Excel for Mac (Microsoft 365)を使っていると、突然Visual Basicランタイムエラー1004が出てしまい困惑したことはありませんか?私は以前、AdobeのAcrobatアドインが原因でこのエラーに悩まされた経験があります。本記事では、解消方法や体験談を交えながら具体的に解説します。
Excel for Mac 365で生じるランタイムエラー1004の背景
MacでExcelを起動した際やブックを開こうとしたときに「Visual Basic for Applications Run-time error ‘1004’: Method ‘Name’ of object ‘Addin’ failed.」というメッセージが表示されると、一瞬何が起きたのか分からず不安になるかもしれません。特に作業が立て込んでいるときにこのエラーが出ると、「このまま仕事に支障が出ないだろうか」と焦ってしまうこともあるでしょう。
アップデートの影響
ここ最近のMicrosoft 365向けの更新でExcelのバージョンが16.89以降にアップグレードされたタイミングから、このエラー報告が増えたという声があちこちで聞かれます。私自身も特に環境を大幅に変更した覚えはないのに、ある日突然エラーが発生して戸惑った覚えがあります。多くのユーザーが同じタイミングで似た症状を訴えていることから、Excelのアップデートが一つの引き金になっていることは間違いないようです。
Adobe Acrobat用アドインの存在
エラー発生時に調べてみると、アドインの管理画面に「Acrobatexceladdin」という名前のプラグインが存在し、それを無効化するとエラーが消えるとの情報が多々ありました。実際に私の環境でも、Adobe AcrobatをインストールしていてExcel連携機能が自動的に入っていたことが分かりました。これが何らかの形で新しいバージョンのExcel側の仕様と合わなくなっている可能性が高いようです。
エラーを解消するための具体的な方法
実際にこのエラーを解決したい場合、最もシンプルな対処法としては「Acrobatexceladdin」を無効化または削除することが挙げられます。手順自体は難しくはありませんが、Mac版Excelでのアドイン管理に慣れていない方は最初どこを探せばいいのか戸惑うかもしれません。
アドイン管理画面へアクセス
Excelの上部メニュー「Tools(ツール)」から「Excel Add-ins」を選択すると、インストールされているアドインの一覧を見ることができます。Windows版のExcelと比べると微妙にメニューの場所が異なるため、Macで初めてアドインを扱う方は注意が必要です。以下に大まかな流れをまとめる表を用意しました。
操作 | 画面 |
---|---|
1. Excelを起動 | 通常のExcelホーム画面が表示される |
2. 上部メニュー「Tools」をクリック | プルダウンから「Excel Add-ins」を選択 |
3. アドイン一覧を確認 | Acrobatexceladdinがチェックされているか確認 |
4. 該当アドインを無効化 | チェックを外してOKを押す |
5. Excel再起動 | Visual Basicランタイムエラー1004が消える可能性大 |
Acrobatexceladdinが見当たらない場合
Tools → Excel Add-insの画面を開いてもAcrobatexceladdinが見つからないというケースもあります。その場合、すでに他のアプリケーションやアドインとの相性が変化しているか、別の場所に格納されているプラグインが影響している可能性があります。少し手間ではありますが、Insert → アドイン → My Add-ins の画面や、Adobe Acrobatの環境設定などを探してみると、思わぬところに追加モジュールが紛れ込んでいるかもしれません。

私はAcrobatインストール後にどんな連携が入ったかを意識していなかったので、エラーが出たときは別の原因を疑って時間を無駄にしてしまいました。アドインは知らないうちに追加されることもあるので要注意です。
アドインを無効化するメリットとデメリット
アドインをオフにするのが手っ取り早い対策ですが、念のためメリットとデメリットを整理すると状況がより分かりやすくなるかもしれません。
メリット
デメリット
再インストールは必要なのか
Excelに不具合が起きると、つい「再インストールしないと直らないのでは」と不安になるかもしれません。しかし多くのユーザーの報告や私自身の経験から見るに、Adobe Acrobat用アドインの無効化だけで問題が解決するケースが多いようです。再インストールとなると、Office全体を一度削除してApp StoreやMicrosoft公式サイトからダウンロードし直す必要があり、時間も手間もかかります。それを考えると、まずはアドインを無効化して様子を見るのが賢明でしょう。
再インストールを行うケース
すでにアドインを無効化しても症状が改善しない、あるいはExcel自体が別の不具合を抱えていると感じた場合には、再インストールを検討する価値があります。アンインストールの手順はMacの場合「アプリケーション」フォルダからOffice関連を削除し、その後ライブラリフォルダ内のOffice関連ファイルも整理する必要があるため、慣れていない人にとっては少しハードルが高い作業です。
再インストール時の注意点
再インストールしても、結局Adobe Acrobatのアドインが再度読み込まれれば同じエラーが再発する可能性があります。そのため、Officeをクリーンに再導入した後は、Acrobatとの連携機能をよく確認し、再度アドインが導入されていないかをチェックしておくことが重要です。
Microsoftへの報告と今後の見通し
Microsoftの公式サポートに問い合わせると、「Stack Overflowや専門コミュニティを利用してみてください」といった案内があるだけで、明確な修正時期を公表していないケースも多いです。もちろん、公式コミュニティにバグレポートとして投稿し、多くのユーザーの共通課題であることを示せば修正対応が早まる可能性はあります。しかし実際のところ、この手のアドイン絡みの不具合はMicrosoftとAdobe双方の調整が必要で、どちらが主導して対応するかによってスピードが変わる印象もあります。
開発チームにアピールする方法
Stack OverflowやMicrosoft Q&Aなどのコミュニティサイトは、開発チームのエンジニアが直接閲覧していることもあります。特に海外のユーザーからのフィードバックが集まりやすいので、英語で報告すると回答を得やすいかもしれません。実際に私がQ&Aサイトで質問をしたところ、同じ問題を抱えているユーザーと情報交換ができ、アドインのバージョンや競合する可能性のある他のソフト情報を共有できたことがあります。
バグ報告時のポイント
どのような手順でエラーが再現するのか、どのバージョンのExcelとAcrobatを使っているのか、MacのOSバージョンは何か、といった情報を具体的に書くことで、回答者やMicrosoftの開発者が問題を特定しやすくなります。



