日頃からSharePointのドキュメントライブラリを使っていると、ファイルやフォルダー名の横にまるで誰かの肖像のようなアイコンが表示されることがあります。共有した覚えがないのになぜ表示されるのか、不思議に感じたことはありませんか?本記事では、そのアイコンの意味と対策を詳しく解説していきます。ぜひ最後までお読みいただき、スッキリとした運用ができるようになってください。
SharePointの人型アイコンとは
SharePointのドキュメントライブラリで見かける人型アイコンは、特定のファイルやフォルダが他のユーザーと共有されている状態を示すものです。共有相手が個別ユーザーの場合だけでなく、組織全体や特定グループに対してアクセス権が与えられている場合でもアイコンが表示されることがあります。そのため、自分では直接共有していないつもりでも、上位のサイト権限やグループ権限によって実質的に共有されているケースがあるのです。
表示の仕組み
人型アイコンの表示は、SharePointのアクセス権限を元に自動的に切り替わる仕組みになっています。特定のユーザーやグループに閲覧や編集のアクセス権が付与されていると、アイコンがオンの状態に変わるのが特徴です。これはドキュメントライブラリ単位だけでなく、アイテム単位でも適用されます。
OneDriveとの関係
OneDriveは個人用のクラウドストレージとして扱われますが、実態はSharePointサイトの一種です。個人用サイトとして管理されており、OneDriveで共有設定を行うと、実はSharePointと同じ仕組みでアクセス権が付与されます。つまり、人型アイコンが表示されるルールはOneDriveでも同様です。
実際に共有していないはずなのになぜ表示されるのか
「アイコンが表示されているが、実際には共有なんてしていない」という声はよく聞きます。この背景にはSharePointの階層的な権限設定が大きく影響しています。上位のサイト全体にアクセス権があるユーザーがいる場合、そのサイト配下にあるドキュメントライブラリやフォルダ、ファイルにもアクセスできる状態となり、結果的に人型アイコンが表示されるというわけです。
権限継承のメカニズム
SharePointではデフォルトで「権限の継承」が有効になっています。これは、サイトに設定された権限がライブラリやフォルダ、ファイルにも引き継がれるという仕組みです。継承を止めたい場合は「このリスト(またはライブラリ)へのアクセス権の継承を停止する」を実行して独立した権限設定を行えますが、継承を停止していない限り、上位の権限がそのまま適用されることになります。
サイトレベルやグループレベルでの共有
SharePoint内には複数のレイヤーが存在し、サイトレベルやグループレベルで共有が行われている場合、利用者本人が直接共有設定を行っていなくても、人型アイコンが表示されることがあります。とくにMicrosoft 365グループと連動しているサイトでは、グループに属しているメンバーが自動的にアクセス権限を獲得します。
アイコンの確認手順と権限の見直し
人型アイコンが気になる場合には、まずどの範囲で共有が行われているのかをチェックしましょう。共有の仕組みを把握しておけば、不必要なアクセスを防いだり、トラブルを回避できるようになります。
Manage Access画面の活用
ドキュメントやフォルダを右クリックし、メニューからManage Access(または日本語環境では「アクセスの管理」)を選択すると、そのアイテムの直接的なアクセス権を確認することができます。ここで名前が表示されていなくても、実際には上位の権限を継承していることがあるので要注意です。
サイト権限ページの確認
Manage Access画面でわからない場合は、サイトの権限ページを確認すると良いでしょう。サイト全体の権限設定やグループの一覧を見ることで、誰がどのような権限を持っているのかを把握できます。
SharePointグループの構造を把握する
サイトコレクション所有者、メンバー、閲覧者といったSharePointグループや、Microsoft 365グループがどのように設定されているかを理解しておくと、なぜアイコンが表示されるのかが見えてきます。また、組織のポリシーによっては、自動的に全社員が閲覧権限を持つ場合などもあるので、そのあたりも確認しましょう。

私自身も最初は「誰にも共有していないのに、なんでアイコンが出るんだろう…」とずいぶん悩みました。調べてみると、社内全体に付与されているサイトのアクセス権が原因でした。設定を明示的に解除しなければ継承されるんですね。
具体的な対処方法
アイコンの表示をやめたい、あるいは権限をスッキリ整理したい場合には、以下の手順で進めると問題が解決しやすいです。
手順1: 上位階層の権限を確認する
まず、サイト全体の設定を見直します。組織または全社員向けに「表示」権限が付与されている場合など、思わぬところで全ユーザーがアクセスできる状態になっているかもしれません。サイト権限ページやサイトコレクション管理センターなどを活用し、現状を洗い出しましょう。
手順2: 不要なグループやメンバーを整理する
グループのメンバーシップが肥大化していると、誰にアクセス権が渡っているのかわかりづらくなります。不要なグループやメンバーが存在する場合は整理し、最小限のメンバーだけがアクセスできるようにしましょう。
手順3: 必要に応じて権限の継承を停止する
ライブラリ単位やフォルダ単位で特定のユーザーだけにアクセスさせたい場合、サイトからの権限継承を停止し、独立した権限を設定する方法があります。ただし、継承を停止すると管理が複雑になりやすいので、停止するアイテムを明確に絞ることが大切です。
権限レベルの細分化
SharePointでは、閲覧、編集、フルコントロールといった標準の権限レベルを自由にカスタマイズできます。自分の運用に合わない場合は、新たな権限レベルを作成してみるのも良いでしょう。



