Outlook on the webで「Open another mailbox」が開けないときは、対象メールボックスの正確なアドレスと、自分に「フルアクセス」が付与されているかを最初に確認します。「差出人として送信」または「代理人として送信」だけでは、メールボックスを開く権限にはなりません。権限が正しいのに一人だけ失敗する場合は、別アカウントでのサインイン、ブラウザーセッション、権限反映待ちを順に切り分けます。
なお、共有メールボックスと、他の利用者のメールボックスや一部フォルダーを共有してもらうケースは設定方法が異なります。部署の代表アドレスなら共有メールボックス、上司の受信トレイを代理で見るなら委任・フォルダー共有の可能性があります。対象の種類が違うと、正しい権限を付けても期待した場所に自動表示されません。
権限の違いを先に理解する
| 権限 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| フルアクセス | メールボックスを開き、内容の表示・追加・削除を行う | それだけでは共有アドレスから送信できない |
| 差出人として送信 | 受信者から共有メールボックス本人が送ったように見える送信 | それだけではメールボックスを開けない |
| 代理人として送信 | 共有メールボックスの代理であることを示して送信 | それだけではメールボックスを開けない |
| フォルダー権限 | 共有された特定フォルダーを権限範囲で利用 | メールボックス全体のフルアクセスとは限らない |
「開けるが送信できない」はフルアクセスと送信権限の違い、「候補に出るがアクセス拒否」はフルアクセスや対象種別、「候補自体が出ない」はアドレスの入力違い、アドレス一覧からの非表示、別テナントなどを疑います。症状に合わせて確認する権限を変えます。
利用者が最初に試す手順
- 正しいアカウントで開く:
https://outlook.office.com/を直接開き、右上のアカウントが権限を付与された仕事・学校アカウントか確認します。個人用Outlook.comや別組織のアカウントでは開けません。 - アドレスを確認する:管理者またはメールボックス所有者から、表示名ではなく完全なメールアドレスを受け取ります。似た代表アドレスやエイリアスと混同しないようにします。
- Open another mailboxを使う:Outlook on the webのナビゲーションで自分の名前またはアカウントメニューを開き、「Open another mailbox」を選び、対象の完全なアドレスを入力して開きます。
- エラーを記録する:「一致が見つからない」「アクセスできない」「リダイレクトが繰り返される」など、表示文と発生時刻を記録します。画面にメールアドレスが含まれる場合は外部へ公開しません。
- フォルダー一覧へ追加する方法も確認する:共有メールボックスを常時監視する用途なら、フォルダー一覧の「共有フォルダーまたはメールボックスを追加」から追加する方法があります。別ウィンドウで開く方法とは表示のされ方が異なります。
Microsoftの公式案内では、共有メールボックスのメンバーに追加された後、Outlookを閉じて再起動するよう説明されています。Web版では一度サインアウトしてブラウザーを閉じ、再度公式URLからサインインすることで新しい権限を取得し直せます。ただし、未送信の下書きやフォームを保存してから行ってください。
症状別の診断表
| 症状 | 有力な原因 | 次の確認 |
|---|---|---|
| No match was found相当の表示 | アドレス入力違い、アドレス一覧から非表示 | 完全なSMTPアドレスと管理者設定 |
| アクセス拒否 | フルアクセス不足、別アカウント | 権限種別とサインインアカウント |
| 開けるが送信できない | 送信権限不足 | 差出人として送信・代理人として送信 |
| 自動表示されない | 自動マッピング、追加方法、反映待ち | 手動で共有フォルダーを追加 |
| 一人だけ開けない | 個別権限、セッション、ブラウザー | 他ユーザーと権限・ブラウザーを比較 |
| 全員が突然開けない | Exchange OnlineまたはOutlookの障害 | Microsoft 365サービス正常性 |
| 別組織のメールボックス | テナント間・ハイブリッドの制約 | 管理者が構成と対応クライアントを確認 |
影響の小さい順に切り分ける
- 別ページでOutlookが動くか確認:自分の受信トレイを開けるか確認します。自分のメールも開けないなら共有メールボックス固有ではありません。
- 完全なアドレスを再入力:自動補完の古い候補を使わず、管理者に確認したアドレスを入力します。
- サインインアカウントを確認:複数のMicrosoft 365アカウントがある場合、権限を持つアカウントだけで試します。
