OutlookのApp Search Barを削除する最新対処法:2月13日以降の更新でバグ解消

突然Outlookのメール一覧上部に「App Search Bar」が出現してしまうと、普段使い慣れた検索バーのスペースが狭くなり、とても使いづらく感じてしまいますよね。特に、業務で大量のメールを効率的に検索したい方にとって、このバーが邪魔に思えてしまうのは当然です。ここでは、その原因や回避策、そしてMicrosoftが提供している正式な解決策を詳しくご紹介します。快適なOutlook環境を取り戻すために、ぜひ参考にしてください。

「App Search Bar」が突然表示される原因

メール一覧のすぐ上に現れる「App Search Bar」は、2024年1月末から2月にかけて提供されたOutlookの更新プログラムに含まれたバグが主な原因とされています。意図しない形で表示されたうえ、従来の検索バーの配置を圧迫してしまうため、多くのユーザーが煩わしさを感じています。

Microsoftによる正式アナウンス

Microsoftはこの事象を不具合(バグ)として認識しており、2024年2月13日以降に公開された更新プログラムで修正を行うと発表しています。最新のアップデートを適用すると、「App Search Bar」が非表示になる、あるいは正常な位置に戻るという報告が相次いでいるため、まずは修正パッチを適用することが推奨されています。

一部バージョンではオプション設定が無効

ネット上で紹介されている対処策のひとつとして、「Outlookオプション > 検索 > Sources/Results…」の項目を変更するという方法があります。しかし、これらの設定項目自体が存在しないバージョンも多く、実際にはまったく効果がないケースが大半です。そのため、この方法で解決できない場合はバージョンやビルドを確認し、正式な修正パッチを入手することが重要です。

一時的な回避策

2月13日以降の修正更新プログラムが適用できない場合や、企業の運用ポリシー上すぐにアップデートができない場合には、下記のような回避策を試してみることが考えられます。

1. バージョンロールバック

最新の更新プログラムが適用される前の状態に戻すことで、一時的に「App Search Bar」を表示しないようにする方法です。以下の手順でロールバックが可能です。

  1. コマンドプロンプトを管理者として起動する
  2. 下記のコマンドを実行してOfficeを特定バージョンにロールバックする
cd %programfiles%\Common Files\Microsoft Shared\ClickToRun
officec2rclient.exe /update user updatetoversion=16.0.17126.20132
  1. ロールバックが完了したら、自動更新をオフにしておく(再度更新を適用すると同じ不具合が起きる恐れがあるため)

ロールバックにより、問題が発生する前のビルドに戻せますが、セキュリティ更新なども受信できなくなるリスクがあることを忘れないようにしましょう。

2. レイアウトや閲覧ウィンドウの調整

「表示」タブから「閲覧ウィンドウ」をオフ、または下部に配置するなどのレイアウト変更によって、一時的にメール検索バー周りの表示を改善することができます。とはいえ、あくまでも暫定処置に過ぎないため、根本的には公式アップデートを待つ・適用することが望ましいといえます。

3. OfficeやOutlookの再インストール

クイック修復やオンライン修復でも改善しない場合、Officeをいったんアンインストールしてから再インストールすることで、一時的に「App Search Bar」が非表示になるという報告があります。
ただし、再度最新の更新プログラムを当てると同じ不具合が戻る可能性があるため、やはりロールバックと同様、恒久的な解決策とはいえません。

正式な解決策:2月13日以降の更新プログラム

もっとも確実な対処は、Microsoftが2024年2月13日以降に提供している修正パッチを適用することです。修正プログラムが正常にインストールされると、多くの場合「App Search Bar」が消える、もしくは正常な位置へ戻っているとの報告が上がっています。

Microsoft 365やClick-to-Run版Officeでの更新手順

Microsoft 365(旧称Office 365)や、クリック トゥ ラン(Click-to-Run)版のOfficeを使用している場合は、以下の手順で手動更新が可能です。

  1. Outlookを起動した状態で「ファイル」をクリック
  2. 左メニューから「Officeアカウント」を選択
  3. 「更新オプション」から「今すぐ更新」を選ぶ
  4. 更新プログラムのダウンロードとインストールが完了したら、Outlookを再起動する

この操作により、最新の修正プログラムが適用されます。更新後に「App Search Bar」が解消しない場合は、バージョン情報を確認しましょう。

Office 2016/2019など永続ライセンス版の場合

一方、企業向けのボリュームライセンスや、個人向けに販売された永続ライセンス版のOffice 2016/2019などでは、更新プログラムの取得方法がMicrosoft 365とは異なります。Windows Update経由で提供されることもあれば、管理者がボリュームライセンスサービスセンター(VLSC)からパッチをダウンロードして適用するケースもあります。
このような環境では、自動更新が無効になっていることが多いため、IT管理者に問い合わせるか、手動で「更新プログラムの確認」を実行し、新しいビルドが入手可能かどうか確認しましょう。

アップデート後も解決しない場合

2月13日以降の修正更新プログラムを適用しても問題が解消されない場合、以下の点を再度確認してください。

  • バージョン情報:Outlookのバージョンとビルド番号が正しいかどうか。
  • 再起動の徹底:更新後にPCとOutlookの両方をしっかり再起動したか。
  • セキュリティソフトの干渉:アップデートプロセスを阻害するセキュリティ設定が働いていないか。
  • Officeの修復:コントロールパネルやWindowsの「アプリと機能」からOfficeの修復を再度試みる。
  • マイクロソフトサポートの参照:公式のサポートページ(Outlook unexpectedly has an App Search bar above the message list)を確認する。

