Outlookが大きく刷新され、新しいデザインや機能が追加されています。フォント設定や右サイドパネルなど従来のOutlookとは異なる点も多く、慣れない部分がある方も多いのではないでしょうか。本記事では、新しいOutlook(プレビュー版)のフォント設定やパネル表示などにまつわる悩みを一挙に解決し、より快適に使いこなすためのポイントをご紹介します。
1. 新しいOutlook(プレビュー版)でデフォルトフォントを変更する方法
新しいOutlook(プレビュー版)はUIが一新されており、従来の「ファイル」→「オプション」→「メール」→「ひな形とフォント」といった手順でフォント変更を行う方法が見当たらない、という声が多く寄せられています。ここでは、フォント変更の具体的手順を詳しく解説します。
1-1. 設定画面からフォントを変更する方法
新しいOutlookでは、上部のリボンや「ファイル」タブが従来のOutlookよりもシンプルにまとめられ、代わりに画面右上の「歯車」アイコン(設定)を中心に各種オプションが集約されています。デフォルトフォントを変更したい場合は、以下の手順を試してみてください。
- 画面右上の歯車アイコンをクリック(図示例:
⚙
のアイコンが目印) - 表示されたクイック設定の下部にある「すべてのOutlookの設定を表示」を選択
- 左側メニューで「メール」→「作成と返信」をクリック
- 画面中央の「メッセージ形式」セクションで、デフォルトで使用するフォントや文字サイズ、文字色を指定
- 必要な変更を終えたら、画面右下の「保存」をクリック
この操作により、これ以降に作成される新規メールのデフォルトフォントが変更されます。ただし、返信メールや転送メールでも同じフォントが適用される点に注意が必要です。
1-2. キーボードショートカット(Ctrl + Shift + P)の活用
Outlookのバージョンによっては、Ctrl + Shift + P
のショートカットでフォント設定のパネルが直接開くことがあります。しかし、このショートカットが動作しないケースもあるため、必ずしも全員に有効とは限りません。動作する場合は、以下のような画面が表示される可能性があります。
- フォントの種類やサイズをダイアログ形式で変更
- 太字や斜体などの書式オプションの指定
- テキスト色の指定
もしショートカットが反応しない場合は、先述の設定画面から変更する方法を優先的に試しましょう。
1-3. HTML形式での作成を確認する
Outlookのメール作成形式には「HTML形式」「リッチテキスト形式」「テキスト形式」の3種類が存在し、テキスト形式だとフォントや文字色を変更できません。新しいOutlookでは初期設定がHTML形式になっていることが多いですが、何らかの理由でテキスト形式に切り替わっているとフォントが変更できない場合があります。もしフォントメニューがグレーアウトしていたり、「Aptos」しか選択できないと感じる場合は、設定画面から作成形式を再度確認してみてください。
2. 新規メールと返信メールのフォントを分けて設定したい
従来のOutlookでは、新規メール用と返信・転送用で異なるフォントを設定し、たとえば新規メールは黒文字・返信時は青文字といった区別がしやすい運用が可能でした。しかし、新しいOutlook(プレビュー版)では、2023年2月時点の情報によれば、以下のような制限があります。
2-1. 個別設定ができない現状
新しいOutlook(プレビュー版)は、設定画面の「作成と返信」で共通のフォントを指定する仕組みになっています。そのため新規メールと返信メールでフォントや文字色を別々に設定する機能が提供されていません。一度「作成と返信」でデフォルトフォントを設定すると、新規作成や返信、転送などすべてのメールに同じフォントが適用されます。
2-2. 手動で変更する運用
返信や転送時のみ文字色を変えたい場合は、手動で書式を変更する方法が考えられます。実際の運用例を以下の表にまとめました。
シチュエーション | 手動書式変更方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
新規メールを作成 | デフォルトフォントを黒文字に設定 | 特に作業不要でそのまま送信可能 | 色の変更をしたい場合は都度変更が必要 |
