Excel 365で「Author would like you to open [filename] read-only…」を解除する徹底ガイド

Excel 365でファイルを開くたびに「Author would like you to open [filename] read-only . . .」というメッセージが表示されてしまうと、ちょっとした作業でも煩わしさを感じてしまいますよね。何度も警告が出ると気持ちも萎えがちです。しかし、原因をしっかり理解して対策を取ることで、意外とあっさり解消できるケースは多いもの。本記事では、設定見直しのポイントや隠れた原因を分かりやすく整理しながら、Excel 365(Windows 11環境)の「読み取り専用」メッセージを解除するための具体的なノウハウを余すことなくご紹介します。ぜひ最後まで読んで、スムーズなExcelライフを取り戻してみてください。

「Author would like you to open [filename] read-only . . .」メッセージの概要

このメッセージは、他のユーザーが「読み取り専用を推奨する」などの設定をした状態で保存したファイルを開こうとしたときに表示されることが多いです。また、単なる読み取り専用属性だけでなく、ファイル保護やトラストセンターの影響、ネットワークドライブ上の権限問題など、複数の要因が重なっている場合もあります。

なぜ表示されるのか?

「読み取り専用を推奨する」設定が有効になっていたり、Excelのブックの保護機能が働いていたりすることで、開いた瞬間にファイルが変更不可の状態(または変更不可を推奨される状態)になってしまいます。とくに会社やチームでファイルを共有している場合は、誤編集を防ぐ目的で意図的に設定されているケースもあるでしょう。

ネットワーク環境による影響

社内のネットワークドライブやクラウドストレージ(OneDrive、SharePointなど)上でファイルを扱うとき、読み取り専用属性やファイルのロックが解除されないこともあります。アクセス権の管理や、複数ユーザーが同時にファイルを開いている状況では、思わぬタイミングで読み取り専用が継続してしまうこともあるのです。

よくある原因と対処法

ここでは、実際によく起こりうる原因と、対処法の具体例をまとめました。複合的な要因がある場合も多いので、ひとつずつチェックしてみてください。

原因1:ファイルの保護が解除されていない

Excelには「ブックの保護」「シートの保護」「最終版に設定」など、さまざまな保護機能があります。これらの機能が有効になっていると、ファイルを開いた時点で読み取り専用を推奨するダイアログが表示されることがあります。

対処法

  • 保護の確認と解除
  1. Excelで問題のファイルを開きます。
  2. [ファイル] → [情報] に移動し、「ブックの保護」や「最終版としてマーク」などの項目を確認します。
  3. 保護が有効になっていたらオフにするか、最終版の設定を解除します。
  • シート保護の解除
  1. [校閲] タブ → [シート保護の解除] をクリック(パスワードが設定されている場合は入力が必要)
  2. 複数のシートに保護がかかっている場合は、ひとつずつ解除します。

上記の操作を行ったうえで再度ファイルを保存して、Excelを開き直すとメッセージが表示されなくなるケースがあります。

原因2:「読み取り専用推奨」の設定が残っている

Excelのファイルを保存する際、「読み取り専用を推奨する」というチェックボックスをオンにしていると、次に開く人がそのファイルを開くときに警告が出ます。単純に読み取り専用属性を外すだけではなく、このオプションを明示的に外して再保存する必要があります。

対処法

  1. [ファイル] → [名前を付けて保存] を選択し、保存ダイアログを表示。
  2. ダイアログの右上付近にある[ツール] → [全般オプション]をクリック。
  3. 「読み取り専用を推奨する」のチェックが入っていれば外し、OKを押す。
  4. ファイルを再度保存して閉じる。

もし複数のファイルで同様の設定が行われている場合は、ひとつずつチェックを外して保存し直す必要があるので、作業の手間を把握しておきましょう。

原因3:ファイルのプロパティで読み取り専用になっている

Windowsのエクスプローラーからファイルを右クリックしてプロパティを確認すると、「読み取り専用」という属性がチェックされている場合があります。これは、Excelのオプションとは別のレイヤーで設定されるものです。

対処法

  1. Excelを閉じた状態でWindowsのエクスプローラーを開く。
  2. 当該ファイルを右クリック→[プロパティ] を選択。
  3. 「読み取り専用」のチェックが入っている場合は外す。
  4. 必要なら「すべてのサブフォルダーやファイルに適用」のようなオプションが出る場合がありますので、適宜選択する。

