Rubyメソッドとブロック内の条件分岐活用法を徹底解説

Rubyプログラミングにおいて、条件分岐はコードの柔軟性と動的な挙動を実現するための基本的な要素です。特にメソッドやブロックの中で条件分岐を活用することで、プログラムの処理を状況に応じて変更でき、より効率的かつ意図した挙動を持たせることが可能になります。本記事では、Rubyの条件分岐の基本からメソッドやブロック内での具体的な活用法、さらにコードの可読性を向上させるテクニックについて解説していきます。Rubyを効果的に活用し、シンプルで理解しやすいコードを書くためのポイントを押さえましょう。

目次

Rubyの条件分岐の基礎知識

Rubyにおける条件分岐は、プログラムの流れを制御するために不可欠な構文です。基本的な条件分岐構文にはif文、unless文、三項演算子などがあります。これらを適切に使うことで、コードの動作を条件に応じて柔軟に切り替えることが可能になります。

if文

if文は、条件が真である場合にのみ特定のコードを実行します。構文は以下の通りです。

if 条件式
  # 条件が真のときに実行する処理
end

unless文

unless文はif文と逆に、条件が偽である場合にコードを実行します。特定の条件が成立しないときの処理に役立ちます。

unless 条件式
  # 条件が偽のときに実行する処理
end

三項演算子

シンプルな条件分岐であれば、三項演算子を使って一行で表現することが可能です。例えば、以下のように使います。

条件式 ? 真の場合の処理 : 偽の場合の処理

これらの構文を理解し、基本的な条件分岐を適切に使いこなすことが、複雑な条件処理やメソッドでの応用へとつながります。

メソッド内での条件分岐

メソッド内で条件分岐を使うことで、メソッドが実行される状況に応じて異なる処理を行わせることができます。条件分岐を組み込むことで、より柔軟で再利用性の高いメソッドを作成でき、コードの冗長性を減らすことが可能です。

メソッド内でのif文の使用

if文を使用して、メソッドの引数や状態に応じて処理を切り替えます。以下は、引数によって挙動が変わるメソッドの例です。

def greet_user(name, is_admin)
  if is_admin
    "Welcome, Admin #{name}!"
  else
    "Hello, #{name}!"
  end
end

このメソッドでは、is_adminが真であれば「Admin」としての挨拶を表示し、偽であれば通常の挨拶を行います。

return文を活用した早期リターン

メソッド内の条件分岐でreturnを使うと、特定の条件が満たされた場合にメソッドを即座に終了させることができます。これにより、無駄な処理を省略し、メソッドの読みやすさが向上します。

def check_eligibility(age)
  return "Not eligible" if age < 18
  "Eligible"
end

この例では、ageが18未満であれば即座に「Not eligible」を返し、そうでない場合に「Eligible」を返します。

unless文の活用

否定条件での分岐が明確になる場合には、unless文も便利です。例えば、引数が空でない場合にのみ処理を行うといった場合に使われます。

def display_message(message)
  return "No message provided" unless message
  "Message: #{message}"
end

このようにメソッド内で条件分岐を効果的に使うことで、コードの柔軟性と効率性が大幅に向上します。

ブロックの仕組みと基本的な使い方


Rubyでは、ブロックはメソッドに渡すことができるコードのかたまりで、繰り返し処理や条件に応じた処理に非常に便利です。ブロックを使用することで、メソッドの動作をカスタマイズし、柔軟なコードを書くことができます。

ブロックの基本構文

ブロックはdo...endまたは{...}で囲んで記述します。通常、メソッド呼び出しに続けてブロックを渡す形で利用されます。例えば、以下のようにeachメソッドにブロックを渡して配列の要素ごとに処理を行います。

[1, 2, 3].each do |num|
  puts num
end

または、{}を使って一行で書くことも可能です。

[1, 2, 3].each { |num| puts num }

この例では、eachメソッドにより配列の各要素をnumに代入し、putsで表示しています。

ブロック付きメソッドの定義

Rubyでは、ブロックを受け取るメソッドを定義することもできます。ブロックを受け取るには、メソッド内でyieldを使ってブロックの処理を呼び出します。

def greet
  yield if block_given?
end

greet { puts "Hello, Ruby World!" }

この例では、greetメソッドはブロックが渡されたときのみyieldを使ってブロックの内容を実行します。block_given?は、ブロックが渡されているかどうかを確認するメソッドです。

