新Outlookの認証エラー「Authentication or initialization failed」を解決する完全ガイド

新しいOutlookアプリを使っていると、特定のアカウントで「Authentication or initialization failed. Click Reload to try again」というエラーに見舞われ、何度リロードを試しても先に進めないことがあります。このような問題に直面するとストレスを感じますよね。本記事では、さまざまな原因や有効な解決策を整理しながら、わかりやすく対処法をお伝えします。

New Outlookで発生する認証エラーの概要

新しいOutlook(Windows 11環境などで利用できるモダンUIのOutlookアプリ)において、一部のアカウントを追加しようとすると「Authentication or initialization failed. Click Reload to try again」というエラーメッセージが表示され、リロード操作(“Reload”)を行っても認証が先に進まないケースが報告されています。たとえば、@gmail.comアドレスは問題なく追加できるのに、@outlook.comドメインや企業・学校アカウント(Exchange環境)などがうまく追加できない現象です。

このエラーは認証関連で何らかの問題が発生しているサインですが、原因はアカウントのセキュリティ情報に関するものから古いOutlookアプリとの競合、ブラウザサインインとの連携不具合など多岐にわたります。そこで、この記事では主な原因と具体的な対処法をまとめました。

エラーが起きる主な原因

1. 代替メールアドレスや電話番号などのセキュリティ情報が認証されていない

Microsoftアカウントをはじめとする多くのオンラインアカウントでは、本人確認のために代替メールアドレスや電話番号を登録します。ところが、これらの情報が古くなっていたり、認証が完了していなかったりすると、Outlookアプリでのログイン時に二段階認証などが正常に実施されず、認証プロセスが途中で止まってしまう場合があります。

2. 古いOutlook(Outlook 2016 など)や他のメールクライアントとの競合

同じPC上に旧バージョンのOutlook(Outlook 2016やOffice 2019など)がインストールされたままの状態だったり、他社製メールクライアントの設定とバッティングしていたりすると、Windows内部のレジストリやメールプロファイルが競合を起こすことがあります。これによってアカウント追加の段階でエラーが発生しやすくなります。

3. ブラウザでのサインイン状態が新Outlookと同期されていない

Microsoft 365サービスやOutlook on the webをブラウザ(特にMicrosoft Edge)で利用している場合、サインイン情報の連携がうまくいかないと、新Outlookアプリ側で再認証を求められた際にスムーズに認証されないことがあります。再読み込みをしてもブラウザ側でのセッション情報と噛み合わず、結果的に「Authentication or initialization failed」というエラーが出続けるケースです。

4. Microsoft Exchangeサーバーやドメインの設定不備

企業や学校のExchangeアカウントでよく見られるケースとして、サーバー設定やドメイン管理者側のポリシーが新しいOutlookアプリに適切に反映されていない場合があります。特にオンプレミス環境のExchangeやハイブリッド環境だと、証明書やポート設定、ドメイン自動検出(Autodiscover)の設定ミスなどが原因でエラーを起こすことがあります。

具体的な解決策と手順

ここからは、実際の解決に向けたアプローチを具体的に解説していきます。複数の方法があるので、上から順に試してみるのがおすすめです。

1. 代替メールアドレス・電話番号などセキュリティ情報の再設定

1) Microsoftアカウントのセキュリティページにアクセスし、登録されている代替メールアドレスや電話番号を確認します。
2) 古い情報(アクセスできなくなったメールアドレスや使用していない電話番号など)が登録されていたら削除し、現行で利用可能な情報を改めて追加します。
3) 新しく追加した代替メールアドレスや電話番号宛に送られてくるコードで本人確認を完了させます。
4) その後に新Outlookアプリを起動して、問題のアカウントを追加し直してみます。

