コロナ危機でも自治体職員がテレワーク出来ない技術的な理由

コロナ危機により大企業を中心にテレワーク(リモートワーク)が広まっています。しかし、自治体でテレワークにシフトしたといった話は聞こえてきません、自治体は住民対応をしているから無理といった理由が考えられがちですが、実は技術的に自治体ではテレワークが困難となっています。その理由を解説します。

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自治体は、オフラインで仕事をしている

実は自治体では、マイナンバーの流出を恐れる総務省の指示で通常仕事をしているネットワーク環境からインターネット接続を遮断しています。オフラインで仕事をしているため、インターネットVPNを利用したリモートワークが出来ない環境となっています。

下の図をご覧ください。総務省が作成した自治体のネットワークモデルで、殆どの自治体がこの構成になっています。個人番号利用事務系、LGWAN接続系、インターネット接続系、といった3つのネットワークで仕事をしており、メインの仕事環境が真ん中のLGWAN接続系です。リモートワークをするためには、このLGWAN接続系にインターネット経由でアクセスする必要がありますが、出来ないわけです。

自治体でテレワークをするには

そうはいっても、自治体でもリモートワークをする方法はあります。LTEを利用して閉域網でLGWAN接続系環境に自宅からアクセスする方法です。この方法で問題になってくるのが、費用です。閉域SIM入りのパソコンやモバイル端末を職員に配布する必要があるので、コストがかかります。特に閉域SIMの回線費用はスポットで支払うことが困難なので、テレワークを利用しない時も払い続ける必要があります。よって、全職員をテレワークさせるのは費用面から不可能な状態となっています。

J-Lisの実証実験に参加する(2020/10/18 追記)

状況が変化したので記事を追記します。条件を満たせばインターネットを介してLGWAN環境にリモート接続することが総務省に認められたようです。そして、J-Lisがインターネット経由方式の実証実験を開始しました。参加すれば無料でこの方式でテレワークが可能になります。ベースとしては、NTTが無償公開しているシンテレワークでJ-lisとIPAが組んで自治体版を展開しています。

(公募実施のお知らせ)「自治体テレワーク推進実証実験」の公募について

 

 

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