新しいOutlookで既定フォントカラーを自由に設定する方法と今後の展望

Microsoftが提供するメールアプリ「Outlook」は多くのビジネスパーソンにとって欠かせない存在です。しかし最近登場したプレビュー版の新しいOutlookでは、既定のフォントカラーにカスタム色を設定できないという悩みの声が上がっています。メール作成時の配色はコミュニケーションを円滑にする要素のひとつだけに、解決策を探すユーザーが急増中です。

新しいOutlookにおけるフォントカラー設定の現状

新しいOutlook(プレビュー版)がリリースされると、多くのユーザーが従来のOutlookと同様の操作を期待していました。ところが実際に蓋を開けてみると、返信や新規メール作成時に既定のフォントカラーを自由に設定できないという制限があることが判明しました。とくに「標準色以外の色を使いたい」「濃い黒や濃い赤などをデフォルトにしたい」と望んでいる人にとっては、大きな不便を感じる仕様です。

従来のOutlookと新しいOutlookの違い

旧Outlookでは、オプション設定からフォントや色、フォントサイズなどを細かく指定し、既定値として保存できました。しかし新しいOutlook(プレビュー版)においては、フォント設定項目自体は存在するものの、「標準色」のみが既定選択候補として用意されており、自分で作成したカスタム色を既定に設定しておく機能が見当たりません。

  • 旧Outlook:フォントスタイルや色の柔軟な設定が可能
  • 新Outlook(プレビュー版):標準色のみ既定に設定可能、カスタム色は毎回手動

これにより「メールを作成するたびにフォントカラーを再設定しなければならない」という手間が発生しています。

なぜカスタム色が重要なのか

ビジネスシーンでメールを送る際のフォントカラーは、読みやすさや印象を左右する重要な要素です。たとえば以下のようなケースが考えられます。

  1. 特定の部署や部門で「黒に近いダークグレー」を企業規定で使う
  2. 複数のクライアントを抱えるフリーランサーが、クライアントごとに文字色を変えて印象を差別化する
  3. 重要な項目を強調するために、標準色にはない微妙な赤色を使用したい

しかし新しいOutlookでは、これらのカスタム色を一括設定しておくことができないため、ユーザーが日常的に使いづらさを感じています。

暫定的に考えられる対処法

機能そのものがまだ実装されていない場合でも、いくつかの回避策を試すことは可能です。ただし根本的な解決策とは言い難いため、あくまでも暫定的な処置として利用することが前提になります。

1. 標準色の中で最も近い色を既定とする

希望する色が標準色にない場合でも、ある程度近い色を既定フォントカラーとして設定しておくことで、手動の変更回数を減らすことができます。たとえば「ほんの少し明るい黒」を使いたい場合は、標準色の中の濃いグレーや黒系を選択し、必要なときだけ微調整する、といった使い方です。

しかしながら、完全に自分好みの色とはいかないため、ブランドカラーや厳密な色指定が必要な場面では適さないのが難点です。

2. メールを作成するたびにカスタム色を適用

もっとも確実な対処法は、メール作成時・返信時に都度カスタム色を手動で選ぶ方法です。時間と手間はかかりますが、カラーコードを正確に設定すれば、必要な色を正確に反映することができます。特にHTML形式でメールを作成している場合、以下のようにメールのソースコードを直接編集することで色指定するという方法もあります。

<!-- 新しいOutlookでソース編集が可能な場合の例 -->
<span style="color: #ff0000;">ここにテキストを入力</span>

上記のようにタグに直接カラーコードを記述すれば、Outlookの色選択画面を使わずとも任意の色を再現できます。ただし、新しいOutlookの仕様変更によってソースの直接編集が制限されている可能性もあるため、環境によっては使えない場合があります。

3. 旧Outlookに戻す

プレビュー版から一時的に旧Outlookへ切り替えるオプションが許されている環境であれば、面倒を回避する一番簡単な方法は「旧Outlookを使い続ける」ことです。旧Outlookでは従来通り、カスタム色を含むフォントカラーを既定に設定できます。

ただし、組織によっては新機能を積極的に試すポリシーがあったり、管理者が新しいOutlookの使用を推奨・強制している場合もあるので、すべてのユーザーが自由に旧版へ戻せるとは限りません。また、新しいOutlookが今後正式リリースされる際には、旧Outlookのサポート終了がアナウンスされる可能性もあるため、長期的には対策が必要です。

カスタム色とカラーコードの扱い

メール作成において色を正確に表現するためには、カラーコード(HEX, RGBなど)を活用するのが一般的です。以下はよく使用されるカラーコードの一例です。

色名HEXコードRGB値用途例
#000000rgb(0,0,0)本文の標準色
濃い赤#8B0000rgb(139,0,0)警告や注意書きに
濃い青#00008Brgb(0,0,139)強調表示の一部
濃いグレー#333333rgb(51,51,51)落ち着いたテキスト

このようなカラーコードを都度指定すれば理想の色を正確に再現可能ですが、新しいOutlookでは毎回手動で指定しなければならない点が不便です。もしHTML形式でテンプレートを作成しておく余地があるのであれば、スニペットや署名のテンプレートにあらかじめカラーコードを仕込んでおき、使いまわす工夫も考えられます。