返信・転送メール | ツールバーの書式設定で文字色を青や別の色に手動変更 | 相手に対し返信部分を強調できる | 都度の変更が必要。ミスで色付けを忘れる可能性あり |
このように手間はかかりますが、返信や転送の都度、書式を変えれば、従来同様の色分け表現を部分的に再現できます。
2-3. 今後のアップデートに期待
MicrosoftはOutlookを頻繁にアップデートしており、ユーザーからのフィードバックに基づいて機能が追加・改善される傾向があります。新規・返信メールのフォントを分けて設定したいという要望は海外でも多く寄せられているため、今後のアップデートで実装される可能性があります。こまめにバージョンアップを確認し、最新情報を追いかけることが大切です。
3. 右側の「My Day」パネルを常時表示する方法
新しいOutlookでは、画面右側に「My Day」と呼ばれるパネルを表示して、予定表やTo Doリストを見ながらメールを確認できます。非常に便利な機能ですが、毎回Outlookを開くたびに手動でパネルを表示しなければならないという声もあります。
3-1. 常時表示の固定オプションは現状なし
現時点の新しいOutlook(プレビュー版)では、「My Day」パネルを常時固定するための明示的な設定が見つかっていません。以下のようなパターンがあります。
- 一部のプレビュー版または特定のビルドでは、前回終了時のウィンドウ状態を保持し、再起動後もパネルが表示されたままになるケースがある
- 多くのユーザー環境では、Outlookを再起動するたびに「My Day」パネルが非表示に戻る
どうしても常時表示したい場合は、パソコンのスリープやログオフではなく、Outlookのウィンドウを閉じずに使い続ける、などの迂回策しかないのが現状です。
3-2. フィードバックの提出と最新情報の追随
Microsoftはユーザーフィードバックを重要視する企業文化を持っているため、Outlookの「ヘルプ」→「フィードバック」などを通じて要望を送ることが推奨されます。また新機能が正式リリースされた際にはブログや公式ドキュメントでアナウンスがある場合が多いので、定期的に最新情報をチェックすることで、いち早く新機能にアクセスできる可能性があります。
4. フォントとして「Aptos」しか選べない状況と対処方法
新しいOutlookで「デフォルトフォントを変更しようとしたら、Aptosしか選択できない」という現象が報告されています。従来のCalibriやArialが使えないなどの不都合を感じている方もいるかもしれません。ここでは対処方法と確認項目を紹介します。
4-1. 「Aptos」は新しい標準フォント
Microsoftは近年、Officeスイート全般で新しい標準フォント「Aptos」を導入しました。Windowsのシステムフォントとしても認識される場合がありますが、本来であればOutlook上のドロップダウンには複数のフォントが表示されるはずです。
4-2. HTML形式になっているか確認
すでに触れたとおり、メールの作成形式が「テキスト形式」だとフォント指定ができないので、ドロップダウンでAptosしか選べなく見えるケースがあり得ます。「作成と返信」からHTML形式を選択した上で再度フォントメニューを確認してください。
4-3. アップデート状況やポリシー制限をチェック
企業アカウントの場合、セキュリティやコンプライアンスの観点から管理者がグループポリシーを設定している可能性があります。以下の項目に注意しましょう。
- Outlook(プレビュー版)のバージョンが最新かどうか
- 組織のポリシーで「標準フォントをAptosに限定」する設定がないか
- Windowsのシステムフォントが正常にインストールされているか
もし上記に該当しないのにフォントが一種類しか選べない場合は、一度Office修復を試す、または再インストールしてみると解決する可能性があります。
5. 新旧Outlookのフォント設定における主な違い
新しいOutlook(プレビュー版)と従来のOutlookでは、設定方法や機能が大きく異なります。ここでは、フォント設定を中心に主要な違いをまとめた表を示します。
項目 | 従来のOutlook | 新しいOutlook(プレビュー版) |
---|---|---|
