Microsoft Accessを立ち上げると、「このファイル内のアクティブなコンテンツはブロックされています。トラストセンターの設定を確認するか、IT管理者にお問い合わせください」と表示されることがあります。このメッセージは、セキュリティリスクを警告するもので、デフォルトではすべてのマクロが無効に設定されているために発生します。この記事では、Accessのトラストセンター設定を調整して、このセキュリティ警告メッセージを非表示にする具体的な方法を詳しく解説します。
セキュリティ警告メッセージの概要
Microsoft Accessを起動すると、「このファイル内のアクティブなコンテンツはブロックされています」というセキュリティ警告メッセージが表示されることがあります。これは、マクロやその他のアクティブコンテンツが潜在的なセキュリティリスクを伴うためです。標準設定では、セキュリティを確保するためにこれらのコンテンツが無効化されます。この警告メッセージは、特定のファイルやコードが信頼されていない場合に表示され、ユーザーに対して注意を促す役割を果たしています。
トラストセンターの設定とは
トラストセンターは、Microsoft Accessおよび他のOfficeアプリケーションにおいてセキュリティとプライバシーを管理する中心的な機能です。トラストセンターの設定では、マクロ、アクティブXコントロール、データ接続などのコンテンツの動作を制御できます。これにより、ユーザーは信頼できるコンテンツのみを実行し、不正なコードやマルウェアからシステムを保護できます。トラストセンターの適切な設定は、セキュリティリスクを最小限に抑えつつ、業務に必要な機能を適切に利用するために重要です。
トラストセンターの設定を開く手順
Microsoft Accessでトラストセンターの設定を開くためには、以下の手順を実行します。
Accessを起動する
まず、Microsoft Accessを起動します。
オプションを開く
Accessのリボンで「ファイル」タブをクリックし、左側のメニューから「オプション」を選択します。これにより、「Accessオプション」ダイアログボックスが開きます。
トラストセンターを選択する
「Accessオプション」ダイアログボックスの左側のメニューから「トラストセンター」をクリックし、メインパネルに表示される「トラストセンターの設定」ボタンをクリックします。
トラストセンターの設定を確認する
「トラストセンター」ダイアログボックスが表示され、ここでセキュリティ設定を詳細に確認および変更できます。ここから、マクロの設定や信頼できる場所の設定を行います。
マクロ設定の変更方法
トラストセンターでマクロの設定を変更することで、セキュリティ警告メッセージの表示を制御できます。以下の手順に従って設定を変更します。
トラストセンターを開く
前述の手順に従って、「トラストセンター」ダイアログボックスを開きます。
マクロの設定を選択する
「トラストセンター」ダイアログボックスの左側のメニューから「マクロの設定」をクリックします。
マクロの設定を変更する
「マクロの設定」セクションには、以下のオプションがあります:
すべてのマクロを無効にする(通知しない)
セキュリティリスクが最も低い設定です。すべてのマクロが無効になります。
すべてのマクロを無効にする(通知する)
マクロが無効にされるが、マクロが無効になったことを通知します。
デジタル署名されたマクロを除くすべてのマクロを無効にする
信頼できるデジタル署名のあるマクロのみを有効にします。
すべてのマクロを有効にする(推奨されません)
すべてのマクロが有効になりますが、これは非常にリスクが高いため推奨されません。
設定を保存する
適切な設定を選択したら、「OK」ボタンをクリックして変更を保存し、「トラストセンター」ダイアログボックスを閉じます。
安全なマクロの設定
Accessのマクロを安全に使用するためには、デジタル署名されたマクロのみを有効にする設定が推奨されます。以下の手順で設定を行います。
デジタル署名とは
デジタル署名は、マクロやコードが信頼できる発行元から提供されていることを証明する電子的な署名です。これにより、安全性を確保しつつマクロを実行することができます。
マクロの設定を変更する手順
前述の手順で「トラストセンター」を開き、「マクロの設定」を選択します。
デジタル署名されたマクロを除くすべてのマクロを無効にする
「マクロの設定」セクションで「デジタル署名されたマクロを除くすべてのマクロを無効にする」を選択します。この設定により、信頼できる発行元から提供されたマクロのみが有効になります。
デジタル署名されたマクロの使用
デジタル署名されたマクロを使用することで、セキュリティリスクを最小限に抑えながら、必要な機能を維持できます。信頼できる発行元のマクロを使用する際は、そのマクロが適切に署名されていることを確認してください。
設定の保存と確認
設定を変更したら、「OK」ボタンをクリックして変更を保存し、「トラストセンター」ダイアログボックスを閉じます。これにより、セキュリティ警告メッセージを抑えつつ、安全にマクロを使用することが可能になります。
信頼できる場所の設定
信頼できる場所の設定を行うことで、その場所に保存されたファイルは常に信頼され、セキュリティ警告メッセージが表示されなくなります。以下の手順で設定を行います。