ネットワーク上のドライブやクラウド上のフォルダーの場合、属性の設定変更が管理者権限や共有フォルダー設定のポリシーによって制限されているケースもあります。その場合はIT部門やネットワーク管理者に相談して権限設定を見直してもらう必要があります。

原因4:アドインや外部ツールの影響

思わぬところで「読み取り専用」を強制しているのがアドインである、というケースも報告されています。特に企業向けのセキュリティ対策ツールや文書管理システムがExcelファイルの監視・制御を行っている場合、アクセス制限がかかることがあります。

対処法

  • 安全モードでExcelを起動して検証
  1. Excelを完全に終了する。
  2. キーボードの[Ctrl]キーを押しながらExcelを起動する。
  3. 「安全モード」で起動した場合、アドインが無効化されます。
  4. 問題のファイルを開いてみて、メッセージが表示されるか確認する。
  • アドインをひとつずつ無効にする
  1. 通常モードでExcelを起動し、[ファイル] → [オプション] → [アドイン]に進む。
  2. コミュニティアドイン、COMアドイン、分析ツールなどにチェックが入っている場合、一つずつ無効化してはExcelを再起動して挙動を確認。
  3. 原因となるアドインが特定できたら、そのアドインのアップデートや再インストール、あるいは別の手段を検討する。

原因5:トラストセンターの保護ビュー設定

Excelのトラストセンターには、インターネットや危険な場所と判断されたフォルダーからファイルを開く際に「保護ビュー」で開く設定があります。保護ビューは、悪意あるマクロやスクリプトを実行しないための安全策ですが、結果として「読み取り専用」扱いになる場面が少なくありません。

対処法

  1. [ファイル] → [オプション] → [トラストセンター] → [トラストセンターの設定] を開く。
  2. 左側のメニューから[保護ビュー]を選択し、以下の項目を確認。
  • インターネットから取得したファイルに対して保護ビューを有効にする
  • 安全でない場所にあるファイルに対して保護ビューを有効にする
  1. 必要に応じてチェックを外すなどの変更を加えてから、再度ファイルを開いてみる。

ただし、保護ビューを解除することはセキュリティリスクが高まることにつながります。一時的に原因を突き止めるためにオフにし、その後はセキュリティを重視した設定に戻すことをおすすめします。

具体的な解決手順のまとめ

上記の原因をまとめると、多くのケースで以下のステップを順番に試すことで解消できる可能性が高いです。

  1. ブックやシートの保護をオフにする
  • [ファイル] → [情報] から「ブックの保護」を解除。
  • [校閲] タブからシート保護が入っていないか確認。
  1. 「読み取り専用推奨」を外す
  • [ファイル] → [名前を付けて保存] → [ツール] → [全般オプション] で該当チェックを無効化。
  1. Windowsのファイルプロパティを確認
  • 読み取り専用属性がついていれば外す。
  • ネットワークフォルダーなら管理者権限を確認。
  1. アドインを安全モードで検証
  • Safeモードで問題が解消する場合、怪しいアドインをひとつずつ無効化。
  1. トラストセンターの保護ビュー設定を一時的に変更
  • 保護ビューが原因かどうかを切り分ける。

これらの手順をすべて実施して問題が解決しない場合は、企業独自のセキュリティソフトやファイル管理システムが影響している可能性があります。とくにファイルサーバーやSharePointを利用している環境では、IT部門に問い合わせて共有設定やドキュメントライブラリの権限を確認してもらうとよいでしょう。

ケース別の対処表

下の表では、代表的なケースと対処のポイントを一覧で示しています。ご自身の状況と照らし合わせながら問題点を切り分けるのにお役立てください。

ケース想定される原因対処のポイント
単に「読み取り専用を推奨」が有効保存時に誤ってチェックを入れた、または前任者が設定ファイル→名前を付けて保存→ツール→全般オプション から外す
社内ファイルサーバーでのアクセスアクセス権が読み取り専用になっている、ロックが解除されないネットワーク管理者と相談し、NTFS権限や共有権限の確認
トラストセンター保護ビューインターネットや安全でない場所と判断されるフォルダー一時的に保護ビューをオフにして原因を確認
アドインが強制的に読み取り専用を掛ける外部文書管理ツール、セキュリティソフトなど安全モードで検証し、問題発生のアドインを特定
シートやブックが保護されている意図的にロックをかけて保存されたファイル→情報 または校閲タブで保護を解除

