Microsoft EdgeでイントラネットのExcelファイルをブラウザ内で開く方法

Microsoft Edgeを使用していると、イントラネットサイトからリンクされたExcelファイルがブラウザ内で開かず、ダウンロードされてしまう問題が発生することがあります。この問題を解決するための具体的な方法を解説します。この記事では、問題の原因、必要な環境の整備、設定手順などを詳しく説明し、最終的にブラウザ内でイントラネットのExcelファイルを直接開く方法を提供します。

目次

問題の概要

Microsoft Edgeの設定で「Officeファイルをブラウザーで開く」をオンにしても、イントラネットサイトからリンクされたExcelファイルがブラウザ内で開かずにダウンロードされてしまうという問題があります。この問題は、インターネット上のファイルがOffice Onlineを通じて直接ブラウザ内で開かれるのに対し、イントラネット上のファイルが異なる扱いを受けるために発生します。ブラウザ内で直接Excelファイルを開くためには、適切な環境設定とリンク形式の確認が必要です。

ファイルの保存場所の確認

インターネット上のExcelファイルは、Office Online(https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx)を通じて直接ブラウザ内で開かれるため、特別な設定が不要です。しかし、イントラネット内のファイルはOffice Onlineから直接アクセスできないため、通常はダウンロードされてしまいます。この違いが、イントラネット上のファイルがEdgeブラウザ内で開かれない原因となります。ブラウザ内でイントラネットファイルを開くためには、イントラネット内での特定の設定が必要です。

必要な環境の整備

イントラネット内でExcelファイルをブラウザ内で開くためには、SharePoint ServerとOffice Online Serverを設定する必要があります。これにより、イントラネット上のファイルもインターネット上のファイルと同様にブラウザ内で開くことが可能になります。

SharePoint Serverの導入

まず、SharePoint Serverをイントラネット内に導入し、ファイルを管理できる環境を整えます。

Office Online Serverの導入

次に、Office Online Serverを設定し、SharePoint Serverと連携させます。この設定により、SharePoint Server上のファイルがOffice Onlineを通じてブラウザ内で開けるようになります。

クラウドサービスの利用

クラウドベースのサービスを利用する場合、SharePoint OnlineやOneDrive for BusinessなどのOffice Online機能が有効化されているサービスを利用することでも同様の効果が得られます。

SharePoint Serverの設定手順

SharePoint Serverを正しく設定することで、イントラネット上のExcelファイルをブラウザ内で開けるようにします。以下に具体的な設定手順を説明します。

SharePoint Serverのインストール

SharePoint Serverをイントラネット環境にインストールします。インストールには、必要なシステム要件を満たしていることを確認してください。

ファイルライブラリの作成

インストールが完了したら、SharePoint管理センターにアクセスし、ファイルライブラリを作成します。これにより、ファイルの保存場所が確保されます。

Office Online Serverとの連携

SharePoint ServerとOffice Online Serverを連携させるために、必要な設定を行います。具体的には、以下のコマンドをSharePoint管理シェルで実行します。

New-SPWOPIBinding -ServerName "OfficeOnlineServer_FQDN"
Set-SPWOPIZone -Zone "internal-http"

アクセス許可の設定

ファイルライブラリに対するアクセス許可を適切に設定し、必要なユーザーやグループがファイルにアクセスできるようにします。

確認とテスト

最後に、設定が正しく行われたか確認するために、いくつかのExcelファイルをアップロードし、ブラウザ内で開けるかテストします。

Office Online Serverの設定手順

Office Online Serverを正しく設定することで、SharePoint Serverと連携し、イントラネット上のExcelファイルをブラウザ内で開けるようにします。以下に具体的な設定手順を説明します。

Office Online Serverのインストール

Office Online Serverをイントラネット環境にインストールします。インストールには、サーバーのシステム要件を満たしていることを確認してください。

Office Online Serverの構成

インストールが完了したら、Office Online Serverの構成を行います。具体的には、以下の手順に従います:

  1. Office Online Serverファームを作成します。
  2. SharePoint Serverと連携させるために必要な設定を行います。

PowerShellでの設定

Office Online ServerとSharePoint Serverの連携を確立するために、PowerShellを使用して以下のコマンドを実行します:

New-OfficeWebAppsFarm -InternalURL "http://OfficeOnlineServer_FQDN" -AllowHttp -EditingEnabled
New-SPWOPIBinding -ServerName "OfficeOnlineServer_FQDN"
Set-SPWOPIZone -Zone "internal-http"

