ExcelでMicrosoft Queryが消えた時の復活方法と今後の対策

導入文:
ExcelのメニューからMicrosoft Queryが突然消えてしまうと、あれ?と戸惑ってしまいますよね。私も、いつもの手順で新規クエリを作成しようとしたら「ない!」と焦った経験があります。ここでは、Microsoft Queryオプションが表示されなくなった原因や、レガシウィザードの有効化、バージョンロールバック、さらにはPower Queryへの移行など、さまざまな観点から解決策をまとめました。もし似たような状況でお困りでしたら、ぜひ参考にしてみてください。

ExcelでMicrosoft Queryオプションが消える原因は何?

Excelの「データの取得(Get Data)」から「その他のソース(From Other Sources)」へ進んでも、以前のバージョンで存在していたはずのMicrosoft Queryオプションが見当たらない。そんな事態に直面すると、まず疑問に思うのは「なぜ急に消えてしまったのか」という点です。ここでは、この現象が起こる背景と、その原因となりそうな要素を紐解いていきます。

Microsoft Queryとは何か

Microsoft Queryは、データベースなど外部ソースへの接続やSQLクエリを通じてデータを取得・加工できるExcelの機能です。かつては「データの取得」メニューの一角を担っており、AccessやSQL Server、さらにはテキストファイルなどへ直接クエリを発行することで、欲しいデータだけを抽出できる便利な存在でした。データ分析がメイン業務の方なら、一度はこの機能に助けられたことがあるのではないでしょうか。

いつの間にかオプションが表示されなくなるケース

私自身が最初に経験したのは、Excelを最新バージョンにアップデートした直後でした。いつも通り「その他のソースから」メニューを開こうとしたところ、Microsoft Queryがメニューから忽然と消えてしまったのです。インターネット上でも類似の報告があり、Officeのバージョン更新や64ビット版Excelへの移行、さらにはPower Queryの普及が影響しているとも言われています。

Officeアップデートの影響か

Microsoft Queryの消失についてよく聞くのが「Officeアップデート」後に発生したという事例です。特にMicrosoft 365を利用している場合、常に最新機能や修正パッチが適用されます。その際、意図せず旧機能が非表示になったり、操作フローがガラッと変わったりすることがままあるのです。

64ビット版OfficeやPower BI Desktopとの関連

「64ビット版Officeに切り替えたらMicrosoft Queryが消えた」という声も少なくありません。さらに、Power BI Desktopなどの最新分析ツールをインストールしたことがきっかけで、Excel側の設定が上書きされてしまうケースもあります。これらの競合が原因でメニューが非表示になる場合もあるので、環境の変更を行ったタイミングを振り返ることが大切です。

以前、会社のPCにPower QueryアドインとPower BI Desktopをまとめて入れたら、気づかぬうちにMicrosoft Queryが消えていました。原因がわからず大慌てでしたが、後から考えるとアップデートと競合のタイミングが重なってしまったようです。

レガシウィザードを有効にしてMicrosoft Queryを取り戻す

多くの場合、消えたMicrosoft Queryを手軽に復活させる方法として「レガシウィザード(Legacy Wizard)を有効にする」という手段が挙げられます。これはExcelのオプション設定で、従来から利用できていた機能を引き続き使えるようにするための項目をオンにするものです。

有効化の手順

Excelを起動し、上部メニューの「ファイル」をクリックして「オプション」を開きます。次に左側メニューから「データ」を選択すると、「レガシウィザードからのデータ取得を有効にする」といったチェック項目があるはずです。この項目にチェックを入れれば、再度「データの取得(Get Data)」メニューにMicrosoft Queryを含むレガシウィザードが表示されるようになります。

1. Excelの「ファイル」タブ → 「オプション」
2. 左メニューから「データ」を選択
3. 「レガシウィザードからのデータ取得を有効にする」のチェックをオン
4. 「OK」をクリックし、Excelを再起動
5. 「データの取得」→「レガシウィザード」→「Microsoft Query」が表示されるか確認

うまく表示されない場合の対処

人によっては、この設定をオンにしてもメニューが見つからない、あるいはExcelがクラッシュしてしまうなど、思いもよらないトラブルに遭遇することがあります。その場合は、以下を試してみましょう。

ExcelやOfficeの修復

コントロールパネルやMicrosoft 365アプリの管理画面でOfficeの修復を実行すると、Excel自体の問題が解消されるケースがあります。クイック修復、オンライン修復の2種類があるので、状況に応じて使い分けましょう。

アドインの有効化を再確認

また、外部アドインや自分で追加したツールが競合している可能性も捨てきれません。アドインの一覧を確認し、不要なものや動作が怪しいものを一時的に無効化してから再度試してみると、問題が改善されることがあります。

レガシウィザードを有効にすれば、従来通りのMicrosoft Queryにすぐアクセスできます。

バージョンロールバックで解決することも

どうしてもメニューが復活しない、あるいはレガシウィザードを有効にしても不安定な場合は、Officeのバージョンを一時的にロールバックする方法があります。ただし、この方法には注意が必要です。