信頼できる場所の設定を開く
前述の手順で「トラストセンター」を開きます。
信頼できる場所を選択する
「トラストセンター」ダイアログボックスの左側のメニューから「信頼できる場所」をクリックします。
新しい信頼できる場所を追加する
「信頼できる場所」セクションで「新しい場所の追加」ボタンをクリックします。これにより、「信頼できる場所」ダイアログボックスが開きます。
場所の指定と設定
新しい信頼できる場所を指定します。以下の項目を入力します:
- パス:信頼できる場所として指定するフォルダのパスを入力します。
- サブフォルダを含める:信頼できる場所に指定したフォルダ内のすべてのサブフォルダも含める場合は、このオプションにチェックを入れます。
設定の保存
設定を入力したら、「OK」ボタンをクリックして変更を保存し、「信頼できる場所」ダイアログボックスを閉じます。これにより、指定した場所に保存されたファイルは常に信頼され、セキュリティ警告メッセージが表示されなくなります。
発行元を信頼する設定
信頼できる発行元として設定することで、その発行元のマクロは常に信頼され、セキュリティ警告メッセージが表示されなくなります。以下の手順で設定を行います。
信頼できる発行元の設定を開く
前述の手順で「トラストセンター」を開きます。
信頼できる発行元を選択する
「トラストセンター」ダイアログボックスの左側のメニューから「信頼できる発行元」をクリックします。
新しい発行元の追加
信頼できる発行元のリストに新しい発行元を追加するためには、その発行元のデジタル証明書をインポートする必要があります。
デジタル証明書の取得
発行元からデジタル証明書を取得します。これは、信頼できるマクロを提供している企業や開発者から提供されます。
デジタル証明書のインポート
取得したデジタル証明書をインポートします。具体的な手順は以下の通りです:
- 「信頼できる発行元」セクションで「インポート」ボタンをクリックします。
- インポートウィザードが開くので、指示に従ってデジタル証明書を選択し、インポートを完了します。
発行元の信頼設定を確認する
インポートが完了すると、信頼できる発行元のリストに追加されます。このリストにある発行元のマクロは、今後警告メッセージなしで実行されます。
設定の保存
設定を確認し、「OK」ボタンをクリックして変更を保存します。これにより、信頼できる発行元のマクロが常に信頼され、セキュリティ警告メッセージが表示されなくなります。
注意点と推奨事項
マクロの設定を変更する際には、いくつかの重要な注意点と推奨事項を守ることが必要です。これにより、セキュリティリスクを最小限に抑えながら、安全にAccessを使用できます。
すべてのマクロを有効にする設定のリスク
「すべてのマクロを有効にする」設定は非常に危険です。この設定を選択すると、悪意のあるマクロも実行される可能性があり、システムに深刻な被害を与える恐れがあります。可能な限り、この設定は避けるべきです。
デジタル署名されたマクロの使用を推奨
信頼できるデジタル署名されたマクロのみを有効にする設定を使用することを推奨します。これにより、安全性を確保しながら必要な機能を利用できます。
信頼できる場所の適切な管理
信頼できる場所として設定したフォルダには、必ず信頼できるファイルのみを保存するようにしましょう。信頼できる場所のフォルダは定期的に見直し、不要なファイルや疑わしいファイルを削除することが重要です。
発行元の慎重な選定
発行元を信頼する設定を行う際には、発行元の信頼性を十分に確認してください。信頼できる企業や開発者からのマクロのみを受け入れることで、セキュリティリスクを減らすことができます。
定期的なセキュリティチェック
Accessのセキュリティ設定は定期的に見直し、最新のセキュリティ情報に基づいて更新することが重要です。セキュリティパッチや更新プログラムが提供された場合は、速やかに適用するようにしましょう。
教育とトレーニング
組織内の全ユーザーが、マクロのセキュリティリスクとその対策について理解していることが重要です。適切な教育とトレーニングを実施し、セキュリティ意識を高めることで、リスクをさらに低減できます。
以上の注意点と推奨事項を守りながら、Microsoft Accessを安全に使用し、セキュリティ警告メッセージを効果的に管理しましょう。
まとめ
Microsoft Accessで表示されるセキュリティ警告メッセージを非表示にするためには、トラストセンターの設定を適切に調整することが重要です。本記事では、トラストセンターの設定を開く手順から始まり、マクロ設定の変更方法、信頼できる場所や発行元の設定について詳細に解説しました。
適切な設定を行うことで、セキュリティ警告メッセージを抑えつつ、必要な機能を安全に利用することができます。特に、デジタル署名されたマクロのみを有効にする設定を推奨し、信頼できる場所や発行元を慎重に選定することで、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
この記事で紹介した手順と注意点を参考にして、Microsoft Accessのセキュリティを強化し、より効率的に業務を進めてください。
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