SharePoint Onlineで「Change the Look」が消えた時の対処法とモダンナビゲーション復活の手順

はじめまして。SharePoint Onlineの見た目や使い勝手が急に変わってしまい、「あれ、こんなはずじゃなかったのに…」と驚く瞬間はありませんか。私も以前、リスト移行のあとにメニューが消えてしまい大変な思いをしたことがあります。そんなときの対処法を一緒に見ていきましょう。

SharePoint Onlineで起こりがちなナビゲーショントラブル

SharePoint Onlineはクラウド上で簡単にサイトを作成し、チームや組織の情報共有を促進できる便利なサービスです。ただ、いろいろな機能を有効化・無効化したり、古いクラシックSharePointのリストを移行したりすると、思わぬタイミングでナビゲーションの表示がおかしくなることがあります。特に「Change the Look」という、サイトの外観をカスタマイズするメニューに表示されていたナビゲーション設定が突然消えてしまう状況に直面すると戸惑ってしまう方も多いようです。

なぜ起きるのか

このナビゲーションや外観の設定が消える原因のひとつとして、SharePoint Server Publishing Infrastructureという機能がサイトコレクションで有効になってしまうケースが挙げられます。もともとオンプレミスで運用していたSharePoint環境からリストやライブラリを移行した直後に、自動的にこの機能がアクティブ化されてしまうこともあるようです。そうすると、モダンUIの便利な設定が非表示になってしまい、サイト自体がクラシックな見た目や機能に寄ってしまうという現象が発生します。

他の機能との違い

SharePoint Server Publishingという類似の名前の機能もありますが、これらは別物です。Publishing機能全般は基本的にクラシックなページ作成の機能を有効にするもので、ウェブパーツやページレイアウトなどもクラシック側がメインとなります。それ自体が悪いわけではありませんが、モダンUIを重視したいときには邪魔になることがあります。

クラシック機能を必要とする場面

クラシック版のPagesライブラリを利用したい、あるいは独自のページレイアウトを作り込みたいなど、クラシックPublishing機能でなければ実現できない要件がある場合もあります。ただし近年はSharePoint OnlineのモダンUIやPower Appsなど、より新しい方法で実装を進めることが多く、無理にクラシックPublishing機能を活用しなくても問題解決できるケースが増えています。

ナビゲーションを元に戻すための具体的対処法

SharePoint Server Publishing Infrastructureの無効化

まず最初の解決策は、サイトコレクションの管理画面にあるSharePoint Server Publishing Infrastructureを無効化することです。これをオフにするだけで、モダンUIでのナビゲーションや「Change the Look」にあった設定項目が表示されるようになります。クラシックPublish機能を使う必要がなければ、オフにするほうが便利です。

サイトコレクション管理画面での操作

サイトコレクションの管理画面はやや分かりづらい場所にありますが、SharePoint Online管理センターや上位サイトの「サイトの設定」からアクセスします。そこにある「サイトコレクションの機能」というページでSharePoint Server Publishing Infrastructureを探し、アクティブ化の解除(無効化)を実行します。数分ほど待つと設定が反映され、モダンナビゲーションが復活する可能性が高いです。

誤って別の機能を無効化しないための注意

名前がよく似た機能も多く存在するため、誤ってSharePoint Server Publishingという別の機能をオフにするだけでは、症状が変わらないこともあります。必ずPublishing “Infrastructure”のほうを探してオフにしてください。もし何が何だかわからなくなったら、一度メモを取りながら操作を進めるのもおすすめです。

この作業を行うだけで、上部メニューが復活して「Change the Look」オプションも見えるようになるという手軽さは魅力です。

検討すべき事前準備と注意事項

サイト全体への影響を把握する

機能を無効化すると、サイトのページレイアウトや特定のクラシック要素が使えなくなる場合があります。特にクラシックPublishing機能を前提としたカスタムページがある場合、それが正しく動かなくなる可能性があるため事前に確認しておきましょう。

無闇に無効化すると、せっかく作り込んだクラシックページが崩れる恐れがあります。

運用形態の整理

現場によっては、クラシックUIのまま運用したいケースや、一部だけクラシックUIにしておきたいケースもあるかもしれません。その場合は、何が本当に必要で、何が不要かを見極める必要があります。モダンUIの利便性は高いですが、組織の事情によってはクラシックを残さないといけないこともあり得るでしょう。

クラシックとモダンのハイブリッド運用

サイトによっては「トップレベルサイトはモダン」「サブサイトはクラシック」などの運用が混ざっている場合があります。こうした状況下でPublishing機能を無効化すると、一部で混乱が起きることもあるため注意が必要です。事前にテストサイトを用意し、Publishing機能をオフにしたときの見え方や挙動を確かめてから、本番サイトで行うほうが安全です。

