新しいOutlookのデスクトップショートカットを簡単に作成する方法

Windows環境で新しいOutlookをインストールしたものの、アイコンが見当たらず、デスクトップにショートカットを作成できずに困ってしまう方は少なくありません。スタートメニューからドラッグしても作成できない場合、どのように対処すればよいのでしょうか。本記事では、新しいOutlook(Outlook for Windows)のショートカット問題を解決し、効率的に起動するためのポイントをわかりやすく解説します。

新しいOutlookとは?

新しいOutlook(Outlook for Windows)は、従来のデスクトップ版Outlookとは異なり、Microsoft 365のクラウドサービスとより密接に連携できるよう設計されています。インターフェイスや機能が刷新され、ユーザーエクスペリエンスが向上すると同時に、最新のセキュリティ機能も強化されています。しかし、アプリの設置場所が従来の「Program Files\Microsoft Office」ではなく、Windowsストアアプリの領域「WindowsApps」に格納されるケースが多くなりました。そのため、デスクトップにショートカットを作りたいときに「スタートメニューからドラッグでは作れない」「実行ファイルが見つからない」といった戸惑いが生じやすくなっています。ここでは、新旧Outlookの違いとファイル配置の背景を押さえたうえで、ショートカットを作成するための具体的な方法を詳しく見ていきましょう。

新旧Outlookの違い

従来のOutlook(いわゆるMicrosoft Officeに含まれていたOutlook)は、Officeスイートの一部として「Program Files (x86)\Microsoft Office\root\OfficeXX」などのフォルダにインストールされるのが一般的でした。一方、新しいOutlook(Outlook for Windows)はMicrosoft Store経由で配信されることが多く、Windowsアプリとしての位置づけになります。

  • インストール場所の違い
    従来版OutlookはOfficeスイートと同じフォルダに配置されるのに対し、新しいOutlookは「WindowsApps」という隠しシステムフォルダに格納されます。
  • 起動ファイル名の違い
    従来版は「OUTLOOK.EXE」という名前で起動するのに対し、新しいOutlookでは「olk.exe」など異なる名前で実行ファイルが管理されていることが多いです。
  • クラウド連携の強化
    Microsoft 365アプリの一部として開発が進められており、Exchange Onlineなどのクラウド機能とスムーズにつながるよう設計されています。

WindowsAppsフォルダとアクセス権

WindowsAppsフォルダは、Microsoft Store経由でインストールされたアプリが格納される重要なシステムフォルダです。通常、エクスプローラーで見ようとしてもアクセスが制限されており、管理者権限を持っていても簡単には閲覧できない場合があります。

  • 隠しフォルダの取り扱い
    WindowsAppsフォルダはデフォルトで隠しフォルダになっています。エクスプローラーの表示オプションで隠しファイルおよびシステムファイルを表示する設定にしなければ認識できないことが多いです。
  • アクセス権の問題
    WindowsAppsフォルダには厳格なアクセス制御がかかっており、フォルダを開こうとすると「このフォルダにアクセスする権限がありません」などのメッセージが出る場合があります。フォルダのプロパティから所有権を自分(あるいは管理者アカウント)に変更するとアクセスは可能になりますが、システム重要フォルダへのアクセス変更はリスクを伴うため、操作は慎重に行う必要があります。

「olk.exe」ファイルを探す手順

新しいOutlookをデスクトップからショートカットで起動したい場合、基本的には「olk.exe」という実行ファイルを見つける必要があります。もしWindowsAppsフォルダに直接アクセスして探す場合は、以下の手順でフォルダを開きます。

  1. 隠しファイルの表示を有効にする
    エクスプローラーを開き、[表示] → [表示オプション] → [表示タブ] を選択し、「隠しファイルを表示する」「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示する」にチェックを入れます。
  2. WindowsAppsフォルダを開く
    通常は「C:\Program Files\WindowsApps」に格納されていますが、エクスプローラーで直接クリックするとアクセス拒否されるかもしれません。その場合はプロパティからフォルダの所有権を変更し、閲覧が可能な状態にします。
  3. フォルダ名で検索
    WindowsAppsフォルダ配下には多数のフォルダがあり、名前も「Microsoft.OutlookForWindows_8wekyb3d8bbwe」などバージョンやビルドによって異なります。Outlookolk.exeなど一部文字列で検索をかけると、目的の実行ファイルを見つけやすいでしょう。

見つけた「olk.exe」を右クリックし、コンテキストメニューからショートカットを作成します。ただし、WindowsAppsフォルダ内ではショートカットの作成が制限されている場合があります。その際はデスクトップなど別の場所にコピーしてからショートカットを作成する、または後述の代替方法を試すのがおすすめです。

ショートカット作成方法:基本編

新しいOutlookのショートカットを作成する方法として、最も簡単なのは「olk.exe」コマンドで起動できることを利用して、その実行ファイルへのショートカットを手動で作るやり方です。ここでは、Windowsキー + Rを活用した流れをご紹介します。