この作業によって、認証プロセスが再トリガーされ、詰まっていた認証が改めて実施されます。特に二段階認証(多要素認証)を有効にしている環境では効果が高い方法です。

2. ブラウザ(Edgeなど)で先にWeb版Outlookにサインインする

1) まずはPCのデフォルトブラウザ(通常はMicrosoft Edge)を開き、Outlook on the webやMicrosoft 365ポータルサイトにアクセスして、問題のアカウントでサインインを済ませます。
2) ここで二段階認証のプロセスがあれば確実に完了し、メール画面などが正常に表示される状態にします。
3) ブラウザのタブを開いたままにしておき、新Outlookアプリに戻って同じアカウントを設定します。
4) もし既定(デフォルト)のアカウント設定が別のアカウントであれば、一時的に問題アカウントを既定に変更してみるのも手です。

ブラウザで正常にサインインできていれば、Outlookアプリ側の認証も同じセッション情報を参照しやすくなります。認証要求があってもスムーズに反映され、「Reload」を何度押しても変化がない状態から抜け出せる可能性が高まります。

3. 古いOutlookや他のメールクライアントの設定を削除・無効化

1) [スタート]→[設定]→[アプリ]の順に進み、古いバージョンのMicrosoft OfficeやOutlook(Outlook 2016や2019など)が残っていないか確認します。
2) もし不要ならアンインストールし、新しいOutlookアプリと競合しない状態にします。
3) 他社製のメールクライアント(Thunderbirdなど)で同じアカウントを設定している場合も、いったん削除や無効化を試してみます。
4) その後PCを再起動し、新Outlookだけでアカウント追加をテストしてみます。

Officeソフトを複数バージョン同時に利用すると、レジストリやメールプロファイルが複雑化して不具合の原因になることがあります。必要な場合を除き、古いバージョンのOfficeやOutlookはアンインストールするのがおすすめです。

4. Microsoftアカウントのパスワード有効期限・ポリシーの確認

1) 企業や学校のActive Directory(AD)やExchange環境であれば、パスワードの有効期限が設定されているかもしれません。期限切れだと認証が正常に行われません。
2) パスワードは定期的に変更が求められる場合もあるため、管理者または自身でパスワードリセット手続きを行います。
3) 個人のMicrosoftアカウントの場合も、パスワードを数カ月以上変更していなかったら、一度リセットしてみるのがおすすめです。
4) パスワードを更新後、新Outlookアプリで再度アカウント追加を試してみます。

5. Exchange / IMAP / POP設定を手動で確認する

特に企業や学校ドメインでExchangeを使っている場合、Autodiscoverの設定が正常に行われていないと新Outlookアプリがサーバー情報を取得できず、認証で失敗してしまうことがあります。また、プライベートアドレスでIMAPやPOP接続を使用している場合は、サーバー情報を手動で入力してみましょう。

主なサーバー設定一覧の例

以下はMicrosoftアカウント(@outlook.comなど)のIMAP設定例です。Exchangeの場合は組織ごとのサーバーアドレスを確認してください。

項目設定例
受信サーバー(IMAP)imap-mail.outlook.com
受信ポート993 (SSL/TLS)
送信サーバー(SMTP)smtp-mail.outlook.com
送信ポート587 (STARTTLS)
認証方式SPA(利用可能な場合)または通常のパスワード認証

6. 複数アカウントを併用している場合の注意点

– @outlook.comのアカウントを複数持っている場合、それぞれのセキュリティ設定が異なる可能性があります。
– 片方のアカウントでうまくいっているからといって、もう片方のアカウントも必ずうまくいくとは限りません。
– 企業や学校のExchangeアカウントと個人用のMicrosoftアカウントを併用する場合は、ドメイン管理者のポリシーが影響するケースもあります。

もし特定のアカウントだけがエラーを起こすなら、そのアカウントのセキュリティ設定や管理者ポリシーを個別に確認してみましょう。

トラブルシューティングのための追加ステップ

各種対処法を試しても問題が続く場合、さらに次のようなアプローチを検討してみてください。

1. Windowsの資格情報マネージャーをクリアする

Windowsには「資格情報マネージャー」という機能があり、各種アプリやサービスのサインイン情報がキャッシュされています。このキャッシュが破損していると、認証エラーを引き起こす可能性があります。

