急にOutlookのデータファイル追加でエラー0x80070002が出ると、一瞬何が起こったのか分からなくなりますよね。とくにOneDrive上のPSTファイルを操作していた場合、ファイルの同期トラブルや破損リスクが高まるため、対処方法をきちんと押さえておくことがとても大切です。
Outlookで0x80070002エラーが発生する背景
Outlookでは、メールデータを保存するためにPSTファイルを使用することがあります。Office 365(現Microsoft 365)のサービスを利用している方のなかには、OneDriveと併用してデータをクラウド管理しているケースも多いでしょう。しかし、PSTファイルは常に更新される可能性が高いファイルであり、クラウドストレージとの同期がうまくいかず破損やエラーが起きやすいという注意点があります。ここで発生する代表的なエラーの一つが「0x80070002」です。
エラーが発生したときの主な症状
- 新規のメールアカウントを追加しようとすると「0x80070002」エラーが表示される
- メールアカウントが既存のメインアカウントに統合されてしまい、独立したメールアカウントとして追加できない
- Outlookの動作が極端に遅くなったり、フリーズするケースもある
考えられる原因
- クラウド上でのPSTファイル運用リスク: PSTはサイズが大きく変更頻度が高いため、OneDriveや他のクラウドストレージと同期させると破損しやすい
- ファイル自体の破損: ダウンロードや同期が途中で途切れるなどしてPSTファイルが正しく読み込めない状態になっている可能性
- OutlookまたはWindows OSの一時的な不具合: システムファイルやレジストリの問題、Windowsアップデートとの競合などが起因
PSTファイルをOneDrive上で運用するリスクと対策
PSTファイルをクラウドに置いておくと、いつでもアクセスできて便利な反面、大きなトラブルに見舞われるリスクも高くなります。Microsoft公式でも、PSTファイルをOneDriveやSharePointに直接置いて使うことは推奨していません。下記のような理由が挙げられます。
同期トラブルの発生率が高い
クラウドとローカルを同期する際、少しの通信エラーやネットワークの切断があっただけでも、書き込み中のPSTファイルが正常に更新されないことがあります。その結果、ファイルが壊れてOutlookで開けなくなったり、エラーが出やすくなったりします。
アクセス権の問題
複数のデバイスで同じPSTファイルを扱う場合、同時アクセスによる競合が起こる可能性があります。Outlookは常時PSTファイルにアクセスするため、ファイルの読み書きで競合が発生すると深刻なエラーが生じることがあります。
クラウド上での自動保存の誤作動
OneDriveなどのクラウドストレージは、ファイルの変更を検知すると自動でアップロードします。PSTファイルの内容更新は断続的・大容量になる場合が多いため、アップロードが頻発し、結果としてファイルが正しく同期されない恐れがあります。
ローカル保存との比較表
以下の表は、PSTファイルをローカルディスクに保存した場合とOneDrive上に保存した場合を比較したものです。便利さとリスクの両面をチェックして、運用を考えるときの参考にしてください。
項目 | ローカル保存 | OneDrive上に保存 |
---|---|---|
メリット | ・高速アクセス ・通信エラーの影響なし | ・どこからでもアクセスできる ・端末故障時にも復旧が容易 |
デメリット | ・PCの物理障害に注意 ・バックアップを別途要する | ・同期エラーのリスク ・ファイル破損の可能性が高い ・Microsoft公式非推奨 |
推奨される運用 | ・Outlookで常用するファイルはローカルに置く | ・長期保管や二次バックアップ目的にとどめる |
エラー0x80070002の発生リスク | 低 | 高 |
エラー0x80070002を解消するための具体的手順
ここからは、実際にエラー「0x80070002」に直面したときに試すべき解決策を段階的に紹介します。手間があまりかからない順に並べていますので、ぜひ順番に取り組んでみてください。
1. PSTファイルをローカルにダウンロードしてから追加する
まず最も簡単で効果的な方法は、OneDrive上にあるPSTファイルを一度ローカルへコピーし、Outlookに追加し直すことです。
- OneDriveの同期フォルダから対象のPSTファイルを別のローカルディスク(Cドライブ直下など)にコピー
- Outlookを起動し、「ファイル」→「開く/エクスポート」→「Outlookデータファイルを開く」を選択
- 先ほどコピーしたPSTファイルを指定して開く
- 正常に読み込まれるか確認する
もしエラーが表示されなくなった場合は、クラウド上にあるPSTを直接扱わないようにし、ローカルをメインに運用しましょう。そのうえで必要に応じて定期的にバックアップをクラウドに保存する方法に移行するのがおすすめです。
2. 破損したPSTファイルを修復する
ローカルにコピーしてもOutlookで開けない、または相変わらずエラーが出る場合は、PSTファイル自体が破損している可能性が考えられます。Outlookには「受信トレイ修復ツール(scanpst.exe)」という修復ツールが付属しており、破損したPSTを修復できる場合があります。