Windowsキー + Rからの作成

  1. Windowsキー + Rを押す
    「ファイル名を指定して実行」ダイアログが表示されます。
  2. 「olk.exe」と入力してEnter
    新しいOutlookが起動することを確認します。
  3. デスクトップで右クリック → 新規作成 → ショートカット
    ショートカットウィザードが開きますので、項目の場所に「olk.exe」と入力します。
  4. ショートカットの名前を設定して完了
    たとえば「新Outlook」や「Outlook for Windows」など、わかりやすい名前をつけるとよいでしょう。

こうすることで、Windowsのパス変数が「olk.exe」を認識している場合に直接呼び出す形となり、ショートカットを使っていつでも簡単に起動できるようになります。

エクスプローラーの隠しファイル表示設定

上記の手順では、必ずしもWindowsAppsフォルダを直に開かなくてもショートカット作成が可能ですが、実際にolk.exeの場所を特定したい場合は隠しファイルやシステムファイルの表示を有効にしておくと便利です。

フォルダオプションの変更手順

  1. エクスプローラーを開く
    任意のフォルダを開き、上部メニューから[表示]をクリック。
  2. オプションを選択
    右端にある[表示オプション]または[オプション]をクリックし、[フォルダオプション]ダイアログを開きます。
  3. 表示タブを開く
    「表示」タブにある「隠しファイル、隠しフォルダ、および隠しドライブを表示する」を有効にし、「保護されたオペレーティング システム ファイルを表示しない (推奨)」のチェックを外します。
  4. 警告に同意して設定を反映
    Windowsから警告メッセージが出ることがありますが、内容を理解したうえで適用します。

この設定を行うことでWindowsAppsフォルダを含むシステムフォルダが閲覧可能になりますが、誤操作のリスクも高まるため、用が済んだら元に戻しておくのが無難です。

ショートカット作成の際の注意点

  • 管理者権限
    ショートカット作成そのものは管理者権限でなくても可能ですが、WindowsAppsフォルダへのアクセスやファイル検索には管理者権限が求められる場合があります。
  • 元ファイル名の変更不可
    WindowsAppsフォルダ内のファイルは、システムとストアの仕組みによって管理されているため、実行ファイルの名前を変更するのは基本的に推奨されません。
  • アイコンの混同
    従来のOutlookと新しいOutlookでアイコンが似ている場合があります。ショートカットの名前やアイコンを区別しておくと、誤起動を防止できます。

ショートカット作成方法:応用編

基本的な方法でショートカットが作れない場合や、もう少し高度な方法を用いて自動化したい場合もあるかもしれません。ここではPowerShellを使ったショートカットの作成方法や、アイコンのカスタマイズについて見ていきましょう。

PowerShellでショートカットを自動生成する

PowerShellを使うと、スクリプト上でショートカットを作成し、一括で複数のショートカットを管理することも可能です。例えば企業環境で多数のPCに対して同じショートカットを展開したい場合、グループポリシーやスクリプトと組み合わせると効率が上がります。

PowerShellスクリプト例

以下は、PowerShellでOutlook for Windowsのショートカットをデスクトップに作成する簡単な例です。必要に応じてパスやファイル名を修正してください。

# ショートカットを作成するパス(デスクトップ)
$shortcutPath = "$Env:USERPROFILE\Desktop\NewOutlook.lnk"

# WScript.Shellオブジェクトを作成
$WshShell = New-Object -ComObject WScript.Shell

# ショートカットオブジェクトを生成
$shortcut = $WshShell.CreateShortcut($shortcutPath)

# ターゲット(実行ファイル)をolk.exeに指定
$shortcut.TargetPath = "olk.exe"

# ショートカットの説明やアイコンも必要に応じて設定
$shortcut.Description = "新しいOutlookショートカット"
# アイコンを変更したい場合、フルパスを指定(例:Outlookアイコン)
# $shortcut.IconLocation = "C:\Path\To\YourIcon.ico"

# ショートカットを保存
$shortcut.Save()

このスクリプトをPowerShellで実行すると、デスクトップ上に「NewOutlook.lnk」というショートカットが作成されます。olk.exeがシステムパスとして認識されている環境であれば、ターゲットを直接「olk.exe」に設定するだけで問題ありません。もしパスが通っていない場合は、実行ファイルの絶対パスを指定する必要があります。

ショートカットアイコンのカスタマイズ

ショートカットを作っただけだと標準的なアイコンが割り当てられる場合があります。従来のOutlookと区別をつけたい、あるいはデスクトップをカスタマイズしたいといったニーズがある場合、ショートカットのアイコンを独自のものに変更することが可能です。