SharePoint Serverとの連携確認

設定が完了したら、SharePoint ServerとOffice Online Serverが正しく連携しているか確認します。SharePointの管理シェルから、以下のコマンドを実行して連携状態を確認します:

Get-SPWOPIBinding

テストと確認

最後に、イントラネットサイトからExcelファイルをアップロードし、Microsoft Edgeブラウザ内で正常に開けるかテストします。設定が正しく行われていれば、ファイルがブラウザ内で直接開くはずです。

リンク形式の確認

イントラネットのExcelファイルをブラウザ内で開くためには、リンク形式が正しく設定されていることが重要です。以下に、正しいリンク形式を確認し設定する方法を説明します。

HTTPリンクの使用

イントラネット上のファイルリンクが「file://」スキーマではなく、「http://」スキーマであることを確認します。「file://」リンクは通常ダウンロードを引き起こすため、HTTPリンクを使用する必要があります。

リンク形式の変更方法

ファイルリンクが「file://」形式で設定されている場合、以下の手順で「http://」形式に変更します:

  1. SharePointやWebサーバー上にファイルをアップロードします。
  2. アップロードしたファイルのHTTPリンクを取得します。
  3. 取得したHTTPリンクをイントラネットサイトに貼り付けます。

リンクの動作確認

リンクを設定した後、リンクをクリックしてファイルが正しくブラウザ内で開くか確認します。もしリンクが正しく機能しない場合は、リンクの設定やサーバーの設定を再確認してください。

例:正しいリンク形式

以下は、正しいリンク形式の例です:

<a href="http://your-intranet-server/path/to/excel-file.xlsx">Excelファイルを開く</a>

このように設定することで、イントラネットサイトからリンクされたExcelファイルがMicrosoft Edgeブラウザ内で直接開けるようになります。

追加情報

イントラネット上のファイルをブラウザ内で開くためには、Office Onlineの機能やクラウドサービスの利用も有効です。以下に、追加の情報と注意点を紹介します。

Office Onlineのリンク形式

インターネット上のファイルをOffice Onlineで開く場合、リンクは以下のような形式になります:

<a href="https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=[エクセルファイルのURL]">Excelファイルを開く</a>

この形式のリンクをイントラネットサイトでも利用できるようにするためには、前述の環境設定が重要です。

クラウドサービスの利用

SharePoint Online、OneDrive for Business、OneDrive個人向け、一部のサードパーティクラウドストレージなど、Office Onlineの機能が有効化されているクラウドサービスを利用することも選択肢の一つです。これにより、特別なイントラネット設定なしにブラウザ内でファイルを開けるようになります。

リンク形式の具体例

SharePointやOneDriveを利用している場合、それぞれのURL形式を確認し、正しく設定されていることを確認します。以下に例を示します:

<a href="https://yourdomain.sharepoint.com/sites/yoursite/Shared%20Documents/Excelファイル.xlsx">Excelファイルを開く</a>

トラブルシューティング

設定を行ってもブラウザ内でファイルが開かない場合、以下の点を確認してください:

  1. Office Online ServerとSharePoint Serverの連携が正しく行われているか。
  2. HTTPリンク形式が正しく設定されているか。
  3. ユーザーのアクセス許可が適切に設定されているか。

これらの確認事項を通じて、イントラネットサイトからリンクされたExcelファイルも、Edgeブラウザ内で開くことが可能になります。

まとめ

Microsoft EdgeでイントラネットサイトからリンクされたExcelファイルがブラウザ内で開かずにダウンロードされる問題を解決するためには、以下の手順を踏む必要があります:

  1. ファイルの保存場所の確認: インターネット上のファイルとイントラネット上のファイルの違いを理解する。
  2. 必要な環境の整備: SharePoint ServerとOffice Online Serverをイントラネット内で設定し、ファイルを管理する環境を整える。
  3. SharePoint Serverの設定: ファイルライブラリの作成やOffice Online Serverとの連携を行う。
  4. Office Online Serverの設定: インストールと構成を行い、SharePoint Serverとの連携を確認する。
  5. リンク形式の確認: ファイルリンクが「http://」スキーマで正しく設定されていることを確認する。
  6. 追加情報の活用: Office Onlineやクラウドサービスを利用することで、設定を簡略化する。

これらの手順を正しく実行することで、イントラネットサイトからリンクされたExcelファイルも、インターネット上のファイルと同様にMicrosoft Edgeブラウザ内で直接開くことが可能になります。

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