私の失敗談と学び

以前、社内の部門間コラボ用にモダンサイトを構築していたとき、古いオンプレミスのリストをPowerShellスクリプトで移行する作業をしました。すると突然、トップバーのナビゲーションが左に寄ってしまい、「Change the Look」のカスタマイズ項目が消えてしまったのです。最初は何が原因かわからず慌てましたが、結局Publishing Infrastructureが有効化されていたことがわかりました。

わざわざ大がかりなリスト移行を終えた直後だったので、まさか機能が勝手に有効になっているとは思いませんでした。いろいろ検索して調べた結果、このPublishing Infrastructureを無効化して解決できたときはほっとしました。

実際に行った操作手順

サイトコレクション管理の確認

まず、SharePoint管理センターから対象サイトコレクションを選び、「サイトの設定」に入りました。そこから「サイトコレクションの機能」を探し、SharePoint Server Publishing Infrastructureをオフにしました。処理完了後、ブラウザをリロードすると上部ナビゲーションが復活し、「Change the Look」でも通常通りテーマや色の変更ができるようになりました。

実際の作業時間は10分くらい。確認やテストを含めても30分程度で復旧できました。

運用上のポイントを表で整理

項目 内容 考慮すべき点
SharePoint Server Publishing Infrastructure クラシックPublishing機能を有効化し、ページレイアウトやデザイン拡張を可能にする モダン機能を非表示にする可能性があり、注意が必要
Change the Look モダンUIのテーマやナビゲーションの変更を行うメニュー Publishing Infrastructureが有効な状態では表示されない場合がある
モダンUIとクラシックUIの混在 一部のサイトでクラシックを活用しつつ、他のサイトではモダンを使う サイト間の統一感やユーザビリティを損なわないように設計が必要
サイトコレクションの機能設定 上位レベルで有効化した機能はサブサイトにも影響する 必要に応じて都度設定を確認し、無効化のテストを行う

なかなか直らない場合の追加対策

権限に関する確認

サイトコレクションの機能の有効・無効を切り替えるには、サイトコレクション管理者またはそれに相当する管理権限が必要です。もし操作がグレーアウトしているなど、該当項目を変更できない場合は、IT管理部門に相談して設定を行ってもらいましょう。

管理者への依頼方法

社内のIT部門がしっかりしているところでは、チケット制やフォームが用意されている場合があります。その際、「Change the Lookオプションが消えてしまった」「Publishing Infrastructureを無効化したい」というキーワードを具体的に伝えるとスムーズです。管理者が状況を把握しやすく、対応も迅速になるでしょう。

トラブルが解決しない場合はサポートへ

SharePointは機能が多岐にわたるため、予想外の不具合が起こることがあります。何度も繰り返し発生する場合や、原因が特定できない場合は、Microsoft 365管理センターからサポートチケットを発行して専門チームに相談する方法も検討してみてください。

Microsoftのサポートは意外と親切ですぐに対応してくれる印象があります。

サポート依頼時に準備すると便利な情報

発生している具体的症状

ナビゲーションが左側に移動した、上部メニューが消えた、など具体的な画面キャプチャや症状の詳細を用意しておくと、サポートも適切な原因を推測しやすくなります。

操作を行ったタイミングや手順

古いリストを移行した直後など、どの作業を行ったタイミングで症状が起きたかを正確に伝えることが重要です。スクリプトを使ったのか、Power Automateを使ったのかなども明記すると、サポートチームがより深く調査できます。

追加で知っておきたいモダンUI活用のヒント

サイトのブランドイメージを高める

モダンUIのほうがレイアウトやテーマが洗練されており、ロゴ画像やアクセントカラーなどを簡単に設定できます。上部にあるナビゲーションバーも視認性が高く、ユーザーにとってわかりやすい構成に仕上げられるのが魅力です。

テーマの細かい調整

「Change the Look」で色合いや背景などをカスタマイズできますが、さらに細かいデザイン調整が必要な場合はSharePoint Framework(SPFx)を使ってテーマを拡張する方法もあります。ただし、高度な知識が必要になるため、デザイナーや開発担当と連携して進めるとよいでしょう。

私自身、最初はSharePoint Frameworkなんて敷居が高いと思っていましたが、慣れると意外と自由度があって面白いです。

Modern Web Partsを活用する

クラシックWebパーツと比較して、モダンWebパーツはデザイン性や操作性が向上しており、従来のような複雑な設定をしなくても簡単にページを作り込めます。ニュース投稿やイベントカレンダーなど、チームの活性化につながる機能が充実しています。