ブロックを使うメリット

ブロックを利用することで、コードの再利用性が向上し、ループ処理や特定の条件を満たす要素の選別などが簡潔に書けるようになります。例えば、条件に応じて配列内の要素を加工したり、選別するような処理が簡単に行えます。

ブロックの基本構造と使い方を理解することで、次に条件分岐を組み合わせた柔軟なコードの作成が可能になります。

ブロック内での条件分岐の活用方法


ブロック内で条件分岐を使用すると、ブロックに渡された各要素や条件に応じた処理を柔軟に行うことができます。Rubyでは、if文やunless文をブロック内に組み込むことで、繰り返し処理や条件指定のフィルタリングが簡単に実現可能です。

配列のフィルタリングに条件分岐を使う


例えば、配列内の数値から特定の条件に合致するものだけを選びたい場合、eachメソッドに条件分岐を組み合わせることができます。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
numbers.each do |num|
  puts num if num.even?
end

この例では、num.even?が真である場合にのみ数値を出力するため、偶数のみが表示されます。条件を変えれば、奇数や特定の範囲内の数値に絞り込むこともできます。

条件に応じたブロック内の異なる処理


ブロック内で条件に応じた異なる処理を行うことも可能です。以下の例では、各要素が3より大きいかどうかに応じて異なるメッセージを出力します。

[1, 2, 3, 4, 5].each do |num|
  if num > 3
    puts "#{num} is greater than 3"
  else
    puts "#{num} is 3 or less"
  end
end

このコードは、numが3より大きい場合には「3より大きい」、それ以外の場合には「3以下」であることを出力します。

selectメソッドで条件に合う要素を抽出する


Rubyのselectメソッドは、ブロックの条件が真である要素だけを抽出して新しい配列を返します。これにより、配列から特定の条件を満たす要素だけを効率よく取り出すことができます。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
even_numbers = numbers.select { |num| num.even? }
puts even_numbers

この例では、偶数だけが抽出され、even_numbersには[2, 4]が格納されます。条件に応じて抽出したデータを使った後続の処理にも役立ちます。

ブロック内で条件分岐を活用することで、単純な繰り返し処理だけでなく、フィルタリングや動的な処理が可能になり、より実用的なコードを書くことができるようになります。

条件分岐を活用したコードの可読性向上


Rubyにおいて、条件分岐を適切に活用することでコードの可読性が向上し、意図が明確で保守しやすいコードを書くことができます。特に複数の条件分岐が含まれる場合には、可読性を意識した設計が重要です。

明確な条件名を使う


条件式をそのまま使うのではなく、意図がわかりやすい名前を変数に与えることで、コードが何を判断しているのかが一目で理解できます。以下の例では、条件を変数に格納することで可読性を向上させています。

def can_vote?(age)
  is_adult = age >= 18
  is_adult ? "Eligible to vote" : "Not eligible to vote"
end

この例では、age >= 18という条件式をis_adultという変数に入れることで、成人かどうかの判定であることが明確になります。

ガード節を活用した早期リターン


ガード節(早期リターン)を使うと、特定の条件が成立した場合にメソッドを即座に終了させ、主要な処理部分が目立ちやすくなります。これにより、深いネストを避けてコードを簡潔にできます。

def process_order(order)
  return "Invalid order" unless order.valid?

  # メイン処理
  "Processing #{order.id}"
end

この例では、orderが有効でない場合にメソッドをすぐ終了させ、有効な場合のみメイン処理に進むことで、コードの流れがわかりやすくなります。

条件を単純化する


複雑な条件は、サブ条件に分割したり、専用のメソッドに切り出したりして単純化できます。条件が多い場合には、個別にメソッド化して、それらを組み合わせると可読性が大幅に向上します。

def can_access?(user)
  return false unless user.logged_in?
  return false if user.suspended?
  user.admin? || user.premium?
end

ここでは、logged_in?suspended?のような条件を個別にチェックし、それらを組み合わせることで、ユーザーがアクセス可能かどうかを判定しています。この方法により、長い条件式よりも読みやすくなります。