  • アイコンファイル(.ico)を用意
    好きな画像をアイコン形式(.ico)に変換しておくか、他のアプリのアイコンファイルを流用します。
  • ショートカットのプロパティから変更
    ショートカットを右クリック → [プロパティ] → [ショートカット]タブ → [アイコンの変更] からアイコンファイルを選択できます。
  • PowerShellスクリプトで指定
    先ほどの例のように$shortcut.IconLocationにICOファイルのフルパスを設定すると、スクリプト実行時にアイコン設定も自動化できます。

よくあるエラーと対処法

新しいOutlookのショートカット作成で躓きやすいエラーや不具合について、いくつか代表的なものと対処法を挙げてみます。

WindowsAppsフォルダにアクセスできない

エラー例
「アクセスが拒否されました」「所有権を取得できませんでした」など

対処法

  • フォルダのプロパティから「セキュリティ」タブを開き、所有権をAdministratorsまたは自分のアカウントに変更する。
  • 変更後に「アクセス許可の変更」を行い、フルコントロールを付与する。
  • 可能であれば、必要な情報だけを取得したら設定を元に戻すのがおすすめです。システムフォルダへのフルアクセスはセキュリティリスクが高まるため注意しましょう。

olk.exeが見つからない

エラー例
「olk.exeと入力してもアプリが起動しない」「検索しても該当ファイルが表示されない」など

対処法

  • Windowsにおける検索インデックス対象外のフォルダの場合、検索機能が働かないことがあります。エクスプローラーで「C:\Program Files\WindowsApps」フォルダ内を直接探すか、PowerShellでGet-ChildItem -Recurse | Select-String 'olk.exe'のように検索を試みると見つけやすいです。
  • 新しいOutlookのバージョンによってはファイル名やフォルダ名が微妙に異なるケースがあります。「OutlookForWindows」「Microsoft.Outlook」など関連しそうな文字列をキーワードにして探してみてください。
  • インストールが正しく行われていない場合も考えられます。一度アンインストールして再インストールしてみるのも手段の一つです。
状況原因対処策
ショートカット作成ができないWindowsAppsフォルダ内はアクセス権が制限されている管理者権限でアクセス権を変更するか代替方法を用いる
olk.exeが見つからないバージョンやフォルダ名が異なる、検索インデックスに含まれないフォルダを直接開く、またはPowerShellで再帰検索する
ショートカット起動後にエラーパスが正しく設定されていないフルパスを指定し直すか、再インストールを検討

便利な活用例

ショートカットを作成するだけでなく、さらに便利に利用するためのヒントをいくつかご紹介します。

タスクバーへのピン留め

デスクトップにショートカットを置いても、タスクバーから素早くアクセスしたいと感じることがあるでしょう。新しいOutlookを起動した状態でタスクバーのアイコンを右クリックし、「タスクバーにピン留めする」を選択すると、次回以降はタスクバーのアイコンをクリックするだけで起動できます。


また、一度デスクトップにショートカットを作成しておけば、そのショートカットをタスクバーにドラッグ&ドロップする方法でもピン留めできるケースがあります。ただし、環境によってはドラッグ&ドロップが動作しない場合があるため、右クリックメニューの「ピン留め」が確実です。

スタートアップに登録

PC起動時に自動的にOutlookを立ち上げたい場合、スタートアップフォルダにショートカットを置くと便利です。

  • スタートアップフォルダの場所
    一般的には「C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup」にあります。
  • ショートカットを配置
    作成したショートカットをこのスタートアップフォルダにコピーするだけで、Windowsログイン直後にOutlookが自動的に起動します。

メールチェックやスケジュール管理をすぐに始めたい方にとって、スタートアップへの登録は時短につながる有効な方法です。

まとめ

新しいOutlook(Outlook for Windows)は、従来のOutlookとは異なるフォルダ構成で管理されており、ショートカット作成の際に戸惑うユーザーも少なくありません。しかし、「olk.exe」という実行ファイルの存在を把握し、WindowsAppsフォルダやアクセス権の仕組みを理解すれば、デスクトップやタスクバー、スタートアップにショートカットを設置できるようになります。

  • 最も簡単な方法:Windowsキー + R →「olk.exe」で起動後、デスクトップ上でショートカットを作る。
  • フォルダを直接操作する方法:WindowsAppsフォルダのアクセス権を調整し、実行ファイルを探して右クリックからショートカットを作成する。
  • 応用方法:PowerShellでスクリプトを組んで自動化したり、独自のアイコンを割り当てたりする。

企業利用や複数台のPC展開、従来版との併用など、さまざまな環境に対応できる柔軟性が新しいOutlookの特徴でもあります。今後さらに機能アップデートが行われる可能性もありますが、基本的なショートカット作成の考え方は大きく変わらないでしょう。ぜひ本記事を参考に、新しいOutlookを快適に使いこなしてみてください。

コメント

コメントする