今後のアップデートに対する期待と展望

Microsoftは常にユーザーからのフィードバックを重視し、Outlookも定期的にアップデートを重ねています。新しいOutlook(プレビュー版)はまだ完成形ではないため、ユーザーの声をもとに機能が拡張されていく可能性が十分にあります。具体的には以下のルートで新情報を得るとよいでしょう。

  • Microsoft 365 ロードマップ: 新機能や改良予定のリストが常時更新される
  • Outlook公式ブログ: 製品チームからの最新アップデート情報や実装予定機能のアナウンスがある
  • コミュニティフォーラム: ユーザー同士での情報交換や要望共有が活発に行われる

ユーザーからの要望が多ければ多いほど、より早く実装される可能性が高まるため、不便を感じたらフィードバック機能やフォーラムで意見を伝えるのも一つの方法です。

検討される機能追加の方向性

Microsoftが今後考えそうな方向性としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. カスタム色を既定に設定する機能の実装: 設定画面に「カスタム色を追加」「カスタム色を既定に保存」するオプションが追加される可能性
  2. テーマ単位でのカラーパレット管理: Outlook全体のテーマに合わせて、ユーザー定義のパレットを使えるようにするアプローチ
  3. TeamsやWordなど他アプリとの連携: Microsoft 365のアプリ間でカラーパレットを統一する構想も考えられる

いずれにせよ公式発表があるまでは推測の域を出ませんが、旧Outlookでできていた機能が完全に廃止されるとは考えにくく、プレビュー期間を経て実装される可能性は十分あると見る向きが多いです。

青色が既定になってしまう不具合への対処

新しいOutlookでメールのフォントがなぜか青色になってしまう、というケースも散見されます。これは新しいOutlookのテーマ設定や標準色の挙動によるものとみられます。たとえば、ダークモードで表示するときにはテキスト色が自動的に調整される場合があり、意図せず青系統の色合いで表示されることがあります。

対処法の一例

  • テーマ設定を変更する: Outlookの「テーマ」または「背景とデザイン」などの項目で変更を行い、通常モードに戻す
  • フォント色を再指定: 既定が青になっている場合は、メールを開いた段階で黒にするなど、都度再指定
  • プレビュー版特有の不具合を報告する: 明らかにバグである可能性もあるので、Microsoftにフィードバックとして送信する

併用できる設定やテクニック

メールのフォントカラー問題以外にも、生産性を下げないために工夫しておくべきポイントがあります。せっかく新しいOutlookを使うなら、他の機能面も活用したいところです。

署名の活用

Outlookでは「署名」に装飾を入れられます。たとえば、会社名や連絡先を常に特定の色で表示したい場合、署名にHTMLタグで色指定をしておけば、毎回手動で色を設定する手間を省略できます。ただし本文全体には署名の色設定が影響しないため、完全な解決策ではありませんが、一部の要素を省力化できるメリットはあります。

Quick Partsやテンプレートの活用

Outlookには「クイックパーツ(Quick Parts)」と呼ばれる定型文登録機能があります。ここに予め任意の文字色で作成した文章ブロックを登録しておけば、新規メールや返信のたびにクリック一つで挿入できます。

たとえば次のように準備しておきます。

  1. メール本文で理想の文字色を設定した文章を作成
  2. その文章を選択して「挿入」タブ → 「クイックパーツ」 → 「選択範囲をクイックパーツギャラリーに保存」
  3. 名前をつけて保存する
    これで、新しいメールを作成するたびにクイックパーツから登録した文章ブロックを呼び出すことが可能になります。文字色や書式もそのまま継承されるため、都度カスタム色を指定する手間を大幅に削減できるケースがあります。

ユーザーからのフィードバックが重要

新しい機能の開発サイクルにおいては、ユーザーからのフィードバックがとりわけ重要視されます。Microsoftの製品担当チームは、プレビュー版を通じて機能の評価や不具合報告を受け取り、本リリースに向けた改善や新機能の実装を検討します。

  • Feedback HubUserVoiceなどを活用
  • コミュニティで問題提起する(回答者から回避策やレジストリ変更のヒントが得られる場合も)
  • ソーシャルメディアで拡散し、似たような問題を抱えるユーザー同士での連携を図る

カスタム色の設定は決してニッチな要望ではなく、多くのユーザーにとって生産性やブランドイメージに関わる重要な機能です。だからこそ、強く要望を発信する価値があります。

まとめ:正式機能を待ちながらできること

現時点では、新しいOutlook(プレビュー版)で「カスタム色を既定のフォントカラーに設定する」機能は実装されていません。そのため、ユーザーが理想の色を使いたい場合、以下の対応策を組み合わせる形となります。

  1. 標準色の中から近い色を既定に設定: 完全ではないが変更回数を減らせる
  2. 都度カスタム色を手動で適用: 確実だが手間が増える
  3. 旧Outlookへ戻る: 従来の設定が使えるものの、今後のサポートや新機能を逃す可能性あり
  4. クイックパーツや署名で一部の色をテンプレ化: 効率的に部分的な色指定ができる

今後のアップデートで要望が採用され、正式機能としてリリースされる可能性は十分にあります。それまでの間は暫定的な回避策を取りつつ、Outlookの新機能を試してみるのも一つの手段と言えるでしょう。メールの生産性をいかに高めるかはビジネスの重要課題でもあります。カスタム色の既定設定が復活する日はそう遠くないかもしれませんので、引き続き情報収集とフィードバックを続けることがおすすめです。

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