三項演算子でシンプルに書く


シンプルな条件分岐の場合、三項演算子を用いると一行で表現でき、読みやすさが向上します。ただし、複雑な条件分岐には使わないよう注意が必要です。

def greet_user(is_admin)
  is_admin ? "Welcome, Admin!" : "Welcome, User!"
end

このように、三項演算子で簡潔に記述することで、短い条件分岐が読みやすくなります。

これらのテクニックを用いて条件分岐を整理し、コードの可読性を高めることで、意図が伝わりやすく、保守しやすいコードを実現できます。

case文による条件分岐の効率的な使用法


複数の条件を持つ場合、ifelsifを繰り返すのではなく、case文を使うことで条件分岐を簡潔に書けます。case文は、複数の条件が存在する場面で可読性を向上させ、処理を整理するのに役立ちます。

基本的なcase文の構文


case文は、whenキーワードを使って条件を指定し、それぞれに対して異なる処理を行います。以下は、曜日に応じて異なるメッセージを出力する例です。

def day_message(day)
  case day
  when "Monday"
    "Start of the week!"
  when "Friday"
    "Almost the weekend!"
  when "Saturday", "Sunday"
    "It's the weekend!"
  else
    "Just another day."
  end
end

この例では、dayの値に応じて異なるメッセージを返します。特に、SaturdaySundayのように複数の条件を同じ処理にまとめられる点がcase文の利点です。

条件範囲を利用したcase文


数値の範囲などを条件にしたい場合、whenの後に範囲指定を使用することができます。たとえば、得点に応じた評価を返す場合に便利です。

def grade(score)
  case score
  when 90..100
    "A"
  when 80..89
    "B"
  when 70..79
    "C"
  when 60..69
    "D"
  else
    "F"
  end
end

この例では、scoreがどの範囲に該当するかによって評価が決まります。90..100のような範囲指定により、連続した値の条件分岐をシンプルに表現できます。

シンボルや定数を使ったcase文


定義されたシンボルや定数に基づいて分岐を行う場合も、case文を使うとコードが見やすくなります。以下の例では、ユーザーの役職に応じたメッセージを返しています。

def role_message(role)
  case role
  when :admin
    "You have full access."
  when :editor
    "You can edit content."
  when :viewer
    "You can view content."
  else
    "Role not recognized."
  end
end

ここでは、シンボルを使うことで分岐が明確になり、コードの意図が伝わりやすくなります。役職に応じた権限を管理するのに適しています。

elseによるデフォルト処理


case文では、どの条件にも一致しない場合にelseを使ってデフォルト処理を指定できます。これにより、予期しない入力があっても適切に対応できます。

case文を利用することで、複数条件の処理が必要な場面でのコードが簡潔になり、条件が増えても見通しの良いコードを書くことが可能です。

複雑な条件分岐の管理テクニック


Rubyプログラムが大規模化するにつれて、条件分岐も複雑になる傾向があります。条件分岐が増えすぎるとコードが読みにくくなり、エラーが発生しやすくなるため、適切な管理が必要です。ここでは、複雑な条件分岐をわかりやすく管理するためのテクニックを紹介します。

メソッド分割による条件整理


複雑な条件を整理する最も基本的な方法は、条件ごとにメソッドを分割し、それらのメソッドを組み合わせて判定する方法です。例えば、あるユーザーのステータスを複数の条件で判定する場合、それぞれの条件を個別のメソッドに分けて定義します。

def is_active?(user)
  user.logged_in? && !user.suspended?
end

def is_premium?(user)
  user.subscription == "premium"
end

def can_access_feature?(user)
  is_active?(user) && is_premium?(user)
end

この例では、is_active?is_premium?という2つのメソッドに分けて条件を整理し、can_access_feature?で組み合わせています。これにより、コードが簡潔になり、各条件が独立しているためテストも容易になります。

ポリシークラスを使用して条件を管理


条件分岐が増えすぎる場合は、条件ごとにポリシークラスを作成し、責任を分担させる方法も有効です。ポリシークラスは、特定の条件を管理し、それを検証する専用のクラスです。

class UserPolicy
  def initialize(user)
    @user = user
  end

  def can_access_feature?
    is_active? && is_premium?
  end

  private

  def is_active?
    @user.logged_in? && !@user.suspended?
  end

  def is_premium?
    @user.subscription == "premium"
  end
end

user_policy = UserPolicy.new(user)
user_policy.can_access_feature?

