Excelがアップデートされたら、今まで使い慣れていた「From Microsoft Query」が突然消えてしまった。そんな状況に陥ると、外部データの取り込みや細かなクエリ機能を多用していた方にとっては、大きな痛手ですよね。本記事では、復活までの具体的な手順や対策、実際の体験談を交えながら分かりやすくご紹介します。
「From Microsoft Query」が表示されなくなる背景
Excelがバージョンアップするたびに、UI(ユーザーインターフェース)の変更や機能追加・削除が行われています。Legacy(従来)機能の扱いが変わり、更新直後にメニューから「From Microsoft Query」が見当たらない、あるいはチェックを入れているのにグレーアウトして使えないといった声が増えています。私も最初に遭遇したときは、設定を見直しても表示されないので焦りました。
なぜLegacyオプションが必要なのか
以前のExcelでは標準で表示されていた「From Microsoft Query」などのLegacyウィザード系コマンドは、近年のバージョンで「Get & Transform Data」機能(Power Query)が主流になった影響で、徐々に新しいUIへの移行が促されています。その結果、古い方法でデータを取り込みたい場合は「Legacyオプション」を有効にしないと従来のメニューが見えなくなってしまうのです。
Power QueryとLegacyウィザードの違い
Power QueryはExcelのリボン上で直感的にデータ編集ができる便利な仕組みですが、一部のユーザーは従来型のMicrosoft Queryを使い慣れており、またカスタムSQLを直接記述するときに快適だったりします。一方で、Power QueryにはGUIが充実しているなど新しさのメリットもあるため、どちらを使うかは好みや業務内容に左右されるでしょう。
Legacyウィザードを有効にして表示を試す
まず、消えた「From Microsoft Query」を再表示させる代表的な方法として挙げられるのが、「File」→「Options」→「Data」の中にある「Show legacy data import wizards」を有効にする手法です。手順自体は非常にシンプルですが、バージョンによってはチェックを入れても一向に表示されない、あるいはExcelを再起動しても変化がない場合があるので要注意です。
手順の概略
オプション画面からのチェック
「File」タブ(または「ファイル」メニュー)を開いて「Options」を選択し、「Data」カテゴリーまで進みます。そこに「Show legacy data import wizards」という設定項目があり、その中に「From Microsoft Query (Legacy)」などいくつかのチェックボックスが表示されます。データを外部から取り込む際に従来のウィザードを多用する方は、一通りすべてにチェックを入れておくと無難です。
Excelを再起動
設定を反映させるために、一度Excelを終了して再度起動します。この段階で「Data」タブを覗いてみると、「Get & Transform Data」の項目から以前のように「From Microsoft Query」が復活しているケースもあります。もし依然として表示されない、あるいはグレーアウトで使えない場合は、次章でご紹介するリボンカスタマイズなど別の対処法を試してみてください。
リボンカスタマイズでメニューを復活させる
チェックを入れても、なぜか「From Microsoft Query」だけ表示されない場合は、リボンのユーザー設定(Customize Ribbon)で直接コマンドを追加する方法もあります。特定のExcelバージョンでは、メニューの名称が微妙に違ったり、同じ名前でも実は異なる機能が紛れ込んでいるケースもあり、少々混乱しがちです。
リボンカスタマイズ手順
Customize Ribbonからのコマンド追加
「File」→「Options」→「Customize Ribbon」を選び、右ペインで新しいグループを作成します。左ペインの「Choose commands from」にて「All Commands」を選択し、「From other sources [Get Data From Other Sources]」など、それらしきコマンドを探し、先ほど作成したグループに追加します。名前が似ていても微妙に違うコマンドが混在しているので、候補は複数試してみるのがコツです。
追加後の挙動
無事にリボンにアイコンが追加されても、クリックするとエラーが出たり、意図したウィザードが開かないことがあります。これはExcelのバージョンやOfficeのエディションによる差異が影響しているともいわれます。私の環境では、表示された「From Microsoft Query」が実際にはPower Queryの画面に飛んでしまい、あまり意味がなかったことがありました。
