Excelを使う際、入力規則を設定してドロップダウンリストを作成すると、リストから選択するだけでデータ入力がスムーズに進むので便利ですよね。ですが、Mac版Excelだと、ドロップダウン項目に合わせてセルを色分けしようとしたときに、条件付き書式の操作が分かりづらく感じる方も多いようです。私自身も初めて挑戦したときは、Windows版との違いに戸惑い、どこから設定を切り替えればいいのか分からず手こずった経験があります。そこで、この記事では私が実際に試行錯誤しながら学んだ知識をまとめてお伝えします。うまく設定すれば、Macでも快適に色付きドロップダウンを使いこなせるようになりますよ。
Excel for Macでドロップダウンを色付けする基本手順
Excel for Macでドロップダウンリストを作り、そのセルに色分けの条件付き書式を設定する方法は、基本的にはWindows版と大きく変わりません。ですが、Mac版のUI(ユーザーインターフェース)の違いから、いくつかポイントを押さえる必要があります。まずは大まかな流れを確認しておきましょう。
ドロップダウンリストの設定
Mac版Excelでドロップダウンリストを作るときは、Windows版と同様に「データ」タブから「データの入力規則」を利用します。次の手順で進めるとスムーズです。
1. 入力規則のダイアログを開く
1. メニューバーから「データ」タブを選択
2. 表示されたリボンの中の「データの入力規則」をクリック
3. ダイアログが開いたら「設定」タブを確認
ここで「入力値の種類」を「リスト」にすると、セルにドロップダウンリストを作れます。
入力の範囲やソースを指定して、使いたい選択肢を登録しましょう。
2. 複数のセルに同じドロップダウンを設定する
同じドロップダウンリストを複数のセルで使いたい場合は、対象セルをまとめて選択してから入力規則を設定すると、一度に設定が完了します。後から設定をコピーすることもできますが、最初からまとめて指定すると効率的です。

以前、私は一つのセルに設定してから他のセルへコピーしていたのですが、大量のセルを扱う際には最初から範囲選択しておく方が手間が省けました。
色を付けるための条件付き書式の基本
ドロップダウンを作成したら、次はいよいよ色分けの設定です。Mac版Excelのポイントは、条件付き書式のルールを「クラシック」表示に切り替える必要がある点です。これをしないままだと、数式を使った柔軟な設定ができません。
条件付き書式の「クラシック」スタイル切り替え
Mac版Excelでは、条件付き書式を新しく追加しようとすると、最初は簡易的なメニューのみが表示されることがあります。Windows版Excelでおなじみの「数式を使用して書式設定する」「特定の値を含むセルだけ書式設定する」といった細かいルール設定をしたい場合には、「スタイル」を「クラシック」に切り替えるのが必須です。
クラシックに切り替える手順
1. 「ホーム」タブのリボンから「条件付き書式」を選択
2. 「新しいルール」をクリック
3. ダイアログが出たら「スタイル」という項目を探す
4. ドロップダウンから「クラシック」を選択
この操作を行うと、Windows版の条件付き書式とほぼ同じルール一覧が使えるようになります。最初にこの切り替えをしないと、数式を使った書式設定や、細かい条件の指定ができないので注意しましょう。
数式を使った色分けの設定方法
ドロップダウンの選択肢に合わせて色を変える場合、最も自由度が高いのは「数式を使用して書式設定する」という方法です。たとえば、セルE4に設定したドロップダウンが「complete」という文字列を含んでいる場合に背景色を緑にしたいときには、以下のような数式を使います。
具体的な手順
1. 対象セルを選択
ドロップダウンリストが設定されているセルや、同様のルールで書式設定したいセルをまとめて選んでおきます。
2. 新しいルールのダイアログを表示
1. 「ホーム」タブ →「条件付き書式」
2. 「新しいルール」
3. スタイルを「クラシック」に変更
3. 数式を入力
「数式を使用して書式設定する」を選択したら、以下のように数式を入れます。
=E4="complete"
このように指定すると、E4のセルの値が「complete」だったときに条件を満たすという意味になります。
4. 書式を指定
書式のボタンを押して、セルの塗りつぶし色や文字色を設定しましょう。たとえば背景色を薄い緑色、文字色を濃い緑色にすると視認性が高くなります。好みの色を選んだら「OK」でダイアログを閉じ、ルールの作成も「OK」で確定させます。