このようにポリシークラスに条件をまとめることで、条件に関するロジックが集中し、複雑な条件分岐が散らばることを防ぎます。

ハッシュを利用した条件マッピング


特定の条件ごとに異なる処理を行いたい場合は、ハッシュを使って条件と処理をマッピングするのも有効です。例えば、コマンドに応じた処理を行う場合、各コマンドをキーとし、その処理を値として設定します。

commands = {
  start: -> { puts "Starting..." },
  stop: -> { puts "Stopping..." },
  pause: -> { puts "Pausing..." }
}

command = :start
commands[command].call if commands[command]

この方法では、条件と処理の対応が明確になるため、追加の条件が発生した場合でもハッシュを拡張するだけで済みます。

デザインパターンを活用する


条件分岐が非常に複雑な場合、デザインパターン(例:StrategyパターンやStateパターン)を適用することも有効です。特に、条件に応じて異なる動作が必要な場合には、Strategyパターンが役立ちます。

これらのテクニックを使って条件分岐を整理し、可読性の高いコードを書くことで、保守が容易でバグの少ないコードベースを実現できます。

条件分岐を活用したエラー処理


エラー処理はプログラムの安定性を保つために不可欠です。Rubyでは条件分岐を活用してエラーを適切に検出し、エラーが発生した場合に適切な処理を行うことができます。ここでは、条件分岐を用いたエラー処理のテクニックを紹介します。

基本的なエラーチェック


Rubyでは、条件分岐を利用して、特定の条件が満たされない場合にエラーメッセージを返す処理が一般的です。以下は、ユーザーの年齢をチェックし、条件を満たさない場合にエラーを表示する例です。

def check_age(age)
  if age < 0
    "Error: Invalid age. Age cannot be negative."
  elsif age < 18
    "Error: Must be 18 or older."
  else
    "Valid age."
  end
end

この例では、ageが0未満の場合や18未満の場合にエラーメッセージを返し、条件を満たす場合のみ「Valid age.」と出力します。

guard節を使ったエラー処理


ガード節を使用して早期リターンを行うと、複雑な条件分岐を避けてエラー処理を簡潔に記述できます。以下の例では、入力が空である場合や数値でない場合にエラーを返し、そうでない場合にのみ処理を行います。

def process_input(input)
  return "Error: No input provided" if input.nil? || input.empty?
  return "Error: Input must be a number" unless input.is_a?(Numeric)

  "Processing input: #{input}"
end

ここでは、inputが空またはnilの場合にエラーメッセージを即座に返し、入力が数値でない場合も同様にエラーを返します。ガード節によって、メインの処理部分が明確になります。

begin-rescueを使った例外処理


Rubyには例外処理のためのbegin-rescue構文が用意されています。条件分岐と組み合わせて、予期せぬエラーに対しても柔軟に対応できます。

def divide(a, b)
  return "Error: Division by zero is not allowed" if b == 0

  begin
    a / b
  rescue ZeroDivisionError
    "Error: Division by zero"
  rescue => e
    "Error: #{e.message}"
  end
end

この例では、条件分岐を使ってゼロ除算を事前にチェックし、例外が発生する場合にはrescueで適切にエラーメッセージを返します。

エラーのログ出力


エラー発生時にその内容をログに出力することで、デバッグや問題の特定が容易になります。以下は、エラーメッセージをファイルに記録する例です。

def log_error(message)
  File.open("error.log", "a") do |file|
    file.puts("#{Time.now}: #{message}")
  end
end

def safe_division(a, b)
  if b == 0
    log_error("Division by zero attempted with values a=#{a}, b=#{b}")
    return "Error: Division by zero"
  end
  a / b
end

ここでは、safe_divisionメソッドでゼロ除算が試みられた場合、log_errorメソッドを使用してエラーメッセージをファイルに記録し、同時にエラーメッセージを返します。ログファイルにエラーを蓄積することで、問題の分析が簡単になります。

これらのテクニックを用いることで、エラー処理を効率化し、条件に応じた柔軟な対応が可能となり、アプリケーションの安定性が向上します。

実践例:Rubyのメソッドとブロックを使った条件分岐の応用


ここでは、実際の開発で役立つRubyのメソッドとブロックを使った条件分岐の応用例を紹介します。今回の例では、商品在庫を管理するシンプルなシステムを通して、条件分岐を駆使して柔軟な処理を実装してみましょう。