- InPrivateで診断:未送信内容を保存後、EdgeのInPrivateウィンドウでOutlookへ正しいアカウントだけを使ってサインインします。ここで開けるなら通常プロファイルのセッションやCookieを疑います。InPrivateは閉じるとサイトデータが消える診断用です。
- 共有フォルダーとして追加:別ウィンドウで開く必要がなければ、左のフォルダー一覧へ共有メールボックスを追加してアクセスできるか確認します。
- サービス正常性を確認:複数人で同時に失敗する場合、管理者がMicrosoft 365管理センターの「正常性」→「サービス正常性」でExchange OnlineやOutlook関連のインシデントを確認します。
- 管理者が権限を確認:フルアクセス、送信権限、対象メールボックスの種類、アドレス一覧からの非表示を確認します。
ブラウザー全体のCookie削除やOutlookデスクトッププロファイルの修復は、Web版の共有メールボックス権限を直す最初の方法ではありません。特定の通常ブラウザープロファイルだけで失敗すると確認できた場合に限り、Outlook関連サイトのデータを対象にします。全Cookieを消すと多数のサービスからサインアウトします。
管理者が確認するポイント
- Exchange管理センターで対象が共有メールボックスか、ユーザーメールボックスかを確認します。
- 委任設定で、利用者にフルアクセスが付いているか確認します。開くための権限と送信権限を混同しません。
- 対象メールボックスがアドレス一覧から非表示になっていないか確認します。Microsoftの権限資料では、アドレス一覧から非表示のメールボックスは、フルアクセスを付与された利用者でも開けないと説明されています。
- 利用者が別テナント、ゲスト、同期前のアカウントでないか確認します。
- 権限変更を何度も付け外しせず、変更時刻と設定を記録して反映を待ちます。固定の反映時間を断定せず、長引く場合はサービス正常性と監査情報を確認します。
Exchange Online PowerShellを利用できる管理者は、次の読み取りコマンドで対象メールボックスのアクセス権を確認できます。これは権限を変更しません。実際のアドレスへ置き換え、出力に個人情報が含まれるため安全な場所で扱います。
Get-MailboxPermission -Identity [email protected]
利用者がグループ経由で権限を受ける構成では、グループ種別やメンバー反映も確認します。フルアクセスが表示されるのに開けない場合は、エラーメッセージ、対象メールボックス、利用者、権限付与時刻、再現クライアントをそろえてMicrosoftサポートへ相談します。利用者へ管理者権限を付けて試す必要はありません。
開けるが送信できない場合
フルアクセスはメールボックス内容を扱う権限で、共有アドレスから送る権限は含みません。受信者から見て共有メールボックス本人が送った形にするなら「差出人として送信」、利用者が共有メールボックスの代理で送った形にするなら「代理人として送信」を管理者が用途に合わせて付けます。両方をむやみに付けず、組織の監査・承認方針に合わせます。
権限付与後、Outlook on the webの新規メールで差出人欄を表示し、共有アドレスを選べるか確認します。テスト送信が必要なら、管理者の承認を得て組織内のテスト用宛先へ送ります。顧客や配布リストへいきなり送らず、差出人表示と送信済みアイテムの保存先を確認します。
検証とロールバック
フルアクセスの検証は、共有メールボックスを開き、フォルダー一覧と既存メッセージを閲覧できることから始めます。次にテスト用の下書きを作成し、保存と削除ができるか確認します。既存メールの移動や削除をテストに使いません。送信権限は別に、承認されたテスト宛先で確認します。
一時的に付けた権限は、検証後に管理者が元の設定へ戻し、変更履歴を残します。フォルダー一覧へ追加しただけなら、共有メールボックスを右クリックして共有フォルダーを削除できます。これはメールボックス本体のデータ削除ではありません。InPrivateウィンドウは閉じればセッションが消えます。権限を削除するときは、利用者が下書きや編集中の項目を持っていないことを確認します。
よくある質問
フルアクセスを付けたのにすぐ開けません
権限の反映やサインインセッションの更新に時間がかかる場合があります。一度Outlookを閉じて再サインインし、設定と付与時刻を管理者に確認します。付け外しを繰り返すと原因を追いにくくなります。
共有メールボックスのパスワードは必要ですか
通常は利用者自身の仕事・学校アカウントでサインインし、付与された権限で共有メールボックスを開きます。共有メールボックスの資格情報を利用者間で共有しないでください。

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