './components/layouts/PublicLayout';
import ProtectedLayout from './components/layouts/ProtectedLayout';
import Login from './components/pages/Login';
import Dashboard from './components/pages/Dashboard';
import Home from './components/pages/Home';

function App() {
  return (
    <Router>
      <Routes>
        {/* 公開ページ */}
        <Route path="/" element={<PublicLayout />}>
          <Route index element={<Home />} />
          <Route path="/auth/login" element={<Login />} />
        </Route>

        {/* 認証が必要なページ */}
        <Route
          path="/dashboard"
          element={
            <ProtectedRoute>
              <ProtectedLayout />
            </ProtectedRoute>
          }
        >
          <Route index element={<Dashboard />} />
        </Route>
      </Routes>
    </Router>
  );
}

export default App;

レイアウトの設計

ProtectedLayout.js
認証後のレイアウトに特化したコンポーネント:

import React from 'react';
import { Outlet } from 'react-router-dom';

function ProtectedLayout() {
  return (
    <div className="protected-layout">
      <header>Dashboard Header</header>
      <main>
        <Outlet />
      </main>
    </div>
  );
}

export default ProtectedLayout;

PublicLayout.js
公開ページのレイアウト:

import React from 'react';
import { Outlet } from 'react-router-dom';

function PublicLayout() {
  return (
    <div className="public-layout">
      <header>Public Header</header>
      <main>
        <Outlet />
      </main>
    </div>
  );
}

export default PublicLayout;

認証状態の確認とログインフロー

Login.js
認証フローを簡単に実装:

import React from 'react';
import { useAuth } from '../AuthContext';
import { useNavigate } from 'react-router-dom';

function Login() {
  const { login } = useAuth();
  const navigate = useNavigate();

  const handleLogin = () => {
    login();
    navigate('/dashboard');
  };

  return (
    <div>
      <h1>Login</h1>
      <button onClick={handleLogin}>Log in</button>
    </div>
  );
}

export default Login;

結果

認証状態に応じた動的なレイアウト管理により、ユーザーの役割や状況に応じた適切なコンテンツを提供できます。次に、演習問題として独自のレイアウトを作成する方法を考えてみましょう。

演習問題:独自レイアウトの構築

学んだ内容を実践するために、以下の課題に取り組んでみましょう。React Routerを使って独自のレイアウトを構築し、認証状態やルートに応じて切り替えを行うアプリケーションを完成させてください。

課題の設定

  1. 新しいレイアウトの作成
  • GuestLayout(ゲスト用レイアウト): 認証されていないユーザー向けのページ。
  • MemberLayout(メンバー用レイアウト): 認証されたユーザー向けのページ。
  1. ルートの設定
    以下のルートを追加し、それぞれ異なるレイアウトを適用してください。
  • /guest/home : ゲスト向けのホームページ。
  • /member/profile : 認証されたユーザーのプロフィールページ。
  1. 認証状態の管理
  • 認証状態を管理するAuthContextを活用してください。
  • 未認証の場合はGuestLayout、認証済みの場合はMemberLayoutを適用します。

ヒントとコード例

1. 新しいレイアウトの設計
GuestLayout.js

import React from 'react';
import { Outlet } from 'react-router-dom';

function GuestLayout() {
  return (
    <div className="guest-layout">
      <header>Guest Header</header>
      <main>
        <Outlet />
      </main>
      <footer>Guest Footer</footer>
    </div>
  );
}

export default GuestLayout;

MemberLayout.js

import React from 'react';
import { Outlet } from 'react-router-dom';

function MemberLayout() {
  return (
    <div className="member-layout">
      <header>Member Header</header>
      <main>
        <Outlet />
      </main>
      <footer>Member Footer</footer>
    </div>
  );
}

export default MemberLayout;

2. 新しいルートの追加
App.jsにルートを追加します。

<Route path="/guest" element={<GuestLayout />}>
  <Route path="home" element={<GuestHome />} />
</Route>

<Route
  path="/member"
  element={
    <ProtectedRoute>
      <MemberLayout />
    </ProtectedRoute>
  }
>
  <Route path="profile" element={<MemberProfile />} />
</Route>

3. 必要なページコンポーネントの作成
GuestHome.js

function GuestHome() {
  return <h1>Welcome, Guest!</h1>;
}
export default GuestHome;

MemberProfile.js

function MemberProfile() {
  return <h1>Your Profile</h1>;
}
export default MemberProfile;

目標の達成基準

  • 正確なルーティング: /guest/home/member/profileが正しく表示されること。
  • 認証状態の管理: 未認証時はGuestLayout、認証済み時はMemberLayoutが表示されること。
  • 動的切り替え: ログインとログアウトのアクションでレイアウトが動的に切り替わること。

結果の確認

この演習を通じて、React Routerを活用したレイアウト管理と認証状態の統合について、より深く理解することができます。挑戦してみてください!

まとめ

本記事では、React Routerを用いた複数レイアウトの切り替え方法について解説しました。基本的なルーティング設定から、認証状態を活用した動的レイアウト管理、そしてエラーハンドリングや応用的な実装まで幅広く取り上げました。

以下が主なポイントです:

  • React Routerを使うことで、柔軟かつ効率的に複数のレイアウトを実現できる。
  • <Outlet>useLocationを活用して、動的にコンテンツやレイアウトを管理できる。
  • 認証状態をReact Contextで管理することで、公開ページと保護されたページを安全に切り替え可能。

React Routerの活用により、ユーザー体験を向上させつつ、開発者にとっても保守性の高いコードベースを実現できます。次回は、この知識を応用して、さらに高度なルーティングや状態管理を行う実践例を試してみましょう。

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