私はフィードバック時に、スクリーンキャプチャやコンソールログの抜粋を貼り付けたところ、サポート担当者の理解が早まり、具体的なヒアリングにつながりました。やはり詳細な情報は助けになります。
具体的なアドイン削除方法のコード例
ここでは応急処置として、アドインの関連ファイルを探して削除またはリネームする方法の一例を示します。Macでの操作になりますが、状況によってはターミナルを活用してアドインを消去する方法もあります。
ターミナルを使ったアドイン削除例
もしFinder上では見つからないアドインが存在する場合、下記のようにターミナルを使って該当するアドインファイルを検索し、無効化することができるケースもあります。
cd /Users/ユーザー名/Library/Group Containers/UBF8T346G9.Office/ユーザー設定のパス
mv Acrobatexceladdin.xll Acrobatexceladdin_backup.xll
上記はあくまで一例であり、Acrobatのバージョンやシステム環境によってパスが異なることがあります。誤った場所を操作すると別のファイルを破損するリスクもあるため、慣れていない方は自己責任で慎重に行う必要があります。
削除前のバックアップ
アドインファイルを削除または移動する前には、万が一のためにバックアップを取っておくことをおすすめします。特に業務で使うMacの場合、何らかの拍子でExcelやAcrobatの他の機能にも影響が出る可能性を考慮するとなおさらです。
Macの環境依存や他のアドインとの競合
Excel for Macの環境は、M1/M2チップ対応の新しいMacやIntelベースの旧型Macなど多岐にわたります。環境によってはエラーが再現しやすかったり、まったく問題なく動作したりと差が出ることもあるようです。また、Adobe以外にも複数のアドインを使っている場合、複数のプラグイン同士が干渉しあってエラーが発生している可能性も否定できません。
Officeスイート全体の整合性
Excelだけでなく、WordやPowerPointに影響を及ぼすアドインも存在します。仮にAcrobat連携のプラグインがWordやPowerPointにも導入されているなら、同様の不具合が起きる可能性があります。Officeのアップデートは同期的に行われることが多いので、同じバージョンのタイミングで何らかの競合が発生しているのかもしれません。
周辺ソフトウェアとの関連
アンチウイルスソフトやバックアップソフト、クラウドストレージサービスなどがExcelの動作をフックしている場合もあります。Macでの代表例としてTime MachineやiCloud Driveがあり、これらがファイル書き込み・読み込みのタイミングに干渉することもあるようです。アドインエラーが頻発する環境では、単にAcrobatだけを疑うのではなく周辺ソフトとの連動も確認すると良いでしょう。
まとめと今後の対処方針
Excel for Mac 365におけるVisual Basicランタイムエラー1004は、Adobe Acrobat用アドインが原因として有力です。アドインを無効化するだけで解決するケースが多いため、まずはツールメニューからExcel Add-insを開いてAcrobatexceladdinのチェックを外してみてください。エラーが消えれば、ほぼ間違いなくこのアドインとの競合が原因だったといえます。
長期的な視点
アドインをオフにしてしまうと、Adobe製品との連携機能を十分に活用できなくなる可能性があります。これらの機能が必要な人にとっては、一時しのぎに過ぎないと感じるかもしれません。しかし現状では、Microsoft側からもAdobe側からも明確な修正時期は公表されておらず、ユーザーはできる範囲での自衛策を取らざるを得ない状況にあります。こまめにアップデート情報をチェックし、必要に応じてレポートを上げ続けることで、問題解決へのアプローチが早まるかもしれません。
私の体験談
私の場合、アドイン無効化で即エラーが消え、その後は特にトラブルなくExcelを使えています。ただ、AcrobatでPDF変換をする際などにシームレスな操作ができなくなるデメリットを少し感じます。とはいえ、エラーが出続けてストレスを抱えるよりは、必要な時だけアドインを有効にする運用でバランスを取っています。



日常的にAcrobatとExcelをフル連携させる業務では厄介な状況ですが、今後のアップデートで改善されることを期待しています。もし正式に修正パッチが出たら、再度アドインを有効にしてみて挙動を確認する予定です。
結論
Excel for Mac 365のランタイムエラー1004は、多くの場合Adobe Acrobatが提供しているExcelアドインの競合に起因します。まずはアドインをオフにすることでエラーが解決するかを試し、それでも解決しない場合は再インストールやサポートへの問い合わせを検討してください。この記事で紹介した手順や体験談が、少しでもトラブルシューティングの助けになれば幸いです。
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