バージョンロールバックの概要

Microsoft 365やOffice 365では、自動更新によって常に最新の機能やセキュリティ修正が適用されます。しかし、管理者権限やIT部門の協力がある場合に限り、過去の安定していたバージョンに戻せることがあります。バージョンロールバックを実施すると、Microsoft Queryが再び正常に動作した、という報告もあります。

セキュリティリスクへの対処

ロールバックはセキュリティ修正も過去の状態に戻してしまいます。そのため、IT部門などと充分に協議し、リスクを承知したうえで実施することが大切です。ロールバック後は、再度必要なパッチを適用できるかなども考慮しなければなりません。

バージョンを戻すということは、最新のセキュリティパッチを適用しないリスクも伴います。中長期的には好ましくありません。

Microsoftサポートへの問い合わせと正式対応

特に企業ユーザーや組織でMicrosoft 365を利用している場合、IT部門がMicrosoft 365管理センターからサポートチケットを発行できます。Microsoft公式サポートを通じて不具合として報告することで、正式な修正パッチが提供される可能性もあります。

問い合わせ時のポイント

Excelのバージョン情報、発生している現象の詳細、エラーメッセージが表示される場合はスクリーンショットなど、できるだけ具体的な情報をまとめておくとやり取りがスムーズです。サポート担当者とのコミュニケーションも円滑になり、問題解決までの時間が短縮されることが多いです。

私の会社ではチケットを切って解決するまでに1週間ほどかかりましたが、結果的に公式の修正パッチを適用して以降はトラブルが再発していません。

既存クエリを活かすor Power Queryへ移行する?

Microsoft Queryが突然消えてしまっても、既存のクエリで作業している方は、まだ編集できる場合が多いようです。新規作成だけが不可能になるケースが多いため、既存クエリを使い回して運用している企業もあります。では今後、レガシ機能を使い続けるか、もしくはPower Queryに完全移行するか、その判断はどのように行えばよいのでしょうか。

Microsoft Queryを使い続けるメリット

レガシウィザードを有効にすれば、これまでの手順を変えずに済むため、導入コストを抑えられます。長年使ってきたクエリをそのまま流用できるため、担当者の再学習コストが少なく、業務フローに大きな影響を与えません。

既存のクエリ資産を維持できるのは大きな利点です。短期的には、慣れた方法を使い続けるほうが効率的なこともあります。

Power Query移行のススメ

一方、Microsoftが主力としているのはPower Queryです。Power QueryはGUIが使いやすく、ETL(Extract, Transform, Load)プロセスを視覚的に管理できます。また、Power BIとの連携もスムーズで、高度なデータ分析やレポート作成を行う場合には非常に便利です。

コーディング不要の操作感

Microsoft QueryはSQLコードを手打ちする場面が多いのに対して、Power Queryは基本的にGUIベースで操作できます。フィルタリングや列の削除、集計などの手順が可視化され、後から修正もしやすい点が特長です。

アップデートで成熟していく機能

Power QueryはExcel、Power BIのいずれでも積極的に強化されています。Microsoft Queryがレガシ機能扱いになりつつあるのに対し、Power Queryは将来も継続してサポートされる見通しが高いです。今後の安定性や拡張性を考えると、早めに移行に着手しておくのが得策といえるでしょう。

新しいツールの操作を覚える必要があるため、短期的には学習コストがかかることはデメリットといえます。

主な対処法の比較表

ここまで紹介してきた「レガシウィザードの有効化」「バージョンロールバック」「サポートへの問い合わせ」「Power Queryへの移行」などをまとめてみました。どの方法が自分の環境にとってベストなのか、整理して検討してみてください。

┌─────────────────┬──────────────────────────────────────────────────────┐
│ 対処法                  │ 特徴                                                 │
├─────────────────┼──────────────────────────────────────────────────────┤
│ レガシウィザード有効化   │ - 設定でチェックを入れるだけで簡単に復活                │
│                         │ - 既存クエリがそのまま使用可能                          │
├─────────────────┼──────────────────────────────────────────────────────┤
│ バージョンロールバック   │ - 古い安定版に戻すことで解消する可能性がある            │
│                         │ - セキュリティリスクや管理コストが高い                  │
├─────────────────┼──────────────────────────────────────────────────────┤
│ サポートへの問い合わせ   │ - 正式な修正パッチを提供してもらえる場合がある          │
│                         │ - 時間がかかる場合がある                               │
├─────────────────┼──────────────────────────────────────────────────────┤
│ Power Queryへの移行      │ - GUI操作で高度なデータ取り込みが可能                  │
│                         │ - 学習コストがかかるが、将来性が高い                    │
└─────────────────┴──────────────────────────────────────────────────────┘