私の場合は、完了を示す項目を緑色、進行中を黄色、未着手を赤色に分けることでスケジュール管理を視覚的に分かりやすくしました。
指定した文字列を含む場合のみ色を変える方法
「数式を使用する」以外の設定方法として、「セルの値が~の場合のみ書式設定する」というルールを使う方法もあります。このときも「スタイル」を「クラシック」に切り替えておくのがポイントです。
手順の流れ
1. 新しいルールで「クラシック」を選択
条件付き書式のダイアログで、「新しいルール」から「クラシック」を選びましょう。
2. 特定の文字列を含むセルだけ書式設定
ルールの種類を示す部分で「次の値を含むセルのみを書式設定する」を選択します。プルダウンで「特定の文字列」「含む」を設定し、文字列欄に「complete」などのキーワードを入力します。
3. 書式を指定
背景色や文字色を設定し、「OK」で確定します。
この方法だと数式より手軽に設定できるので、文字列一致で色分けしたい場合は便利です。
実際に使える色分けの事例
タスク管理表や在庫管理表などで、ドロップダウンに合わせてセルを色分けすると便利です。ここではいくつかの事例を紹介します。
タスク管理表での色分け
1. Complete / In Progress / Not Started
タスク管理では、タスクの状態をドロップダウンで指定し、それに合わせて色分けすると一覧性が高まります。以下のような表を作り、状態欄にドロップダウンを設定すると便利です。
タスク | 担当者 | 状態 | 期限 |
---|---|---|---|
資料作成 | 山田 | Complete | 3/15 |
データ分析 | 佐藤 | In Progress | 3/20 |
最終チェック | 田中 | Not Started | 3/25 |
ドロップダウンのセル(上の例では状態欄)に対して「Completeなら背景を緑」「In Progressなら背景を黄色」「Not Startedなら背景を赤」というふうに3つの条件付き書式を設定しておくと、一目で進捗状況が把握しやすいです。



私はこれでチーム管理を楽にしました。メンバーも「完了報告はCompleteを選ぶだけ」で済むので好評です。
2. 期限間近や遅延の状態も色付けしたい場合
タスク管理表では「今日から何日以上経過しているか」など、数式を使って動的にセルの色を変化させるケースもあります。例えば期限が近づいたタスクを強調表示するには、「期限セル – TODAY() < 2」などの数式を条件に設定しておくと便利です。Mac版でもクラシック表示に切り替えて数式を書けば問題ありません。
Excel Online (Mac) での注意点
Microsoft 365(旧Office 365)のWeb版ExcelをMacで使っている場合は、デスクトップアプリ版に比べて機能が制限されていることがあります。特に条件付き書式に関しては、細かいルール設定がサポートされていない場合もあるため、思うように色分けができないことがあります。
機能制限を回避するポイント
1. デスクトップアプリ版で設定する
もしライセンスがあるなら、Mac用デスクトップアプリのExcelをインストールし、そちらで条件付き書式を設定しましょう。Web版で表示だけ行うなら、それほど問題はないかもしれませんが、編集となると機能制限でできない操作が多いです。
2. バージョンを最新に保つ
Web版でも徐々に機能アップデートが行われています。頻繁にバージョンアップがかかるため、公式のアップデート情報を確認しておくと、新しい機能が追加されている可能性があります。
Mac版Excelのバージョン違いによる操作画面の相違
Mac版Excelは、OfficeのアップデートやOSのバージョンによって、UIに微妙な変化がある場合があります。昔のバージョンでは「新しいルール」ボタンの表示位置が違ったり、条件付き書式のダイアログが分かりにくかったりします。
バージョン確認のすすめ
「Excel」メニューから「Excel について」を選択すると、現在使っているバージョンと更新情報を確認できます。もし条件付き書式のメニューが見当たらない、あるいはクラシック切り替えが表示されないなどの場合は、バージョンが古い可能性もあります。アップデートできるなら、早めに最新バージョンへ更新しておきましょう。



私が使っている環境はmacOS Venturaで、Office 365版Excelを常に最新に保っています。アップデート後は、UIも改善されてより分かりやすくなりました。
トラブルシューティングと小技
色分けがうまくいかない場合や、ドロップダウンが正常に機能しない場合の原因と対処法をまとめます。
条件付き書式が効かないとき
1. 適用範囲の設定ミス
ルールを作った際に、適用範囲が狭かったり、ずれたセルを指定していると色が反映されません。ダイアログで「適用先」の範囲を必ず確認しましょう。
2. 文字列のスペルや大文字小文字の違い
Mac版Excelも文字列の一致判定はWindows版同様に厳密です。半角スペースや大文字小文字の違いがあると条件が成立しないことがあります。困ったときはセル内の文字をコピーして、そのまま数式の中に貼り付けるなどして確認しましょう。
=TRIM(E4)="complete"
上記のようにTRIM関数でスペースを除去する書式にしておく方法もあります。
ドロップダウンが表示されないとき
1. 入力規則が削除されている可能性
たとえば別のシートからコピー&ペーストしたときに、入力規則が失われてしまう場合があります。再度「データの入力規則」画面を確認し、設定が残っているかチェックしてください。
2. テーブル化やフィルターとの干渉
Excelの「テーブル機能」や「フィルター機能」を併用していると、ドロップダウンのセル範囲がずれるケースがあります。テーブルの拡張を行った際にも入力規則の適用範囲が変わることがあるので要注意です。
まとめ:Mac版Excelでもドロップダウンの色分けは可能
ここまで紹介してきた通り、Mac版Excelでのドロップダウン色分けは「クラシック」に切り替えるのがポイントです。Windows版に慣れていると、最初は「どこにあるのだろう」と戸惑うかもしれませんが、一度場所を覚えてしまえば操作はさほど難しくありません。ドロップダウンを活用してタスクのステータス管理や在庫チェックを効率化し、色分けの視覚効果で見やすさを向上させてみてください。



私も最初は検索しまくりで苦労しましたが、今ではMac版Excelでも迷わずに条件付き書式を設定できるようになりました。ほんのちょっとした慣れの問題ですね。
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