在庫管理メソッドの実装


商品の在庫をチェックし、在庫状況に応じて異なるメッセージを表示するメソッドを作成します。ここでは、商品の在庫数に応じたメッセージを条件分岐で切り替えます。

def check_stock(product_name, quantity)
  if quantity > 10
    "#{product_name} is fully stocked."
  elsif quantity > 0
    "#{product_name} is in limited stock."
  else
    "#{product_name} is out of stock."
  end
end

puts check_stock("Laptop", 15)   # "Laptop is fully stocked."
puts check_stock("Laptop", 5)    # "Laptop is in limited stock."
puts check_stock("Laptop", 0)    # "Laptop is out of stock."

このメソッドでは、在庫数に応じて「在庫あり」「在庫僅少」「在庫なし」のメッセージを返します。if-elsif-else構造を使って柔軟なメッセージを表示します。

ブロックと条件分岐を組み合わせた在庫処理


条件分岐とブロックを組み合わせることで、特定の条件下でのみ在庫を更新する処理を行います。以下の例では、在庫数が一定以上の場合に割引価格を適用するロジックを実装しています。

def update_stock(product_name, quantity)
  yield(quantity) if block_given?
  puts "Updated stock for #{product_name}: #{quantity} items remaining."
end

update_stock("Phone", 12) do |quantity|
  if quantity > 10
    puts "Applying discount: 10% off on #{quantity} items!"
  else
    puts "No discount available."
  end
end

# 実行結果
# Applying discount: 10% off on 12 items!
# Updated stock for Phone: 12 items remaining.

この例では、在庫数が10以上の場合に割引が適用され、そうでない場合には割引が適用されないという条件分岐をyieldで実行しています。これにより、メソッドを呼び出す側で自由に条件処理をカスタマイズ可能です。

複数商品の在庫状況チェックと選別


複数の商品がある場合、在庫状況に応じて特定の商品だけを選び出す処理が必要です。以下のコードでは、selectメソッドを用いて在庫が5以下の商品を抽出しています。

products = [
  { name: "Tablet", stock: 8 },
  { name: "Monitor", stock: 3 },
  { name: "Keyboard", stock: 15 }
]

low_stock_items = products.select { |product| product[:stock] <= 5 }
low_stock_items.each do |product|
  puts "#{product[:name]} is in low stock (#{product[:stock]} left)."
end

# 実行結果
# Monitor is in low stock (3 left).

ここでは、条件分岐を利用して在庫が少ない商品をリストアップし、低在庫の商品のみを選び出して表示します。selectメソッドを使うことで条件に合致する要素を簡単に抽出できます。

エラー処理と条件分岐を組み合わせた在庫チェック


エラーが発生しうる場面では、条件分岐とエラー処理を組み合わせて、安定した処理を実現します。以下の例では、在庫数が負の場合にエラーを返し、正常な場合のみ在庫をチェックします。

def safe_check_stock(product_name, quantity)
  return "Error: Invalid stock quantity for #{product_name}" if quantity < 0

  check_stock(product_name, quantity)
end

puts safe_check_stock("Laptop", -1)  # "Error: Invalid stock quantity for Laptop"
puts safe_check_stock("Laptop", 5)   # "Laptop is in limited stock."

このコードでは、quantityが負の値である場合にエラーメッセージを返し、それ以外の場合にのみcheck_stockメソッドを呼び出します。このように、エラーチェックを行うことでプログラムの安定性が向上します。

このように、Rubyのメソッドとブロックを活用し、条件分岐を応用することで、柔軟で管理しやすい在庫管理システムを実装できます。条件に応じた処理をカスタマイズすることで、より実践的なコードが書けるようになります。

演習問題:条件分岐を使ったRubyコード作成


ここでは、条件分岐を活用してRubyコードを書き、理解を深めるための演習問題を紹介します。条件分岐の実践的な使い方を練習し、効果的なエラーハンドリングや処理分岐を習得することを目指します。

問題1:ユーザーの年齢に応じたメッセージの表示


ユーザーの年齢を引数として受け取り、年齢に応じたメッセージを表示するメソッドage_messageを作成してください。

  • 年齢が0未満の場合は「Invalid age.」と表示
  • 年齢が0〜12歳の場合は「You are a child.」と表示
  • 年齢が13〜19歳の場合は「You are a teenager.」と表示
  • それ以外は「You are an adult.」と表示

解答例

def age_message(age)
  if age < 0
    "Invalid age."
  elsif age <= 12
    "You are a child."
  elsif age <= 19
    "You are a teenager."
  else
    "You are an adult."
  end
end

# テスト
puts age_message(-1)  # "Invalid age."
puts age_message(10)  # "You are a child."
puts age_message(16)  # "You are a teenager."
puts age_message(25)  # "You are an adult."