修復ツール(scanpst.exe)の実行例
通常、scanpst.exeは下記のようなパスに格納されています。Officeのインストール状況やバージョンによって場所が異なる場合もあるため、該当パスに無い場合はエクスプローラーで検索してください。
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16\SCANPST.EXE
実行手順としては、以下の流れになります。
- Outlookを終了する
- scanpst.exeを起動する
- 修復対象のPSTファイルを指定する
- 「開始」ボタンをクリックしてスキャンを実行
- 修復が必要な場合は「修復」ボタンが有効になるのでクリック
- 修復完了後、Outlookを再度起動してPSTファイルを開けるか確認
このツールで修復が可能な範囲は限られますが、軽度の破損であればエラーが解消されることが多いです。
3. Windows OSの修復(システムファイル修復)を試す
PSTファイル自体に問題がない場合でも、Windowsのシステムファイルが何らかの理由で破損し、Outlookと連携する際に不具合が発生しているケースがあります。そのような場合は、OSの組み込みコマンド「SFC」や「DISM」を利用してシステムの修復を試みるとよいでしょう。
システムファイルチェック(SFC)の実行例
コマンドプロンプト(管理者として実行)やPowerShellで、以下のコマンドを入力します。
sfc /scannow
このコマンドは、システムファイルの整合性をチェックし、破損したファイルがあれば自動修復を行います。完了までに数分から数十分かかる場合があります。
DISMコマンドを用いた更なる修復
SFCで問題が解決しない場合は、以下のようにDISMコマンドを実行してWindowsイメージを修復する方法があります。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
このコマンドにより、Windowsのシステムイメージが破損している場合にオンラインで修復が試みられます。修復が完了した後は念のため再起動し、もう一度「sfc /scannow」を実行して整合性チェックを行ってみてください。これらの操作でシステムが安定し、Outlookのエラーが解決することがあります。
上手なOneDriveとOutlookの併用方法
それでも「どうしてもPSTファイルをクラウドに保存して運用したい」という方もいるかもしれません。しかし、その場合はMicrosoft公式が推奨する形での運用を考える必要があります。
アーカイブ用としての利用
PSTファイルをリアルタイムに更新し続けると、前述の通り破損リスクが跳ね上がります。そこで、いったんローカルに保存して安定的に運用した後、定期的にOneDriveへバックアップとしてアップロードするといったやり方がおすすめです。必要な時だけクラウドからダウンロードし、操作が終わったら再びアップロードするという方法なら、同期中のトラブルを最小限にできます。
使用中のPSTファイルは常にローカル運用
Outlookを起動中は常にPSTファイルにアクセスし続けるため、その間にOneDriveが自動で同期しようとすると競合が起こりやすくなります。リアルタイムで稼働中のPSTファイルはローカルにのみ置くようにし、クラウド上での編集は避けるのが安全です。
トラブル回避のための運用ヒント
最後に、今回のような「0x80070002」エラーをはじめ、OutlookとPSTファイルにまつわるトラブルを未然に防ぐための運用ヒントをまとめます。
定期的なバックアップの実施
仮にローカルのみで運用していても、突然のハードディスク故障などでデータが失われる可能性があります。週1回など、定期的に外部ディスクやNAS、クラウドにバックアップを取ることが重要です。
Outlookのデータ削除とアーカイブ運用
PSTファイルのサイズが大きくなりすぎると、エラーが発生しやすくなります。不要なメールや添付ファイルを定期的に削除し、アーカイブ機能を活用して古いデータを別のPSTにまとめるといった運用も効果的です。
バージョンアップとパッチ適用
OutlookやWindows自体のバージョンが古いままだと、修正済みの不具合が改善されずに放置されることがあります。Microsoft 365アプリやWindows Updateで常に最新の状態に保ちましょう。
まとめ
OneDrive上に置いたPSTファイルをOutlookに追加しようとした際に発生する「0x80070002」エラーは、主にファイル破損や同期トラブルが原因で起こりがちです。まずはPSTファイルをローカルに保存し、Outlook付属の受信トレイ修復ツールでファイルをチェックしてみるのが解決への近道です。さらにWindows OSのシステムファイル修復を実行することで、複合的な問題が解決する可能性も高まります。
しかし、そもそもPSTファイルのように常時書き込みが行われるデータをクラウド上で運用するのはリスクが大きいのも事実です。Microsoft公式も推奨していない方法なので、バックアップ目的であればクラウドを活用しつつ、日常運用はローカルを主軸にするのが安心です。ぜひ今回紹介した対策を参考にして、OutlookとOneDriveをストレスなく併用できる環境を築いてください。
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