トラブルシューティングのポイント

Microsoft Queryが消える原因や状況は人それぞれ異なるため、最終的には自分の環境や組織のルールに合わせた対処が求められます。あらためてトラブルシューティングのポイントを整理してみましょう。

1. レガシ設定のチェック

最初に確認したいのは「Excelオプション」→「データ」にあるレガシウィザードの設定です。これがオフになっていないか再度チェックするだけで問題が解決するケースが多々あります。

2. アドインの見直し

思わぬ競合を引き起こしているアドインがないか確認しましょう。一時的に無効化し、Excelを再起動して問題が解消するかどうか試してみると良いです。

3. バージョン情報の把握

ExcelおよびOffice全体のバージョン情報を必ず把握しておきましょう。更新日時やバージョン履歴を確認することで、いつから不具合が発生したのかを正確に特定しやすくなります。

4. 公式サポートと連携

自力で解決が難しい場合や、組織内での影響が大きい場合は、正式にサポートに連絡し、チケットを発行してもらいましょう。トラブルが起きた際の導線をあらかじめ作っておけば、慌てず対応できます。

私が経験したケースでは、Power Queryアドインとの競合が原因でした。アドインを全部オフにして順番に有効化し、原因特定したらすんなりレガシウィザードが表示されました。

実際にあった事例とその解決ストーリー

ここでは、私自身や周囲の人から聞いた実例を交えながら、いくつかのケーススタディを紹介します。実際のところ、環境やバージョンによって対処法も変わってくるので、ぜひ参考にしてみてください。

ケース1:Officeの自動更新直後にメニューが消えた

ある日、Excelを開いてみると「Microsoft Query」がなくなっていたAさんの例です。事前に何の通知もなくOfficeが自動更新されており、メニューの表示設定が変わっていたことが判明。Excel「ファイル」→「オプション」→「データ」でレガシ設定をオンにすると、メニューが復活し従来のクエリが問題なく使えたとのことです。

ケース2:64ビット版Excelへ切り替えた途端にクラッシュ

Bさんは32ビット版から64ビット版への移行に合わせて、外部データソースも同時に切り替えました。結果、Microsoft Queryのメニューが見当たらず、さらに手動で設定をオンにしてもExcelがクラッシュするトラブルが連発。そこで、いったん64ビット版をアンインストールし、32ビット版を再インストールしたところ、症状が収まったという事例です。最終的に、再度64ビット版をクリーンインストールして設定し直したら問題なく動作したそうです。

ケース3:業務で愛用していたがPower Queryへ移行

Cさんの会社では、Microsoft Queryを長年使用していてクエリの数も非常に多かったそうです。しかし、最新のアップデートで頻繁に消えたりクラッシュしたりするため、思い切ってPower Queryに移行を決断。移行初期は慣れない操作に戸惑ったものの、使いこなせるようになるとExcelだけでなくPower BIとも連携がしやすく、結果的にデータ分析効率が大幅にアップしたと聞いています。

移行後はクエリの視覚的な管理ができるようになり、SQLの知識が浅いメンバーでも対応しやすくなったそうです。

今後の展望と対策まとめ

Microsoft Queryは便利な機能ですが、現状ではレガシ機能として扱われる傾向があります。最新バージョンのExcel環境では、設定をしないとメニューに表示されない、あるいは表示されても不安定なケースがあることは否めません。対策としては、大きく以下の二択が考えられるでしょう。

1. レガシウィザードを使い続ける

主に既存クエリを多く抱えているユーザーや、大きく業務フローを変えられない事情がある場合は、レガシウィザードをオプションで有効にして従来のMicrosoft Queryを維持しながら使い続ける方法を検討する価値があります。

2. Power Queryを習得して移行する

Power Queryの操作に慣れれば、GUIによる直感的な操作が可能になり、クエリの管理や後からの修正もしやすくなります。将来的にもサポートが続く可能性が高く、大規模なデータ分析にも向いているため、長い目で見れば移行を視野に入れておくことがおすすめです。

短期的にはレガシ機能を利用してでも作業を続けるのも一つの手ですが、いつ正式にサポート終了になるかは分からないのが不安要素ですね。

まとめ

Microsoft Queryオプションが消えた場合、まずはExcelのオプションでレガシウィザードを有効にし、メニューが復活するか確認してみましょう。それでも解決しない場合は、バージョンロールバックやサポートへの問い合わせを行うことも有効です。さらに、将来的にはPower Queryなどの新しいツールに移行することで、より安定したデータ取得や分析が可能になるかもしれません。

何より大事なのは、問題が起きた時に慌てず対処法を知っていることです。このような不具合が頻発する場合は、社内のIT部門やMicrosoftサポートと連携して根本的な解決策を探るのが得策でしょう。今後のアップデートでMicrosoft Queryが完全に廃止される可能性もゼロではありません。これを機会に、Power Queryや他のデータ連携ツールへステップアップしてみるのも一つの選択肢です。ぜひ、あなたの環境に合った方法でExcelを使いやすく保ってください。

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