Windows 11上でOffice 2021のExcelを使用している際に、データを保存して終了した後にExcelが勝手に再起動する現象が発生しているとの報告が増えています。この問題は、Excelの再インストールやOfficeのクイック・オンライン修復を試みても解決しないことが多いです。この記事では、Excelが勝手に再起動する問題に対する具体的な対策方法を詳しく解説します。
問題の概要
Excelが勝手に再起動する現象は、データを保存してExcelを終了した直後に自動的に再起動するというものです。この問題は、作業の中断やデータの損失などユーザーにとって大きなストレスとなります。また、再インストールや修復を試みても根本的な解決には至らないことが多く、その原因を特定し適切な対策を講じることが重要です。以下では、この問題の詳細と考えられる原因について説明します。
クリーンブートの実施方法
クリーンブートは、Windowsを最小限のドライバーとスタートアッププログラムで起動することで、他のソフトウェアが問題の原因であるかどうかを確認するための手順です。これにより、Excelが勝手に再起動する原因を特定しやすくなります。
クリーンブートの手順
- スタートメニューを開き、「msconfig」と入力してシステム構成ツールを起動します。
- 「サービス」タブをクリックし、「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックを入れます。次に「すべて無効」をクリックします。
- 「スタートアップ」タブに移動し、「タスクマネージャーを開く」をクリックします。
- タスクマネージャーでスタートアップ項目をすべて無効にします。
- システム構成ツールに戻り、「OK」をクリックしてコンピューターを再起動します。
クリーンブート後の確認
コンピューターが再起動したら、Excelを起動して問題が解決されたか確認します。もしExcelが正常に動作する場合、原因はスタートアッププログラムやサービスのいずれかにある可能性が高いです。この場合、システム構成ツールとタスクマネージャーを使って、無効にした項目を一つずつ有効にしていき、どの項目が問題を引き起こしているかを特定します。
サードパーティー製ウイルス対策ソフトウェアのアンインストール
サードパーティー製のウイルス対策ソフトウェアが原因でExcelが再起動する場合があります。これらのソフトウェアがExcelの動作を妨げている可能性があるため、一時的にアンインストールして問題が解決するか確認することが推奨されます。
ウイルス対策ソフトウェアのアンインストール手順
- スタートメニューを開き、「設定」を選択します。
- 「アプリ」をクリックし、「アプリと機能」を選択します。
- リストからお使いのウイルス対策ソフトウェアを見つけてクリックし、「アンインストール」を選択します。
- 画面の指示に従ってアンインストールを完了します。
アンインストール後の確認
ウイルス対策ソフトウェアをアンインストールした後、コンピューターを再起動してExcelを再度起動します。もし問題が解消された場合、ウイルス対策ソフトウェアが原因であることが確認されます。この場合、別のウイルス対策ソフトウェアを使用するか、ソフトウェアの設定を見直すことで問題を回避することができます。
新規ユーザーアカウントの作成方法
現在のユーザーアカウントに問題がある場合、新しいユーザーアカウントを作成してExcelを使用することで問題が解決することがあります。この手順は、ユーザーアカウントに関連する設定やデータが原因である可能性を排除するために有効です。
新規ユーザーアカウントの作成手順
- スタートメニューを開き、「設定」を選択します。
- 「アカウント」をクリックし、「家族とその他のユーザー」を選択します。
- 「その他のユーザーをこのPCに追加」をクリックします。
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」を選択し、次に「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」を選択します。
- 新しいユーザーアカウントのユーザー名とパスワードを入力し、「次へ」をクリックします。
新しいアカウントでの確認
新しいユーザーアカウントを作成したら、そのアカウントでWindowsにサインインします。次にExcelを起動し、問題が再現するか確認します。もし新しいアカウントで問題が発生しない場合、元のアカウントに何らかの問題があることが考えられます。この場合、元のアカウントの設定やデータを見直す必要があります。
システムファイルチェッカーツールの実行
システムファイルチェッカーツール(SFC)は、不足または破損しているシステムファイルを修復するためのツールです。Excelが勝手に再起動する問題は、システムファイルの破損によって引き起こされることがあります。
SFCの実行手順
- スタートメニューを開き、「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- コマンドプロンプトで次のコマンドを入力して、Enterキーを押します。
sfc /scannow
- システムファイルチェッカーがスキャンを開始し、不足または破損しているシステムファイルを自動的に修復します。このプロセスには数分かかることがあります。
SFC実行後の確認
スキャンが完了したら、コマンドプロンプトに修復の結果が表示されます。修復が成功した場合、コンピューターを再起動し、Excelを再度起動して問題が解決されたか確認します。もしSFCが問題を検出しなかった場合、または問題が解決しなかった場合は、次の手順に進みます。
Windowsの修復インストール