トラブルシューティングの工夫:他のユーザーへの共有方法

社内やチームメンバーとの共有ファイルである場合、誰かが誤って「読み取り専用を推奨」オプションを付けて再保存している場合が多いです。そこで、ファイルそのものに意図しない保護をかけないよう、以下のような工夫をおすすめします。

共有ルールの明確化

  • 共有フォルダーに置くファイルは、作成や編集に関わるメンバーだけが直接触れるようにする。
  • 閲覧だけが必要なメンバーには、OneDriveやSharePointの「リンク共有(閲覧専用)」機能を使ってURLを渡す。
  • このように運用を整備することで、「読み取り専用にしておかないと危ないかも」と感じる人が減り、不必要な設定が施されるリスクも減らせます。

ファイル管理ソフトやクラウドサービスの活用

  • SharePointのバージョン管理機能を利用すると、誤った編集や削除があっても復元できるので、読み取り専用推奨の必要性が下がります。
  • TeamsやOneDriveとの連携で、多人数が同時編集できる環境を整えれば、ファイルを開くたびにロックがかかる問題を軽減できます。

実際にあった解決事例と裏事情

最後に、実際に「Author would like you to open [filename] read-only . . .」のメッセージが消えなくて悩まれていた方が、どのように解決されたのか、いくつかの事例と共に裏事情を紹介します。

事例1:最終版に設定されたファイルを共有フォルダーに保存していた

  • 状況:ユーザーAが社内研修用のExcel資料を「最終版」としてマークしたまま保存し、共有フォルダーにアップロード。ユーザーBが開くと「読み取り専用を推奨」というメッセージが毎回表示される。
  • 対処:ユーザーAが再度ファイルを開いて「最終版に設定」を解除し、上書き保存。するとユーザーBはメッセージなしで開けるように。

実は「最終版に設定」はPDF化の代わりに一時的に使っていただけだったそうで、本人は気付かないまま共有していたのが原因でした。

事例2:VBAマクロが影響してファイルを自動的に読み取り専用化していた

  • 状況:業務効率化のためにVBAを使って作成した請求書テンプレートで、「読み取り専用で開く」コードが仕込まれていた。作成者は引き継ぎが不十分だったため、その存在を忘れていた。
  • 対処:VBAコードを確認して、Workbook.OpenのイベントハンドラでReadOnly = Trueを指定している行をコメントアウト。その後ファイルを上書き保存し、メッセージが出なくなった。

VBAで自動化している現場では、意図しない挙動が起こることもあるので、記録しておくことが大切ですね。

事例3:オンラインストレージ側のバグで属性が再設定される

  • 状況:特定のクラウドストレージサービス(他社のオンラインストレージ)にアップロードすると、なぜかファイル属性が読み取り専用に変更されてしまう。ローカルにダウンロードしても再度アップすると属性が戻る。
  • 対処:ストレージサービス側のバグとして報告され、サービスのアップデートによって解消。仮回避としては、ダウンロード後にプロパティから読み取り専用を外し、別フォルダーにアップロードすることで回避していた。

こうしたケースではユーザー側が「何をやっても改善しない」となりがちですが、サービス提供元に問い合わせることで案外早く解決する場合もあります。

まとめ:トラブル解消のコツと今後の予防策

「Author would like you to open [filename] read-only . . .」とExcelで表示されると、一見するとファイルが壊れているのではと不安になりがちです。しかし、本記事で紹介したように、実際はファイルの保護設定や読み取り専用推奨、ネットワークやクラウドの権限が原因となっていることがほとんど。まずは保護やオプションの基本的な設定をチェックするところから始めてみると、解決の糸口が見つかりやすいでしょう。

また、他の人から渡されたExcelファイルや共同編集用のファイルの場合は、設定が意図的に行われている可能性もあるので、むやみに解除してよいかどうかは職場のルールやチームメンバーと相談して決める必要があります。セキュリティポリシーが厳しい企業の場合、決められた手順をきちんと踏んで問題を解消することが大切です。

これを機に、自分の環境だけでなく社内のファイル共有ルールやクラウド活用の是非も見直してみてください。常時読み取り専用が推奨される理由やメリット・デメリットを理解しておくと、不要な設定ミスやトラブルをぐっと減らせるはずです。快適なExcel作業環境を手に入れて、業務効率アップに役立てましょう。

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