  1. [スタート]ボタンを右クリック→[検索]で「資格情報マネージャー」と入力し起動
  2. [Windows 資格情報]タブを開き、該当するMicrosoftアカウント情報があれば一旦削除
  3. PCを再起動後、新Outlookで再度アカウントを追加し、パスワードや二段階認証をやり直す

2. 一時的にウイルス対策ソフトやファイアウォールをオフにする

セキュリティソフトがOutlookやブラウザからの通信をブロックしている場合があります。あくまでも一時的な手段としてウイルス対策ソフトやファイアウォールをオフにし、Outlookでアカウント追加できるかテストしてみましょう。
ただし、セキュリティリスクを伴うので、テストが終わったら速やかに再度オンにすることを忘れないでください。

3. Group Policy(グループポリシー)や組織ポリシーを確認

企業や学校のPCの場合、管理者が設定しているGroup Policyで新しいOutlookアプリやクラウドサービスへのアクセスを制限している可能性があります。管理者ポリシーと競合すると、認証の途中でエラーになるケースがあります。IT担当者や管理者に確認してみてください。

4. プロファイルを再作成する(Mail Profiles)

Windowsの[コントロール パネル] → [メール(Microsoft Outlook)]から新規プロファイルを作成し、Outlookのユーザープロファイル自体を再構築する方法もあります。旧Outlookのプロファイルと競合している場合に効果的です。

手順イメージ:
1) [コントロール パネル] → [ユーザー アカウント] → [メール]を開く
2) [プロファイルの表示] → [追加]から新しいプロファイル名を入力
3) 新しいプロファイルでアカウントを最初から設定する
4) 新Outlookにもそのプロファイルが反映されるので、認証エラーが解消されるか確認

解決しない場合の最終的な確認ポイント

ここまでの手順を試しても認証エラーが続く場合、以下の点も合わせてチェックすると問題解決の糸口が見つかるかもしれません。

  • アカウント管理画面(企業や学校の場合は管理ポータル)でアカウントが無効化されていないか
  • ライセンスやサブスクリプションの状態(特にMicrosoft 365 BusinessやEducationプラン)
  • 組織のセキュリティポリシーや条件付きアクセス(条件付きMFAなど)が厳格に設定されていないか
  • Exchange Online Protectionやスパムフィルタなど、メールフローに関係するサービスがブロックしていないか
  • 企業VPNやネットワークプロキシ設定がOutlookの通信を妨害していないか

最終的には、企業や学校のIT部門に問い合わせる、またはMicrosoftサポートにチケットを発行して詳細調査を依頼するのが確実です。

まとめ

新Outlookを使っているときに「Authentication or initialization failed. Click Reload to try again」というエラーが表示されるのは、多くの場合セキュリティ情報の不備やブラウザとOutlookアプリの連携不具合、あるいは古いOutlookとの競合が原因であることが多いです。
まずは、Microsoftアカウントの代替メールアドレスや電話番号を最新の状態にし、認証を再トリガーすることが大切です。また、Edgeなどブラウザで事前にサインインを行ってからOutlookアプリの設定をやり直すとスムーズに認証されるケースも多く報告されています。
加えて、古いOutlookをアンインストールしたり、資格情報マネージャーやメールプロファイルをクリアにするなど、問題の“残骸”を取り除くことでエラーを回避できることがあります。企業や学校のExchangeアカウントを使用している場合は、IT管理者にExchangeサーバーやGroup Policy設定を確認してもらうと良いでしょう。

ぜひ本記事で紹介した手順を上から順番に試してみてください。認証エラーが解消し、快適に新Outlookを使えるようになることを願っています。

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