クラシックWebパーツとの互換性

一部のクラシックWebパーツはモダンページで利用できないことがあります。ただし、同等機能を提供するモダンWebパーツや、Power Appsによるカスタムが用意されている場合もあるので、置き換えを検討してみてください。

実際の設定変更手順をコード例で紹介

もしPowerShellを用いて管理者権限でサイトコレクションの機能をオンオフするケースがあるなら、以下のようなスクリプトを実行することも可能です。

# SharePoint Online PowerShellモジュールをインポート
Import-Module Microsoft.Online.SharePoint.PowerShell

# SharePoint管理センターに接続
Connect-SPOService -Url https://[テナント名]-admin.sharepoint.com -Credential (Get-Credential)

# 対象となるサイトURL
$siteUrl = "https://[テナント名].sharepoint.com/sites/YourSite"

# 機能のID (SharePoint Server Publishing Infrastructure)
$featureId = "f6924d36-2fa8-4f0b-b16d-06b7250180fa"

# 機能を無効化
Disable-SPOSiteFeature -Identity $featureId -Site $siteUrl

このコマンドを実行後、しばらく待ってからサイトにアクセスすると、モダンUIの設定が復活していることを確認できる場合があります。ただし、組織のポリシーや権限設定によってはPowerShellが使えないこともあるので注意してください。

最終的なまとめと今後の対策

ナビゲーション設定や「Change the Look」が消えるトラブルは、多くの場合SharePoint Server Publishing Infrastructureの無効化で解決します。一方で、クラシックUIを活用しているサイトではPublishing機能が必要なケースもあるため、運用設計を見直すことが重要です。モダンUIに完全移行するか、あるいはクラシックとの共存を図るかをチーム内で話し合い、方向性を定めてから作業に取りかかるとスムーズでしょう。

私も何度か同様のトラブルに悩まされてきましたが、そのたびにPublishing Infrastructureをチェックしては「また有効になってる…」と苦笑いしつつ無効化しています。慣れると単純な作業ですが、最初はわかりづらいですよね。

クラシックからモダンへの移行計画

もしオンプレミスからクラウドへの移行作業がまだ進行中であれば、移行前にクラシック機能をどこまで残すかを明確に決めておくといいでしょう。不要な機能を最初から無効化しておけば、移行後に慌てるリスクを減らせます。また、利用ユーザーへの周知も大切で、「Change the Lookの設定が見えない」「メニュー位置がおかしい」といった問い合わせが管理部門に殺到しないように、事前に案内をしておくことをおすすめします。

段階的なテストの実施

一度にすべてのサイトコレクションを移行するのではなく、パイロットサイトを作成してクラシック機能をオフにした状態での動作を検証すると安心です。問題が起きた場合でも影響範囲が小さく、原因究明や対処もスムーズに進みます。

今後に向けたアドバイス

SharePoint Onlineは日々アップデートが続いており、機能の改善や変更が頻繁に行われます。これからもモダンUIが拡充されていくことは間違いないでしょう。クラシック機能に依存しすぎると将来的にアップデートとの整合性が合わなくなり、余計なトラブルに見舞われる可能性もあります。そうなる前に、早めにモダンUIへ移行しておくことで、今後のメンテナンスや運用コストを下げることにつながると考えられます。

アップデートの恩恵を最大限に受けられるのはモダンUIに慣れておくことです。

ユーザートレーニングや周知活動

UIが変わると、利用者の混乱を招くことがあります。特にクラシックに慣れた従業員にとっては、ボタン配置や画面遷移が大きく変わるため抵抗感が生じるかもしれません。そこで、マニュアルや研修、動画チュートリアルを活用して、モダンUIのメリットや操作方法をわかりやすく伝えておくとよいでしょう。

短い学習動画の作成

実際の操作画面を録画して短い動画にまとめ、チームサイトや社内ポータルに掲載しておくと、新しい操作を覚える敷居がぐっと下がります。文字だけのマニュアルでは理解しづらい部分も、動画であれば直感的に伝わりやすいので、多くの方が助かるでしょう。

さいごに

ナビゲーションが消えてしまうと、サイトの利用者はどこをクリックすればいいのかわからず混乱してしまいます。SharePoint Onlineの魅力を最大限に引き出すためにも、モダンUIを中心に据えた構成にしておくことが理想です。今回紹介したように、SharePoint Server Publishing Infrastructureを無効化するだけで簡単に復活するケースが多いので、もし同じようなお悩みがあればぜひ試してみてください。万が一改善しない場合は、権限周りやサポートへの問い合わせも検討して、早めに解決を図りましょう。あなたのSharePoint運用が、スムーズで快適なものになることを願っています。

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