私がリボンカスタマイズを試したときは、似た名前のコマンドを加えてもまったく別の動作をするアイコンが出てきて、本当にやきもきしました。公式ドキュメントを見ても紛らわしく、最終的にはサポートに問い合わせることに……。
Excelの不安定さを感じたら試したい対処法
実際に「From Microsoft Query」が一瞬だけ表示されたものの、いつの間にかグレーアウトして使えなくなるなどの報告も多く耳にします。そうした場合には、複数のレガシーオプションをいっぺんにオンにしてみたり、Office修復を試してみるなど、より踏み込んだ対策が必要となるでしょう。
複数レガシー機能をまとめてオンにする
「From Microsoft Query (Legacy)」「From Access (Legacy)」「From Text (Legacy)」など、すべてまとめてチェックを入れて再起動することで、動作が安定するケースが確認されています。部分的にしかオンにしていないと、依存関係が解消されずに機能しない可能性もあるようです。
Office修復の活用
もし複数のレガシー機能をオンにしても状況が変わらない場合は、Officeの修復機能を使うとよいでしょう。Windowsの「コントロール パネル」→「プログラムと機能」からMicrosoft 365を右クリックし、オンライン修復を実行すると、欠損ファイルがあった場合などに再インストールが行われ、不具合が解消されることがあります。
Microsoftサポートへの問い合わせ
どうしても「From Microsoft Query」が復活しない場合には、Microsoftに正式に問い合わせるのが最終手段となります。すでに報告されているバグの可能性が高いため、もしサポートチケットを発行して対処してもらえるなら、状況を詳しく伝えましょう。
問い合わせ時に注意したいポイント
再現性の有無を調査
問い合わせする際には、別のPCやアカウントでも同じ事象が起きるかどうかを確認しておくとスムーズです。再現性が高ければサポート側も原因究明しやすいので、手間も少なくなります。
環境情報の準備
Microsoft 365のバージョン情報や、Windows OSのビルド番号など、サポートの担当者から必ず聞かれるポイントをあらかじめ整理しておきましょう。状況を詳細に共有することで、より的確な回答を得られます。
私の知人は、同じExcelバージョンでも地域設定が違うPCだと問題なく「From Microsoft Query」が表示されたそうです。サポートに報告したところ、どうやら更新プログラムの不具合だったようで、すぐに修正がリリースされたとのことでした。
実際にやってみよう!復活手順のおさらい
以下のような流れで確認すると、比較的スムーズに原因を特定し、解決までたどり着きやすいでしょう。人によっては最初のLegacyオプションを有効にするだけで解決する方もいますし、最後まで粘っても動かないケースもあります。いずれにしても複数のアプローチを試すことが重要です。
手順表
手順 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
1. | Legacyウィザード設定を有効にする | 「Show legacy data import wizards」の各項目をすべてONにし、Excelを再起動 |
2. | リボンカスタマイズを試す | 「All Commands」から「From other sources」系を探して追加 |
3. | Office修復を実行 | オンライン修復をするとファイル欠損などが自動で修正される |
4. | サポートへ問い合わせ | 最終手段。環境情報を整理し、再現性を伝える |
そもそも「From Microsoft Query」を使うメリット
「From Microsoft Query」はレガシー機能とはいえ、まだまだ活躍の場があります。ここでは、あえてPower Queryではなく従来のクエリを使うメリットを整理してみましょう。
直接SQLを書きたい場面
Power Queryにも高度な変換機能がありますが、場合によってはSQL文をそのまま書いたほうが早いケースもあります。特にデータベースと連携するときに複雑なJOINやサブクエリを活用したいときは、細かい制御ができる「From Microsoft Query」のほうが気軽に扱いやすいという方もいるはずです。
管理のしやすさ
従来型のクエリを使っている企業やチームでは、定型のSQL文を部分的に差し替えるだけで楽に運用している現場も多いです。そのためPower Queryへの移行が難しかったり、移行コストが高くつく場合、「From Microsoft Query」を使い続けるほうがメリットを感じられます。