フォント変更の方法 | 「ファイル」→「オプション」→「メール」→「ひな形とフォント」で変更 | 画面右上の「歯車」→「すべてのOutlookの設定を表示」→「メール」→「作成と返信」で変更 |
新規・返信で別フォント設定 | 「ひな形とフォント」のセクションで個別に設定可能 | 現時点では未対応。1種類のみ共通で設定 |
標準フォント | Calibriなど | Aptosなど新しい標準フォントがメイン |
右サイドパネル(My Day) | 機能なし、または別画面表示 | UI右側にパネルで予定表やTo Doを表示可能(常時固定は不可) |
このように新しいOutlookでは、メール作成画面がブラウザのOutlook.comに近いデザイン・構成になっているのが特徴です。PC版アプリながら、Webメールとの親和性が高まっており、将来的にはさらに統合が進む可能性があります。
6. 実践的なヒントと運用上のポイント
ここでは、新しいOutlookを活用するうえで役立つ実践的なヒントや、スムーズに使うための運用アイデアをご紹介します。
6-1. フォント選択画面でプレビューを活用する
フォントを変更するときは、テキストエリアでプレビューしてから保存するようにしましょう。文字サイズや色の見え方は、画面解像度や拡大率によって異なる場合があります。また送信相手のメールクライアントでも表示が変わる可能性があるので、なるべくスタンダードなフォントを選択するのがおすすめです。
6-2. テーマ設定とフォントの組み合わせ
新しいOutlookはテーマ(ライトモード・ダークモードなど)によってUIの背景色が大きく変わります。ダークモードで使用している場合は、フォントの色を薄い色(白や明るいグレー)にすると見やすい場合もあります。ただし、受信者の画面ではテーマが異なることがあるので、あまりカスタマイズを凝りすぎず、相手にも見やすい色合いを意識しましょう。
6-3. 「My Day」パネルを積極活用する
予定表やTo Doリストを右画面に常時表示できる「My Day」パネルは、複数のタスクを同時進行する方には非常に便利です。たとえば、以下のような業務フローで役立ちます。
- パネルに表示されている予定表を確認しながら、スケジュールに合わせてメールを作成する
- パネルでTo Doリストをチェックし、やり忘れがないか確認しながら返信メールを処理する
- 来週のミーティング日程を確認しつつ、必要書類のアラートを自分宛てに送信する
自分のワークフローに合わせて活用すると、Outlook内だけでスケジュール管理とメール対応が効率よく完結できるようになります。
6-4. 組織全体のポリシーやテンプレート管理
企業や組織によっては、メールの署名やフォントの統一ガイドラインが定められていることがあります。たとえば、ブランドイメージの観点からフォントを統一するケースです。新しいOutlookを導入する際には、システム管理者やIT部門と連携して、組織で使用するデフォルトフォントやテーマを事前に確認しておくとスムーズです。
また、組織がMicrosoft 365を使用している場合は、Exchange Onlineの管理コンソールからメールテンプレートや署名の制御が行われている可能性もあります。その場合、個人側でのフォント設定が一部制限されることがありますので注意が必要です。
7. まとめ
新しいOutlook(プレビュー版)は、従来のOutlookと比べてUIが大幅に変更され、フォント設定やパネル表示の仕組みが刷新されています。特にデフォルトフォントは「設定」→「作成と返信」画面からまとめて管理されるほか、新規メールと返信メールで個別にフォントを分けられないといった仕様変更も見られます。
また、右側の「My Day」パネルを常時表示できない点や、「Aptos」以外のフォントを選べない問題が指摘されていますが、いずれも今後のアップデートや設定の見直しで解決が期待できる部分でもあります。
もし新しいOutlookを試していて上手くいかない箇所や不便を感じる点があれば、HTML形式の確認や最新版へのアップデート、管理者ポリシーなどをチェックしつつ、Microsoft公式のアップデート情報やフォーラムを追うことが得策です。適切な設定と運用方法を見つければ、より効率的にOutlookを活用できるでしょう。
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