普段からMicrosoft 365を活用していると、使い慣れた日付形式が突然変わってしまうと戸惑ってしまいますよね。特に新しいOutlookでは、デフォルト設定やプレビュー版特有の仕様によって、思い通りの形式に設定できないことがあるかもしれません。しかし、きちんと手順を踏めば、従来どおりのDD/MM形式にそろえることが可能です。今回は、その具体的な手順や注意点を詳しく解説していきます。
新しいOutlookで起こりがちな日付形式の問題とは
新しいOutlook(プレビュー版やWeb版を含む)を使用していると、既存のMicrosoft 365全体の設定やOSの地域設定などとは別の日付形式が表示される場合があります。たとえば、Office 365(現Microsoft 365)の管理センターや個人のアカウント設定で「DD/MM」(例:25/02)を選択していても、新しいOutlookのカレンダーや受信トレイでは「DDDD MM/DD」のように表示されてしまうという現象です。
この問題の背景には、以下のような要因があります。
- 新しいOutlookが従来のOutlook(デスクトップ版や以前のWeb版Outlook)とは別の設定管理を行っている
- OSレベル(Windows/Mac)の地域情報よりも、新しいOutlookの個別設定が優先されてしまう
- プレビュー版特有の不具合、あるいはキャッシュが原因で設定が正しく反映されない
こうした原因をしっかり把握した上で、正しい設定手順を行うことが重要です。
Office 365(現Microsoft 365)とOutlookの設定の仕組み
Microsoft 365のサービス全体では、アカウントごとに言語や地域を設定できます。一方でOutlookは、Outlook自体の言語設定や日付形式の設定を持ち、そこにOSやMicrosoft 365側の設定が反映されるという構造です。通常であれば、両者が矛盾なく設定されるのですが、新しいOutlookを導入したときやプレビュー機能を有効化したときは、一時的に設定情報が同期されない場合があります。
既存のOutlook(従来版)と新しいOutlookの比較
項目 | 従来版Outlook | 新しいOutlook |
---|---|---|
日付形式の取得元 | 主にOS地域設定+Microsoft 365アカウント設定を参照 | 個別に言語/時刻設定を保持。場合によってはOSとは別管理 |
設定画面の場所 | 「ファイル」→「オプション」→「言語」など | Outlook上部の歯車(設定)→「一般」→「言語と時刻」 |
優先度 | OSまたはMicrosoft 365管理センターの設定が最優先 | 新しいOutlook側の個別設定が優先されるケースが多い |
この表からも分かるように、新しいOutlookは従来版Outlookとは異なるポイントが多々あります。既存の設定を継承していると思いきや、プレビュー版を導入した段階で独立した設定が優先されてしまうのです。そのため、従来のOutlookだけで設定を変更しても、新しいOutlookには反映されないというケースが起こり得ます。
日付形式をDD/MMに変更するための手順
では実際に、日付形式を「DD/MM」へ変更するための具体的な手順を見ていきましょう。以下の方法は、新しいOutlookをブラウザやアプリとして利用している場合に有効です。
1. 新しいOutlookの言語と時刻設定を開く
- Outlookの画面右上、または左上付近にある歯車アイコン(設定)をクリック
- 表示されるメニューから「一般(General)」もしくは「全般」の項目を探し、「言語と時刻(Language and time)」を選択
- 言語、日付形式、時刻形式、タイムゾーンの各項目を確認して、適切な設定(例:言語=英語(英国)または日本語、日付形式=DD/MMなど)を選択
- 変更内容を確認し、「保存(Save)」ボタンをクリック
補足:表示されるメニュー項目が異なる場合
新しいOutlookのバージョンや提供形態によっては、設定画面のレイアウトが変わっていることがあります。プレビュー版を利用している場合、随時UIが更新されるため、メニューの名称がやや異なる可能性があります。もし項目を探しても見つからないときは、画面内検索(Ctrl+F など)を活用するとスムーズです。
2. OS(WindowsやMac)の地域と言語設定を確認
新しいOutlookの個別設定を変えても問題が解決しない場合は、OSの地域設定や言語設定を再確認してみましょう。
Windowsの場合
- 「スタート」ボタンをクリックし、「設定(歯車アイコン)」を開く
- 「時刻と言語」または「地域と言語」を選択
- 表示される画面で、希望する地域(例:イギリス、オーストラリア、日本など)を選択し、日付や時刻の形式がDD/MMを使用するか確認
Macの場合
- 「システム設定(またはシステム環境設定)」を開く
- 「言語と地域」をクリックし、地域を英語(英国)などDD/MM形式を採用している国に設定
- 「詳細」や「カスタマイズ」ボタンから日付や時刻の表示形式を変更できる場合もあるので、必要に応じて調整
OS側でDD/MM形式を想定した設定にしておくと、新しいOutlookの表示に反映されやすくなります。とはいえ、新しいOutlook特有の仕様で個別設定が優先される場合もあるので、併せて確認が必要です。
3. Microsoft 365(Office 365)のグローバル設定を確認
新しいOutlookだけでなく、Microsoft 365の管理センターやユーザープロファイル設定においても、言語と地域が適切に設定されているか確認しましょう。
- ブラウザでMicrosoft 365ポータル(https://office.com など)にアクセスし、サインイン
- 右上のプロフィールアイコンをクリックし、「アカウントの表示」を選択
- 「言語と地域」や「地域の設定」といった項目を開き、希望する地域/言語/日付形式がDD/MMとなるように設定