逆に「From Microsoft Query」を無理に使わない選択肢
一方で、今から新規にデータ連携を構築するならばPower Queryに慣れておくのも手です。ユーザーインターフェースが洗練されていて、ドラッグ&ドロップでフィルタリングや列の分割といった操作ができるため、初めて外部データを扱う方にはわかりやすいです。
Power Queryで完結するケース
シンプルなテキストファイルやCSVの読み込み、Webデータの取り込みなどはPower Queryを使うことでステップごとの操作が視覚的に把握できます。また更新もワンクリックで再読み込みできるため、メンテナンス性が高いです。
将来的なアップデート見込み
マイクロソフトが今後も積極的にアップデートしていくのはPower QueryやPower BI系の機能が中心となっていくと予測されます。レガシー機能はサポート対象ではあっても更新頻度は少なく、突然廃止になる可能性もゼロではありません。
執筆者のコメント
私が初めて「From Microsoft Query」が消えたのに気づいたのは、社内で外部データベースを参照する定例作業をしているときでした。急いでSQLを弄りたかったのにアイコンが見当たらず大混乱。色々試してダメで、最終的にはパソコンを再起動したら突然使えるようになっていて拍子抜けしましたね。もし困ったときは、焦らずにExcelやPCの再起動を試してみるのも手軽な対処法です。
まとめと今後の展望
「From Microsoft Query」が表示されない、あるいはグレーアウトしている場合は、まずLegacyオプションを確認し、Excelを再起動してみる。リボンカスタマイズでコマンドを追加できないか試す。ダメならOffice修復やサポート問い合わせに踏み切る。この一連の流れを把握しておけば、大半のケースで解決の糸口が見つかるはずです。
今後、MicrosoftがよりPower Queryを推進していくのはほぼ間違いありません。しかし、SQLベースの柔軟な操作が求められる現場や既存業務の継続を考えれば、Legacy機能もまだまだ重要です。必要な機能が隠れてしまったり、UI変更で使いにくくなったりしたら、本記事でご紹介した方法を参考に、焦らず対応してみてください。
最終的にあなたが取るべき行動
これまで解説してきた対処法をざっくりまとめると、以下のような優先順位が考えられます。
1. Legacyウィザードとリボンカスタマイズを徹底的に試す
Excelのオプションとリボンカスタマイズによって解決するケースが最も多く、手軽に実行しやすい手段です。
2. Office修復で環境をリフレッシュ
一時的な不具合やファイル破損が原因の場合、修復機能で直る可能性が高いです。
3. Microsoftサポートへ問い合わせる
手間はかかりますが、それが唯一の方法になる場合もあります。バグと確定すれば、将来のアップデートで修正される望みがあります。
もしサポートに連絡する場合は、「同じバージョンで表示される端末があるのに、こちらは表示されない」と伝えられると話が進みやすいかもしれません。問題の再現性をきちんと調べておくとやり取りがスムーズですよ。
記事を読んだあとにできること
ぜひ、今使っているExcelを一旦閉じて、Legacyウィザードの設定を確認してみてください。そしてExcelを再起動したうえで「Data」タブのメニューを覗きこめば、「From Microsoft Query」が見えているかもしれません。見つかったら試しにクリックして、従来のウィザード画面が開くかチェックしてみましょう。もし上手くいかない場合は、今回ご紹介した手順を改めて試してみてください。
結論
Excelの最新バージョンで「From Microsoft Query」が消えた場合でも、Legacyウィザードの有効化、リボンカスタマイズ、Office修復といった手順を踏みつつ、最終的にサポートに頼ることで解決策が見つかる可能性が非常に高いです。バグの発生率もExcel環境やアップデート状況によって変わるので、他のマシンやバージョンで検証を行いながら原因を切り分けていくのがポイント。無事に機能が復活したら、ぜひ従来のクエリの使い勝手を再度じっくり味わってみましょう。日常業務で大いに役立つはずです。
私自身、今も局所的に「From Microsoft Query」を使い続けています。Power Queryにできないわけではありませんが、慣れたクエリのほうが高速に編集できて、意外な場面で重宝しています。ぜひ一度、どちらが自分のスタイルに合っているか試してみてくださいね。
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