問題2:商品価格の割引判定


商品の価格priceと割引可能な条件is_discount_day(真偽値)を引数に受け取り、適用される割引価格を計算するcalculate_discounted_priceメソッドを作成してください。

  • 割引が適用される日は10%オフとする
  • 通常の日は割引なし

解答例

def calculate_discounted_price(price, is_discount_day)
  if is_discount_day
    price * 0.9
  else
    price
  end
end

# テスト
puts calculate_discounted_price(100, true)   # 90.0
puts calculate_discounted_price(100, false)  # 100

問題3:配列から特定の条件に合う要素を選び出す


整数の配列numbersを受け取り、selectメソッドを使って、偶数のみを含む新しい配列を返すselect_even_numbersメソッドを作成してください。

解答例

def select_even_numbers(numbers)
  numbers.select { |num| num.even? }
end

# テスト
puts select_even_numbers([1, 2, 3, 4, 5]).inspect  # [2, 4]
puts select_even_numbers([10, 15, 20, 25]).inspect # [10, 20]

問題4:エラーハンドリングを加えた在庫チェック


商品の在庫数stockを引数として受け取り、在庫数に応じてメッセージを返すcheck_inventoryメソッドを作成してください。

  • stockが負の場合は「Error: Invalid stock quantity.」と表示
  • stockが0の場合は「Out of stock.」と表示
  • stockが10未満の場合は「Low stock.」と表示
  • stockが10以上の場合は「In stock.」と表示

解答例

def check_inventory(stock)
  if stock < 0
    "Error: Invalid stock quantity."
  elsif stock == 0
    "Out of stock."
  elsif stock < 10
    "Low stock."
  else
    "In stock."
  end
end

# テスト
puts check_inventory(-1)  # "Error: Invalid stock quantity."
puts check_inventory(0)   # "Out of stock."
puts check_inventory(5)   # "Low stock."
puts check_inventory(15)  # "In stock."

問題5:条件に応じたユーザー役職メッセージ


ユーザーの役職を示すシンボル(例::admin:editor:viewer)を引数として受け取り、各役職に応じたメッセージを返すrole_messageメソッドを作成してください。

  • :adminの場合は「You have full access.」
  • :editorの場合は「You can edit content.」
  • :viewerの場合は「You can view content.」
  • それ以外は「Role not recognized.」

解答例

def role_message(role)
  case role
  when :admin
    "You have full access."
  when :editor
    "You can edit content."
  when :viewer
    "You can view content."
  else
    "Role not recognized."
  end
end

# テスト
puts role_message(:admin)   # "You have full access."
puts role_message(:editor)  # "You can edit content."
puts role_message(:viewer)  # "You can view content."
puts role_message(:guest)   # "Role not recognized."

以上の演習問題を解くことで、条件分岐を活用したRubyのコードが実際にどのように動作するかを理解し、実践的なテクニックを身につけましょう。

まとめ


本記事では、Rubyでのメソッドやブロックを活用した条件分岐の効果的な使い方について解説しました。条件分岐は、プログラムの動作を柔軟に変え、状況に応じた処理を実行するための重要なテクニックです。基本的なif文やcase文から、ブロック内での条件分岐、エラーハンドリングや複雑な条件管理まで、Rubyならではの豊富な表現方法を活用することで、より可読性が高くメンテナンスしやすいコードを実現できます。

また、演習問題を通じて条件分岐の応用例にも触れ、実践的な理解を深められたかと思います。Rubyでの条件分岐を効果的に活用することで、コードの質を向上させ、開発の効率を高めることができます。ぜひ、今回学んだ内容を活かして、Rubyのコードをさらに書きやすく、読みやすくしてください。

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