私の経験上、あまりに細かく権限レベルを作りすぎると、今度は誰がどの権限を持っているのか訳がわからなくなりがちです。適度な粒度で設定するのがコツですね。
手順4: アクセス権限レポートで一括確認
もし管理者権限があるならば、SharePointの管理センターやPowerShellを用いてアクセスレポートを生成し、どのユーザーがどこにアクセスできるのかを一覧でチェックできます。大量のライブラリやフォルダが存在する場合、ひとつひとつ画面で確認するのは非効率なので、レポートを活用すると便利です。
# SharePoint Online管理シェルを利用した例
# まず管理シェルに接続後、サイト一覧を取得
Get-SPOSite | ForEach-Object {
$siteUrl = $_.Url
Write-Host "Site URL: $siteUrl"
# ここにサイト権限の詳細を取得するスクリプトを追加
# 例: Get-SPOUser -Site $siteUrl
}
このようにPowerShellを使うことで、一括してサイトおよびライブラリの権限状況を取得し、不必要なアクセス権や共有設定が無いかをチェックできます。
継承設定を変更する際の注意点
権限の継承を停止して個別設定を行うと、管理の自由度は上がりますが、煩雑になるリスクも否めません。将来的に組織変更やメンバーの入れ替わりなどがあった際、どこのフォルダだけが独立権限なのか、どのグループに誰が入っているのかを把握しにくくなる恐れがあります。
運用ルールの策定
社内ポリシーとして、どの範囲まで継承を許可し、どの範囲から先は独立権限を与えるか、といったルールを決めておくと良いでしょう。部署ごとに独立して管理するフォルダが多い場合は部署単位のグループを活用し、権限やメンバーシップを整理するとスムーズです。
表: 権限継承の運用例
運用形態 | 特徴 | 例 |
---|---|---|
サイトレベル継承 | サイト配下すべてで継承を有効にする | 小規模のチームサイトで一括管理しやすい |
ライブラリレベル停止 | フォルダ以下は継承を維持し、ライブラリ単位で個別権限 | 複数部門が同居するサイトで特定のライブラリのみ独立 |
フォルダ/アイテムレベル停止 | ライブラリの権限は継承しつつ、一部フォルダやファイルで独立 | 秘匿情報のみアクセス制限を厳格にしたい場合 |
このようにどのレベルで継承を停止するかを明確化しておくと、後から管理する際に混乱しにくくなります。
アイコン表示と権限状態のズレ
まれに、人型アイコンは表示されるのに実際にはアクセスできない、あるいは逆にアイコンが表示されていないのに実は共有されている、といったズレが生じることがあります。
キャッシュの影響
SharePointの表示情報はキャッシュを利用することがあるため、最新の状態がリアルタイムに反映されない場合があります。時間を置いてから再度チェックするか、ブラウザのキャッシュをクリアして確認してみると解消するケースもあります。
権限変更後の反映タイミング
権限を付与した直後、または剥奪した直後は、SharePoint Onlineが内部的に権限情報を更新中であることがあります。待っていればアイコンの表示が正しくなることが多いので、あわてずに数分~数十分程度待ってみましょう。
問題が解決しない場合の対処
ここまでの対策を行っても、どうしてもアイコン表示と実際の権限が一致しないという場合は、いくつかの追加手段を試してみてください。
サポートへの問い合わせ
Office 365(現Microsoft 365)のサポートに問い合わせを行うと、詳細なログや状況をもとに調査してもらえる場合があります。具体的なスクリーンショットや発生手順、共有設定の一覧などを整理して伝えると、スムーズに話が進むでしょう。
新規スレッドやフォーラムでの相談
大規模な企業や組織でなければ、社外のコミュニティやフォーラムを活用して同じような事象を経験したユーザーからアドバイスをもらうのもひとつの手です。特に日本語のコミュニティでも、SharePointに詳しいエキスパートは多く存在します。



私も海外のMicrosoft Tech Communityで質問したことがあります。やはり似た事例が多く、解決策を見つけやすいと感じました。
まとめ
SharePointのドキュメントライブラリで人型アイコンが表示されるのは、何らかの形で他ユーザーやグループ、あるいは組織全体に対してアクセス権が付与されているからです。直接的に共有していなくても、サイトレベルやグループレベルで付与されている権限を継承している場合があります。
アイコンが表示されているかどうかに一喜一憂するのではなく、本当に必要な人にだけアクセス権を渡しているか、上位のサイト権限が思わぬところで影響を及ぼしていないかをチェックすることが大切です。
もしアイコンの表示と実際の権限状態に食い違いがある場合は、ブラウザのキャッシュやSharePoint Onlineの更新タイミングも考慮しつつ、PowerShellで権限状況を確認したり、上位階層やグループメンバーシップを細かく見直してみると良いでしょう。適切なルール作りや継承設定の利用によって、運用が格段に楽になるはずです。
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