これらの点を踏まえても解消されない場合は、マイクロソフト サポートに直接問い合わせて対応策を探ると安心です。

Outlookのバージョン確認方法

実際に自分のOutlookがどのバージョンなのかを把握しておくと、トラブルシューティングがスムーズに進められます。バージョン情報は以下の方法で確認できます。

  1. Outlookを起動
  2. 「ファイル」→「Officeアカウント」をクリック
  3. 右側に表示される「バージョン情報」をチェック

永続ライセンス版やボリュームライセンス版の場合は、ビルド番号の下に「単体購入」や「VL(Volume License)」などの表記がある場合もあります。

バージョンとビルド番号の一覧表

Microsoft 365の場合、バージョンやビルド番号は頻繁に更新されます。以下はあくまで例となりますが、参考までに記載しておきます。

バージョンビルド番号リリース時期
230116.0.16026.xxxx2024年1月
230216.0.16130.xxxx2024年2月
230316.0.16200.xxxx2024年3月以降

「App Search Bar」が発生し始めたのは2301~2302付近とされており、2302以降で不具合修正が配布されたケースが多く報告されています。実際の適用可否は環境や地域によって異なる場合があるため、あくまで目安として考えてください。

「App Search Bar」自体に何かメリットはあるのか?

「App Search Bar」は、本来はより広範な検索機能を提供する目的で設置されている可能性があります。Outlookだけでなく、Exchange Onlineやその他のOfficeアプリを横断的に検索したり、アプリごとの機能をすばやく呼び出したりすることを想定していたと言われています。
しかし、今回の事象では、誤って本来のメール検索バー付近に重なる形で表示されることが問題となっています。そのため、必要のないユーザーには邪魔でしかない機能となってしまっています。

実運用での注意点:ロールバックしたまま放置しない

先に紹介したバージョンロールバックは、一時的な対処としては有効ですが、セキュリティパッチや機能強化の恩恵を受けられなくなるデメリットがあります。サイバー攻撃の手口が日々巧妙化している現代では、最新のセキュリティ更新を受け取れないことはリスクが高まる要因になるため、ロールバックを行った際は早期に正式な修正を適用する準備を進めることが重要です。

自動更新のオフとオンの切り替え

ロールバック後は自動更新をオフにする必要がありますが、2月13日以降の修正が公開されたら、なるべく早く自動更新をオンに戻してアップデートを適用することが推奨されます。以下は自動更新の設定切り替え例です。

  1. Outlookを起動
  2. 「ファイル」→「Officeアカウント」をクリック
  3. 「更新オプション」をクリックし、「更新を無効にする」または「今すぐ更新」を選択
  4. 必要に応じて再起動

この手順で自動更新のオン・オフを切り替えられます。常時オフのままだと、セキュリティ更新を含むあらゆる更新が止まってしまう点に注意が必要です。

トラブルシューティングのポイントまとめ

最後に、本記事でご紹介した内容をわかりやすくまとめます。

  • 原因:2024年1月末~2月初め頃のOutlook更新プログラムにより、「App Search Bar」が誤って表示されるバグが発生。
  • 現象:メール一覧の上部を圧迫し、本来の検索バーが狭まるなどの使い勝手の悪化。
  • 一時的対処
  • バージョンロールバック(セキュリティリスクに留意)
  • レイアウト変更(閲覧ウィンドウや画面の配置見直し)
  • Office/Outlookの再インストール(再発する可能性あり)
  • 正式解決:2024年2月13日以降に配布された更新プログラムを適用。
  • 留意点
  • 自動更新をオフにしている場合は再度オンにして最新パッチを適用する
  • アップデート後も問題が解決しない場合はバージョン情報を再確認
  • 必要に応じてMicrosoft公式サポートへ問い合わせる

より快適なOutlook運用のために

Outlookはビジネス環境でのメール管理において非常に重要な位置を占めています。そのため、アップデートに伴うトラブルは業務効率にも直結する大きな問題となりがちです。今回の「App Search Bar」バグに限らず、不具合が出現したときには以下のポイントを押さえておくと、対処がスムーズになるでしょう。

  • 定期的なバージョン確認
    常に最新のバージョン履歴や更新内容をチェックし、不具合や不明点があれば公式リリース情報やサポートページを参照する習慣をつけることが重要です。
  • Windows Updateとの連動
    Windows自体の更新が停止していると、Officeの更新も適切に行われないことがあります。Windows Updateが定期的に実行されるよう設定を確認しましょう。
  • IT管理者やサポートとの連携
    会社や組織でOfficeを利用している場合は、自己判断での操作が制限されるケースがあります。ロールバックや更新プログラムの適用にはIT管理者の許可・サポートが必要になることが多いため、連携を密に取ることが大切です。

まとめ

Outlookに突然表示されてしまう「App Search Bar」は、2024年1月末から2月にかけての更新プログラムに含まれていたバグが原因であり、Microsoftによって公式に不具合と認識されています。2月13日以降にリリースされた修正更新プログラムを適用することで、多くのケースで「App Search Bar」を削除または正常な配置に戻すことが可能です。
もしすぐにアップデートできない場合には、バージョンロールバックやレイアウト変更などの暫定的な対処を講じつつ、早期に正式パッチを適用できるよう準備を整えておきましょう。セキュリティリスクとの兼ね合いも考慮しながら、最新の更新を取り入れつつ快適なOutlook運用を目指すことが重要です。

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