Windowsの修復インストールは、システム全体を修復するための方法です。これにより、破損しているファイルや設定を修正し、Excelの問題を解決できる可能性があります。
修復インストールの手順
- Windows 11のインストールメディアを作成します。
Microsoftの公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロードし、インストールメディアを作成します。 - インストールメディアを使用してコンピューターを起動します。
USBドライブやDVDを挿入し、コンピューターを再起動してインストールメディアから起動します。 - インストール画面で「今すぐインストール」を選択します。
インストールウィザードが表示されたら、「今すぐインストール」をクリックします。 - 「何を引き継ぎますか?」の画面で「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択します。
これにより、個人用ファイルやインストール済みのアプリが保持され、システムファイルだけが修復されます。 - インストールの手順に従い、インストールを完了します。
インストールプロセスが完了するまで待ちます。このプロセスには時間がかかることがあります。
修復インストール後の確認
修復インストールが完了したら、コンピューターを再起動し、Excelを再度起動して問題が解決されたか確認します。この手順により、システム全体のファイルや設定がリフレッシュされ、Excelの再起動問題が解消される可能性が高まります。
セーフモードでのExcel起動
セーフモードでOfficeアプリケーションを起動することで、問題が解消されるかどうかを確認することができます。セーフモードでは、Excelが最小限の機能で起動するため、通常の起動時に発生する問題を回避できる可能性があります。
Excelをセーフモードで起動する手順
- キーボードの「Ctrl」キーを押しながら、Excelのショートカットをクリックして起動します。
これにより、Excelはセーフモードで起動します。 - 「Excel セーフモード」と表示されたダイアログボックスが表示されたら、「はい」をクリックします。
セーフモードでの動作確認
セーフモードでExcelが起動したら、通常通りに使用してみて、再起動の問題が発生するかどうかを確認します。セーフモードで問題が発生しない場合、通常モードでのアドインや設定が原因である可能性が高いです。
アドインの管理
- Excelを通常モードで起動し、「ファイル」タブをクリックします。
- 「オプション」を選択し、「アドイン」をクリックします。
- 下部の「管理」ボックスで「COMアドイン」を選択し、「設定」をクリックします。
- すべてのアドインを無効にし、Excelを再起動します。
- 問題が解決した場合、アドインを一つずつ有効にして、どのアドインが問題を引き起こしているかを特定します。
この手順により、Excelのセーフモードでの動作を確認し、アドインや設定に関連する問題を特定することができます。
過去の事例の参考
他のユーザーがどのようにExcelの再起動問題を解決したかを紹介します。具体的な事例を参考にすることで、解決のヒントが得られるかもしれません。
事例1: fuka01さんの解決方法
fuka01さんは、サードパーティー製のアンインストールソフトを使用してOfficeを一度アンインストールし、再インストールすることで一時的に問題が解消されたと報告しています。ただし、今後再度問題が発生する可能性があるため、しばらく様子を見る必要があるとのことです。
事例2: マイクロソフトコミュニティの提案
マイクロソフトコミュニティでは、次のような対策が提案されています:
- Officeの完全アンインストールとクリーンインストール: Officeを完全にアンインストールした後、最新バージョンを再インストールする。
- ユーザー設定のリセット: Excelの設定ファイルをリセットし、初期状態に戻す。
事例3: 他のプログラムとの競合
他のプログラムとの競合が原因で再起動が発生することがあるため、クリーンブートの手順を参考にして、競合するプログラムを特定することが推奨されています。具体的には、バックグラウンドで動作している他のアプリケーションを一時的に無効にすることで、問題の原因を絞り込むことができます。
これらの事例を参考にすることで、自身の環境に適した対策を見つけることができるでしょう。
まとめ
以上、Windows 11上でOffice 2021のExcelが勝手に再起動する問題に対する様々な対策を紹介しました。各対策を順に試していくことで、問題の原因を特定し、解決することができる可能性があります。
- クリーンブートの実施: スタートアッププログラムやサービスの影響を排除して問題の原因を特定します。
- サードパーティー製ウイルス対策ソフトウェアのアンインストール: ウイルス対策ソフトウェアが原因となっている場合、アンインストールして確認します。
- 新規ユーザーアカウントの作成: 新しいアカウントでサインインし、問題が再現するか確認します。
- システムファイルチェッカーツールの実行: 不足または破損しているシステムファイルを修復します。
- Windowsの修復インストール: システム全体を修復します。
- セーフモードでのExcel起動: 問題がアドインや設定に関連しているか確認します。
- 過去の事例の参考: 他のユーザーの解決方法を参考にします。
これらの対策を試しても問題が解決しない場合は、追加のサポートが必要になるかもしれません。問題解決の一助となれば幸いです。
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