一般的には、Microsoft 365アカウント設定でDD/MMを選択すると、OutlookだけでなくSharePointやOneDriveなども同じ形式で表示されるようになります。ただ、新しいOutlookは独立した設定管理を持つため、重複して変更する必要があることに注意しましょう。
4. 変更が反映されないときの対処法
すべての設定を整えても「まだDD/MM形式にならない…」という場合は、以下の方法を試してみてください。
- ブラウザのキャッシュ削除
新しいOutlookをWeb版で利用している場合、ブラウザのキャッシュが古い情報を保持している可能性があります。キャッシュを削除し、再度Outlookにアクセスして設定が反映されるか確認してみましょう。 - Outlookを一度サインアウトし、再サインイン
Microsoft 365のポータルからサインアウトし、再びサインインすることで設定情報が再同期されることがあります。 - ブラウザまたはアプリを再起動
プレビュー版やテスト版を利用していると、ときに再起動を挟むまで設定が反映されにくいケースが見受けられます。一度アプリやブラウザを閉じて再度立ち上げてください。 - PowerShellでWindowsの地域情報を強制再設定
Windows環境の場合、地域情報がなかなか正しく反映されないことがあります。以下のようなPowerShellコマンドで強制的に再設定を行う手もあります。
# システムのカルチャ(地域情報)を確認
Get-Culture
# 新しいカルチャ(例: en-GB)を設定する
Set-Culture -CultureInfo "en-GB"
# 設定が反映されたか確認
Get-Culture
ただし、組織のポリシーによってPowerShellの実行が制限されている場合があるので、管理者に相談の上で実行してください。
トラブルシューティングと注意点
トラブルシューティング
- すべての端末で同じ動作をするわけではない
Windows PCとMac、ブラウザ版とデスクトップ版といった環境差がある場合、すべて同じ手順で統一できるとは限りません。特にデスクトップ版OutlookとWeb版Outlook(新しいOutlook)では表示設定が分離している可能性が高いので、各端末やアプリで同様の設定を行ってください。 - 一部のアドインや拡張機能が原因の場合
まれに、サードパーティー製のアドインや拡張機能が表示フォーマットに影響を与えていることがあります。アドインの設定画面から日付の形式が強制変更されていないかチェックしましょう。 - 内部カレンダーの同期不具合
新しいOutlookのカレンダーと従来のOutlookのカレンダーで何らかの同期不具合が生じている場合、日付形式が異なる可能性があります。同期設定を確認し、問題があれば一度同期を解除し再設定してみるのも手です。
注意点
- 個別アカウントの権限で操作できない場合、テナント管理者(管理センター)側での設定変更が必要となることがある
- 現在プレビュー版の機能を利用している場合、仕様が予告なく変更されるリスクがあるため、定期的にドキュメントを参照する
- 表示形式をDD/MMにしたい場合、言語設定は英語(英国)などにすることが多いですが、その際にUIが日本語から部分的に英語になる可能性がある
よくある質問とその回答
Q1. 日本語表示のままDD/MM形式にしたい場合はどうすれば?
A. 新しいOutlookの「言語と時刻」設定で「言語:日本語」「日付形式:DD/MM」といった組み合わせをサポートしている場合は、該当するオプションを選択してください。ただし、地域が日本(ja-JP)として認識されるとMM/DDが優先される場合もあるため、必要に応じて「言語:英語(英国)」を選択し、その上でUI言語を日本語に戻す、といった工夫が必要です。
Q2. Exchange Onlineや管理センターで設定しているのに反映されないのはなぜ?
A. 新しいOutlookは、Exchange Onlineの設定やMicrosoft 365の管理センターの設定とは別のプロファイル設定を用いることがあります。まずは新しいOutlook内の「一般 > 言語と時刻」で直接日付形式を変更し、それでも反映されない場合に全体管理者の設定を見直す、という順序を試してください。
Q3. プレビュー版から正式版に移行したらまた設定をやり直す必要がありますか?
A. 正式版に移行する際に設定が引き継がれる場合が多いですが、場合によってはキャッシュのリセットやバージョン切り替えのタイミングで設定が初期化されることがあります。プレビュー版から正式版に移行後も再度日付形式を確認し、必要に応じて調整するのが安心です。
まとめ:新しいOutlookの日付形式を正しく統一しよう
新しいOutlookで日付形式が思うように変更できない問題は、設定箇所が分散していることが大きな原因です。従来のOffice 365(現Microsoft 365)の管理センターだけで完結すると思いきや、新しいOutlook固有の設定が優先されるため、双方をきちんと確認・調整しなければなりません。
DD/MM形式を導入するポイントは以下のとおりです。
- 新しいOutlookの「言語と時刻」設定で日付形式をDD/MMに指定
- 必要に応じてOS(Windows/Mac)の地域設定や言語設定もDD/MMが有効になるよう再確認
- Microsoft 365アカウントの「地域と言語」でもDD/MMを指定しておく
- 設定反映されない場合は、ブラウザキャッシュのクリアや再サインインを試す
上記手順を丁寧に行えば、新しいOutlookでもDD/MM形式を安定して使えるようになります。カレンダー表示やメール一覧表示が混在して混乱してしまう前に、ぜひ一度ご自身の環境やアカウント設定を改めて点検してみてください。
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